アリアンです。
今回は、様々な意味で原点回帰をめざし、楽しんで書いていこうと思っています。
また、かなり不定期の更新となる予定となっておりますのでご了承ください。
こうしたほうがいいのではないかというアドバイス等もくださると私は嬉しいです。
人生、どんなことがあるかよくわからない。
この提督のイスに座りながら、そんな思いにとらわれる。
思えば遠くに来たものだ。
高校を卒業したと途端、その日に校門で軍服の一団に拉致され、軍の学校に入学し、そこで三年の間軍の規則・艦の戦術・念のためにと護身術などなど、あれやこれやみっちり叩きこまれた。
正直、理不尽の押収だったが、今では良い思いでだ。
卒業後は町の海域防衛と他海域の維持を務める鎮守府の総司令に召喚(という名の拉致)をかけられた。
奇抜すぎるセンス部屋に連れてこられたと思うとさらに部屋の印象が霞むほどの奇天烈な服装をした人物が登場しよりによって総司令と名乗ったときには、ただただ茫然としたものだ。
そのまま酒で潰され、一方的にその総司令管轄の鎮守府に配属され……。
あれから半年、このイスに座り続けている。
最初の頃こそ一番最初の秘書艦――と言っても一度も変わったことはないが――の信頼を得るのに時間がかかったり、新しい艦娘拾ったり、三年近く会っていなかった姉と再会したりと、色々ありつつも半年過ごすことができた。
ある意味一瞬だった半年でもあったしまだ半年『しか』たってないと言えるがおおむね鎮守府は――
――ドタドタドタドタドタ……ッ!!
(ん?足音?騒々しいなぁ…)
静かな平穏を破るかのような足音に、そんなことを思っていると――。
――バタンッ!
執務室のドアが勢いよく蹴破られ、そこから青みがかった銀色(モイストシルバー)の髪を長髪にしたワンピース風にアレンジされたボディラインにフィットする紺と白のセーラー服、胸元のスカーフを腰まである長いネクタイのようにした少女が飛び込んできた。
この少女こそ、この鎮守府の一番最初の艦娘にして我が秘書艦吹雪型駆逐艦5番艦『叢雲』なのだが――
「チョーイイネ!キックス○ライク、サイコー!!」
何故か飛び込んできた勢いそのままに、某魔法使いのやたらと煩いベルトの掛け声を恥ずかしがりもせずに言い放ち、芸術的なまでに美しい軌跡を描きつつ二度バック転を行い、更にはその勢いを殺すことなく飛び上がりそのまま跳び蹴りをしてきた。
この技を知る人は見た瞬間にこう言い放つだろう。
――最後の希望の魔法使いのストライク○ィザード……と。
「ごぶら!!?」
その飛び蹴りを提督イスに座った状態で顔面に喰らい、その勢いで椅子ごと地面に叩きつけられ、その反動で上空に打ちあがり、更にはまるで漫画のように錐もみ回転しながら窓ガラスをぶち破ってベランダから落下していく。
この一連の出来事の間に、『叢雲の髪をポニーテールにしたらもっと綺麗になるのではないか』――などと頭の隅で考えつつも、目の前に迫るコンクリートの地面をボンヤリと見つめながら、俺は心の中で呟く。
(ああ、今日も鎮守府は平和だな…)
「イテテテテテ…俺じゃなかったら死んでるぞあれ…イテテ」
「はっ。あんたがあれくらいで死ぬなら、あんたはとうの昔に私の酸素魚雷に直撃して死んでるわよ」
突き破って壊してしまった窓の修理を妖精さんに指示を出し、妖精さんが修復をしている務室のイスに座り俺こと
「というか、なんでお前あの仮面の魔法使いの必殺のスト○イクウィザードをあんなに完璧に再現して尚且つあの威力出せたわけ?てか、なぜ知ってたし」
あれは昔あった特撮番組で、今の時代に知ってるのはそうそういないはずなんだが。
「ああ、あれ。前に司令官を起こしに部屋に行ったとき見かけて興味が出たから借りることを許可取って自分の部屋で見て面白かったから印象に残ってたのを勢いに任せてやったらできたのよ」
「自分でもあんなに綺麗にできるなんて思ってなかったわ」などとのたまう叢雲。
「ってマテ!俺の部屋のブルーレ○ディスク持って行ったのお前なのか!?」
あれは俺がずっと見たくてあちこち探してやっとAmazoonで見つけて入手したら見ようとしていたものだ。
なのに何で叢雲が一番最初に見てる。
というか俺は許可なんて出してないぞ!?
「前に起こしに行った時に許可も取ったわよ。『これ借りるわね』『ぐう(いいよ)』って答えてくれたから遠慮なく借りたわ」
「それ俺の寝息だよね!?許可出してないよね俺!今すぐ返しなさい!!神は拙速を尊ぶ!!Harry!Harry!!」
「嫌よ。私後一巻で見終わるからそれを見終えるまでは返さないわよ」
「もうそんなとこまで見てんなら前の返せよ!」
「ま、そんな些細なことは琵琶湖にでも捨てて本題に入りましょ」
「些細でもねえし琵琶湖汚すなよ!?というか本題って何!?」
個人的に些細でないことを琵琶湖に捨てられた挙句本題って何さ!
などと思っていたら叢雲は後ろに般若を幻視するほどの気迫と気配、そしてオーラを纏いながらものすごくイイ笑顔で俺に切り出した。
「司令官、私に内緒で大量の資材を使って何をしてたのかしらねえ」
もう、これ以上ないほど恐ろしい表情と般若が実態を持ちかねないほどの威圧感と存在感に耐え兼ね、俺は白状した。
「61cm四連装(酸素)魚雷を作ろうとして、全てペンギンモドキとワタモドキにしてしまいました!申し訳ございません!!」
「私に一言、言ってから作れえええ!」
体の全体重を乗せるべく踏み込んだ足を軸に体を捻りながら放たれるのは怒りのストレートパンチ。
正確無比に体の中央に打ち込まれた拳は神速の域に到達し、殴られたと認識した時には、すでに直撃した後でありそのまま肉に捻じりこむように腕を回転させることで破壊力を増したソレは俺のレバーを直撃する。
この瞬間に俺は『叢雲の怒りのストレートパンチは世界を狙えると本気で思えるほどに強力だ』――と思いながら俺は声を上げることも出来ずに意識が落ちていった。
殴られた後、覚醒した俺は放送で俺の鎮守府に所属していて出撃していない艦娘をブリーフィングルームに呼び出し、重々しい空気の中開かれた。
「えーこれより61cm四連装(酸素)魚雷開発するために資材を溶かしてしまって出撃が危ういのでどうやって資材を増やすかを考えよう会議を始めます!!」
俺のこの言葉に叢雲を除く全員に呆れられた表情をされた。
「一体全体、何をどういう配分で何度回せばそんな壊滅的なレベルにまでなるのか理解ができないですね」
暗灰色のブレザーを着て、襟元に赤のリボンを付けた薄い紫色の短髪にした陽炎型駆逐艦二番艦『不知火』。
非常に優秀でなんでもそつなくこなす万能艦なのだが、その眼光は戦艦もかくやというレベルで恐ろしく、初めて会ったときなんてビビって腰を抜かしかけたのはいい思い出だ。
「ちょっと提督、そういうことするなら私を呼んでよ。装備の試験とチェックと整備は私に任せてって言ってるじゃない。抜け駆けなんてズルいわ!」
へそ出し半袖の黒いセーラー服を着てオレンジのリボンをつけてミニスカートを履いているセミロングの銀髪をオレンジ色のリボンでポニーテールにしているのは夕張型軽巡洋艦一番艦『夕張』。
所謂レア艦という分類にあたる貴重な艦娘なのだが、俺は一番最初の建造の時に資材最低値で回したら建造できてしまい始めてあったときは見事なポニーテールでつい見入ってしまい叢雲に蹴られたことはいい思い出だ。
「そもそもどうしてそんなことをしたかが分からない」
紺のブレザーを着崩しプリーツスカートに白のカッターシャツ、赤いネクタイを着用した小柄な体系をしたのは初春型駆逐艦四番艦『若葉』。
初めて会ったときはあまりの口の少なさについ、『それだけ?』と聞き返してしまい『それ以外にないだろう?』と返された不思議な出会い方だった。
「いや、遠征してるやつらにもいえることなんだけど皆頑張ってるからその頑張りのご褒美にプレゼントしようと思ったんだけど中々でなくって…」
「それで5000近くあった資材を使いつぶしたと。馬鹿じゃないの?」
おっしゃる通りですと思いながら反省する。
『せめて夕張に相談すればよかった』と。
「まあこのままだと次の補給まで活動が出来なくなるから資材回復をどうすればいいか誰でもいいから案を出してほしい」
まあこれで思いついたらわけが
「いっそのことリサイクルしたらどう?」
出た。しかもいきなり本丸の夕張から。
「リサイクルって何をリサイクルするのよ」
もっともな疑問を聞く叢雲。
「それ聞く役目は俺だよね叢雲さん?」
ツッコむのも野暮だけどさ。
「失敗した時に出てくるペンギンモドキとワタモドキあるじゃない。あれをリサイクルショップか何かにもっていって鋼材や燃料に交換してもらうっていうのはどうです?」
「あれ見る限りただのぬいぐるみにしか見えないからそういうのと交換できないよね!?無理だから次ぃ!」
「では、満を持して不知火から」
今度は不知火から上がる。
我が鎮守府の参謀ポジでもある不知火だ。きっといい案を出してくれるh――。
「遠征して貰ってる部隊に連絡を取り、深海棲艦を生きたまま捕えてきてもらいそれを解体して資材にしましょう」
「お前何言ってんの!?あれ捕えたとしても鎮守府危険に晒すわけにいかないだろ!今回のその発言はお前落ち度だからな!?はい次!」
まさか参謀がこんなぶっ飛んだ発想をしてくるとか思ってなかった。
「しょうがないわね。私も案を言うしかないじゃない」
我が秘書官叢雲!!お前には期待してなかったけどここで救いの手を出してくれるなんて俺泣いちゃいたいくらいだよ!!
「おお!叢雲!!あの二人が酷いこと言ってたからお前が頼りd――」
「総司令に連絡しましょ」
「アウトオオオオオオオオ!!それアウトオオオオオオオオ!やったらあの奇妙奇天烈ファッションの人外以外の何物でもないあの人の服をプレゼントされるからアウトオオオ!!」
やっぱりろくでもねえ意見しか出てこねえ!!
終わりだ…これで皆から不満が溜まるだけでなく任務達成が少ないことを心配して総司令が来るんだ…ああ…終わった…。
そんな絶望しかけた俺に最後の一人が案を上げた。
「提督が食料の為にって言って増やしてる芋、あれをバイオ燃料にしたらどうだ?」
「わ、若葉…?」
そう、若葉である。
この時の俺にはその愛らしい(?)姿に一瞬天使を幻視してしまった。
そして芋だが鎮守府では念のためにと作物を幾つか育てており、芋もその育てているものの一つだ。
「バイオ燃料にするならそれ用の装置が必要だけど、色々あるガラクタとか使って作れば燃料は出来るわね」
「それなら現在、大量に燃料が必要と言って大本営が悲鳴を上げているという噂を不知火は耳にしており、裏付けもあります」
「ならそれをいろんな資材と引き換えに渡せば燃料の問題とそれ以外の資材も問題解決ね。でかしたわ若葉。皆、すぐに始めるわよ!」
叢雲の号令で皆次々に自分のやることを行うために部屋を出ていった。
「…あとで若葉にはアイス奢ろう」
俺はそう決め、申請書などの書類作成のために提督室に向かった。
その日のうちにバイオ燃料にする装置は完成し、燃料が出来上がりその燃料をいくらか大本営に送り、その代わりに他の資材を送ってもらったことで次の補給まで耐えられるようになった。
後日若葉にアイスを渡し、その時の若葉の笑顔が可愛くて思わず抱きしめそうになったが行う前に叢雲にスクリューパイルドライバーを決められたということがあったがどうでもいいことだ。
今日も鎮守府は平和である。