ガルドという男は、自分が圧倒的優位な立場にある中、相手が提示した条件を聞き入れるほど殊勝な人間ではない。
仮にそういう人間だったなら、そもそも最初から罪など犯していないだろう。
「馬鹿が」
あっという間に彼女を押さえ付けたガルドが、鼻で笑った。
「俺と交渉しようだなんて、十年
片手で両腕を吊り上げられ、ヒスイの爪先が宙に浮く。
彼女は抵抗を
「律儀に条件なんざ守らなくたってなぁ、小娘一匹を
「ひっ……!?」
ガルドの手が、ヒスイの胸元を無遠慮に這い回った。
嫌悪感と忌避感に身をよじらせるも、宙吊り状態ではロクに逃げられず、されるがままとなってしまう。
「あんまり肉付きが良くねぇな。ま、田舎娘なんざ、こんなもんか」
「やめ、てっ……離し──ぅっ!!」
「うるせえ」
視界が揺れるほどの力で頬を張られ、声を詰まらせるヒスイ。
涙こそ出なかったが、収まったハズの恐怖心が、またも喉元まで迫り上がってくる。
「
「手足ヘシ折ってから適当に痛め付けとけ。そいつが起きたら、目の前でこの嬢ちゃんをたっぷり可愛がってやる」
大人しくなったヒスイの服を引き裂き、胸を揉みしだきながら、どうでも良さそうにガルドが告げる。
けれど、改めてシュウホウの姿を尻目に捉えると、気が変わったとばかりに制止の声をかけた。
「いや、待て。よくよく見りゃ、そいつも随分と珍しい
灰色の髪、褐色の肌。
容姿や体つきも上々。
「そっちを売り捌くとするか。いい金になりそうだ」
「ッ!? 駄目ぇ! やめて!!」
ガルドの呟きを耳に留め、息を吹き返したように再び抵抗を強めるヒスイ。
ばたばたと暴れる脚が、彼を何度も蹴り付ける。
もっとも、やはり効果は無い。
それどころか、ただガルドの不興を買ってしまうばかりだった。
「……だぁから、よお……うる、せぇっ!」
「ぁがッッ……!?」
無防備な腹へと打ち込まれる、
ヒスイは痛みと衝撃で息すら止まり、しかし尚も反抗の色を
「……や……め……!!」
「チッ……面倒くせぇ。いっそ
売り物にはならなくなるが、しばらくは遊べる。
手下どもも女を欲しがってたし、ちょうどいい。
そんな思惑と合わせて、腰に差したナイフを抜くガルド。
そして、刃先をヒスイに突き付けると同時──
不自然なほど長い滞空時間を
その