ちょうど西日が完全に失せる間際、シュウホウはサリテ村まで帰り着いた。
「…………」
やけに静かで、重々しい空気。
そう間を置かず違和感を
そして。感じ取った異変の正体と、対面する。
「……………………」
いずれも鋭利な刃物で身体を裂かれ、血溜まりの中に倒れている。
ただ、およそ
──否。そんなことなど、この際どうでもいい。
「何故」
金色の
彼の瞳が向かう先には、死体の傍へと無造作に転がった、二本の剣。
見間違えるワケもない。
女神の
「何故」
おぼつかない様子で、剣へと近寄る。
視界の焦点が定まらない。
甲高い耳鳴りが鼓膜に突き刺さる。
浅く速く、引きつったような呼吸を繰り返す。
「ッッ」
ふと、血溜まりに浸かったボロ布が目についた。
それを錆びた所作で見とめたのち、いよいよシュウホウは顔面蒼白となる。
「そん、な」
無惨に引き裂かれた、特徴的な
シュウホウと始めて出会った時も袖を通していた、ヒスイの服。
彼が知る
「何故、だ」
足が震えて立っていられず、膝から崩れ落ちる。
こみ上げる
「何故、何故、何故、何故、なぜ、なぜ、なぜ……なんでッッ……!!」
シュウホウは、理解できなかった。
ただただひたすら、疑問ばかりが脳裏を駆け巡った。
「なんで、どうしてっ」
確かに自分の手でガルドを殺したハズなのに何故、と。
「ふざけるな、ふざけるなよ。ちくしょう、ちくしょうっ」
灰色の髪を掻きむしり、ぶつけどころの無い怒りと
絶望感と無力感が胸を埋め尽くし、目の前がチカチカと明滅する。
「ちくしょう……ちく、しょう……」
そのままシュウホウは、血と胃液の臭いが立ち込めた広場に
「──ッッ、くそォ!!」
額が割れるほどの勢いで、頭を地面に打ち付けた。
「落ち着け」
更にもう一度、鈍い殴打が鳴り響く。
「落ち着け落ち着け落ち着け、馬鹿野郎が。ぐだぐだ考えるのは後回しだ」
そうして文字通り、頭に上った血を下ろす。
まだ息は荒いものの、確かな足取りで立ち上がる。
次いで額を
「……まだ、そう時間は
血は冷たくなっているものの、乾いているのは
つまりこの惨状は、せいぜいのところ二時間か三時間前の出来事。
「小屋で一夜を明かさなくて、本当に良かった」
もしも
不幸中の幸いだと、心の内で己を
「二人は
ひとまず、そこについては認めなければならない。
理由や
「だが」
差し当たって重要なことは、ひとつだけだった。
「ここには、俺が居る」
すなわち──筋書きを変えられる、唯一の不確定要素。
「俺が助け出す。助け出せる」
正直、なんの確証も無い理屈だった。
それでもシュウホウは、あえて強く断言した。
「…………」
次いで彼は、足元に転がる二本の剣を見やる。
……よくよく
「ッ」
二人の救出に向かうならば、武器は必須。
しかしながら、両方持って行けば道中での荷物となる。