いざ村を
現場にあったのは、争った形跡のみ。
……もっとも、それは要らぬ心配。
この世界が辿る筋書きを、シュウホウは知り得ている。
皮肉な話だが、必死に
必然、二人の居所にも──ひとつアテがあった。
「ふうぅ……」
サリテ村から徒歩で南に四半刻ほど進んだ地点。
息を殺し、足音を伏せ、身を低く
そして。安堵と苛立ちの両方が入り混じったような表情を、薄く浮かばせた。
「……居た」
岩肌を大きく掘り抜いた、明らかに自然の産物とは異なる洞窟。
かつてシュウホウが老婆より聞いた話
その洞窟の前に立ち、周囲を警戒する見張りが二人。
先刻、村の広場で倒れていた男たちと、よく似た
「やはり……ここだったか」
本来の筋書きで、ガルド一味が二人を
胸の奥に押し込めた疑念が再び顔を覗かせかけるも、強引に押し込めた。
「…………」
どうするか、とシュウホウは思案する。
まだ記憶がなかった頃、あの洞窟には何度か足を踏み入れる機会があった。
「地形は覚えてる、が」
相手の正確な人数は分からないけれど、いかにヒスイという人質ありきでも先代
闇雲に飛び込んだところで多勢に無勢。何かしらの作戦は立てねばならなかった。
……さりとて、あまり悠長に構えていれば、足踏みの数だけ二人の救出が遅れてしまう。
今この瞬間すら、どのような目に遭わされているか。
一秒でも早く助け出すことこそが、まずは大前提。
「…………よし」
数秒ばかり頭を巡らせたのち、シュウホウは考えを纏める。
「いぎぇっ」
口の中に
背筋をのけぞらせて
「…………はぁ?」
もう一人の見張りは、あまりにも唐突で僅かな前触れすらなかった出来事に、ただ目を丸くさせるばかりであった。
「ッッ!!」
そんな隙を見逃すほど、シュウホウは呑気ではない。
すかさず草むらを飛び出し、残った賊を突き倒すと、馬乗りになった。
「俺の許可なく動けば殺す。俺の許可なく喋れば殺す。俺の許可なく呼吸以外の行為をしたら殺す」
引き抜いた
薄刃が喉笛へと浅く食い込み、赤い血を
「一度しか言わないから、よく聞け」
三つ質問する。
それぞれに三秒以内で答えなければ、やはり殺す。
恐ろしく淡々と紡がれた
ようやっと状況を理解し始めた見張りは、血の気を引かせながら何度も頷いた。
「ひとつ。仲間の数と、大まかな配置」
必要な情報は、二点。
「ふたつ。貴様等が
「最後に──」
一拍、空白を挟む。
シュウホウは静かに息を吐きながら、ある意味で一番の疑問を、
「──