「あごぁッ」
情報を聞き出し終えたシュウホウが、用済みとなった見張りの首を、深々と斬り裂く。
だがしかし、わざわざ生かしておく理由も、そんな選択肢が
「あが、が、がッ」
ばっさりと頚動脈を断たれ、勢い良く噴き出す鮮血。
絶命を確かめたのち、返り血を払いつつシュウホウは立ち上がった。
「…………」
お世辞にも優れぬ顔色。
指先を震わせ、やや手間取りながらも、ナイフを鞘に収めた。
次いで
胸の内で思うのは、今し方に聞かされた、この洞窟に陣取る一党の名。
「まったく知らん……」
脱走兵ガルド。
本来の筋書きにおいて、
それを排したにもかかわらず、まるで示し合わせたかのごとく、忠実に
縁もゆかりも無い、第三者の手によって。
「……そういうこと……なの、か?」
シュウホウは、自分たちの置かれた現状が意味するところを、おぼろげながらに悟り始める。
理解が進むにつれて浮かばせるのは、苦虫を噛み潰したような表情。
おそらく無意識に、義手と
「…………ああ、くそ」
とはいえ、返す返すも状況は
考察は後回しだと無理やり頭から振り払い、シュウホウは洞窟の入り口を睨み付けた。
「チッ……」
見張りからの情報
何故
「厄介だな」
すなわち、自分が属するグループの人数すらロクに把握できていない程度の下っ端。
更には洞窟の地形もあやふやで、仲間の配置は元より、ヒスイとベルナの居場所さえ
「残す方を間違えたか」
見張り二人の片割れを仕留める際、あまりよく考えもせず、間合いが遠かった方を射抜いた軽挙に歯噛みするシュウホウ。
改めて思えば、あっちが明らかに年配だった。
つまり、
尋問するならどちらを選ぶべきかなど、少し頭を使えば容易に判断できた話。
──ただ、一応は朗報も得られた。
ヒスイとベルナの処遇について、どうやらグループ内でも意見が割れてるらしい。
したがって、二人はまだ無事。
あくまで見張りの男が知る限りでは、だが。
更に付け加えるなら、その無事がいつまで続いてくれるのかも分からない。
だがしかし──ひとまずは、間に合ったと言っていいだろう。
「ふうぅ」
再度シュウホウは深く静かに息を吐き、頬に伝った冷や汗を
「…………」
鏡面のごとく磨き抜かれた、なれどもシュウホウの姿を映さない剣身。
狭い洞窟内で
「……頼むから、妙なことにはならないでくれよ……」
そう囁き、三度呼吸を繰り返す。
そして。奥から