処女作となっておりますので拙い文が目立つとは思いますがよろしくお願いいたします。
───宇宙世紀0079 9月18日
ワイは、目覚めたらサイド7にいた。
なぜサイド7にいるのか、なぜあの悪化していく宇宙世紀に来てしまったのかはわからない。
一度は夢だと思った。だけど、どうやら夢じゃなかったみたいだ。
天井にある地面、揺れ続ける大地、瓦礫ばかりの道。
だってこれは、どう考えても、確実に。
あの機動戦士ガンダムの第一話の途中じゃないか。
──この日、ワイは一つの罪を犯す。一生をかけて償い続けなければならない、いや、二度と償えない罪を。
「ふざけるなよぉぉぉぉぉ!!!!どうして、こんな世界に来なければならないんだッ、ワイがなにをしたっていうんだよッ!!!!」
宇宙世紀作品には一通り触れている。そしてこの世界の末路も知っている。テレビで見ていたこの地獄のような世界に生まれてしまったらどうなるのだろう。のような子供じみた妄想もしたことはある。
それでもこうなったらどうすることもできないじゃないか、第一話だぞ、早く逃げないとコロニーに穴空いて吹っ飛ばされて酸素欠乏でアウトだぞ!?
こうしちゃいられない、早く、早くホワイトベースに逃げなければ!!
「ワイ君!何をしているの!避難勧告は出ているでしょう!?ほら行くわよ!」
突然、後ろから声がした。
誰だ───?この人は、女性──?
30代くらいの女性がワイに言葉をかけていた。
「あなたはここで死んでいい人間じゃないの、だから、あなたはここにいちゃいけないの!」
ワイはその女性に手を引かれ、女性についていく。
「あなたは誰なんですか…なんでワイを助けてくれるんですか…?」
「今はそれはいいの、早く逃げなければザクに撃たれて死ぬだけよ。こっちに来れば絶対に生き残れるの、だからこっちに来なさい!」
違う、こっちは反対側だ、そっちに行ったって死ぬだけだ!
───そうワイの直感が告げていた。
「分かりませんよッ!そんな説明じゃ!何も!ワイは自分で逃げられるんです!ワイは知っているんだ、こっちに行っても死ぬだけなんだって!」
「いいえ、こっちに逃げればあなたも生きるの。こっちに行けば確実に生きられるの。だから来なさい!!!!」
「嫌だッ!そんな説明でワイが行くと思うなッ!離せ!やめろ!」
ワイは、離して欲しかっただけだったんだ。ホワイトベースに行けば戦争はあるけど死ぬことはないって知ってたからそっちに行きたかっただけなんだ。
つい、その人を突き飛ばしてしまった。
「ッ!?イタッ!?」
その女性は足を切って歩けなくなってしまった。
──やってしまった。
つい、自己正当の言葉が漏れる。
「はッ──いや、そんなつもりはなかったんです!ワイは一人でも生きていけるから、それで──」
その時、気にしていなかった、いや気にすまいと考えていたザクの駆動音が近くなっていることに気づいた。キョロキョロ探しているうちに見つけてしまった。前方にいる緑色の巨体を。それはこっちを見ていた。既にワイらは気づかれていた。
ザクは獲物を見定めるかのような目をしていた。
嫌だ──死にたくない。死にたくなんかない。
だがその巨体の持つ巨砲はこっちを向いて、黒光りしているその銃口は獲物の動きを待つかのように、静かに、とても静かに覗いていた。
逃げなければ。そう思った。
だけど、目の前にはワイが突き飛ばした女性がいる。逃げられない。
ワイが突き飛ばした以上ワイが連れて行かなければ彼女は死ぬ。
抽象的な、必ず生き残れるという言葉の意味も、まだ聞いていないのに。
──そんなの、絶対に嫌だと思ってしまったんだ。
咄嗟に体が動く。賭けるべきは──
必ず生き残れると言っていた方───!
ワイは女性のもとに駆け寄った。
「あんた、必ず生き残れる方法を知ってるんでしょ──それなら、今はその方法に賭けます。だから教えてください、どこに行けばいいのか。」
「──仕方がないわ、連れて行ってあげる。[それ]はザクの後ろよ、急いで!!」
彼女をおぶってザクの真下を抜けようとする。だがそれを見逃すほどジオン兵は甘くないことは長年のガンダムシリーズの視聴でよくわかっていた。
ザクマシンガンの特徴的な銃声がこだまする。ジオン兵は急に動き出したことが想定外だったのか狙いを付けれていなかったことが幸いした。一気に真下を潜り抜け、[それ]に近づいていく。その時、ワイは信じられないものを見てしまった。
ジム、コマンド──!?
なぜ第一話の時点でジムコマンドがいるんだ───だってあれは、本来なら後期に配備されるジムの指揮官用モビルスーツだろう──!?
「あれはRGM-79GS、通称[ジムコマンドスペース]よ。RX-78、ガンダムの製造とともに進められた陸戦型ジムの発展形、宇宙で戦えるジムを目指して作られた試作品のようなものね。だけど、試作品でもスペックは上々。並大抵のザクに負けないパワーを持っているわ。」
「あなたになら、これを託せる。ワイ君、あなたにその覚悟はあるかしら?」
──これが、生き残るための策───
「やってやる、やってやりますよ、死にたくないんだ。生きるには、戦うしかないんだ!」
「よく言ったわ。まずは──」
そのとき、飛来するものにワイらは気づかなかった。
奔る閃光、飛ぶ衝撃。ワイと彼女は引き離される。
偶然、ワイはジムコマンドの近くに飛ばされた。
彼女は必死に叫んでいた。
「早くコックピットに入って!」と。
──だけどそれじゃ彼女を見殺しにしてしまう、そんなのだめだ。絶対にだめだ。なにも知らないワイがモビルスーツを動かせるわけがない。
「ダメですよ!それじゃあなたが!」
「いいの!入ればあとはこの機体が応えてくれる。どちらにせよ、私は助からなかったのよ──」
『──行って。あなたのために。あなたが望んだ未来をつかむために。』
目の前の命の灯が消えた。
助かると言っていた女性は、静かに、とても静かに息を引き取った。
「───チクショォォォォォォ!!!!」
もう、戦うしかない。
コックピットが閉じる。
機体が静かに起動し始める。
まるでワイの帰りを待っていたかのように。
───RGM-79GS SYSTEM START
───W.I.S.E. TACTICAL OS Ver.0.79
───BIOMETRIC AUTHENTICATION........ACCEPTED
───REGISTERED PILOT................Y・DARUGE
───LEARNING CONTROL................ACTIVE
───ALL SYSTEMS NORMAL
───READY FOR ACTIVATION
「ああ、こんな───こんなことで人が────」
「────ごめんなさい。ワイは、行くよ。」
スロットルをかける──もう、動かせる。
ついに起動するジムコマンド、歴戦のザクに追い詰められるワイ。
──そして起こる原作改変。
次回、命の灯
君は、生き延びることができるか?