理想を現実で叶える方法   作:Haganed

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ダン戦熱が溜まってきたので初投稿です。


Good morning MECHANIC

 

 

 

 少し自分語りをさせてほしい。そしてこの世界のことについても話したいので時間を貰いたい。

 

 俺の頭の中には前の人生の記憶がある。いわゆる転生者とかいう奴だ。その前世の記憶を自覚したのは5歳の頃、ふとテレビのニュースを見ていると覚えのある単語が出てきたのだ。

 

 【LBX】。その単語を聞いた途端、膨大な過去の記憶が濁流のように流れ込んで、高熱を発して1週間ほど死の淵を彷徨っていたらしい。目が覚めた時、俺の周りにはこの世界での父親と母親が心配そうに俺を見ていた。

 

 そして、俺はこの世界が【ダンボール戦機】の世界であることを理解した。正直言って、この現実を知った時は嬉しくなったが、少しして胸中に不安が過ぎりはじめた。

 

 いやぁ、だってさぁ? 考えてみてほしいんだが、あのプラモサイズの機体で要人暗殺だのシステムハッキングだのが出来るのは怖くない? 怖いよ。ましてや強化ダンボールが無い頃のLBXは怪我したり家具が破壊されたりのオンパレード、こんなもん市場に出すな。せめて威力落とすなりなんなりして対策しろよとも思うが、そこはまぁホビーアニメの性ってやつなんだろうな。

 

 そして挙句の果てには兵器運用やら世界支配やら代理戦争やらで使われる羽目に……いや玩具の概念どこいった? というぐらいヤバい事に使われるのだ。うーんこの。

 

 前世の記憶がよみがえってきてからというもの、このような不安に駆られたが、とはいえここはダンボール戦機の世界だ。否応なく、どんな形であれヤバいことに巻き込まれるのは確か。なんならディテクターしかりミゼル事変の時に確実に被害に遭うから備えておく方が正解とまで言える。

 

 今からでも遅くない。思い出せる知識を総動員させて、この世界を生き延びてやる……あぁ、でも、原作開始前に1つ俺個人に災難が降り掛かるのは避けられないことに気付いてしまった。

 

 だって俺の今の父親、強化ダンボール開発者の霧島平治だもの。

 

 面倒事確定やないかーい(^q^)

 恨むぞタイニーオービット。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 LBX発売やでぇ! 時間が飛んでる? 時間はいつの間にか速く進んでるものさ。いや流石に2年間のスキルアップなんて代わり映えの無い日々だったぞ? そんなもんよりLBXやぞLBX! モノホンのLittle Battler eXperienceやぞ!世界の危機まで秒読みどうこうの前にテンション爆上がりだわ! ゲーム購入特典のAX-00を嬉々として組んでた頃が懐かしい!

 

 そして早速、世界で初めて販売されたタイニーオービット社製LBX『ウォーリアー』をゲットだぜ! いやっふぅ誕生日のプレゼントをコイツにして良かったァ! はよさっさと組み立てて────出来た! 良いねぇ、この出来上がったものを見る時間ってのは!

 

 うひひひひ、早速動かしてみよっかなー!? CCMと同期させてー、説明書見ながら操作してふおおおお!! 最高やねぇ(^q^)。前はLBXを乗せたライディングソーサーを操るだけだったしプラモデル本体を動かせる訳じゃなくてそこんとこ物足りなかったんだよな。仕方ないんだけどもさ。

 

 で、粗方動かして満足した辺りで意識を現実に引き戻す。この2年間で思い出した中でかなり重要なことを確認するために、コアスケルトンを分解して()()を探す……見当たらない。となると想定通り、初版のLBXにはMチップが搭載されてないってことか。違いの確認のために全プロセッサを記録しておいた方が良さそうだな。USB、USBは……あった。パソコンに繋げてコピーを

 

 

「ご飯出来たわよー!」

 

「すぐ行くー!」

 

 

 おっと、もう晩御飯の時間か。小学校に入学してからというもの、放課後即帰宅して晩御飯までの間しか時間が取れないのが少し煩わしいんだよな。ともかくささっとコピーだけ取ってUSBにぶち込んだあと、1階に降りて飯の時間にしよう。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 私の息子のアカツキは、普通とはかけ離れた子であった。5歳の頃に命に関わる状態になってから、何かに取り憑かれたかのように勉強に励むようになり始めたのだ。それも算数や国語などといった一般教科ではなく、プログラミング言語や機械工学、材料工学などといった専門分野ばかり。

 

 そのまま放置していれば一日中家で専門的な勉強ばかりをするようになってしまったため、1度無理やりにでも公園に連れて行った後なんて「外には出るから行先は父さんの会社がいい」と変わった提案を聞かされたことがある。結局、子どもの頼みを無下には出来なかったため了承し、今では社員全員が息子と色んな話をするようになったと聞く。その内容はやはり子どもらしからぬものばかりだったが。

 

 ただそんな普通とはかけ離れた子であったものの、2年分の誕生日プレゼントは要らないからLBXが欲しいと言ってきた時、私は少し安心した。そうまでして欲しいという息子の願いを叶えたかった私は、約束通りLBXをあの子に買い与えた。LBXを使って友達と楽しんでほしいという願いもあったと思う。

 

 

「アカツキ、もうLBXは出来たのか?」

 

 

 ハンバーグを食べている息子は頷いて返答した。咀嚼して口の中を空にしたあと嬉々とした様子で答え始める。

 

 

「既存のプラモデルみたいに組み立てれば良いだけだし、そんなに時間はかからなかった。あとは動かして遊んでた」

 

「もう遊んでたのか、そうかそうか」

 

 

 こうも喜んでいると、少し痛い出費も気にする程のものでは無いと思える。あとはこのLBXで同い年の子と遊んでほしいのだが、上手くいくかは正直微妙なところだが……。いやいや、流石にその心配は要らないだろう。

 

 

「アカツキ、あとで父さんにもLBXを見せてくれるかい?」

 

「あー、良いけどちょっと待ってて」

 

 

 ほんの少し食べるペースが早くなり、アカツキが食べる分が無くなるとすぐに食器を片付け2階へと上がって行った。私も自分の分を食べ終えて食器を片付けてソファに座った頃に、手に組み終えたLBXとCCMという携帯機器を持って降りてやって来た。

 

 テーブルの上にLBXを置いたアカツキがCCMを操作すると、それが走り始めた。実際にプラモデルサイズの物体が実際に動いている様子に僅かな驚きを覚えるが、次の瞬間にはLBXがスムーズな側転を披露する。これには流石にたまげた。

 

 側転が終わったかと思えば、助走をつけてスライディング。スムーズに立ち上がり、その場で前方宙返りを見せつけ、最後に助走をつけて後方宙返りでLBXの曲芸は終わりとなった。時折ニュースで動いている様子を見ることはあったが、まさかここまで動けるとは到底思っていなかったので心底驚いた。

 

 

「これは、凄いな……! 機械工学に詳しい訳じゃないが、ここまでの挙動が出来るとは思ってなかった」

 

「人体で可能な挙動は大体出来るみたい。もうちょっと操作に時間をかければ、これよりもかなりアクロバットな動きが出来るかも」

 

 

 ……待った、これより? アカツキにLBXを与えてから夕飯時まで6時間程度しか経っていないのにか? 子供の新しいものに対する習熟度は高いようだ。

 

 だがここまで上手くなったということは、同年代同士のバトルもとても盛り上がるものになりそうだ。引いては同年代の友達も出来る筈……。

 

 

「アカツキ、明日はLBXで遊ぶんだろう? 近くの公園にでも行こうか」

 

「遊ばないけど」

 

「えっ?」

 

「それよりさ、明日会社の方に行きたいんだ。あと今から相談したい事があってさ、見て欲しいのがあるの」

 

 

 私が話を理解する前にアカツキは背中に隠していたノートを取り出し、あるページを開いてそれを見せつけた。

 

 

「LBX、自作したいんだ!」

 

 

 ……やはり、私の息子は普通では無いのかもしれない。

 

 

 




『霧島 暁(キリシマ アカツキ)』

 本作のオリ主。原作の根幹を支える強化ダンボールを開発した霧島平治を父に持つ。

 転生前からダンボール戦機が好きで、LBXやライディングソーサなどを購入したり、アニメを見たり、コミックに掲載されていた改造の情報などを真似したりしていた。一時期離れていたものの、ダンボール戦機への熱が再燃し、再販されたLBXを購入したりゲームを楽しんだりしていた。

 転生前の記憶を持ち越しているが、全てを正確に憶えている訳ではなく、元々知らないこともある。

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