理想を現実で叶える方法   作:Haganed

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誤字報告、評価、お気に入り、感想等ありがとうございます。
初戦闘の後半なので初投稿です。


ファーストフライト 後編

 

 

 

「行くぞアカツキ!

 

 

超電導、究極合体!!

 

 

 ここで出すのか、パーフェクトZXIIを!

 

 ZXII1号機、2号機、3号機がスラスターを吹かし上空へと昇ると、それぞれが変形を開始した。1号機が頭部、2号機が胴体と腕部、3号機が腰部と脚部に変形し、合体。更に武器も合体し巨大な大剣へと変わり、フェイスカバーが上がり目が露出。大剣を装備して────決めポーズ! 生で見ると迫力が違うわ〜。

 

 はい現実に戻る! 正直今ちょっと、いやかなりヤバい状況なんだから。

 

 さっきの叩き付けは兎も角、体勢を立て直す時にD37を支えにしたせいか、右の方を撃った時僅かに銃身がガクついてたし。動きまくったせいでバッテリー残量が残り3分の1になってる上、排熱処理は間に合ってない始末だ。

 

 そこにパーフェクトZXIIの登場。12歳になる子どもを虐めて楽しいか?(^q^)

 

 て、そんな事を言ったところで、手加減してくれる相手じゃないのは分かりきってるだろうに!

 

 

「パーフェクトZXII、見参! ここからが本番デヨ!」

 

「ッ、バッファ!」

 

 

 左手のD37をパーフェクトZXIIめがけて発砲。2発の銃弾が迫る。が、向こうが大剣を振るった風圧で逸らされ、ダメージを与えられなかった。バッファ本体も吹き飛ばされそうだったが、何とかエンジンを吹かして壁との激突を避ける。

 

 

「1体になったのに、3体の時より厄介だなホント!」

 

「当然デヨ! このパーフェクトZXII、スピードは合体前の3倍、パワーは合体前の200倍になるデヨ!……脳内設定じゃがの」

 

「ホントにありそうなのが洒落になんねぇんだよ!」

 

 

 さて、どうする。あの状態になると今のバッファじゃ到底太刀打ちできる気がしない、こちらはメイン武器のD37が故障間際。ライフポイントの都合で突進も難しい。虎の子のビームカッターは長さの問題で今発動させても決定打にはならない。このままじゃ……。

 

 

「隙ありデヨ!」

 

「ッ!」

 

 

 意識を現実に戻すと、パーフェクトZXIIが飛びかかり、大剣でバッファに攻撃を仕掛けていた。咄嗟にジェットエンジンを吹かし、勇気の前逃げを試みる。地面スレスレだし、ZXIIに押し潰されるギリギリだったが、何とか窮地は脱した。だがこの現状を何とかしないと……!

 

 ZXIIが振り返り、あの巨体からは想像も付かないほどのスピードでバッファに迫り、攻撃を仕掛け続ける。どうする? 何か、何か手は────ッ、しまった!

 

 

「もらったデヨー!」

 

「バッファ!」

 

 

 避けきれず、D37を交差させてバッファへの攻撃を受け止める。だがその威力に耐え切れず、1丁の銃身が完全に歪み、もう1丁は完全に破損し、機体が吹き飛ばされた。

 

 損傷は……くそっ、プラズマジェットエンジンにもダメージが。緊急停止装置は何とか機能したが、攻撃を食らったせいでさっきみたいな長時間運用はできない。この状態だと1分も動かせるか怪しい……!

 

 機体もマズイ。ライフポイントは残り20%、右肩の飛行翼が変な方向に曲がってるし、右脚のバーニアが起動できなくなってる。幸い右腕に内蔵したビームカッターは無事、攻撃手段がこれ以上減らされなくて助かった。

 

 プラズマジェットエンジンの長時間運用システムを停止、緊急稼働モードに移行。何とか戦えるようにしたが、この状況を打開するには…………駄目だ、思考が纏まらない!

 

 

「これで終いじゃ、アカツキ!」

 

 

 刻一刻と、パーフェクトZXIIがバッファに迫り来る。くそっ、このまま終わるなんて嫌だ! 何か、何か手は無いのか? この状況を打開できる手立ては!

 

 

「覚悟ー!!」

 

 

 パーフェクトZXIIが射程距離に入り、今まさに大剣が振り下ろされようとしたその時。

 

 

 

 

 Z()X()I()I()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「バッファ!!」

 

 

 すぐにプラズマジェットエンジンを一瞬だけ起動させ、その場から撤退させる。同時に、先程までバッファが居た場所に大剣が振り下ろされた。風圧によって予想よりも機体が飛ばされ、転がりつつも体勢を立て直しZXIIに向き直る。

 

 

「今のを避けるとは、中々やるではないか」

 

 

 オタクロスが俺の反応と行動を褒めたが、さっきのはそれだけじゃない。まさかと思ってZXIIを見ると、胴体部から僅かに放電が起きた。

 

 ────おい、おいおい俺。こんな初歩的な事を見落としていたのか? 笑えてくるぜ。

 

 そうだ。合体前に蓄積したダメージは、パーフェクトZXIIになっても引き継がれている! こんな当たり前の事を忘れていたとか、とんだ失態だ!

 

 さっきの動きは、合体前に稼いでいたダメージの副産物によるもの! 動きまくって関節に負荷が掛かってる、或いはCPUの情報処理速度に影響が出始めている! なら、俺がする事は決まった!

 

 

「今度こそ、終いデヨー!」

 

「やれるもんならやってみろ!!」

 

 

 ZXIIの攻撃が迫り来るが、機体とジェットエンジンに当たらないギリギリで噴射して避けた。風圧が面倒だが、これぐらいならマニュアルの機体制御で何とかなる!

 

 後方への回避は無理。必然的にバッファは横か前にしか避けられない。選択を誤るな、俺!

 

 

「ぐっ、ちょこまかと……!」

 

「大目に見ろよオタクロス! アンタだって俺を試すとか言っておきながら、奥の手まで出してきやがって!」

 

「これもまた試練の内デヨ!」

 

「物は言いようだなオイ!」

 

 

 まさかLBXでフロムゲーみたいなことやらされるとはな。1発勝負って所はゲームじゃないがな!

 

 ヒリつくような回避劇を繰り広げ、パーフェクトZXIIの動きは次第に鈍くなり始めていた。機体からの放電が徐々に増えていき、そうして目に見えて動きが遅くなっている。

 

 

「ぬぅ……あの時のダメージが響いて」

 

「今度はこっちの番だ!」

 

 

 バッファの両腕からビームカッターを出現させ、股下を瞬間加速して通りながら、ZXIIの足首を斬り裂いた。

 

 

「なぬっ!?」

 

「いよっし!」

 

 

 足首を斬られたことで、目に見えて機体制御が覚束無くなっている。ぐらぐらと不安定になったZXIIに背後から接近し、このまま畳み掛け──

 

 

「ぬぅんッ!!」

 

「んなっ!?」

 

 

 ZXIIから、強烈な風圧が襲いかかった。呆気なく吹き飛ばされたバッファを何とか立ち上がらせ、膝立ちになっているZXIIを捉える。なるほど、不安定なら安定しやすい座位にさせて、膝抜きと同じ要領で大剣を叩き付けたのか。

 

 だがそれじゃあ格好の的になってるだけだ。さっさと終わらせて「よくぞ、儂をここまで追い詰めた」

 

 オタクロスの発言のあと、俺は空気が痺れているような感覚を味わう。まさか、これは!

 

 

「ゆえに! ここで勝負を決めるデヨ! くらぇい! 超究極奥義──」

 

 

 マズイ! 何か、何か手は? あの必殺ファンクションに同様の性質が含まれているのなら…………D37の残骸! あれだ!

 

 

「アルティメットサンシャインクロススピリットブレイキング大灼熱パーンチ!!」

 

 

【アタックファンクション】

【メガサンダークロス】

 

 

 くそ長い適当な必殺技を宣言しているあいだ、急いで壊れたD37の残骸から銃身を抜き取り、準備を済ませる。

 

 大剣にエネルギーが収束され、全方位を埋め尽くす雷となって襲いかかって来たタイミングで、バッファの持つ残骸を上へと放り投げた。もし仮に、あの必殺ファンクションが雷と同様の性質を持っているとすれば、大剣を掲げたZXIIより少し下になる程度の位置に投げれば……ッ、来た! 即席避雷針だ!

 

 だが、あくまで直撃を免れただけ! あとは根比べだ、耐えろバッファ!

 

 雷がバッファに降り注ぐ。ライフポイントは徐々に減っていって、このままだと終わって──ん? これは……ッ!

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 パーフェクトZXIIのメガサンダークロスを受けたバッファは、ただひたすらに耐えて終わりを待ち続けていた。

 

 やがて放電が終わると、ZXIIの腕がだらりと垂れ、大剣ユニオンソードを手放す。同時に、バッファも前のめりに倒れようとしていた。

 

 

(アカツキよ、ここまでの戦い中々楽しめたデヨ。しかし最早ここまで。負けてもオヌシの事を認めてや)

 

 

 ────バッファが、足を前へと突き出す。

 

 

()()()

 

「なっ!?」

 

 

 バッファのプラズマジェットエンジンが最後の輝きを放ち、パーフェクトZXIIに激突し、バッファがZXIIの装甲を掴んだ。

 

 

「どこにそんな力が!?」

 

「さっきの雷で、幾らかバッテリー容量を回復させてもらったんだよ!」

 

「なんとっ!」

 

 

 絶対に引き離さないと心から願い、アカツキは最後の命令をバッファに下す。右腕部の装甲からビームカッターを出現させ、ZXIIの装甲の隙間に捩じ込んだ。

 

 ZXIIのライフポイントが、目に見えて減っていく。

 

 

「落ぉちろォオオオオオオ!!」

 

 

 必殺技発動後という特大の隙を狙ったバッファの攻撃に、アカツキの執念が乗る。

 

 そうして長くて短い時間が経過した頃、

 

 機体は動きを止めた。

 

 

 




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