うっし、やってやるぜ! ……あ、でもそういや機材が無いんだよな。
「あー、オタクロス。機材の方は」
「それについては心配要らん。明日の午前中には色々届くデヨ」
「そう、分かった」
取り敢えず明日の午前だな。アスカ工業の時みたく専門的な機械では無いだろうが、それは妥協しないと。
「さて、今日の用事は済んだ。ここからは」
「ここからは?」
「決まっておろう────記念の宴デヨ!」
「「「「「いぇーい!!」」」」」
まぁ、そろそろ飯の時間だわな。
「そして今日は弟子全員でここに泊まって親睦会を開くデヨ! 皆、菓子とジュースの用意をすべし!」
「「「「「おー!」」」」」
あ、泊まるのね皆。
まぁ、こんな初日があっても良いか。
オタクロス、およびオタレンジャーたちと一緒になってタワーで眠りについた翌日のこと。言っていた通り、午前中に運ばれてきた機材の多くに、俺は興奮と戸惑いを隠せていなかった。
だって、これ……これ! この小型*1と竪型*2の射出成形機! 型式番号は若干古いものの、普通に現役で使える性能してるヤツじゃん!なんなら3年前までアスカ工業にあったの見たよ! 竪型2台あるのは聞いてない!(^q^)
「どうデヨ、アカツキ。その射出成形機は金属と樹脂の合成も出来る優れものデヨ」
知ってる!! 見たことある!! こんなガチガチのガチ機材なのは想定してない!! 精々3Dプリンターぐらいだと思ってた!!
あとそこのCNC旋盤はなに!? こっちも型式番号的に古いヤツだけどさ、中小企業で使うには十分な性能してるのよそれ! 後なんかアタッチメントと鉄塊もいっぱい付いてきてる! コワイ!! これで金型作れってか!?
「……オタクロス、これ、どうやって手に入れた?」
「知り合いに聞いて回って買いとったデヨ。ま、安くはなかったが、オヌシへの先行投資として考えれば破格じゃったの」
ア-ウ! アカツキヲイジメヌンデ…………(^q^)。
「オタクロス、一体どうやって収入得てんの?」
「不動産と投資じゃが」
「あぁ、納得したわ……」
そりゃアキバタワーの最上階に居座ってるだけあるわ。あんな場所で機材用意したり作れたりするだけあるわ。
あ、よく見たらパソコンもある。何かこっちは普通に見え
「そのパソコンはタイニーオービットでも使われているエミュレーターやシミュレーター等を十二分に使用できるスペックにしてある。保存容量も256TBデヨ」
──るだけだったわ(^q^)。その保存容量は何に使うんだよ!!? 1人の人間が持ってて良い物がどこにもねぇ!!
ここまで来ると怖ぇよぉ。 もうちょっと安っぽい感じで来るかと思ったら、ガチガチに金かけてて色んな意味で重いよぉ。
……けどまぁ、それだけ期待されてるって事でもあるんだよな、多分。普通ただの他人にここまで金を掛けてやる理由もないし。その期待に出来る限り応えられるよう、頑張りますか。
それに、よく考えたら俺の持ってる物をあのパソコンなら有効に使えそうだし。上手く使わせていただくとしようか。
「ほれ説明書。それを見ながら初期設定を決めるデヨ」
「……はーい」
こういう面倒くささからは逃れられないわな。
「そういやさ」
「んむ?」
「なんでコンテストをタイニーオービットが協賛することになったんだ? 元々非公式で行われてたんだよな?」
暁と共に食事を行う中、そのように問いかけてきた。ふーむ、別に言っても構わんが、もう既に色々と言い過ぎた気もするデヨ。
「それを知りたがる理由は?」
「なんとなく」
「何となくか」
まぁ、何となくで気になる事ではあるか。
「儂の予想ではあるがな」
「ふん」
「LBXのイメージ改善に繋がると考えたんじゃろうな」
「ふぅん」
「アカツキ、LBXが再販される話は耳にしておるか?」
「聞いたことはある」
「再販されるとはいえ、一時は危険な玩具として販売中止になった経緯もある。その認識を少しでも払拭させたい狙いもあるのかもしれん」
「そういうもんか」
「かもしれん、だけじゃよ」
そう締めくくって、ポテトを1本口に運ぶ。……やはり年寄りに油物は堪えるのぉ。
「アカツキほれ、食って構わんぞ」
「んじゃ、遠慮なく」
そう言って手渡したポテトを、アカツキは全て食していった。やはり若いというのは羨ましいのぉ。
さて、色々とあったものの漸くLBXを作るぞ! ────と、意気込んだのは良いものの。まず最初にする事といえば、ネット上にあるLコンで撮影されたLBXの調査からだ。
はてさて、どんなデザインが来るのやフィヒヒヘヘヘヘッ(^q^)。
おっといかん、正気を失っていた。よだれも出てるので拭う。
あー見れば見るほどタマランチ会長ですわー。かっちょええのたくさんあってドバドバですわー。見ろよ肩の造形とか最高じゃない? パカッて開いて放熱箇所見せてるとかエロくないこれ? エロい(反語)。あーお手手が引っ込んで前腕部の装甲が花開いてますよ最高じゃない?
あっ、あー! 見ろよこの機体の全身にチューブが繋がれまくって無機質な目だけが赤く光る様! 侵食受けてるってのがもう分かるし、コイツは殺さないと駄目だー! っていう台詞が当たり前のように浮かんでくるぜ。
他には……アーハッハッハッハッ!! すっげぇ肋骨のラインが目立ってるヤツあんじゃーん! メタリックレッドがセンス光ってるじゃーんこれ!! なぞりてぇ〜^。
ごほん。さってっと、粗方見てはいたが、やっぱりこの手のコンテストじゃモデラーが1枚上手だな。機体の発想も凄いし、ポージングとかカメラの位置にも拘り抜いてる。中には美プラに分類できるデザインまであるし、かなーりレベルが高い。こりゃ入賞すらできる可能性がかなり低いな。
となると、俺が作るべきはこのモデラーたちには無い視点でのデザインを考えてかないとならない訳だ。こーれは頭使うぞー。ふむむむむ…………。
お、Lコンの動画発見。早速見てみるか。
かなり賑わってるな。色んな奴が秋葉原の一角に集まって自慢のデザインを見せびらかしてる。はーこれレインボーなガッチャじゃん完成度たけーなオイ。
ん、一際賑わってる所が…………サクラ零号機? ってことはオタクロスもLコンに参加して、いや当たり前か。こんなイベント参加しない理由無いもんな。しっかしかなり人気だな、やっぱメイドってのがアキハバラらしさを醸し出して人気を博してるのか?
んで結局全部見終えたけど、いやーどれもこれもレベル高ぇ。もしかしたらイベントでこの作品作ったモデラーが参加してくるんだろ? いやもしかしてもは余計か、多分殆どが参加してくるのは確定と思っていい。
でも案外かっこいい系が多かったな。いっそのこと美プラ、いや顔が生命線のタイプは難易度高い……。オタクロスみたいに機械的な要素を残した女性モデルのLBXなら或いは? んー、多分そっちが良いのか? でもかっこいいのは作りたいし、かといってそれだとコンテストで埋もれる可能性すら出てくるし。
ん゙ん゙ん゙ん゙……はぁ。作りたいものと作った方が良いもの、理想と現実は色々と乖離していると痛感させられる。
とはいえ大雑把なルートは確保できた。そういや前に学校のパソコンとか使って色々作ったのが入ってるUSBあったわな、確かキャリーケースの中に……あった。色々考えてたから、こん中から使えそうなデザイン探してみるとするか。