野郎共、自作LBXの時間だァ!!(^q^) ってな訳でね、ただいまより自作LBX製造計画を開始することにしまぁす! まぁ自作とあるけど実際はアスカ工業の協力有りきでやっていくので、実質アスカ工業製LBXということになるのだが。
このダンボール戦機の世界に産まれ落ちたことを自覚してから、常々思っていたことがある。自分でLBXを作ってみてぇ〜! と。そんな思いでLBXを作る計画を発売までの2年間ずっと考え、今ようやく実現の目処がたったのだ。
ンてなわけでね! ここからは俺の試作LBX製造計画について説明していこう!(cv:遠○大智)
自作LBX製造計画、その正式名称はProject【Blue Air Force Flying Army】。通称プロジェクト【
プロジェクト【B.A.F.F.A.】の目的は至ってシンプル、飛行するLBXを生み出すことだ。飛行するLBXといえば有名どころでオーディーン系列とかだろう。今から俺はその前に飛行するLBXを作るわけだ、最高だろう?!
推進機関としてLBXのサイズ基準で大型のプラズマジェットエンジンを、肩部に飛行翼を搭載させ、単純な変形機構により飛行態勢へ移りながら飛ぶという仕組みにしている。分かる人に分かりやすく言えば、ACfaのOP映像のホワグリ。あれみたく飛ぶ。色々と違いはあるが、そんな感じに思ってくれていい。
で、航空力学的に優れた形をアーマーフレームに採り入れて…………なーんてそんなベターなことはしない。そうじゃなければ、このプロジェクトの名前にバッファなんて名付けたりしないのだ。このプロジェクトでは飛行に必要な揚力確保に、ある生物の特徴を設けたデザインのアーマーフレームを用いる。
その生物の名は────牛である。
なんで牛? と思う方々も居るので説明入りまーす。実は牛、理論上は空を飛べるんだって。いや冗談とかじゃなく。事実、CFD*1により、牛の構造は揚力を発生するのに適した形をしており時速1000km以上の風を真正面から受ければ牛は空を羽ばたけるのである! 羽ばたく翼は無いから浮遊していくの方が正しいんだけど。
まぁ、この時速1000kmはあくまで牛の重量に対して必要な風勢なのであって、ことLBXは牛よりも遥かに軽いので成功までのハードルがそこまで高くない。だとしても必要速度は確保しないとならんのだが。
という訳で、具体的な流れとしては3段階のプロセスに分けて、それぞれの最終目標を達成したら次の段階へと進んでいく事になる。第1目標はLBXに搭載するプラズマジェットエンジンの完成、第2目標に実際にアーマーフレームを製作し空力学シミュレーション用のデータ取得、そして第3目標で実際に空へと飛ばしてプロジェクトを終了させるのだ。
まぁ、この計画を実行しようにも今の小学生身分で親のスネかじりの俺じゃ手に入らない物が多すぎるので、アスカ工業の新たな事業開拓先として説明しながら会社の皆に提案してみた結果、やってみても良いんじゃないかという声が出て作ってみることになった。
その際、会社一の古株のテツさんからは「お前本当に小学生か?」とも言われたけど。失敬だな小学生だよ、中身? なんのことよ。
私の息子は、世間一般の子どもの範疇からかなりズレている。何せ、つい最近発売されたLBXを空に飛ばそうと画策し、発売までの3年間の月日をかけて計画した大人顔負けのプロジェクトを提示して、こうして今実行しているのだから。
いや、あの子が普通では無いことに関しては元々知っていたことなので特別驚きもしなかったが、まさかこのような事態にまで発展するとは思いもしなかった。小型のプラズマジェットエンジンの製作が、自分の息子が主導になって行われているなど、昔の私に言っても信じられないだろう。
会社の1番の古株として働いてくれている
一応私も、アカツキの計画に協力している。子どもの絵空事と切り捨てるには妙に現実的なその計画に協力しようと思ったのは、あの子の笑顔と、その熱意と、ある一言によるものだった。
────見たいんだ、夢を! 俺は!!
夢。そう、夢だ。アカツキの夢、LBXを手にしてから活き活きとした姿を見せた我が子の夢は、自分だけのLBXを作りたいという夢であった。空を飛び、重力から解き放たれたLBXで遊びたい。現実を考慮していないような子どもの我儘、その裏側にある熱意を私たちは知った。
……本来であれば、子ども1人の我儘の為にアスカ工業の全てが動く事などあってはならないのかもしれない。ただアカツキは単なる子どもの我儘に収めることなく、アスカ工業の利益という対価を示したことでこのLBXの試験開発に意味と意義を持たせた。ただの子どもが、ここまでの熱意を持って現実的な問題と向き合う事が出来るだろうか? このような
そうして私は、アカツキの提示したプロジェクト【B.A.F.F.A.】に許可を出し、開発が始まった。我ながら息子に甘い自覚はあるが、それでもやりたいと思ったことをやらせてみる方が、アカツキにとっては良いのかもしれない。願わくば、あの子の未来の糧になれるように。
それはそれとして、
「テツさーん、この部品をあと0.07mmジャストで削ってほしいんですけど、出来ます?」
「はぁー! こらまた無茶な事を言いやがる!」
「出来ないの?」
「できらぁ! この道40年の切削技工舐めんじゃねェ!!」
「いやったー! じゃあお願いしまーす!」
うん…………うん。もう少し、人との付き合い方は学ばせた方がいいかもしれない。
「……社長、将来が楽しみな息子さんですね」
素直に喜べないんだよなぁ、それ。
霧島 暁は転生者である。何の因果によるものか、ホビーアニメ【ダンボール戦機】の世界に転生し、主要人物の身内という立ち位置で産まれ落ちた。最新技術の粋を集めた玩具、LBXの発表が行われた途端に前世の記憶が目覚め、最初こそ原作の流れを知っているが故の苦悩と絶望を味わった。
しかし、彼は開き直った。自分一人では止められない世界の流れに対して、いっそのこと自分もこの世界で生まれたLBXを楽しみ尽くしてやろうという考えにシフトチェンジし、転生の自覚が発露してからLBXが発売されるまでの期間に必要になるであろう知識を蓄えた。また自身の父がアスカ工業社長である立場を利用し、社員とのコミュニケーションを行い話を聞いてくれるように交流した。全ては自分だけのLBXをこの世界に誕生させるために。
余談だが、この選択が後に彼の人生に大きな影響を与えることになる。それを知るのはまだまだ先のこと。