裏世界の空と表世界の空と 作:星海
「ええっと……あと話すことあったっけ?」
「多分全部話したと思うわ。」
「だったらジュルルがミルク飲み終わったら帰ろっか。今日はこの説明のために来ただけだもんね。」
「どうせなら夕飯食べてけよ、ママンの料理は美味いぞ」
「リボーン!!勝手に決めるなよ!?」
その言葉に少し笑ってから申し訳なさそうにする。
「えっと、ごめんね?すごく気になるんだけどあたし達この世界だとプリパラの中に住んでる関係上プリパラの閉園時間…プリズムストーンの閉店時間までに帰らないとダメなんだ……」
「本来なら逆なのだけどね。」
「それはそう……」
「…苦労してんな。」
「基本的にはプリパラから出ないんだけどね……出るとどうしても気にしないとだから。」
そこまで話したところでジュルルがミルクを飲み終わり、らぁらの手元でコンパクトに変わる。
「んなー!?」
「うるせぇぞ」
「最初は驚くわよね……真中さん?どうしたの?」
哺乳瓶を見ながら首を傾げているらぁらにみれぃが問う。
「いつもよりよく飲んだ気がする…ま、いっか。それじゃああたし達はこれで。」
「あ……待って、送───痛った!?」
言葉を発している最中に急に首裏を押さえるツナ。
「おいリボーン!?」
「オレじゃねーぞ」
「え?」
「……10代目、それ……」
「…プリチケ、よね。」
押さえているところから見えていたそれは確かにプリチケだった。
それを確認してツナも驚く。
「な、なんで……?」
「うーん……ねぇジュルル、何かした?」
『んじゅ?』
コンパクトを開いたらぁらの問いかけに画面の中のジュルルが首を傾げた。
「……違う、みたい?」
「そもそもプリチケの配達人としての力を失っているはずだからジュルルのはずがないと思うのだけど…」
「だよね……?」
そう言ってから首を傾げる。
「うーん……めが兄ぃさんに調べてもらったほうがいいかなぁ?」
「プリパラ側から裁かれないとも限らないものね……そういうのがあると話には聞いているだけでどういうものかは知らないけれど。」
「さ、裁かれ……?」
「一応男性入場禁止だもの……この世界に多分いないレオナは例外として。」
「忘れかけるけどレオナって男性だね……」
「あなたは実際何度か忘れてるでしょ…」
「あたしだけじゃなくてみんなも忘れてるよね…?」
「否定できないのが〜…」
『どうかしたクマ?』
悩んでいる様子のらぁら達を見かねたのかクマが話しかけてきた。
「クマさん、めが兄ぃさんにお願いしてボンゴレ10代目のプリチケについて調べてもらうことってできるかな?」
『クマ?ボンゴレ10代目は……男だったクマよね?』
「そうなんだけど、今プリチケが届いたの。」
その話を聞いてクマが訝しげな表情をする。
『……普通、男にプリチケは届かないクマよね。それでも届いたのはちょっと疑わしいクマね』
「この世界に男プリはないし普通なら届かないと思うんだけど。」
『そうクマね……ちょっと待つクマ。…めが兄ぃー!』
『どうされましたか?』
『ちょっと代わってほしいクマよ、らぁらから話があるみたいクマ』
『らぁらさんから、ですか?』
『そうクマ。らぁら、めが兄ぃに代わるクマよ。』
「ありがとう、クマさん」
『気にすんなクマ』
その会話があって映る姿が変わる。
『お電話代わりました、どうされましたか?』
「めが兄ぃさん。実は男性のはずのボンゴレ10代目にプリチケが届いたんです。プリパラに裁かれないか心配で……」
『……ふむ。』
「プリパラ憲章12条、プリチケが届いた者は何人もプリパラに出入りしていい……とは言うけれど。」
「昔あたし達の世界のめが兄ぃさんが男の人っぽい人に裁きを要求しようとしたことがあって……何かの違反になってないといいなって」
『男性っぽい人、ですか。…ということは女性ですか?』
「そう、女の人だったの〜」
「それで結局裁くことはできなかったのだけど、その人がライブステージ上で告白するまで周囲のほとんどの人から男性だと思われていたのよ。」
その言葉を聞いてめが兄ぃが頷いた。
『なるほど。私とあろうものがアイドルを守護する使命から外れようとするとは、と思いましたがそういうことですか。』
「そういうこと〜」
「それで、できれば安心したいから何か異常になってないか調べてほしいんだけど……」
「1人プリチケが届いた男性を知ってるけれど、あの子は完全に例外だもの。」
『レオナさん、でしたか。ふむ……』
少し悩んでから頷き、らぁらに向き直る。
『らぁらさん、彼に代わっていただいても?』
「かしこまっ!はい、10代目。めが兄ぃさんだよ。」
「お、俺……?」
わけもわからずらぁらから端末を受け取るツナ。
『はじめまして、赤井めが兄ぃです。ボンゴレ10代目……沢田綱吉さんでしたね』
「は、はい!」
緊張しているのか声が裏返る。
『失礼ですが明日以降、お時間は取れますでしょうか?』
「え……っと、学校終わったあとでよければ明日でも問題ないですけど」
『それで構いません。では明日、プリパラまで来て頂けますか?沢田綱吉さん立ち会いのもとプリチケを調査させて頂きたいのですが。』
「わ、わかりました……」
『お手数をおかけします。受付のめが姉ぇさんには伝えておきますので、ゲスト用のプリチケを受け取ってください。』
「は、はい!」
ツナがそう答えると満足そうに頷く。
『ではSoLaMi♡SMILEのみなさん、こちらへお帰りの際はどうかお気をつけて。』
「かしこまっ!」
らぁらが答えると同時に通話が終了する。
それをリボーンも覗き込む。
「……なぁ、らぁら?さっきから思ってたがコレ、なんだ?携帯じゃねーよな?」
「それはプリパスだよ。それを使ってプリパラ内と連絡が取れるの。」
「そんな便利なもんがあるんだな……」
「プリパス以外にも連絡ができるものはあるんだけど……この世界のプリパラだとまだ対応してないんだよね。」
「そうなのか……」
「えっと……じゃあ、コレ……」
「あ、うん。ありがと」
ツナからプリパスを返却され、それを制服のポケットにしまう。
「…それじゃあ、今度こそあたし達は失礼するね。また明日ね、10代目。」
「……あ、うん。」
「玄関先まで送るぞ」
そう言ってリボーンとSoLaMi♡SMILEの面々は沢田家の居間を出ていき、その場にツナとランボだけが残された。
少ししてリボーンが戻って来る。
「おいツナ。サインとか貰わなくてよかったのか?あいつらのファンだろ?」
「……あの、いろいろ整理しきれてない状況下で言わないでくれ……」
頭を抱えるツナにやれやれだな、とリボーンが呟いた。
SoLaMi♡SMILEたちの帰り道。
「……それにしても…」
「んー?」
何か悩んでいる様子のみれぃにらぁらが首を傾げる。
「本当に明日でよかったのかしら?」
「何が?」
「ほら、明日って予報出てるじゃない?」
そのみれぃの言葉にらぁらが表情を固くする。
「大丈夫かしら……」
「大丈夫だよ。」
らぁらの言葉にみれぃがらぁらを見つめる。
「大丈夫だよ。」
真剣な表情でそう断言するらぁらにみれぃが頷く。
「……そうね。真中さんの言葉を信じるわ。」
「任せてのかしこまっ!」
最後に不穏な気配。
サイリウムミラクルパクトでも良かった気はするんですけど並盛側のシステムバージョンの影響もあってプリパスに。
なお、並盛めが兄ぃさんは少なくともロゼットパクトまでは対応できるように頑張っています。
……“ゲスト用のプリチケ”に関してはオリジナル設定になるかと