裏世界の空と表世界の空と 作:星海
イガイガモンスター特級ってどれくらい強いの、って言われる気がするので
…高すぎるかな?
「身体の操作権を、委譲……?」
「骸様の契約と近いと思えばいいと思う……」
「骸の契約…ってことは結構危ないんじゃ…!?」
ツナがそう言うとめが兄ぃとみれぃが少し困った表情をする。
「委譲する合図、といっても完全な委譲というわけではないようでして。10分ほどでアイドルであるらぁらさんに操作権が自動的に戻るそうです。」
「勇者様の方も別にらぁらの身体を乗っ取りたいわけじゃないらしいぷりから多分問題ないと思うぷりけど……」
「……それに、特級以上にもなると勇者であるラァラさんとアイドルであるらぁらさんが力を合わせて戦わないと厳しいところもありますので」
「力を合わせる……?」
「この戦いの中、らぁらにはらぁらの役割があるってことぷり」
「イィィ……!!」
唸りと共に収束され始める光。
それを見てらぁらがイガイガモンスターから少し距離をとる。
「
その言葉と同時に現れたマイクにみれぃの表情に焦りが現れる。
「めが兄ぃ!」
「簡易防音障壁、展開します!!」
「全員耳塞ぐぷり!!」
言われるがままに全員耳を塞ぐ。
「ガァァァァァ!!!」
そうして放たれた砲撃に対し、らぁらが取った行動は───
「かしこまぁぁぁぁあああ!!!」
絶叫。ただし───
「うわっ!?」
「「「「「っ……!」」」」」
足元の地面にはヒビが入り、周囲の建物は砂のように崩れるほどの代物。
「〜〜〜!相変わらず、凄い声……いや、音圧ぷりね…!」
「凄い、というか日に日に強くなってませんか!?このままでは本格的に防音障壁が保ちませんよ!!」
「ヒビ入ってる〜…」
そふぃがそう言うがめが兄ぃが展開した簡易防音障壁はほとんど壊れかけていた。
「それだけイガイガモンスターも強くなってるってことぷり!!ホント、声を一点に集中させて放てれば一番いいぷりけど……!」
「スピーカー背負わせて戦わせるわけにもいきませんからね……!」
「かといってメガホンマイクだと出力が不足するぷり……!今はこうして喚き散らすしか方法がないぷりね……!」
とはいえ、その喚き散らしで砲撃が相殺されたのも事実。
「イィ……!」
それを見て不利と見たか、イガイガモンスターは背にあった羽を使って空へ。
「逃さない!」
そう言って懐から取り出したのはハート型のアイテム。
「“サイリウムチャーム”…?」
「エアリーチェンジ!!」
宣言とともにチャームが輝き、らぁらの背に緑色の鳥のような翼が生える。
「ブリーズエアリー!!」
そう宣言した後、勢いよく飛び立った。
「ブリーズ……エアリー?サイリウムエアリーじゃなくて??」
「ツナさん、意外と詳しいぷりね……?」
みれぃが少し苦笑いするとめが兄ぃが空にいるらぁらとイガイガモンスターの姿を映し出した。
「らぁらが使ったのは“戦闘用エアリーチェンジ”。“バトルエアリー”、とも呼ばれているぷり。」
「バトルエアリー……」
「普通、エアリーチェンジはドリームシアターじゃないと使えないぷりから。TVライブで使えるアイドルも中にはいるけど……ともかく、ライブ以外でエアリーチェンジを使い、空中機動力に変えるのがバトルエアリーぷり。」
「TVライブでエアリーチェンジできるのみれぃもでしょ〜」
「いやそふぃも……っていうか、みれぃ達の中でやったことないのらぁらだけぷり」
まぁらぁらがやったらゴールドエアリーよりも更に上位の翼を出しそうなのが怖いところぷりけど、と小さく呟く。
「サイリウムエアリーにアイドルのチャームに応じた種類があるように、バトルエアリーにも種類があるぷり。それぞれに特化したものがあって、らぁらが今使っているブリーズエアリーは加速力に特化した翼ぷりよ。」
「…そもそも、ブリーズって何?」
「Breezeの意味は
「へぇ……」
「流石はハル、名門校に通っているのは伊達じゃないぷりね。」
「ハルが名門……そういえば山本も言ってたっけ……」
それらの言葉に顔を赤くするハル。
「ちなみに他のバトルエアリーはエンジェル、デビル、ジュエル、ペイント、ビースト、ドリームとなっております。」
「それぞれエンジェルエアリーは回復力、デビルエアリーは機動力、ジュエルエアリーは防御力、ペイントエアリーは撹乱力、ビーストエアリーは攻撃力、ドリームエアリーは把握力に特化してるぷり。」
「へぇ…そうなんだ」
「それから……バトルエアリーを出すためのチャームは“バトルチャーム”って呼ばれてて、いつもライブで使ってるのとは別物ぷりね」
「へぇ…そうなんだ」
「……ホントに理解できてるぷり?」
みれぃに指摘されてツナが言葉に詰まる。
「まぁ今のところ全部は理解できなくてもいいぷりけど……」
「ボス、通常のチャームとバトルチャームは比較するとこんな感じ……」
そう言ってクロームが2つのチャームをツナに見せる。
「ホントだ、並べないとはっきりとは分からないけどちょっと違う……ありがとう、クローム」
「大丈夫。あと……サイリウムエアリーがアイドルそれぞれのチャームによって変化するのと同じで、バトルエアリーにもそれぞれに適性がある…みたい」
「適性?」
首を傾げるツナにクロームが頷く。
「例えば、私はペイントエアリーだけしか使えない。ビアンキはエンジェルエアリー。」
「エンジェル……?」
「……何?」
「い、いや!なんでもないです……」
「そふぃはデビルエアリーとビーストエアリーぷりね。この適性に関してはまだよく分からないけれど、努力を重ねれば別の翼も使えるようになることから本人の素質以外にも熟練度なんかが関係してるって予測になってるぷりよ。」
実際そふぃも最初はビーストエアリーしか使えなかったぷり、と言ってかららぁらの映るスクリーンを見る。
「…で。」
いつの間にからぁらの翼は別のものに変化しており、竜を思わせるような紅い翼となっていた。
「最初から7種類全部使えたのはらぁらだけぷり」
「えっ」
「今らぁらが使ってるのはビーストエアリー。さっきも言ったけど攻撃力に特化した翼ぷり。…状況に応じて翼を使い分けられるのがらぁらの強みぷりけど……」
そう言ってから少しだけ微妙な表情になる。
「さっきの大声……“サウンドバースト”とバトルエアリーの起動、および変更はアイドルのらぁらの担当ぷり。勇者のラァラに主な戦闘を任せてるとどうしてもちょっと遅れが出るぷりよ。…ここはらぁら自身が強くなるしかないから難しいところぷりね。」
「本人は勇者様の方に任せておきたいらしいけどね〜…」
「……」
「さっき言ったらぁらの役割っていうのはほぼこれぷり。他の役割としては……簡単に説明すれば身体の維持と強化。らぁら自身が強くなるのは何も意味がないわけじゃないぷりよ」
「どういうことですか?」
ハルの疑問に少し悩んでから口を開く。
「らぁらの身体能力は確かに高い方だけど、勇者として戦っていたラァラほどじゃないぷり。だから、勇者のラァラが無理をするとその反動がアイドルのらぁらに襲いかかるぷりよ。…怪我も同様。入れ替えてるのは魂だけで身体はアイドルのらぁらのものぷりからね……」
「反動……」
「最初の時とか酷かったよ〜……勇者様が何も考えずに戦った影響で翌日全身筋肉痛で泣いてたし〜……」
「それもあって、らぁら自身が身体能力を上げることは勇者の戦闘能力を上げることにも繋がるぷり。……今は勇者のラァラも力を抑えてくれてるぷりから……」
「そんなに凄かったんですか?」
ハルの言葉にみれぃが頷く。
「あの時現れたイガイガモンスターは今よりも強くて複数いたぷり。…でも、瞬殺だったぷりよ」
「瞬きしてる間に終わってたよね〜」
「はひ……」
「しゅ、瞬殺て……」
「ちなみに。みれぃの計算が確かなら……あぁ」
スクリーンを見たみれぃが何かに気づいたような声を上げる。
「もうこの戦いも終わるぷりね」
その言葉に全員がらぁらの映るスクリーンを見ると、また翼が変わっていた。
「あの翼は?」
「ドリームエアリーぷり。把握力に特化した翼で、周囲環境の把握以外に……」
みれぃが説明している最中にらぁらを中心に空気が渦巻き始める。
「今ちょうど始まったぷりね。周囲のエネルギーの収束、なんてことができるぷり。」
「エネルギーの収束……」
渦巻く空気は掲げた剣に集い、煌めく刃を形成する。
やがて収束が収まると、剣はらぁらの身長程もある大剣となっていた。
それはらぁらの手によって振り下ろされ───
「───っ!!」
バッサリと。イガイガモンスターの巨体が両断された。
「す、すご……」
両断されたイガイガモンスターは存在そのものを保てなくなったのか、その姿を消滅させていく。
空から降りる中で大剣を形成していた刃は煌めきを散らしていく。
───らぁらが地面に足をつけた頃にはイガイガモンスターは消滅し、剣は元の片手剣にまで戻っていた。
「……」
それをしっかりと確認して剣を振り払い、鞘へ剣を納める。
そうして、TV局のある方へ向き直り───
「討伐完了!かしこ……まぁ〜〜ぁ〜ぁぁ〜……」
───そのまま、バタリと地面に倒れ込んだ。
各バトルエアリーのデザインはこんな感じです
エンジェル=天使のような純白の翼
デビル=悪魔のような黒と赤の翼
ブリーズ=鳥のような緑の翼
ジュエル=宝石のついた七色の翼
ペイント=落書きのような翼
ビースト=翼竜のような紅い翼
ドリーム=蝶の羽のような翼
これ以外に上位エアリー(プラチナエアリー、ファイナルエアリー相当)と下位エアリー(プチエアリー相当)が存在するんですけど今は使いどころじゃないので…
あと空中行ったから空中戦、なんてことしてますけど現在のらぁらさん自身は遠距離攻撃使えないので結構不利です(翼の種類変えて各性能上げることで対応しやすくしてる状況)