「フォーリン・ラビリンス」二次創作幕間短編集 作:スケィス3rd
それを自分のお話に合わせた解釈になります。
「重婚文化を最初から承知のトルテは兎も角、何故ファノもそれを受け入れてるか」のお話
怪しいと思えるタイミングはいくつもあった。女性メンバーが生娘なことが条件とか、衣装の露出度がおかしいとか。それでも、クエストの一環と思って依頼人…ヘレンのいう事を聞いてしまった結果がこれだった。聖剣の担い手は突き飛ばされて扉の向こう、そして、水着に着替えさせられたファノとトルテは、本性を現したダークユニコーンの毒牙にかかるのを待つだけの身…
(助けて…助けて…!)
記憶を失い、見ず知らずの男の奴隷となったファノではあったが、それでもその男が善良な意識の持ち主であったため、今日まで彼女の意に反することは一切されないでいた。だというのに、まさか、こんな獣に…
震えて、目をつむるしかできないファノ。せめて悍ましいものが見えない様に…
そう思っていた彼女の体に、ふと何かかかぶせられた。あの獣の生暖かいナニかでもなく、吐息でもなく…むしろ、安心できる匂いのする…
「ファノ、遅くなった、そのマントで隠して、どうにか着替えられる?」
彼女を常に恐ろしいものから守る、頼もしい背中。扉の向こうに突き飛ばされた筈の彼は、しかし「扉そのものをぶった切って」こちらに駆けつけてくれたのだ。
「聖剣オウドラゴンにとってあの程度の扉、物の数ではないわ!マスターの可愛がっているトルテとファノに手を出した以上、五体満足で帰れると思わんことだ」
剣霊のアウラが彼の肩の上で啖呵を切っている。
みれば、切り飛ばされた扉はそのままダークユニコーンに直撃したらしく、気絶している様子。それでもまた起き上がってこないかどうか、彼はオウドラゴンを構えて警戒を続ける。
ファノにかけてくれたのは、彼が普段使っているマントだ。だから彼の匂いがしたし、小柄なファノの体を覆い隠すには十分な大きさがあった。
「…そうだ、トルテさんは!」
漸く自分が助かったことを自覚し、もう一人犠牲になり掛けてた仲間であるトルテがどうなってるか、あたりを見回すと…
そこには、既に戦闘装備に着替え、弓を構えているトルテの姿があった。
つまり、彼は先にトルテの方に駆けつけたという事になる。
合理的理由はある。弓を構えられる彼女の方が、彼がファノの方に来る時も警戒を続けられる。
それでも…それでも、ファノの心に、ちくりと痛む…そんな感覚があった。
その後については、凄惨、という表現がしっくりくる流れであった。ギルドにヘレンことダークユニコーンを突き出し、依頼そのものが罠であったと説明する為「殺すわけにはいかない」のだが…逆に言えば「相手は魔物だし、死なない程度には痛めつけていい」という理解をされてしまった。後にダークユニコーンは語る。「あの時はいっそ馬刺しにでもされた方が楽だったんじゃないかと思った」と。
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「全く、今日は散々だったわ!」
丘の上の冒険者3人の自宅、そのリビングにて。ぶつぶつ言いながら、相方たるファノの髪を櫛で梳くトルテの姿があった。
「『散々』で済んでよかった、ともいえるんですけどね…」
一方、苦笑しながら大人しく手入れを受けている方のファノ。確かにギルドに戻った後も大変だったのだ。
ユニコーンを簀巻きにしてギルドに突き出した後も、一番怒りが収まらなかったのは聖剣の担い手だった。ヴェリアプールのギルド長は女性であり、何があったか説明した途端に真っ青になって「なにもされていないか」聞いてくれる位には親身になってくれたのだが…これが、ギルドとしての対応となると、納得のいく対応にはならなかったのだった。
ダークユニコーンは「生命や身体に害のある攻撃」をしてくる相手ではない。どうしようもない変態であり、女性の敵である事には何の間違いもない。それでも、例えば夢魔のように「片っ端から男性の生命力を吸い取る」とか、ミノタウロスのように「物理的に害してくる」被害はない。さらに言えば…冒険者の貞操観念はえてして緩い事も多く…それこそ奴隷を買って都合のいい発散相手にする女性冒険者すらいるレベルである。
故に、ギルドとしてはどうしても警戒レベルを引き上げる余裕がない…事に、彼が憤慨して食って掛かってしまい、2人でなだめるのにまた苦労する羽目に…
「…まぁ、本当に大事にされてるんだなっていうのが分かったのは、ある意味よかったんだけどね…」
ギルドの方針から考えると、彼女らのリーダーが穏やかで妙に潔癖なのが逆説的に証明される。あれでいて、街の裏の元締めであるレッテルフェイスともつながりがあるので、必ずしも清廉潔白なわけではないのだが、殊ファノとトルテへの扱いは冒険者という職業を考えれば破格であった。
「本当に…私を見つけてくれたのが、お二人でよかった…」
「助けてやったんだから好きにさせろ」なんて男に奴隷として扱われた日には、ダークユニコーンの比ではない壮絶な目にあっていただろう事を考えると、ファノは己の幸運を実感するのであった。…そもそも記憶喪失でラビリントス内部に封じられてる時点で不運ではあるのだが…
「ファノちゃんが2人目、でよかったわ。私なんか、アイツが奴隷魔術の加減を分かってなかったせいで一回裸にされたんだら!」
初日のあれこれを語るトルテ。とはいえ、その表情は憤慨してるとかではなく、今では笑い話になってる事が伺える。服を脱がせてしまった件も、本人が深く後悔してるので本意ではなかったことがしっかり伝わり、禍根にはなっていないのである(それはそれとしてネタにする)
本当に、二人は仲が良い。トルテが姫様価値観でズレたことを言っては彼がフォローに回るやり取りも多いが、その一方でトルテの飾らなさに自然と乗っかって会話することも多い。そして、盾たる戦士と矛たる猟兵というコンビネーションもまた抜群であり、相互に信頼し合っている事が伺える。
そう、今日だって、先にトルテの方にフォローに回るくらい、信頼し合っているのである。
ファノが俯きながら、震えている事にトルテは気が付いた。最近彼に対しては積極的になってきたので忘れがちだが、元来はファノは男性に対してかなり警戒心の高い性格をしている。そんな彼女が本日のような目にあって、かつ「裸にされた」なんて単語を聞いたせいで、何かトラウマを刺激してしまったのだろうか?
「え、えっと、ファノちゃん?その、本当にすぐに服は返してもらったし…ああ、もう、ごめんなさい、昼間みたいな目にあったのに配慮が足りなくて…!!」
なんやかんや、前線勤務で姫騎士をやっていて精神的にタフなトルテに対し、ファノは「自分が誰なのかすらちゃんとは分かっていない」という弱みまであるのだ。自分の冗談がファノを傷つけてしまったのかと慌てるトルテであったが…
「違います…違うんですトルテさん…悪いのは私で…私が嫌な人間だから…」
「え…えぇ…ファノちゃん、どうしたの…??」
てっきり自分が地雷を踏んだのかとおもったら、自分が悪いと言い出しながら泣き出してしまったファノを見て、トルテはおろおろするしかできないのであった。
ひとしきり泣いた後、ファノはトルテの方に向き直った。そして、何かを決意したように、話始める。
「…トルテさん、私、あの人の事が…好きなんだと思います」
「そうね…最初と比べると、体が接触しても怖がらなくなったし、会話も自然だもの」
トルテはあっけらかんとしている。意図するところが伝わっていないのであろうか?
「…女の子として可愛く見てもらいたくて、リボンなんか買いに行ったこともありますし…」
「あ、やっぱりそうなのね、すごく似合ってたもの!」
…ここまで言ってもまだ伝わらない。なら、今日感じた、嫌なことも正直に話すしかない
「…それに今日、あの人が私より先に…トルテさんの介抱にいった時…ごめんなさい、良くないことはのは分かっているのに…私は嫉妬してしまって…」
「あー…全く、アイツも配慮が足りないわね…今度言っておかないと…」
…あれ、なんか流れがおかしいな?と悲しみや苦しさから一転、今度は疑問でいっぱいになるファノ。だが、ここまで言った以上、確認はとらないといけない…
「あの…トルテさんは…あの人の事を…」
はたから見れば、とても仲の良い男女、に見える。戦略面では忌憚なく意見を言い合い、ジョークも飛ばし合い、互いの背中を預ける。あれでそこまで深い仲じゃない、とみる方がファノには難しい。それとも、ファノには分からない男女の友情なのだろうか…?
「うん、好きよ。最初は何も知らなかったら喧嘩もしたけど…」
「それなら、私が嫉妬してしまうって…」
「だからそれはアイツの配慮が………ああ!?」
そして放たれる驚愕の真実
「もしかしてファノちゃんって男女の仲は一対一が原則の文化圏の人!!??」
「えっ」
この東西帝国において、税金さえ納めれば複数人の女性を娶ることは法的に許されているのである。ましてやトルテはそんな国の王女、貴族である。血を絶やさぬ為の妾だの側室だの第〇夫人だのという話は耳がタコに成程聞かされてきた(なお皇帝キルシュはその手の話をトルテに振ることを諦めていた。大人しく貴族の夫人を務められる性格でないと理解していたので)。それと比べれば、平民であって、娶った相手は平等に扱うべきとされる彼との関係は非常に気楽…というのがトルテの認識だったのである。
つまり「可愛い妹分と同じ男性を好きになれて良かった!あとはファノを泣かせないようにしっかりしてもらわないと!」くらいにしか思ってなかったのである。だから、ファノに嫉妬心を抱かせたのは「彼の過失」認定だった。
「ごごめんなさい!!!そうよね、記憶喪失だし別の文化圏っていう可能性もあるわよね…勝手に同じ文化で考えてて…」
ダメージに対してタフな一方でこういう時のトルテは分かりやすく取り乱す。何かこう、ファノの方が申し訳なくなる位に。
「…その…ファノちゃんがどうしても我慢できない、っていうなら…恋のライバル…になるんだけど…」
とても可愛がっていた相手の突然のライバル宣言などがあったら、トルテとしても戸惑うであろう。それでも、自分たちの文化を強制することはできない、というあたりが根が真面目なトルテである。
だが、ここまで来たのならファノの答えは決まっていた。
「…私も、トルテさんと、あの人と3人で一緒がいいです…トルテさんの事も…大好きなので…って!?」
そこまで行ったところで、がばっとトルテがファノを抱きしめた。
「良かったー!…ああは言ったけど、ファノちゃんとライバルなんてちょっと考えられなくて…安心したの!」
「私も…私も…すごく…安心しました」
ファノもぎゅっとトルテを抱き返す。
ファノにとって、トルテと彼はこの世界でたった2人の「家族」ともいえる存在だ。自分が誰かもわからぬような、ともすればお荷物ともいえるような存在に心を砕いてくれる、優しい男女。社会的名称は、そのうち少し変わるかもしれない、それでも、3人でずっと一緒にいる事が出来る、それが何よりの幸福だ。
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「で、聞こえてたのよね?さっきの。階段の上から」
「…良く気付くなぁ…」
「猟兵の耳を舐めない事ね。…そういう訳だから、私の事も、ファノちゃんの事も、泣かせたら承知しないからね?」
「…肝に銘じておくよ」
・サブタイトル
ジュノクエスト「ふたりの想い」。FFXIからとる縛りになっている。冒険者だから…
フェローシップ。フェイスの原型なんだけど、今となってはポンコツだろうなぁ
・ダークユニコーンのクエスト
トルテとファノ両方が処女でなければ受ける事が出来ないクエスト。解呪したマイクロビキニが手に入るほか、当初の報酬より色を付けた金額を「ギルドよりの賠償」として受ける事が出来る。ちなみにまともな水着は別クエストで入手できるよ。
こんなクエストがある通り、このゲーム、基本的に2人にひどい事はしない前提になってると思っている。RTAはまた違ってくるが。
某赤い彗星「その割にはリーゼとプリスティナには冷たかったな!?ええ!?」
※プリスティナとの1回目の事情シーンは、クエストの最中に主人公が遺跡の影響で正気を失って襲う形。もっともそんなヤバイ遺跡に誘ったのはプリス本人。あとリーゼの1回目もベアヒルダに操られてお仕置きするシーン。
・「マスターの可愛がっているトルテとファノ」
実際のオウラのセリフをもとに構成。このクエストを受けられる=2人にひどいことをせず大事にしてるなので、アウラもそう認識している
・馬刺しの方がまし
無限復活してくれるので気のすむまで殴り飛ばすことができる。このクエストのボスはイベントシーン前の固定であり、ダークユニコーン自体はクソザコである。
経験値も微妙なので時間効率的にはお勧めしないが。
・ダークユニコーンを簀巻きにして突き出す
これはこのお話の独自解釈。実際には気が済んだ隙をついてダークユニコーンは逃走し、報告に行くとそのまま賠償金を得る、という流れ。
ただ、自分では「ギルドがどこで依頼が偽物だったと確認したか」を把握しきれなかったので、このように司祭ヘレンの姿に化ける能力をもったユニコーンを突き出した、という形にした。
まぁ、ゲーム的には面倒ですよねこの処理
・ギルドの対応
独自解釈。正直魔物が依頼を出すって相当マズい事例だと思うんだけど、賠償金だけで済ませてる事に対する解釈。
サキュバスもミノタウロスも実際討伐クエがある。そして女性型モンスなので捕獲してそういうシーンもある。
・発散する為に奴隷を買ってる女性冒険者
しかもよく見るとかったのは女性の奴隷。そういう事である。
・必ずしも清廉潔白ではない
初登場時密航してるんですよこの人。
・一対一が原則の文化の人
重婚が認められてる文化で育てば、そりゃ2人を娶る事に何ら不信感を持たないだろうな、という視点をちょっと伸ばして、ファノはその文化ではなかった、と独自解釈。実はファノの本来の時代は5000年前。
・妾とか側室とか第〇夫人とか
こういう文化は日本でお家を存続させるためにあった文化で、某聖堂教会もかかわってる一大宗教の勢力圏、ヨーロッパではメジャーとは言えないし、イングランドでは「離婚して再婚する為に英国国教会が出来た」のだが、東西帝国は重婚OKなんだから側室文化あるだろうなという想定。
・同じ男性を好きになれて良かった
ダークユニコーンクエストの後の夜会話で同じ趣旨の発言をトルテがする。実際のゲーム中ではファノも重婚文化を最初から受け入れてるので、特に喧嘩せず「一緒にあの人すきになってよかったねー」と盛り上がり、「声かけづらくなったな…」とアウラと主人公が退散するシーンとなっている。
・猟兵の耳を舐めない事ね
独自設定。上記の通り実際には主人公は声を掛けられない、と退散しているので会話を聞かれた事実には2人は気づかない。
・トルテとファノの性格に対する想定
☆トルテ 見栄っ張りで要らぬ話の盛り方をする、やや脳筋的解決策を提案するなど残念美人要素がある一方で、実はパーティ全体の事を考える、騎士としての誇りは忘れず、主人公も守る対象である、など他者を慮る余裕のある女性。
好感度が高いが乗り気ではない時は「私で発散すれば他の女の子に手を出さないでしょ」というような口ぶりをする(ただの照れ隠しだが)他、他のシーンでは「私が貴方を守ってあげる」という風に告白するシーンもある。(だからって雪華の盾はやめようね)
なので、ファノの事も常に気にかけてるイメージ
☆ファノ ヴェリアの巫女として他者に対し包容力を持ち、穏やかで優しい女性。その一方で、実は恋愛に関してはちょっと独占欲がある。これは、色々余裕がなくなってくると「私だけを見て…!」というセリフがある点からうかがえる。あと、私をあなただけのものにしてください、とかも
とはいえトルテも大好きなので、3人一緒、についてはすんなり受け入れた。ちなみに嗅覚が鋭いらしい。2人が使ってない香水の匂いなんかした日には大変だろう。
全く関係ない近況
・実は、某サ終してるスマホゲーの合同誌に文章で参加予定なんですが、上限が2500字なんですよね。これも考えずにさらっと書いて5000弱なんで…半分…まとめられんのか…自分