Fate/OverBORDER 三門聖杯大戦   作:宇津木 沙坂

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三雲修①

 少女の夢を見た。

 星の降る夜に、遠く離れた異世界から、ずっと昔のこの地に降り立った、少女の。

 

 息を呑むほどの美貌と、とても珍しい髪をしていたから、少女は神様だと思われた。

 実際、少女は歳を取らなかった。それがより、彼女を神秘的に見せていた。

 

 彼女は、自身を崇める人々の為に、大太刀を振るった。

 

 嘗てこの土地に存在していた、魔性のものを討ち取って、少女はさらに崇められた。

 

 少女は、自身を崇める人々の為に、大太刀を振るった。

 

 この土地を支配下に置こうとした、八百万の神々を数柱屠って、少女はさらに崇められた。

 

 少女は、自身を崇める人々の為に、大太刀を振るった。

 

 この土地を支配下に置く為にやって来た、雷と地震を司る、とても強く恐ろしい神を撃退して、少女はさらに崇められた。

 

 そうして、数多の信仰を集めた少女は、本当に、神様になった。

 

 少女は、自身を敬う人々の為に、大太刀を振い続けていた。

 

 だがそれでも、少女の逸話は残らない。

 少女の戦いは、誰の記憶にも残らない。

 少女の、人としての名前は、残らない。

 ただ、建御雷神でも倒せなかった、まつろわぬ神である、と。

 ただそれだけしか、残らない。

 

 それで良いと、少女は思った。

 それが良いと、少女は考えた。

 名誉も残らず。

 苦難も残らず。

 本名も残らず。

 少女は、天津甕星は、ただの、まつろわぬ神である。

 

 ─────それが、ぼくには酷く、悲しいことのように、思えた。

 

 

 三月十六日。

 ランク戦ブースでは、人だかりが出来ていた。

 

 白い隊服を翻して、A級隊員緑川駿が、グラスホッパーで、街中を飛び回る。

 その瞳は、とても楽しそうな光を灯していた。

 

 左手にレイガストを構えて迎え撃つのは、三雲修。

 久しぶりに、本部規格のトリガーでの実戦である。

 

「行くよ!三雲先輩!」

「───来い」

 

 三雲修の周囲を、グラスホッパーが覆う。

 乱反射(ピンボール)と呼ばれる、グラスホッパーの戦闘技術の一つであり、緑川駿の得意技。

 レイガストで防ぐが、身体中に細かい切り傷が発生する。だが、予想通りの動きだ。

 左手で生成した通常弾(アステロイド)で、グラスホッパーの板を的確に撃ち抜いていく。

 空中でのジャンプ台を失い、一瞬動きが乱れた隙に、スラスターのシールドバッシュで、壁際まで追い詰める。

 

「やべっ!」

「───取った」

 

 咄嗟の両防御(フルガード)を読んで、大玉の誘導弾(ハウンド)で、正面では無く真横から。

 

「くっそ〜〜〜!」

 

 完全にしてやられて、緑川駿は緊急脱出(ベイルアウト)した。

 

 そこで、アナウンス。

 

『十本勝負終了。勝者、緑川駿』

 

 一勝九敗。

 最後の最後で、読み通して、なんとか一勝。

 やはり、自分はまだまだだな、と、三雲修は考えていた。

 …………昨日、セイバーは、自分よりもシェイカーを使いこなしていた。

 まぁ、迅さんや空閑みたいに、サーヴァントと一緒に戦うことなんて出来ないけど、せめて、自衛ぐらいはできるように。

 最近は、個人ランク戦してなかったし。

 

「くぁぁぁぁ!悔しい!最後の一戦、かんっぜんに掌の上だった‼︎」

 

 だがそれでも。

 

「それまでの九回は、翻弄されっぱなしだったよ。やっぱり強いな、緑川は」

「チーム戦が本領の三雲先輩に、個人でどれだけ勝てても意味ないし。ていうか早くA級ランク戦復帰してよ‼︎遊真先輩も、一時的にA級に戻ってさぁ‼︎」

「ごめん。暫くは難しいかな」

 

 聖杯大戦という大仕事があるので。

 

「ていうか、本当にロビーで良かったの?ウチの隊室でやれば良いのに」

「あぁ、時間も勿体無かったし。…………あれ?ギャラリー多くないか?」

「あったり前でしょ‼︎元A級二位部隊の隊長なんだよ三雲先輩は‼︎」

 

 一年と少し前、本気の弟子達と戦いたいから、という理由で本部規格のトリガーでチームランク戦に乗り込んできた、迅悠一も含めた玉狛第一と、A級に昇格したばかりの玉狛第二は、そのシーズンのA級ランク戦で、ワンツーフィニッシュを達成。

 

 最終ラウンドの玉狛第一対玉狛第二対太刀川隊対嵐山隊の試合は、もはや伝説である。

 

 その後、玉狛オリジナルトリガーを受け取り、玉狛第二は、チームランク戦からは除外された。

 

「そんな人が珍しく個人ランク戦してるんだよ⁉︎ギャラリー集まるに決まってるじゃん‼︎

 こういうところで無自覚なの勘弁して‼︎」

 

 そうは言うけど。

 

「僕が二位になれたのは、みんなのおかげだし」

「ほらそういうこと言うー‼︎」

「いや、まぁ、確かに、ある程度は役に立ってたと思うけど」

「ある程度で済むかっての‼︎三雲先輩がそう謙虚だからさあ───」

 

 ランク戦を見ていた、訓練生達の会話が、漏れ聞こえてくる。

 

「…………あれ、本当に元二位の隊長なのか?俺より弱くね?」

「有名な話だぜ。最弱のA級隊員。何でも、強い仲間におんぶに抱っこだったらしいぜ?」

「なんっだそれ。笑える。そんなの俺でも二位取れるわ」

 

 緑川、キレた!

 

「───あぁいう馬鹿な勘違いする奴が増えちゃうんだよ‼︎」

 

 その訓練生を指差しながら、そんなことを言うので、そいつらはびっくりしていた。

 しかし、凄く失礼なことを言われたにも関わらず、三雲修は、平然としていた。

 

「いや、その、ある程度は事実だし」

 

 自分が最弱のA級隊員であることなど、百も承知だ。

 強い仲間に恵れたことも、間違いではない。

 緑川はさらにキレた。

 

「あーもう!あーもう‼︎これだから三雲先輩は‼︎───おいそこの訓練生‼︎スコーピオンだけ使ってやるからブースに入れ‼︎十本勝負な‼︎」

「ちょ、緑川」

「強い仲間さえいればA級二位部隊の隊長やれるとか言うなら、オレから一本以上取れるんだろ⁉︎

 ───だって、お前よりも弱いらしい三雲先輩は、オレから一本取ったんだし‼︎」

「A級がC級に喧嘩売るのはダメだって‼︎」

 

 じたばた暴れる緑川を、必死に止める。

 二年前の奴はC級の空閑からだから何とかなったんであって、緑川からやるのはダメだろう。

 そんなとき、その訓練生達の背後から、B()()()()()()が声をかけた。

 

「やれやれ。今季のC級は程度が低いな」

「そう言ってやるな。奴らに三雲先輩の強さなど理解できないさ」

「3,000の壁も越えられない、所詮は選ばれていない者たちなのだから」

 

 上から甲田照輝(こうだてるてる)早乙女文史(さおとめふみふみ)丙秀英(ひのえひでひで)

 嘗て空閑にC級3バカと言われた、上位入り間近のB級中位部隊である。

 

「あ、甲田。久しぶり」

「お久しぶりです。三雲先輩。お元気そうで何よりです」

 

 この3バカと三雲修に何があったのかというと、大体一年半ぐらい前。

 

 

 甲田隊は、一向にB級下位から抜け出せなかった。

 中位に一瞬だけ上がることは何度もあったが、その度に、柿崎隊や荒船隊、諏訪隊に蹂躙され、下位に落ちるを繰り返していた。

 二期連続での下位フィニッシュに、甲田は強い危機感を抱いていた。

 

『…………個人個人の実力なら、中位とも勝負になる筈だ。個人ランク戦での勝率は、確かに高い。

 戦術も、フォーメーションも、C級の頃とは比べ物にならないぐらい洗練されている、筈なのに…………!』

(何が足りない?何故勝てない?)

 

 上に行くには、やはり。

 

『玉狛の白い悪魔のような、強い駒が必要なのか……?』

 

 だと、すれば。

 隊長として、俺が、やらなければならないことが、あるとしたら───!

 

 翌日。

 みっともないことなど百も承知で、甲田は、個人ランク戦に訪れた空閑に、土下座で懇願していた。

 

『たの───いえ、お願いします空閑先輩!うちのチームに、甲田隊に入って下さい‼︎』

『……………ふむ。まぁ、話は聞こう』

『ありがとうございます………』

 

 本気度は良く伝わってきたので、空閑は、真面目に話を聞いた。

 甲田の結論を聞いて、考え込む。

 

『……………甲田のそれは、確かに、確実な手段だ。修も迅さんを勧誘したし、ヒュースっていう大型新人を入れた。

 でも、それは遠征に一刻も早く向かう必要があったからで、甲田がそこまでする必要は無いんじゃないか?』

『ですが、二期連続で下位なんです……。俺についてきてくれてる二人に、申し訳なくて……』

 

 C級の頃からずっと、自分をリーダーと呼び、ついてきてくれる二人のためにも。

 出来ることを、やらなければ。

 

『……………悪いけど、おれは、今のチームを抜けるつもりはない』

『……………そう、ですか』

『でも、お前たちの現状を、何とか出来るかもしれないやつを知っている』

『ほ、本当ですか……‼︎』

 

 一体、どれほど強い人が……?

 

『明日、隊のやつら全員で来てくれ』

 

 そして、次の日。

 空閑が会わせたのは、三雲だった。

 その日まで、甲田隊の三雲修への認識としては、たまたま強い奴を捕まえられただけの、自分達と同程度の実力しかない、B級中位程度の隊員だった。

 だが、その日。

 

『………………俺たちが、空閑を、倒した………?』

『信じられねぇ………。あの、白い悪魔を?』

『これ、が。これが、戦術………‼︎』

 

 三雲先輩の指示に従い、三体一でこそあったが、あの空閑遊真に、C級時代、手も足も出なかった、あの空閑遊真に勝利できた。

 

『ランク戦は、チーム戦だ。一人一人の強さは、勿論大事だけど、チームで生きる強さもある。

 甲田たちの個人能力は申し分ない。あとは、チーム戦術を伸ばしていけば』

 

 ────もっと、強くなれる。

 

 その瞬間から、甲田隊にとって、三雲先輩は、師匠にして、超えるべき壁となった。

 貪欲に教えを乞い、寝る間も惜しんで記録(ログ)を見て、戦術を研究し、そして───。

 B級ランク戦ROUND8で。

 

『………おい、夢じゃねぇよなぁ?』

『あぁ、夢じゃない!夢じゃないぞリーダー‼︎』

『───上位だ‼︎俺たちは今日から、B級上位部隊、甲田隊だ‼︎』

 

 嬉しかった。心から。

 強くなれた、そう、心から思えて。

 

 油断した。

 

 最終ROUND。

 甲田隊は、初の上位戦で、嘘のように惨敗した。

 沈み込んだ甲田隊作戦室に、空閑が、ズカズカと入ってきた。

 

『────おい甲田。さっきの試合の、アレはなんだ』

 

 それが何を示すのかは、よく分かっていた。

 

『ご、合成弾、です』

 

 覚えたての合成弾を、思い付きで使って。

 その、無防備な瞬間を、狙われた。

 

『実力で届かず敗北したならいい。

 具体的なチーム戦術でも、上位には届かなかったなら、おれも慰めた。

 ────でも、アレはダメだ』

 

 そう、痛いほど、よくわかる。

 だって、あの瞬間。

 俺は。

 

『お前は、チームを勝たせる為じゃなく、自分が目立つ為に、合成弾を使った。あの場面、合成弾を使う必要があったか?

 その結果、お前を庇って丙は落とされて、そこを起点に完敗した』

 

 耳が痛い。

 返す言葉もない。

 

『チームの為に土下座までしたから、おれはお前に期待していた。

 ─────お前、浮かれすぎだ。自分達が強くなった、それはそうだ。でも、どの部隊も、どの隊員も、常に強くなり続けている。

 ─────お前たちだけが、特別じゃない』

 

 …………確かに、自分達は、トリオンに、才能に、恵まれた。

 それでも、才能に恵まれた奴らなんて、上には幾らでもいて。

 そいつらは、同じくらい努力も重ねていて、何より───。

 

『今回の敗北を、胸に刻め。

 この敗北を、確かに糧にしろ。

 良いな?』

『………っ、はいっ……』

 

 隊のみんなに、何より、沢山のことを教えてくれた、空閑先輩と、三雲先輩に、申し訳なかった。

 だから、謝りに行った時。

 

『まぁ、うん。ぼくも、同じような失敗を、何度も繰り返してきたし』

『み、三雲先輩が⁉︎あ、あの、最速でB級二位まで登り詰めた、『神策の指揮官』三雲先輩がっ⁉︎』

『うーん、と。甲田の中で、ぼくがどんなやつになってるのかは、気になるけど。

 甲田は、隊長としての務めを果たそうとしてた。

 まぁ、今回は、そこから外れちゃったけど。

 でも、チームの為に空閑を勧誘したり、頭を下げて、教えを乞うたり。ぼくが言われるまで出来なかったことを、自分の力でやっている。

 だから、甲田達は、大丈夫だ』

 

 ────もっと、強くなれる。

 

 強くなる。強くなる。強くなる。

 

 強くなって、玉狛の白い悪魔を、神策の指揮官を、小さな破城砲を、外つ国からの強者を、玉狛第二を打ち倒し、A級へと昇格してみせる。

 その一心で、突き進んでいたら。

 

 玉狛第二はいつの間にかA級になって、いつの間にか、ランク戦から除外されてた。

 

 ────なんで⁉︎

 

 通達が来た時の甲田隊の心境は、それである。

 

 だからこそ、気に食わない。

 何も分かっていない訓練生が、かの神策の指揮官を愚弄するなどと──!

 

「───良いか訓練生諸君良く聞け‼︎この方こそ、神策の指揮官三雲修‼︎かの軍神東春秋の後継者に、最も近い男なのだから‼︎」

「やめろ!やめてくれ甲田‼︎」

「良いぞー。やれやれー」

 

 如何に三雲修が素晴らしいかを熱烈にプレゼンする甲田隊に、訓練生達はドン引きしていた。

 甲田隊は、三雲修の弟子であり、師匠リスペクトが凄い、とのことで有名である。

 

「……………マスター」

「あぁごめんセイバーちょっと待ってて」

 

 瞬間、ブースの空気が凍った。

 三雲修の、優秀な頭脳は、今のやりとりが、どのように映ったのかを、推測する。

 

 油を刺したばかりの機械のように、修は、振り向いた。

 

 キョトンとした顔で、首を傾げるセイバー。

 その、顔が良いので、非常に目立っている、が。

 

「マスター。そろそろ約束の時間ですよ?」

 

 それ(マスター呼び)は不味い。本当に不味い。

 状況を整理しよう。元A級二位部隊の隊長として、ぼくは注目を集めている。

 そんなぼくを、マスター呼びする綺麗な女の子がいる。

 さて、周りから見たぼくは、どう映るんだろう。

 

「…………マジか。三雲先輩。遠征試験の時から、薄らとそうなんじゃないかって思ってたけど」

「待ってくれ緑川多分凄い勘違いしてるから待って本当にお願い」

 

 久しぶりに、冷や汗が止まらない。

 

「…………いや、その、三雲先輩に、春が来たのは、祝福するんだけどさ。外でマスター(ご主人様)呼びはやばいって」

「違う違う違う違う違う違う緑川誤解だ!」

「さ、流石は、三雲先輩」

「あ、あぁ。あんなに綺麗な人に、外でマスター(ご主人様)呼びさせるなんて………」

「俺たちに出来ないことを平然とやってのけるっ、そこに痺れる憧れるぅ‼︎」

「違うんだ本当に違うんだ‼︎」

 

 ヒソヒソ声が、ブースで広がる。

 

「あんなに綺麗な人初めて見たけど、あんな人にマスター(ご主人様)呼びさせるなんて、大物なんだな。三雲先輩」

「えぇ。凄まじいドSね」

「これほどのドSだから、あんな作戦思い付くのか」

「あんな作戦って?」

「あぁ、よく印象に残っているんだが、女子が死ぬほど苦手な辻先輩に、うまいこと香取先輩をけしかけ続けて、実質二宮隊を二人部隊にしてたんだ」

「…………流石、ドSね」

 

 とても不名誉すぎる。

 もう本部に顔出せない。

 

「セイ、じゃなかったミカさん!行こう‼︎約束の時間だったからね‼︎」

「えぇ。約束したのに放置するのは、酷いと思うわ」

「本当にごめん‼︎後外でマスター呼びはやめて‼︎」

「分かったわマス───じゃなかった、オサム」

 

 セイバーの手を引いて、全力でその場から逃げ出した。

 

 

 さて、セイバーと共にどこに向かうのかというと、ボーダー『園』。平たく言えば、ボーダーの養護施設なわけで。

 第一次侵攻で、親を失った孤児達を保護している。

 

「お、三雲くんやん。久しぶり〜」

「お久しぶりです。隠岐先輩」

 

 今日は休みの日だし、多分いると思った。

 

「お、記者会見の兄ちゃん!」

「うん。久しぶり」

 

 セイバーは、無表情で、子供達を見ていた。

 綺麗な人がこういう顔をすると、凄い圧がある。

 

「お、随分と別嬪さん連れてきたんやねぇ。恋人かい?」

「いえ、そういうのではなく。ライネスさんの客人なんですが、ボーダー『園』が気になったそうで」

「ほーん。隠岐孝二。三雲くんの先輩や。よろしく頼むで」

「………ミカよ。よろしく」

 

 何だろう。

 何だか、少し、暗い、ような?

 

「あっ、そうだ」

 

 昨日の夜、多分セイバーの夢を見ちゃったし。

 ライネスさんが言うには、これは、サーヴァントと契約したマスターには良くあることらしい。

 なので、念話で、報告も兼ねて。

 トリオン体の内部通話みたいだな、これ。

 

 

 

『ごめんセイバー。昨日、多分君の夢を見た』

 

 律儀ですね。マスターは。

 

『…………別に、マスターとサーヴァントはそういうものでしょう?(わたくし)は寝ませんので、安心して下さい』

『疲れたら全然寝て良いよ』

『そういうところは、少し気にした方がいいとは思いますが』

 

 自分に無頓着というか、何と言うか。

 さっきのロビーでのやり取りでも、自身のあのような評価も、気に求めていないんですね。

 まぁ、そういう人だから。

 色んな人が、この人の周りには、集まりがちなんでしょうね。

 

「お姉さん!一緒に遊ぼ!」

「………えぇ。そうさせてもらうわ」

 

 本当に、普通の子供なのね。

 

「ほれほれ。隙だらけやで、三雲くん」

「ハメ技は大人気ないです」

「良いぞー!隠岐ー!やっちまえー‼︎」

 

 マスターも、隠岐も、本当だったら、ただの学生だった。

 それを、実際に目にすると。

 

 

『ねぇ、マスター』

『どうした?』

『この聖杯大戦、絶対に勝ちましょう』

『────うん。勝とう』

 

 (わたくし)は、願いを叶えなければいけないと、そう強く思うのです。





 カバー裏風キャラ紹介

 たまに噛み付くわんこ  緑川駿

 二年の歳月を経て、ボーダー推薦というずるい手段で高校生になったA級隊員。幼馴染の黒江からは恥だと思われている。遊真と赤点を競い合っていたが、あかんラインからちゃんと脱出していく遊真に危機感を抱いて、最近真面目に勉強し始めた、が。しょっちゅう推薦で大学に入った米屋と遊び呆けてしまう。

 師匠リスペクトが止まらねぇ‼︎ 甲田隊

 遊真と修の弟子。元C級3馬鹿は立派に成長している。上位入りとギリギリで上位から落ちるを繰り返しており、最終目標のA級昇格並びに玉狛第二への勝利を目指して特訓をかかさない。新しいフォーメーションは百を超えるとか超えないとか。

 近所の兄ちゃん  隠岐孝二

 裏があるようで余りなかった徹頭徹尾優しい良い人。作中屈指の良識人。原作の内容を踏まえてから十八巻カバー裏を読み返すとすごく遅効性の味がする。これが、遅効性SFか。修にとって世話になった先輩である。機動系スナイパーは健在。
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