サオリたちがベアトリーチェの下で暮らすことを決めた日の深夜
ブー ブー
「敵襲だ!」
「な、なに?!」
私たちは突然のけたたましい警報音に驚き目が覚めた
「て、敵襲?一体どういうことでしょう?」
「おそらくだが、マダムと敵対しているものが襲撃してきたんじゃないか?」
「もしかしたら、その中にショウドもいるかもしれない」
アズサの推論はほとんど頭に入らず、私たちは部屋の隅で体を寄せ合っていると微かに声が聞こえた
「ば、化け物ッ!」
「く…来るなぁぁぁ!」
何人もの断末魔が聞こえ、少し間を置いて地震かと勘違いするような揺れと轟音が響いた
「ば、化け物って何なんですかね?」
「そんなの知らないよ…」
皆いつもと同じような調子で喋る。みんな体が震えているがそれを意識するのが恐ろしいのだ。恐怖で潰れてしまいそうになるから
だからこそ皆普段の調子で話そうと頭を最大限使って考える。恐怖で何一つ考えられない頭で
「どけ、邪魔だ」
ふと、聞き覚えのある声が聞こえた。ただ、私たちの知っているその声とはどこか違っていた
耳にするだけで心から安心できるようなあの声とはまるで違う。聞くだけで身も心も凍るような声だった
ただ、それでも間違いない。この声の主は…
「もしかして…」
「ショウド……?」
「生きていたんですね…良かったです…」
ショウドが生きていて助けに来てくれたんだと分かった瞬間みんなの体の震えがかなりマシになった
ドゴォン! ガッシャ―ン
突然私たちのいる部屋の天井が崩れた、煙が晴れると瓦礫の中に一人の人物がいた
私たちに交渉を持ちかけ、私たち家族をメチャクチャにした張本人マダム。マダムは落ちてきた場所を睨んでいる
そこには、私たちの家族の黒鴉ショウドがいた
ただ、何かがおかしい。姿形は間違いなくショウドだ。ただ、何かが違う
姿形が同じなら間違いなく本人なのだろうが私にはとても目の前の人物をショウドだとは思えなかった
なぜなら、いつも優しく笑顔の彼とは全く違う雰囲気をしていた
服は血に塗れ、目に光はなく死人のような雰囲気をしていた
「ショ…ウド?」
私が恐怖で塞がった喉をなんとか開け無理やり声を出した。酷く掠れた声だったがショウドには聞こえていたようだ。彼はこちらに目を向けた。しかし、その一瞬の隙をマダムは見逃さなかった
「死になさい!」
そうマダムが言うとその手にはよくわからない光が集まりそれをショウドに向けて飛ばした
気づいたショウドは手に持っていた鉄パイプで弾こうとしたが、光はパイプ諸共ショウドの脇腹に穴をあけた
「チッ…」
ショウドは脇腹が抉れているにもかかわらず、ただ舌打ちをしただけで痛がるそぶりも見せていない
「よくも…よくもやってくれましたね!あなたのせいで私の道具がすべて台無しです。教育は一からやり直しです。また面倒なことに…」
「喚くな」
マダムの言葉をショウドは一蹴し、高速でマダムに近づいて鉄パイプを振り下ろした
振り下ろされた鉄パイプはマダムの腕を掠めた。しかし、掠めただけなのに傷口は焼けたように爛れていた
「この力は…一体」
「まぁ、いいです。殺してから調べることにしましょう!」
マダムは再度光を手に集中させた
ショウドは飛び上がり避けようとした
バァン!
「……え」
ショウドは背後にいた敵に気づけず、銃弾が頭を、マダムの光が胸をそれぞれ貫いた
「よくやりました。貴方」
「ありがとうございます。しかしマダム。あれは一体どうしますか?」
「ショウド!ショウド!!」
「ショウドさん!死なないでください!」
「ショウド…お願い…死なないで!」
「お前がここで死ぬわけない…そうだろ?ショウド!」
マダムは背後の死体とそれに群がる
「死体を捨てておきなさい。それとその耳障りなガキどもの対処も頼みます」
「わかりました」
マダムが立ち去ろうとしたとき
「ベアトリーチェェェ!!」
ショウドが立ち上がりマダムに飛び掛かった
マダムが振り返り光を放とうとしたときには既に遅く、そのままマダムの背中を抉った
「あああああぁぁぁぁ!!!!」
「ま、マダム!どうしました!!」
「あのガキが!私の背を切ったのです!早く医療班を呼んできなさい!」
「は、はい!お待ちください!」
そしてやってきた医療班によってマダムの応急処置は完了した
「よくもやってくれましたね…あなたのような子供に私が切られるなど…恥でしかありません。早くその死体を捨ててきなさい」
「「はい!」」
「はぁ…邪魔者はいなくなりましたね。さて、少々早いですがあの時の答えを聞きましょうか」
目の前でショウドが殺されたのだ。あのショウドが
ショウドですら勝てない相手に私たちが勝てるはずがない。選択肢は一つしか残っていない
「わ、私たちは…アリウス分校に入ります…」
「それでいいのです。いいですか?あの男のようになりたくなければ私の言うことは絶対です」
そう言うとマダムは満足そうな顔で帰っていった
「はぁ、はぁ、なんで私がこんなことを…」
「おい!そんなこと言うな!どこで聞かれているかわからないんだぞ…」
「そう言えば…この死体、腹と胸に穴が開いてたはずだよな?」
「そういえば…そうだったな…まぁ、気にすることでもないだろ」
「そうだな」
「ここらへんでいいか?」
「ああ、行くぞ」
「「せーの」」
「!、
「?、どうした…てこりゃぁ」
「これって生きてますよね?」
「ああ、生きてるな」
「でしたら連れて帰りましょう」
「おいおいマジで言ってんのか?!」
「本気です。あそこで稼ぐには傭兵を行うしかありません。あなたは運び屋、私には戦いの才能が有りません。ですのでこの方を使って…」
「でも、そいつが戦える保証ははねぇだろ?」
「それでも…私は賭けてみたいのです」
「おめーがそんなこと言うなんてな、
今回で第一章は終わりとなります。次回からはAC要素がてんこ盛りです。ただブルアカ要素が今度は薄くなる気が…
それでもいいという方はこれからもどうぞ見ていってください!