良秀の妹   作:菓子中毒

6 / 6
 リンバスカンパニーに突撃。


六話

 薬指の廊下に入り、親指はLCBに向かう扉へと入った。

 

「さあ、娘を迎えに行くとするか。」

 

 入った先には人が大勢いた。突然扉から現れた私たちを認識する間もなく命が絶えていく。

 

「急げ!急いで連絡を…、ガァッ……!」

「侵入者、侵入者だ!」

 

 人を殺しながら後に来るであろう姉の足止めのため、幻想体などが入っている部屋の扉を壊す。

 

「応答…応答願う……。本社研究所が…、しゅ、襲撃を……。」

 

 人差し指の大人が連絡を取っていた人を殺し、その無線を取る。

 

「愛しい我らが娘よ、元気にしてたかい?そろそろ遊ぶのは終わりにして、家へ帰ってこなきゃならないだろ?」

 

 無線を切り、こちらに歩いてくる。

 

「……悪趣味ですね。」

「そんなことはない。迎えに来たことを伝えるのは当然だろう、それに…。」

 

 なんともまあ、気持ち悪い笑顔だ。

 

「糸を張り巡らせていけば、いずれ引っかかってくれるはずさ。」

 

 人差し指の大人は淡々と事務処理のように、中指の大人は『ヨシヒデ』と叫びながら暴れ散らす。薬指の大人は生かさず殺さず、人を自身が思う芸術品に変えていった。

 

「レン、いるか。」

「ここにおりまする。」

 

 作戦通りに行かなくては、ここに来たもう一つの目的のために。

 

「元地慧星はヨシヒデに舌を切られている。つまり話すことができない。」

「……。」

「もし、私たちがヨシヒデにあったならこう言え。『また会えて本当に嬉しいよ、良秀。』と。」

「…不躾ながら、何故でございましょうか。」

「『良秀』、それはアラヤがヨシヒデにつけた名前だ。それすらも聞き逃したならば…。」

 

 残念だけど……。

 

「アラヤに会わせる価値はない。子を無い者として見る親はもう散々だ。」

 

 阿頼耶識にどこまで切られたか、自分の憎しみに飲まれ、アラヤすら忘れてしまったなら…。

 

「私の悪い予想にはならないでくれよ。」

 

 突然、無線が届く。人差し指の大人からだ。

 

『娘を見つけた、とても元気そうだ。』

 

 すぐに無線を切った。

 

「よろしいのでございますか?ヨシヒデ様が……。」

「あいつらの情報などあまり当てにするな。」

 

 さっさと移動しよう。こんなくだらないものを早く終わらせよう。

 

「主様、薬指の子方がこちらに向かってきます。」

「では、基本的な会話はお前に任せる。作戦を疎かにしないように。」

「承りました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 武装した者や白衣を着た者を切り伏せ、奥の部屋へと入る。目的のものは恐らくここだろう。

 

「………。」

「主様、ここに。」

 

 母と姉がよく吸っていたタバコを燃やす。残念ながら私はタバコを吸う趣味はないので、ただ燃やして浪費するだけだ。タバコの匂いが辺りに充満する。

 

「……過・悪・蔓・延。」

 

 この独特な略し方、ついに見ることができる。

 

「………。」

 

 まるで母が生き返ったように振る舞う。

 

「………は。」

 

 姉の目が鋭くなる。

 

「俺は、俺の五人の親方のせいで…、この世で一番大切なものを置いてきた。」

 

 "大切なもの"…、名前すら忘れてしまったの?

 

「だから…取り戻さなきゃならない。」

 

 アラヤの名前すら忘れてしまったが、その思いだけでも忘れることはなかった…。

 

「また会えて本当に嬉しいよ、良秀。…と、主様が申し伝えよとおっしゃいました。」

 

 気づけ、気づいてくれ。あの大人たちはあなたをヨシヒデと呼ぶ。

 

「…小指の親方。」

 

 その言葉で私の気持ちは落ちていく。

 

「(あの子がつけてくれた名前も、憎しみには勝てないか…。)」

 

「主様はこの卑しき身に多くのことを望まれました。」

 

 姉の目線がレンの方に向く。きっと標的を自分に向けるために…。

 

「そなたが、蜘蛛の糸を辿ってこちらにお越しくださった恩により…、さらに主様の御心にお仕えする機会を得た次第でございます。」

 

 薬指の子方、アルビナがレンの隣に行く。

 

「…準備は整い申しました。お立てになった計画を、お忘れではございますまいな。」




 次は良秀の記憶を書こうと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

蜘蛛の巣の親方 "天殺星"(作者:愛を取り上げる人)(原作:Limbus Company)

小指の親方になって良秀を幸せにしたいと言う願いから始まった二次創作です。▼一応、塩見ヨルTS成り変わりみたいな感じですが、そう言う要素は多分ありません。▼9章のネタバレがありますので注意してください。


総合評価:431/評価:8.6/連載:1話/更新日時:2026年05月16日(土) 04:04 小説情報

夢の終わる、青春の始まり(作者:道歌師)(原作:ブルーアーカイブ)

▼何もなく平和な日、ドンキホーテが都市とは違う世界に行き着いてしまい、そこで先生という仕事に着任してしまう!▼どうなるドンキホーテ!フィクサーの様に活躍できるのか!?▼※細かい事は気にするな!▼※リンバスカンパニーのネタバレを含みますよ。▼※原作準拠で参りますが、独自解釈、独自展開を多大に含みますよ。▼※何度でも言う、細かい事は気にするな!▼


総合評価:376/評価:8.92/未完:5話/更新日時:2026年07月15日(水) 01:06 小説情報

【急募】『蜘蛛の巣』から生きて脱出する方法(作者:θΟθ)(原作:Limbus Company)

▼『蜘蛛の巣』にぶち込まれてしまった主人公が親方達に絡まれながらも何とか生存の糸口を探しながら必死に生活するお話。▼──尚、その過程で主人公は親方やら子方やらによって死にかけるとする。▼※Limbus Company9章『断ち切れない』のネタバレを含みます。


総合評価:880/評価:8.86/連載:2話/更新日時:2026年06月07日(日) 10:59 小説情報

アンダーボスはキヴォトスへ(作者:ただの紅茶好き)(原作:ブルーアーカイブ)

都市に転生し、生き残るために親指に所属して死に物狂いで出世したアンダーボスは指令にてW列車に乗り目が覚めるとキヴォトスへ▼アンダーボスは青春都市で平穏に過ごすことができるのか▼本作はLimbus Company9.5章縒り合せ、及びブルーアーカイブ第二部EXロア追跡作戦第一章正午の陽炎までに公開されたストーリーを元に投稿を開始しています。そのため、それ以降の…


総合評価:482/評価:8.13/連載:18話/更新日時:2026年07月05日(日) 12:00 小説情報

蜘ノ糸ノ青(作者:おねむなボンちゃん)(原作:ブルーアーカイブ)

リンバス・カンパニーとの戦いで命を落とした蜘蛛の巣のメンバー。目を覚ますと、そこは美しい青空が広がり、そこら中から銃声が聞こえる未知の場所で…?▼彼らはこの未知の場所、キヴォトスでどのような生活を送るのか。▼2026/7/19 現状の1話以降を人差し指編としました


総合評価:828/評価:8.84/連載:9話/更新日時:2026年08月04日(火) 08:31 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>