スキル・コレクター〜魔物を倒すとスキルをゲットできる俺は、強化合成を繰り返した最強スキルで、S級探索者へ成り上がる〜 作:有本カズヒロ
俺・ソウ部長・ユイカ先輩・コノハは並んでフリーダンジョンへと入った。
「おお……! こんな景色になってるのか!」
ビギナーダンジョンや笹森ダンジョンのような洞窟スタイルとは違う、どこまでも広がる草原のような内観に俺は感嘆の声を漏らした。
俺と同様にコノハも周囲を見回しながら目を輝かせている。それを見て、部長が俺たちに声を掛けてくる。
「二人はこういう中身のダンジョンは初めて?」
「はい、今までは洞窟みたいな見た目のダンジョンしか入ったことなくて……」
「あーそっか、ビギナー向けやE級ダンジョンはそういうのが多かったね」
ダンジョンの入り口から、舗装された道が緩やかに下っている。
そこを歩きながら、部長が説明してくれた。
「通常、ダンジョン内は一つの景色が最深部までずっと続く。洞窟スタイルなら、ボス部屋までずっと洞窟だ。だけどここ、フリーダンジョンは違う。階層によってランクが分かれてるのと同様、一定距離から明確に異なる景色が広がってるんだ」
ユイカ先輩が部長の言葉を引き継ぐ。
「この草原はE級エリアだけど、もっとずっと下ればD級エリア……荒野が広がってる。ガラッと見た目変わるから、ビックリすると思うよ」
そんなことを話していると、俺たちの前に大量のスライムが現れる。
その数、四十匹はくだらない。
部長が若干驚く。
「うわ、こんな大量のスライムを一度に見るのは久々だな」
部長は掌に紫電を発生させて、一斉にスライムを焼き払おうとする。
それを俺が制した。
「ここは俺にやらせてもらえませんか?」
「え? いいけど……」
「この指輪の効果を試したいんですよ」
俺は右手にはめていた、黄色の宝石がついた指輪を見せる。
この黄色い宝石は、以前ビギナーダンジョンで出会ったゴルド・ゴーレムから出てきたものだ。
フリーダンジョンに潜るまでの間、俺は色々な装備屋を訪ね、強力な効果を発揮できる装備に加工してくれるよう、頼んで回っていた。
結局、とある装飾品専門の装備屋で指輪に加工してもらった。中々良い仕上がりになってると思う。
指輪は丁寧に研磨され、今は光り輝いている。
その指輪を付けた右手を前に出し、スキルを発動させた。
「『斬撃』!!」
瞬間、俺たちの目の前に大量にいたスライムたちは、あっという間に核を粉々にされ、魔石へと姿を変えていた。
す、すごい……軽く数発放っただけなのに。
相手がスライムであることを加味しても、この威力の上がり方は凄まじい。今度装備屋に行ったら、お礼を言わなければ。
「な、なにその威力……!?」
俺がビックリするぐらいだから、他の三人は唖然としていた。
「ハジメ君、その指輪……魔道具だよね?」
「はい。ダンジョンで手に入れた宝石を加工して、作ってもらったんです。固有スキルの威力が上がるとは聞いてたんですけど、まさかここまでとは」
「いや……すごいな。最初の1時間ぐらいはこの辺りを回ろうと思ってたけど、ハジメ君がいるなら、もっとハイペースに奥まで進んでもいいかもな」
考え込む部長に対し、コノハが助言する。
「部長、私のことは心配しなくても大丈夫です。E級なので面と向かっては戦えませんが、先輩たちやハジメ君のサポートなら得意分野なので! そういう固有スキル持ちですし」
「そう? なら、今日はとりあえずD級エリアまで潜ろうか」
頷く俺とコノハ。
フリーダンジョンの攻略が始まった。
― ― ― ― ―
E級エリアで見せた通り、俺の固有スキルは格段に威力を増していた。
そのため、D級エリアでもほとんど苦労することがない。
「『火炎』『氷結』!!」
両手から同時に異なる属性のスキルを放出すると、目の前で威嚇していたトライヘッド・スネークが跡形もなく消し炭になる。
「こ、これは俺の出番なさそうだなあ」
俺のスキルを見ながら、部長が冷や汗をかく。
今、俺たちはD級エリア、荒野が広がる地帯にいる。
次々と姿を現す魔物たちを蹴散らしていってるのだが……正直、E級と同じでD級では戦いにもならなかった。
指輪の効力もあるだろうが、俺自身のスキルも相当に強化されてきている。
この調子だと、C級エリアでも独走できるだろう。
「うーむ、このままハジメ君におんぶにだっこでもいい……というか、その方が楽だろうけど、俺たちも何か討伐しておきたいところだなあ」
「す、すいません。なんか指輪のバフがめちゃくちゃかかってるみたいで」
「ああ、いや。君の実力が飛びぬけてるって話だから……。なんか凄いパワーの上がり方しててビビるけど、その調子なら今度の昇格試験も余裕でパスできるだろうね」
感心したように、部長は俺の姿をジロジロ見てくる。
「だけど、部活としてハジメ君一人に頼り続けるわけにはいかないし……どうしたものか」
そう部長が首を捻った、その時。
突然、ダンジョン全体に強い振動が走る。
「!?」
何分突然のことに、咄嗟に俺たちはその場へしゃがみ込む。
ダンジョン外なら地震が起こったって当たり前だが、ここはダンジョン……地震が起こることなど、まず有り得ない。
と、なるとユニークモンスターのような
「と、とりあえず、ダンジョンから脱出しよう!」
ユイカ先輩の提言へ俺たちは頷くと、急いで避難を始める……が。
「きゃあっ!?」
突如地面に入った亀裂へ、コノハが飲み込まれる。
「コノハっ!?」
俺は素早く手を伸ばすが、虚しくも空を切る。
「俺が行く!」
すると、部長がコノハを追って亀裂の中へと飛び込んだ。
「部長……!」
ユイカ先輩が焦るが、コノハと部長はすぐに亀裂の中へと飲み込まれていった。
やがて、地響きが収まると、そこには俺とユイカ先輩だけが残されていた。
「どうしよう、部長とコノハちゃんが……」
焦燥するユイカ先輩を落ち着けるため、俺は先輩の肩を持つ。
「先輩、落ち着いてください。俺が二人を助けに行きます」
「助けに、ってどうやって」
「亀裂から落ちたのなら、多分下の階層のどこかにいるはずです。ここから俺が急いでダンジョンを下っていけば、二人が魔物に殺される前に助け出せるかもしれない」
「それは……いや、でもハジメ君なら」
「先輩はダンジョンから出て、助けを呼んでください。二人で部長とコノハを助け出しましょう」
「……! そうね、わかった。助けを呼んでくる」
「じゃあ、行ってきます」
俺は立ち上がると、先輩と反対方向へ駆け出した。
目指すは下層階だ。
まだ部長たちが落ちてから、そんなに間が立ってない。
今ならまだ間に合う。
しかし、先を急ぐ俺の前に、新手の魔物が現れる。
D級エリアにいるとは思えない巨体の魔物……蛇のような鱗と一対の翼、ワニのような太い両手足を持つ、ドラゴンだ。
ドラゴンは俺を見ると、唸り声を上げて威嚇してくる。
先ほどの地震、明らかにD級ではないドラゴン……やはり、このダンジョンで異常事態が起こっている。
「どけよ。俺は急いでるんだ……!」
俺は拳を構えると、まずは目の前のドラゴンを倒すため、殴り掛かった。
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<保有スキル>
■酸性斬撃(Lv.24)
■岩石破・中(Lv.1)
■火炎・弱(Lv.11)
■氷結・弱(Lv.10)
■重力・弱(Lv.7)
■弱体化・弱(Lv.5)
<保有武器・アイテム>
■ゴルド・ゴーレムの宝石指輪(固有スキルの能力上昇)