タイトル 一生一方通行に勝てない写輪眼使い
プロローグ
第一話 28度目
「尋常に勝負です、一方通行」
「あァ!?またお前かよ!」
夜、人のいない少し広めの路地の中、そう俺が宣言するとうざったらしそうにそう言いながらその人が振り向く。
「お前なァ、今までそう言って何回負けたと思ってんだよォ」
「はや27回目です」
「数えてんのかよ!!?!気持ちわりィな!」
「けれど、わかってて人のいない路地に向かったのでしょう?」
「喧嘩売られたらやりすぎちまうから誘ってんだよ、壊し過ぎても大丈夫なようになァ」
雲が晴れ、月明かりが真上から照らされ、お互いの顔、立ち姿が鮮明に瞳に映る。
こちらは腰を落とし構えをとっているのに対し、相手は両手をポケットに突っ込みレジ袋を手首から下げ突っ立っている。
「では勝負」
「ちょっと待て、」
「?、どうしました?」
一方通行が隅に移動し、レジ袋を置いて元の立ち位置に戻りこちらに向かいなおす、だがポケットに突っ込んだ手は相変わらずである。
「あァ、これでもういいぞ、で、今日はどう壊されたいか、言ってみろよォ」
「自分が望むのは勝利のみです」
チャクラを練り、目を閉じ、心を落ち着かせ目を開く。
「あ~もうまたその眼かよォ!相変わらず気持ちわりィなァ!!」
そうめんどくさそうに一方通行は言葉を吐き捨てる、どうやらこの目が特殊なのにも気づいているようである。
「では、改めて、いざ尋常に勝負です」
その言葉と同時に黒炎がその場を包み込んだ。
数分後...
「ぐっ.....つぅ.......」
俺は早くも地面を転がっていた。
「おいおいもう終わりかよォ、あんな大口叩いてた癖によォ、だっせえなァ!」
「っ....」
痛みで動きが鈍る、これ以上不利な情報を渡さないよう口をつぐみ、痛みを押し殺して立ち上がる。
「そんな負け犬なお前にナゾナゾだ、一方通行は何をしてるでしょ~かァ!」
「.......反射?」
そう答えながら小石を思い切りぶん投げ距離を取ろうとすると、予想通り小石がこちらに跳ね返って飛んでくる。
「(やっぱり、これなら写輪眼で見切れる!)」
幸い、姿勢も悪く、痛みで力も入っていなかったので大したスピードも無く、跳ね返ってきたそれを見切って体を横にずらし避ける。
が....
「がっ!!?!」
側頭部の鈍い痛みと共に世界が回った。
「ったく、何十回も戦ってんのにわかんねぇのかよォ、間違ってもねェが正解でもねェな」
そうめんどくさそうに、面白くなさそうに一方通行は言いながら悠々とこちらに向け歩いてくる、一歩一歩、踏みしめるように、心を折るように。
「(なん...だ?何が当たった?脳が揺れてる....いい当たりしやがった...)」
立てない、力が入らない、なんだ?今まではずっとダメージの反射だと思っていたが、物体の反射、いや、概念や全てを含めた反射だったのか?いや、でも反射ではないって、いや、嘘の可能性も....。
そう思考を巡らせても焦りと痛み、脳が揺れている状態の今じゃあ思考も堂々巡りでまとまらない、その間も一方通行は笑みを浮かべながら近づいてくる。
「相変わらず惨めに這いつくばりやがってよォ!いい加減気づいたらどうなんだよ?一方通行様には勝てませんってよォ!!」
「っ......、そうですね、今回も負けなようです、ではまた日を改めさせてもらいます」
「おいおいまた逃げるつもりかァ!?最近やけに退くのがはえェじゃねェかよ!そのご立派な称号が泣いてんぞォ!」
「....無駄な怪我を負わないようにしてるだけです、ではさようなら」
一方通行のそんな挑発や笑い声を背に、俺は神威を使い、今までの通り、止めを万が一にも刺されないように、いつもの家へと逃げ帰った....。
「いや、もう二度とくんなよ....」
一方通行は心底めんどくさそうにそう誰に言うでもなく呟き、レジ袋を手に取ると何事もなかったかのように踵を返し帰っていった。
そして翌日
「明日からはお楽しみの夏休みなのです、学園都市から出る人は申請書の提出をしっかりしてくださいね~」
俺は自分のやるべきことを全うすべくいつも通り高校へ登校していた。
放課後を告げるHRで、黒板前の壇上で先生がそう告げる、今日は7/19日、夏休み前日であり、今この瞬間が学生達の中で一番夢と希望にあふれているだろう。
「(月詠先生はホントに成人してるのだろうか.....)」
そんな中俺の思考は入学してからずっと囚われてるそんな疑問でいっぱいであった、だってそうだろ...こんな童顔で身長低い人がどうしても俺より年上とは思えない。
「いかがわしい場所に行っては駄目ですよ~、それと、外での『能力の行使』は絶対禁止なのです」
その言葉にクラスメイトが思い思いに返事を返す。
先ほどから何か変な言葉が続いていると思うが、この世界はどうやら前の世界とはだいぶ、というより滅茶苦茶違うようである。
この世界は、いや、この学園都市はかなり俺の知っているものとは違った、この住人の8割が学生となっている学園都市、どうやらここに限り外の世界から20~30年進んでいるらしい。
そして能力についてだが、この世界はその科学力にものをいわせ、超能力の開発に力を入れているようである、もちろんやってる事が事なので、外で能力を使うのは厳禁、このカリキュラムも秘匿されてるとかなんとか。
「(全世界の男子が憧れる超能力が科学により再現できるとは、なんともまぁ夢のない話だ)」
そんなこんなでそんなHRも終わり、
「お~っす、トア、帰ろうぜ」
「あぁ、当麻か、そうだな」
そう声をかけられ、バックを手にして立ち上がる。
今声をかけに来たのはクラスメイト兼隣人の上条当麻である、何かと不幸体質な男子高校生、関わっていて不幸に巻き込まれることもあるが大体逃げ切れるし当麻本人は至っていい人間なのでこうして仲良くさせてもらっている。
※陰キャな俺に話しかけてくれるかというのもある
俺と当麻はドアに向け歩き、外へと向かう。
「月詠先生さようなら」
「小萌センセーさよーならー」
「は~い如月ちゃん、上条ちゃん」
担任の先生へとあいさつをし、さっさと校門へ向かう、あいさつは大事だからね。
「上条ちゃんはまた明日」
「「......え゛」」
衝撃の言葉に俺と当麻の声が重なった。
「ま~た目隠しポーカーとかスプーン曲げとかやるのかよ~、ふこーだーー」
「まぁ、この学園都市にいる限りは仕方がないよ....受け入れるしかない、」
どうやら先生曰く、当麻の超能力開発のカリキュラムの成績がすこぶる悪いらしく、補習を受けなければ留年確定らしい。
「どーせ俺は落ちこぼれのレベル0だよ」
「まぁまぁ、努力次第ではどうにもできるから....」
レベル、この学園都市では超能力によってランク付けがされている、階級はレベル0からレベル5までの六段階で評価されている、彼はレベル0であり能力が限りなく弱い、まぁ落ちこぼれという判定をされている。
そして俺が挑んでいる一方通行、レベル5にして第一位、学園都市最強の能力者である。
話は若干変わるが俺は転生者である、そして俺には超能力ではなくこの写輪眼とチャクラであった、写輪眼は万華鏡であるものの永遠ではない、使えば使うほど視力も削られる。
だだ、トップを目指してみたかった、折角の異世界だ、折角のチート能力だ、一度トップになってみたかった、そしてこの様である。
なんとか幼少期から上り詰め、レベル5、そして第二位の称号を手に入れた、そして最近の惨敗ラッシュである、だが、ここまで来た手前、退くに退けず今に至るという訳である。
「はぁぁ.......」
「(すっごい負のオーラ出してんな....)」
なんか瘴気が見える気がする....周りの人も心なしか避けてるような気が.....。
「わかったわかった、そうだ、なんか昼ご飯奢ってあげるよ、昼ご飯まだでしょ?」
「まじで!!?!」
「(めっちゃ食いつくな....)」
そんなこんなでファミレスに入り。
「まっ!一学期分のさぼりが一週間でチャラになるなら安いもんだよな!!」
「(さぼってたのね....)」
ほんならレベル以前にお前が悪いやんけ....。
「っしゃー!折角の夏休みだ!景気づけにブワーっと食うか!」
「まぁ、うん、それが良いよ」
と、その時
「あっ」
「あ、」
「え?」
つまづいた店員さんが運んでいた水が上条にしっかり目に浴びせられた...。
「不幸だ~~」
「まぁまぁ、とりあえず食べよう?」
「聞いてんのかオラ!!」
「なんだ?」
「?(なんだろ?)」
突然後ろの方から怒号が聞こえ、後ろを向くと、見慣れた顔が柄の悪い人たちに絡まれていた。
「(美琴?)」
御坂美琴、レベル5の一人であり俺の幼馴染?にあたる人間である。
※突っかかって来てただけとも言う
レベル1からレベル5まで努力で上り詰めた正真正銘努力型の天才。
俺も一応元レベル1なのだがそれはチャクラによる忍術と写輪眼が超能力判定されてないとかなんとか、レベル5なのは実力で上を黙らせてるだけで今も超能力自体はレベル1なんだよなぁ...。
と、そんなことを考えてると。
「あいつらっ...」
上条が突然立ち上がったかと思うと美琴の周りの男のヘイトをとってそのまま店の外へ走っていってしまった.....。
「.....え?(いや、うん、まぁ助けるのは良いけど...俺放置する!?)」
俺は少し呆然としてしまったが我を取り戻しふと美琴の方を見ると普通にまだ雑誌を読んでいた。
「いや、美琴さん?少しは反応したら?」
「っ!?ってトア!あんたいつからいた!?」
どうやら美琴を驚かせてしまったようだ、とても責任を感じる。
「で、追いかける素振りもないのね....」
「何?追いかけた方が良いわけ?」
「そりゃそうだろうに....」
地味に席と席の距離があるせいで喋りにくい......。
「なんてね、嘘よ嘘、こコーヒーでも飲み終わったら追いかけるわ」
「....あれ?お前コーヒー飲めたっけ?」
「いや?」
「.........そうか」
俺は何か日本語が不自由な幼馴染との会話を諦め、自分の食事に意識を戻すが...最悪の事実に同時に気づいてしまった....。
「俺.....二人分食べるん????」
皆様初めまして如月トッポです!こんな作品をここまで読んで頂きありがとうございます!
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