ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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神世家編
ベイブレードNEO 第43話 滅亡の危機


聖永杯を制したソウタ達ベイブレード部。

 

マイとの別れを惜しみつつも、最後に皆でベイを回してから1日が経った。

 

その日、ソウタは珍しく家でのんびりしていた。

 

そんな中……。(ナレーション)

 

インターホンが鳴り、それを聞き取った母がソウタに伝える。

 

「ソウター、お客さんよー!」

 

「はーい。誰なんだろう」

 

ドアを開けた瞬間、彼の体は驚いた後に固まる。

 

「……」

 

ソウタの目の前には刑事らしき人物がいた。

 

身長はかなり高く、思わずその人物を見上げる。

 

「君が蒼龍ソウタ君か?」

 

「あ、はい……」

 

重厚な声に更なる緊張感が走る。

 

「それは良かった。私の名は瀬際勝(せぎわ かつ)。根尾警察本部所属の刑事だ」

 

「はぁ……」

 

その人物は「瀬際勝」と名乗り、本人によると根尾警察本部所属の刑事だという。

 

刑事の訪問に戸惑いつつも、耳を傾ける。

 

そんな中……。

 

「突然だが、君は『神世征二狼』を知っているか?」

 

(征二狼……!?)

 

瀬際刑事は突然、神世征二狼の名を口にする。

 

ソウタはそれに驚きつつも、続けて答える。

 

「知ってます、前に会いました」

 

「おぉ、どうやらビンゴのようだな。これで奴に近づくことが出来る」

 

「えぇと、それって征二狼を調査したいということでしょうか?」

 

「まあ、そういったところだ。そして、私は奴を『逮捕』せねばならない」

 

なんと、彼の口からは征二狼を「逮捕」するという使命があると放たれた。

 

「た、逮捕……」

 

あまりにも突然の話題に戸惑う中、瀬際刑事は更に話を続ける。

 

「そう、そして断言しよう!」

「奴を逮捕せねばこの世界は『滅亡』する!」

 

「ほぇー、………………え……」

「えーーーーーーーッ!?!?!?!?」

 

なんと彼曰く、征二狼を逮捕しなければこの世界は「滅亡」するのだという。

 

あまりにも突拍子もない内容にソウタも今までにないくらい驚いていた。

 

「ま……待ってください! 征二狼を逮捕しないとこの世界が滅ぶって……それは一体……!?」

 

「君が驚くのも理解できる。その理由を話したいところだが、ここでは場所が悪い。どこか丁度いい場所があれば良いのだが……」

 

瀬際刑事によると、何か理由があるらしいが、他の場所で話したいという。

 

(突拍子がなさすぎるだろ……。でも、もしそれが本当だとしたら危ない……! バン達にも知らせないと!)

「……分かりました。打ってつけの場所を知っています」

 

突拍子のなさに戸惑う一方で、もしそれが本当だったらという不安の方が大きかった。

 

「おお、それはどこだね?」

 

「根尾中学校です」

 

「根尾中学校……! 昨日の聖永杯を制したあの学校か! 君は確かそこの生徒だったな、早速そこへ行こう」

 

ソウタと瀬際刑事はともに根尾中学校を目指して行く。

 

その一方で、新たな客が来訪しようとしていた。

 

――ピンポーン――

 

「はーい」

 

またしても蒼龍家のインターホンが鳴り、今度はソウタの母・龍海が応対する。

 

「蒼龍さんのお宅で間違いありませんか?」

 

「は、はい……」

 

「蒼龍ソウタさんはいますか?」

 

「ごめんね、ソウタは今いないの。でも、もしかしたら根尾中学校にいるかもしれないわ」

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

ソウタの家を後にし、一言呟く。

 

「蒼龍ソウタ。あなたの可能性を私に見せて」

 

――根尾中学校――

 

「ほお、ここが根尾中学校か。この学校が神世、聖永と激闘を繰り広げたんだなぁ」

 

瀬際刑事は根尾中学校の校舎を眺めて、しみじみとしていた。

 

「それじゃあ、早速案内してもらおうか」

 

ソウタとともに部室まで歩いていく。

 

【キィィ……】

 

部室のドアが開かれた瞬間、3人は一斉に驚く。

 

「……!!」 

 

「ソウタ、この人は?」

 

「えーと……」

 

「私が直々に説明しよう。私の名は瀬際勝。根尾警察本部所属の刑事だ。とある事情で神世征二狼を追っている。」

 

「……とある事情?」

 

ヒカルがそう聞くと、瀬際刑事は語気を強めて言う。

 

「改めて断言する、奴を逮捕しなければこの世界は滅亡する!」

 

「……………………」

「な、何だってぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」

 

一瞬の沈黙の後、一斉に大声を上げて驚いた。

 

「ちょ、ちょっと待ってください……! いきなりそう言われましても!」

 

あまりにもスケールが大きすぎる話にバンも戸惑う。

 

「君達が混乱するのも無理はない、だがこれを見てくれ」

 

瀬際刑事はそう言うと、新聞を机に広げ始める。

 

「こっ……これは!」

 

新聞の見出しを見た瞬間、ヒカルは冷や汗をかき始める。

 

――恐怖の神・ソラナキ 覚醒の虞――

 

「何ということだ……! まさかヤツが甦ろうとしていたとは……!」

 

「知っているのか? ヒカル」

 

「ああ。その昔……とは言っても時は弥生時代にまで遡るとされ、人々が平和に暮らしていた中、ヤツは襲来した。ヤツが現れた時に大災害が立て続けに起きた」

 

「まさに空が泣いているようだったと例えられ、いつしかヤツは『ソラナキ』と呼ばれ、怖れられた。更にはその眷属達とともに多くの村を襲撃し、犠牲者を出した。権力者達が集い、その身を賭してようやく封印されたと言われている。まさにこの世界の『負の歴史』だ」

 

「最初はおとぎ話の類だと思っていたが、久々にこの名前を聞くことになるとはな」

 

この世界が滅亡すると言われている理由……それは、嘗ての古代日本を襲った大厄災「ソラナキ」の存在だった。

 

新聞の内容からするに、この世界の滅亡の危機が迫ろうとしていることだ。

 

「ま、マジかよ……?」

「どどど、どうしよう〜〜〜????」

 

ヒカルの話を聞いて平静を保てるはずもなかった。

 

「そのソラナキと征二狼に何の関係があるのですか?」

 

ツバサも多少動揺しつつも、それを抑えながら瀬際刑事に質問する。

 

「防犯カメラからの映像から、征二狼はたちの悪いことにヤツが封印されていると言われている根尾神社を荒らしていった。しかも2、3人の男たちと一緒に」

 

「荒らして……!?」

 

「私が駆けつけた時の被害状況は以下のものだ。ヤツの力を封じていると言われている岩が激しく傷ついた。更には祠の一部が破壊され、その3枚の札の内、2枚剥がされていた」

「もし征二狼が残りの1枚を剥がした場合、ヤツは目覚めてしまい世界の滅亡へ繋がってしまうのだ……!」

 

「だから征二狼を逮捕と……」

 

「ああ。この場合、器物損壊罪が適用されるからな。既に告訴もされている」

 

当時の状況と逮捕に至る理由を簡潔に話したその時、またしても部室のドアが開く。

 

「見つけたわ、蒼龍ソウタ」

 

「誰だ!? 悪いけど今は取り込み中で……」

 

ソウタの目の前に現れたのは、紫色のロブカットと髪色と同じ色の瞳を持つ少女だった。

 

「そんなにびっくりしなくてもいいでしょ。私は『神世メイ』。名字からも分かるとおり、神世征二狼の『娘』よ」

 

その少女は「神世メイ」と名乗り、更には征二狼の「娘」だという。

 

「なっ、征二狼の娘だって……!? 喧嘩でもふっかけに来たのか?」

 

彼とは因縁のあるソウタにとって、衝撃と感じざるを得なかった。

 

思わず突っかかりそうになったその時、瀬際刑事が彼の肩を軽く叩く。

 

「ソウタ君、気持ちはわかるが男たるもの目の前の情報だけで感情を出してはいけないよ」

「今の君は、ネズミが目の前にいるだけで不機嫌になる猫のようなものだ。今は落ち着いて彼女の話を聞こう」

 

冷静さを失いかけたソウタにそう諭す。

 

「はい……」

「ところで、征二狼の娘が何の用だ?」

 

「単刀直入に言うわ、『お父様』と『お兄様達』を止めてほしいの」

 

「お父様……。……お兄様……!?」

「父親である征二狼は分かるとして、お兄様!?」

 

なんと、征二狼には娘だけでなく『息子たち』もいたのだ。

 

「お前の兄貴達もグルってことか!?」

 

「そういうことよ」

 

ソウタ達は戸惑いを隠しきれない中、瀬際刑事がメイに話しかける。

 

「お嬢ちゃん、少しいいかね? 私は瀬際勝。根尾警察本部の者だ。訳あってこの学校に来ているのだが、一つ質問をさせてほしい」

「根尾神社の事件、君は知っているかね?」

 

「それはもちろんよ、おじさま。お兄様達が直々におっしゃってたから」

 

――

 

『轟お兄様、なぜ根尾神社を……』

 

『愚問だね、メイ。お父様が『古代の神秘』を現代に甦らせれば、この世界は大きく生まれ変わる。そして神世家は永久に繁栄するんだ……!』

 

神世征二狼の息子にして長男・神世轟は狂気的な笑顔とともにソラナキを復活させる理由を語る。

 

『……ッ!』

 

それに対して、彼女の体には震えが走った。

 

――

 

「神世家長男・神世轟はあの厄災を『古代の神秘』と言った。はっきり言って狂っていたわ、あんなの起こしても生きてる保証なんかないのに……」

 

「なるほど……、少なくとも君の兄弟は今回の事件に関与しているようだな……」

 

「聞きたいことはこれで終わり? それなら私から話があるわ。こっちに来なさい、蒼龍ソウタ」

 

話を終えた後、ソウタを呼び出す。

 

「な、なんだよ……?」

 

「私とベイバトルをしなさい」

 

彼女はベイを取り出し、ソウタにバトルを挑む。

 

「……!」

 

突如として迫った世界の危機、そして暗躍を止めない邪悪。

 

そいつを止めるために立ち上がった瀬際勝と神世メイ。

 

彼らはベイブレード部とどのような関わりを見せるのか。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

蒼龍龍海-井上喜久子

瀬際勝-玄田哲章
(髪型:黒の角刈り/目の色:青)

神世メイ-竹達彩奈
(髪型:紫のロブカット/目の色:紫) 

神世轟-石田彰
(髪型:白い短髪/目の色:銀色)

ナレーション-森川智之

※作中の伝承は架空のものです。
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