ベイブレードNEO 第54話 龍の真実
根尾中に現れたソラナキの眷属・エリス。
彼女の「術」にヒカルとバンは苦しめられるが、ソウタの行動でその流れは大きく変わった。
激昂したエリスは操った生徒のベイごと攻撃しようとするが、そこに謎の少年・剣山聖が乱入し戦況が一変。
彼との合わせ技で見事、ルーインアレスをオーバーフィニッシュにして勝利した。(ナレーション)
――根尾中ベイブレード部部室――
「昨日の疲れがまだ抜けないぜ……」
ソウタの顔にはまだ疲れが残っていた。
机の方に顔を突っ伏し、だるそうな声でそう言う。
「それにしてもあいつ……聖はなんでここに来たんだろうな」
「聞きてぇか?」
何気なく呟いた言葉に答えるように部室のドアが開く。
「!!」
「よぉ」
そこから現れたのはやはり、聖だった。
「聖、お前がここに来たってことは……」
「ここへ入りたいってことだよ__……ムグッ……!」
彼が来た瞬間、ソウタは勢いよく椅子から立ち上がり、そこへ駆け寄る。
「ちげぇよ。前にも言っただろ。俺はお前らとお仲間ごっこする気はねぇって」
「蒼龍ソウタ、お前に伝えることがあって来ただけだ」
聖は入部希望と勘違いしたソウタの口を手で塞ぎ、部室に来た目的を伝える。
「……プハッ……!」
「伝えること?」
なんとかその手を離してもらい、伝えたいことは何かを問う。
「お前は『龍の血族』っていうのを知ってるか?」
「……いや、知らないぜ」
聖の問いに対し、ソウタは心当たりのない顔をする。
「どうやら聞かされてないようだな……」
髪をクシャッとした後、続けて話す。
「ま、丁度いい機会だ。龍の血族は今回騒がれているソラナキと関係がある」
「ソラナキと……!?」
彼が話題に挙げている「龍の血族」、それは「ソラナキ」との関係があるという。
再び耳にすることとなった厄災の存在にソウタ達は一斉に驚愕する。
「ヤツとその眷属が古代日本を混乱に陥れた時、当時の権力者達が集まり、身を賭して封印した。ここまでは一般的には知られているが、問題はここからだ」
堂々と語るその姿に5人は黙りながら話を聞く。
「一部の者にしか伝えられていない伝説として当時の日本の長だった『女王』に『龍』が宿り、その加護があったから封印することが出来たと言われている。その後、女王は多くの子どもを産み、家系図も複雑に分かれていった」
「だがな、そこには一つの共通点があった。それは子々孫々受け継がれる秘宝、『龍の名』を冠するベイ達だった。それらは女王に宿った龍の『分身体』とも言われているぜ」
「……!!」
「つまり、ドラグニルは……!」
「ああ、秘宝の一つになるだろうな」
「マジかよ……」
(もしそうだとすれば龍の『ボルトドラゴ』、龍太の『グランドラゴ』もそうってことかよ……!)
龍の血族に関する伝説、あまりの壮大さに空いた口が塞がらない。
更には「相棒」の思わぬルーツにさえ、言葉を失う。
「俺から伝えたいことは以上だ。他に聞きたいことはあるか?」
「ちょっといいかしら?」
「あなた、随分と龍の血族とやらに詳しいわね。あなたも関係者の一員ってことかしら?」
メイが手を挙げ、彼に「龍の血族の関係者」かを問う。
「……そういうことにはなるが」
「なら聞かせてくれるかしら? あなたが昨日のバトルに割って入ったことも含めて」
彼の返答から関係者であることに確信を持つ。
言葉を続け、聞きたいことを聖に求めた。
「いいぜ、但し条件がある」
「このバトルで俺を納得させることが出来たらな」
「行くぜ……『ロードエクスカリバー』」
そう言って、彼は聖剣のベイ「ロードエクスカリバー」を取り出す。
モチーフ通り、聖剣を模した形状は「異様かつ荘厳」な印象を抱かせた。
「蒼龍ソウタ、俺と勝負しろ」
「お前の持っているドラグニル……それがただの『遊び道具』かそれとも『希望の龍』なのか……。俺の聖剣で直接確かめてやるぜ」
「ああ、望むところだ! 聖、お前にドラグニルが最高の相棒だってことを証明してやるぜ!」
両者ともに真剣な眼差しで見つめ合った後、互いにベイのモードチェンジを行い、それをランチャーにセットする。
3・2・1 ゴーシュート!
「アルティメットドラグニル、フュージョンモードで行くぜ!」
ドラグニルのメタル刃とラバー刃でエクスカリバーに攻撃をしかける。
が、有効打には至らない。
エクスカリバーはドラグニルの攻撃をものともせず、カウンター攻撃に転じた。
「ドラグニル……!」
(こっちの攻撃が効いていない……!? いや、重量差か……!)
「俺のエクスカリバーは少々特殊でな。ギミックブレードとアンダーブレードによるモードチェンジではなく、ブレード内側のクリアコアとメタルコアを入れ替えて戦う」
「今はブレード全体がメタルの『インパクトモード』だ」
「エクストラブレードにはこんな変わったやつもあるのかよ……!」
今までのエクストラブレードとは一線を画すベイの登場にソウタは体を震わせる。
「蒼龍ソウタ、見させてもらうぜ。お前が聖剣の一閃を超えられるかを!」
聖の声に共鳴し、エクスカリバーのオーラが現れる。
「セイントインパクト!」
ロードエクスカリバーの必殺技がアルティメットドラグニルのギアを直撃。
たまらず吹き飛ばされ、その向こうにはスタジアムの壁があった。
「まずいぞ……。ドラグニルが吹き飛ばされた先には『壁』がある。激突したらひとたまりもない……」
ヒカルは迫りつつある危機に焦りを覚える。
しかし、ソウタの場合は違った。
(確かにヒカルの言う通りだ……けど、俺はドラグニルを信じるぜ!)
「そのままだ、そのまま壁へ『突っ込め』」
なんと、ドラグニルをあえて壁を突っ込ませるのを選択した。
「何を言ってるの……!? そのまま突っ込んだらバーストして……」
当然、メイもそのままではバーストすると言うが……。
「いや、違うな……」
聖はそれに対し、「違う」と言う。
「違う……?」
4人が戸惑う中、ドラグニルが大きく動き出した。
――カチッ――
「か、加速したッ!?」
レガシーギアの周辺のバウンド刃が衝撃を殺し、更には軸先も格納。
一気に加速した。
「あえて壁に突っ込む……それが俺に対する一手というわけだな」
「ああ。自分の手で作った相棒なんだ、その先に何が起きるかってのはやってみなきゃ分からねえ。」
「さあ、行こうぜ! ドラグニル!」
ソウタの声に共鳴し、ドラグニルのオーラが出現。
加速した勢いでエクスカリバーに直進する。
(咄嗟の対応力もそうだが……、こいつから感じたぜ。間違いない、こいつのオーラは『本物』だ……)
「アルティメットブースト!!」
咄嗟の対応力と加速による一撃でロードエクスカリバーをスタジアムから弾き出した。
「っしゃーー!」
両腕を高く上げ、その勝利を喜んだ。
「やるじゃねぇか」
「……そういえば、勝ったのはいいけどよぉ。結局お前が言う納得ってのは満たしたかなぁ?」
「……あぁ、満たしたぜ」
「……てことは」
「あぁ、約束は約束だしな」
聖も納得したということで、龍の血族、昨日の戦いでの真意について聞くことが決まった。
そこにヒカルが改めて彼に問う。
「では改めて聞こう。お前は何故、龍の血族について知っているのか、昨日のバトルに割って入ってきたのかその真意を」
「至って単純な話だ。龍の血族についてだが、俺の先祖は『女王の側近』だった。先祖は女王から子の世話を許されていてな、日本を守るための『9つの秘宝』の内、3つを譲り受けた。先祖代々語り継がれきた話だが、そいつは貰った3つの秘宝の内、『2つ』を同僚に渡した。唯一、手元に残っていたのがこのエクスカリバーということだ」
「昨日のバトルについては俺自身の立場が決して無関係ではなかったということ、蒼龍ソウタがアイツらに対抗出来る器か見定めるためだったということだ」
「お前には『血族としての試練』が多く待ち受けているだろうからな、相応の覚悟が必要になるぜ」
龍の血族について知っている理由、昨日のバトルでの真意を洗いざらい話し、ソウタにも血族としての覚悟を求めた。
「そういうことだったのか……」
「分かったぜ、聖。これから俺はもっと強くなる、そしてお前を早く安心させてやるぜ!」
ソウタは力強い声とともに笑みを浮かべる。
「……フッ、やかましい奴だ。だが、それがお前の『龍としての姿』なら黙って見守ってやるぜ」
「じゃあな」
それを見てぶっきらぼうな台詞で聖は部室を後にする。
しかし、その表情はどこか安心感に満ちていた。
厄災に立ち向かった女王の意志を受け継いだ者達・「龍の血族」。
ソウタは自身と相棒のルーツに驚きつつも、覚悟を決めるのだった。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
一角ヒカル-小野賢章
焔ツバサ-榎木淳弥
神世メイ-竹達彩奈
剣山聖-小野友樹
ナレーション-森川智之
ベイブレード
ロードエクスカリバー.X1.X
(ゼノワン・エクストリーム)
(エクスカリバーモチーフのアタックタイプ。)
ノーマルモード→クリアコアを上にし、メタルコアとアンダーブレードが下に来ることで重心が偏った状態での攻撃に特化。
インパクトモード→メタルコアを上にすることで、ベイ全体のバランスが良くなり、安定した一撃を叩き込む。