再び部室に現れた少年・剣山聖。
彼は龍の血族について語り、ソウタも自身とドラグニルのルーツを知ることとなった。
更には何故それを知っているのか、エリスとの戦いの時に割って入った真意を聞くべく、彼と戦うことに。
ロードエクスカリバーのこれまでとは違ったギミックに窮地に陥りかけたが、咄嗟の対応力で技を決めて勝利。
彼から話を聞くことが出来たのだった。(ナレーション)
――蒼龍家――
学校から帰ってきたソウタ。
彼はソファに座って、先程のことを振り返る。
「聖のやつ、結構凄い血筋だったんだな。まぁ、ドラグニルも古代の秘宝だったってのも驚いたけど」
何気なくドラグニルをポケットから取り出す。
ソウタは不思議そうな顔をしていた。
そこには、相棒にそのような秘密があったことへの戸惑い、自身の血筋への驚き等が込められていた。
「どうしたんだ? ソウタ」
そんな中、いつの間にか後ろにいた父・龍二から話しかけられる。
「父さん……。実は……」
早速、ソウタは学校であった出来事を洗いざらい話す。
「……とうとうお前も龍の血族を知ったのか」
龍二は今までにないぐらい神妙な顔をして言う。
「うん……。でも一つだけ聞いていい?」
「なんで父さんは知ってそうなのに、俺には……」
何故今まで、自分には話さなかったのかを彼に問う。
その瞬間、龍二は申し訳なさそうな表情でこう言う。
「不安だった……、お前がいつしかベイを『やめてしまう』のが……」
「え……!?」
「何を言ってるんだよ、父さん……。俺はベイをやめる気なんて……」
なんと彼は、ソウタがベイを「やめてしまう」のが不安だったと打ち明けた。
ソウタはすぐさまその可能性に対し、ノーと言いかけるが……。
「望んでいなくてもそうなってしまう可能性があるんだ……」
「お前は関係者から伝説を聞いたかもしれない。けど少しだけでいい、聞いてくれ」
重みのある表情と声で言葉を続ける。
「ソラナキは確かに封印された。だが、僅かに残された怨念がベイに纏わりつき、龍の名を冠するベイを持つブレーダーは『15を迎える時』に『共鳴が出来なくなってしまう』と云われてしまったんだ」
「……! それってつまり……!」
「ドラグニルの声が聞こえなくなるかもしれない……」
「そんな……!」
突如として告げられた残酷な「運命」。
ソウタの顔は一気に青ざめた。
迫りつつある「相棒との精神的な別れ」に焦りが加速する。
「ソウタ、気持ちは分かるが……」
「俺、父さんからドラグニルを受け継いで大切な相棒になったっていうのに……!」
「……実を言うと希望は完全にないわけではない」
「9つの秘宝……そして仲間達の想いが一つになった時、ソラナキを打ち破ることが出来ると言われているんだ」
「なんだ、あるじゃん……!」
「だが秘宝もそんな簡単には応えない。それには秘宝に認められる必要がある」
「なるほど……」
真剣な表情で語る父の姿に、部屋の空気は一気にピリついた。
「お前のドラグニルは古代からの秘宝と言われている。俺もこの『秘宝』で確かめよう」
「この『アイアンイージス』で!」
龍二はドラグニルと同じ、古代の秘宝「アイアンイージス」を手に取る。
イージスの名の通り、盾のような形状は「堅牢な守り」を肌で感じさせた。
「……ソウタ。お前のドラグニルはただのベイなんかじゃない。お前の『魂』そのものだ。だが『運命』はそれを飲み込もうとしているのも事実。それでもお前は抗うか?」
「……あぁ、抗うさ。たとえ運命だろうと……俺が大人になってもドラグニルとの絆は決して変わりはしない。父さん、あなたとのバトルでそれを証明してみせる!」
「……いい眼だ。お前の龍の力がこの『鋼鉄の盾』を貫けるか確かめさせてもらおうか!」
バトル前にモードチェンジを行い、ランチャーにベイをセット。
3・2・1 ゴーシュート!
掛け声の後にシュートされたアイアンイージスはスタジアム中央を陣取る。
それに対し、アルティメットドラグニルはラバー刃とメタル刃を合わせたヘビーモードで強襲する。
重厚な激突音が部屋中に反響するが、それは一瞬の出来事だった。
ドラグニルのラバー刃が強力なアタックをするもイージスのダンパー刃がそれを受け止める。
「いい攻撃だが、まだぬるいな」
龍二の表情は険しかった。
「まだだ、まだ……!」
「ソウタ、焦っているな?」
「……!」
彼はソウタが焦っていることを見抜き、言葉を続ける。
「確かにお前がドラグニルを大事に思っているのは事実だ。だが今のお前を見てドラグニルはどう思う?」
「それは……」
「どこを見ているんだ! 今のお前の相手は誰だ!」
「……ハッ……!」
父からの質問に思わず目をそらし、彼から叱責を受ける。
その直後、ドラグニルは何も出来ずに回転を止めた。
「ドラグニル……」
「ソウタ、酷いことを言うかもしれないが、今のお前は『迷える子羊』だ」
「迷える子羊……」
「ドラグニル……すまない……! お前の力を引き出せなくて……」
龍二の厳しい言葉にソウタは心が折れかける。
その時だった。
彼の目の前にドラグニルの幻影が現れた。
それと同時に、ソウタの後ろに女性らしき人物が現れ、語りかける。
『蒼龍ソウタ、思ひ惑ふのなら龍を放つな』
「あなたは……!?」
振り向いた瞬間、その人物は顔は見えなかったが、華やかな衣装に身を包み、勾玉のようなものを首に下げていた。
(まさか……女王か?)
『……』
ソウタは彼女の正体を女王と心のなかで推測するが、女性は何も答えずに消えていった。
だが不思議と彼の心には迷いが晴れる感覚が走る。
「迷ったらシュートするなってことか……。確かにその通りだ。……だが、俺の心はもう決まった」
「もう一度だ、父さん」
ソウタの目は心なしか、凛々しくなっていた。
「……! 少しはマシな顔になったな」
それを見てか龍二も微笑む。
3・2・1 ゴーシュート!
再びランチャーを構え、掛け声をした後、シュートする。
アイアンイージスは先程と同様、中央を陣取る。
アルティメットドラグニルはというと、スタジアムを蹴り上げ、一気にそこへ駆けていく。
「速い……!」
「父さん。今度こそ迷いを捨てた俺のアタックとあなたの鋼鉄のディフェンス……どちらが上か勝負だ!」
「受けて立とう! 我が息子よ!」
互いに向き合い、本気で親子の対決を宣言する。
「!」
(……互いに弾き合っている……! 今、俺とソウタの実力は互角!)
絶えず激突し合い、弾き合う。
龍二は自身とソウタの実力が互角であることを実感する。
「父さん」
「ソウタ……」
「互いの闘志が尽きない内に『アレ』で勝負しよう」
ソウタは笑みを浮かべ、「アレ」での勝負を望む。
「『アレ』か……。いいだろう」
「アイアンイージス!」
龍二もそれを受け入れ、アイアンイージスの名を呼ぶ。
それに呼応するかのように、イージスの盾のオーラが現れる。
「オクタゴンシールズ!」
八角形状に配置された盾のオーラがドラグニルの攻撃を受け止める。
しかし、それはどこか震えていた。
「……!」
「父さん、あなたがいたから俺はドラグニルと出会えた。だから……礼を言うよ、この技で!」
「ドラグニル!」
ドラグニルの軸先が格納し、一気に加速した。
(間違いない、お前は迷いを捨てた。成長したな……ソウタ!)
龍二はそれを見て、どこか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「インフィニットフラッシュ!!」
超加速したドラグニルはアイアンイージスを一発で弾き出した。
更にはスタジアムの壁に激突させ、バーストフィニッシュを勝ち取った。
「やった……! やったぁぁぁぁ! 父さんに勝った!」
「見事だ、ソウタ」
「迷いを捨てたお前ならドラグニルを……世界の命運を託せる」
拍手でソウタのことを称え、改めて彼に世界の命運を託す。
「ありがとう、父さん……」
――グゥ〜ッ……――
「あっ……」
激しい戦いであったからか、2人のお腹が鳴る。
「ソウタ、今日はよく頑張った。ご褒美に今夜はラーメンを食いに行くか。母さんも連れて」
「やったーー!」
先程までピリついていた部屋の空気は一気に温かくなった。
(爺ちゃん……。血族に課せられた『呪い』は俺達が打ち払ってみせる。これからも見守っていてくれ……!)
ソウタは振り向いて、祖父の遺影を見る。
彼の瞳には血族としての覚悟が宿っていた。
――創星学園――
「さーて、そろそろ始めますかね……『アレ』を」
一方、その裏では征二狼が意味深長に呟く。
父から課せされた試練を乗り越え、血族としての覚悟を示したソウタ。
厄災を打ち破る「希望の龍」としてこれからも歩み続ける。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
蒼龍龍二-小山力也
神世征二狼-遊佐浩二
ナレーション-森川智之
ベイブレード
アイアンイージス.Wl5.RS
(ウォールファイブ・ラバースパイク)
(イージスの盾モチーフのディフェンスタイプ。)
ダンパーモード→ギミックブレードの内側の刃を上向きにセットした時、ダンパー刃を持つ壁のような形状となり、衝撃を吸収する。
ウォールモード→ギミックブレードの内側の刃を下向きにセットした時、隙間のない壁のような形状となり、あらゆる攻撃を遮断する。