ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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根尾杯編
ベイブレードNEO 第56話 根尾杯


父・龍二から龍の血族の呪い、秘宝の話を受けたソウタ。

 

さらに龍の器かどうか見極めるための試練で龍二から厳しい言葉をかけられ、心が折れかける。

 

しかし、ドラグニルと謎の女性の幻影が彼に迷いを断ち切らせたことにより、新技が炸裂。

 

見事、父に勝利した。(ナレーション)

 

約束通り、母を連れてラーメンチェーン店「招福苑」で夕食を済ませたソウタ達。

 

「美味しかったー!」

 

「久々の外食、良かったわ。あなた」

 

「だろ!」

 

温かい談笑を交わしながらの帰り道……。

 

そこには神世轟の影があった。

 

「蒼龍ソウタ……。その龍の力、利用させてもらうよ」

 

――蒼龍家(翌日)――

 

翌日、玄関の郵便受けから何かが入り込む音がした。

 

「? 手紙か?」

 

そこには手紙らしきものが落ちており、すぐにそれを開く。

 

――

 

根尾中ベイブレード部一同様

 

あなた達は厳正なる総合能力判定の結果、「根尾杯」の出場権を獲得することができましたことをお知らせいたします。

 

会場:根尾開成国立競技場

 

BSC(ベイブレード運営委員会)委員長 兼 根尾町町長

 

生駒柊斗

 

――

 

「根尾杯……。確か町長主催の大会じゃねぇか! とうとう俺達も出場に値するようになったってことかよ!」

「早速、皆に知らせないと!」

 

ソウタはこれまでにないくらいウッキウキの表情でカバンを手に取る。

 

準備を済ませた後、学校へ直行していった。

 

――創星学園――

 

「お父様、予想通りやつはかかりました」

「そして、今のお父様のお姿を見て気づく者はいないはずです」

 

「そうでしょう、轟」

「この大会でどれほどのパワーが集まるか楽しみで仕方ありません……!」

 

「この時に備えて、町長に成り代わったかいがありました」

 

征二狼の姿は町長の姿に変わっていた。

 

――

 

『すっかり遅くなってしまった』

 

『……ふふっ……!』

 

根尾町町長・生駒柊斗の帰りをつけていた征二狼は、彼の頭めがけてブラッディフェンリルをシュート。

 

『がっ……!』

 

それは生駒町長の頭部にクリーンヒットし、彼はそのショックで気絶した。

 

気絶した町長を自宅まで運び、彼のスーツとズボンを奪い取ってそのまま着替える。

 

更には白髪染めスプレーを使い、本人に近い髪色にしただけでなく、ワックスを使ってツンツンヘアを再現。

 

そのまま、生駒町長に成り代わった。

 

『……ま、念のためパジャマぐらい着せてやりますかね』

 

征二狼は本人にパジャマを着させ、寝室にまで運んだ。

 

――

 

――根尾中ベイブレード部部室――

 

「皆、聞いてくれ。招待状が届いたんだ」

 

「それなら俺も届いた」

 

「俺も」

 

「僕も」

 

「私もよ」

 

「おっ! そっちもか!」

 

ソウタは他のメンバーにも招待状が届いたことを大いに喜ぶ。

 

その時、それを他所に部室のテレビの通知音が鳴る。

 

「なんだ?」

 

それに誘われ、スイッチを押す。

 

そこに映ったのは……。

 

「根尾町の皆さん、おはようございます! 今日もベイを回していますでしょうか? 町長 兼 BSC委員長の生駒柊斗です!」

 

「町長!」

 

生駒町長だった。

 

しかし、それはあくまで「ガワ」であり、本来の姿は「神世征二狼」だ。

 

当然、ソウタ達は町長本人が征二狼に成り代わられていることを知っているはずもなかった。

 

「私が開く年に一度の祭典『根尾杯』、その招待状を厳正なる総合能力判定に合格した皆さんに送らせていただきました」

「折角の一大イベントなので、皆さん是非ともお楽しみください!」

 

「相変わらずだな、町長は」

 

「何か、何か妙だ……」

 

「どうした、ヒカル?」

 

「……いや、何でもない」

 

「?」

 

(確かに町長は『ハイテンション』さで盛り上げるのは恒例ではあるが、どこか『わざとらしい』……)

 

だが、ヒカルだけは生駒町長の様子に違和感を覚えていた。

 

そんな中、画面の向こうでは「征二狼」が続けて話す。

 

「各ブロックの組み合わせはこちらで行わせていただきました」

 

Aブロック

 

根尾中学校

茂部中学校

象栄学園

輪木約中学校

 

Bブロック

 

聖永学園

爽海学園

和真学園

七志中学校

 

Cブロック

 

天晶学園

豪龍学園

王谷中学校

星楼中学校

 

Dブロック

 

神世学園

獣界中学校

冥来中学校

時巳中学校

 

「どれも見たことがあるやつだが、象栄……天晶……聞いたことがない」

 

各ブロックに割り振られ、対戦表が掲示される。

 

殆どの学校はどれも見慣れたものが多かったが、「象栄学園」と「天晶学園」は初めてその名を聞いたとバンは言う。

 

「……」

 

象栄の名を聞いた瞬間、ツバサは一瞬沈黙した。

 

「象栄学園……! まさか彼らもこの大会に……」

 

その沈黙の後、動揺する。

 

彼の顔色は強い不安を訴えていた。

 

――翌日(根尾開成国立競技場)――

 

根尾杯当日を迎え、会場に着いたソウタ達。

 

会場内には花火の音が響き、盛り上がりを見せていた。

 

「ようこそ出場校の皆さん!」

「これよりブレーダーの祭典・根尾杯の開催を宣言します! あなた達がベイの歴史を『塗り替える』ことを期待しています!」

 

生駒町長に扮した征二狼がステージに登壇、開催の挨拶をする。

 

(やはり違和感がある……。いつもの町長なら『塗り替える』ではなく『盛り上げる』と言っていた)

 

しかし、ヒカルは挨拶の内容にも違和感を感じる。

 

特に「塗り替える」という発言には。

 

「くぅ〜、色んなやつと戦えると思うと楽しみで仕方ないぜ!」

 

「お前は本当に……」

 

一方でソウタは非常に舞い上がっていたおり、ヒカルは顔に手を当てながら呆れる。

 

「全国のベイブレードファンの皆さん、お待たせしました! 実況は私、古面定太が務めさせていただきます!」

 

続いて、ベイブレードの大会でお馴染みの実況者・古面もステージに登壇。

 

威勢の良い声がマイクを伝う。

 

「俄然、楽しみになってきたぜ」

 

「やぁ、君が蒼龍ソウタかい?」

 

やる気に満ち溢れる中、一人の少年がソウタに話しかける。

 

「僕は金山龍真、天晶学園のリーダーだ。蒼龍ソウタ、君のドラグニルからはいい『音』が聞こえてくる。僕の『ファフニール』がそれを飲み込むのが先か、ドラグニルがそれを超えるか……楽しみにしているよ」

 

オレンジのバンダナをつけたその少年は「金山龍真」と名乗り、意味深長な言葉とともにソウタと挨拶を交わす。

 

「お、おう……」

 

謎めいた雰囲気と言い回しに戸惑いを見せる。

 

そんな中、またしても誰かがベイブレード部の面々に近づいてくる。

 

「よぉ、久しぶりだな。ツバサ」

 

「羽田ユウマ……!」

 

「お前、まだあのコマ遊びしてたのか? 象栄を捨てたお前の限界、この大会で教えてやるよ」

 

銀色のカルマパーマをした少年・羽田ユウマはツバサを名指しし、彼に嫌味をふっかける。

 

「テメェ! ツバサをバカにすんじゃねぇ!」

 

「お前が蒼龍ソウタか……。だが覚えておけ、全ての頂点に立つのはこの『象栄学園』ってな!」

 

当然、ソウタは彼に向かって激昂するが、ユウマは自信満々な表情と声で言い切り、その場を後にする。

 

「ずいぶん嫌味なやつだな」

 

「……」

 

しかし、ツバサは何も反論はしなかった。

 

邪悪によって主催者が成り代わられたまま開かれた根尾杯。

 

そして、謎を秘めたライバル達とツバサの真実。

 

交錯する謎にソウタ達はどう立ち向かうのか。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

神世メイ-竹達彩奈

蒼龍龍二-小山力也

蒼龍龍海-井上喜久子

古面定太-小野坂昌也

神世轟-石田彰

神世征二狼、生駒柊斗-遊佐浩二
      (髪型:銀のツンツンヘア/目の色:黒/その他:メガネ)(BSC委員長 兼 根尾町町長)

象栄学園

羽田ユウマ-林勇
(髪型:銀色のカルマパーマ/目の色:オレンジ)

天晶学園

金山龍真-櫻井孝宏
(髪型:金のウェーブヘア(緑のメッシュ入り)/目の色:青/その他:オレンジのバンダナ)

ナレーション-森川智之
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