ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第57話 不死鳥の真実

BSCの総合能力判定に合格し、根尾杯の招待状を受け取ったソウタ達。

 

その裏では神世征二狼が主催者である生駒柊斗に成り代わっていた。

 

迎えた当日、様々な学校との挨拶を済ます中、象栄学園のリーダー・羽田ユウマはツバサに向かって嫌味をふっかけた。

 

ツバサに秘められた真相とは(ナレーション)

 

――根尾開成国立競技場控室――

 

「ツバサ、さっきからどうしたんだよ」

「やたら黙り込んでいるけど……」

 

先程から黙り込んでいるツバサ。

 

ソウタはそれが不安で仕方がなかった。

 

「……とうとう話す時が来たようだね」

「僕は根尾中に転校してきた、そのことはもう知ってるね」

 

「ああ……」

 

神妙な面持ちでの語りに控室の空気は重々しくなる。

 

「けどそれには理由があった……」

「象栄にいた時、僕はユウマ達と波長が合わなかった。そこから本当にしたいベイバトルというものを見失っていた」 

 

彼は思い返すように天井を仰ぎ、嘗ての記憶を辿る。

 

――

 

『フェニックス!』

 

『今回も俺の勝ちだな、ツバサ』

 

『また負けた……』

 

象栄にいた頃のツバサはいわゆる「落ちこぼれ」として扱われていた。

 

『お前がなんで勝てないか教えてやるよ』

『それはベイを『お遊び』程度にしか考えてねぇからだ』

 

『そんなことは……』

 

『ベイは楽しむものだって? 違うな、『勝利こそが全て』だ』

 

『『楽しむ』なんて口ではたくさん言える、けどよぉこの世界は『結果』だけで測られるんだ』 

『そんな考えが取れない内は、お前は絶対に勝てない』

 

『……ッ!』

 

『ま、じっくり考えな。ハーハッハッハ!』

 

自身の「楽しむ」というスタンスに対し、チームメイトは「勝利こそが全て」というスタンスだった。

 

その対立に、ツバサの心は常に疲弊していた。

 

(あの時の僕はメンバーからもボロクソに言われていた。もうやめた方がいいのか、そう思っていたその時……)

 

『龍、俺はお前を超える!』

『いっけぇぇ! ドラグニル!』

 

(あの皇龍と戦っている……!? そしてあのオーラは一体……!?)

 

運命のいたずらか部室のテレビには、ソウタと龍の戦いが映し出されていた。

 

その時、消えかけていた彼の心には再び「火が灯りはじめた」。

 

――

 

「ソウタ、あの時の君と龍の戦いを見て、ただ死んでいくだけの僕とフェニックスの心は蘇ったんだ」

「この根尾中ならもう一度ブレーダーとして立っていけるかもしれない。そう思ったんだ」

 

思い返していく内にツバサの表情はどこか明るくなっていた。

 

「……だよ」

 

そんな中、ソウタが何かを言い出す。

 

しかし、はっきりとは聞こえなかった。

 

「えっ……」

 

「水臭えんだよ! 本当に心配したんだからな!」

 

聞き返そうとした瞬間、ソウタはツバサの肩を軽く叩いた。

 

「ごめんごめん」

「でもこれで少しは気分は晴れた。さぁ、行こう」

 

完全に吹っ切れ、先頭に立って控室を後にする。

 

「なんだ、折れたと思ったらすぐ立ち直りやがって……」

 

しかし、壁にいたユウマが不満をもらす。

 

__根尾開成国立競技場__

 

「根尾中学校勝利! 1回戦突破です!」

「いやー生駒町長、やはりメキメキと力をつけて来ましたね!」

 

「『そうですねぇ』、根尾中にとってもこの大会に出れたことは嬉しいものではないでしょうか」

(この試合ではあまり『エネルギー』は取れませんね……。まぁ、所詮雑魚狩りですから)

 

征二狼は『生駒町長』として振る舞うために最低限の返答をしてはいるが、どうでもいいという態度が隠しきれていなかった。

 

更には「エネルギー」という意味深長な言葉を心のなかで呟く。

 

(やはり変だ、町長はいつも合の手に『えぇ』と言っていた。『その日の気分』とかで済めば幸いだが、少し刑事に掛け合ってみるか……)

 

それを見ていたヒカルは、違和感を拭えきれなくなり、瀬際刑事に掛け合うことを決意する。

 

「すまない、少しトイレへ……」

 

「ああ……。どうしたんだ、ヒカル……?」

 

トイレでポケットに入っているスマホを取り出し、瀬際刑事に感じた町長の違和感を洗いざらい話す。

 

「もしもし……瀬際刑事ですか」

 

「おぉ、どうしたヒカル君」

 

「実は今、根尾杯という大会の最中なのですが少し気になることがありまして……」

 

「気になること?」

 

「それは生駒町長についてです。ベイの歴史を『盛り上げる』ではなく『塗り替える』、合の手も『えぇ』ではなく『そうですね』といつもと違う様子を見せていました。事が重大になる前にそちらの方で調査していただけませんか?」

 

「ほぅ、町長が……分かった。町を守る者としてその依頼承ろう!」

 

「ありがとうございます」

 

電話を切り、急いでソウタ達のもとへ戻る。

 

「悪い、遅くなった」

 

「ヒカル、随分長かったみたいだけど大丈夫か?」

 

「ああ」

「それより、そろそろあいつらが……」

 

「よぉ、根尾中ベイブレード部」

 

噂をすればすぐに象栄学園の面々がやって来た。

 

「ユウマ! お前、またツバサを……!」

 

「そういうことじゃねぇよ、『楽しむ』ってだけで勝利できる甘い世界ではないと忠告しに来ただけだ」

 

「ま、あなた達がどうしてもそう思ってるなら止めはしないけど」

 

「ツバサ、後悔しないでよ。全ては君がしたことだからね……」

 

「それならあなた達もその発言、後悔しないでね。全ては『自分達』がしたことでしょ?」

 

「……!」

 

「言ってくれるじゃねぇか……!」

 

「へぇ……言うねぇ……」

 

メイは何を思ったのかリクの言葉をそっくりそのまま返す。

 

それを聞いたリク、ユウマは少しピキッとなる。

 

数分後……。

 

両校はスタジアムに並び立ち、実況者による説明がなされる。

 

「さぁ、この大会の『代表決定戦』及び『ブロック対抗戦』では様々なルールのもとで試合が行われます!」

 

根尾杯の後半戦はくじの結果でバトルの内容が執り行われる。

 

「Aブロック決勝、ペアバトル!」

(これで効率よく『エネルギー』を集められます……!)

 

ペアバトルを引いた瞬間、征二狼は一瞬だけほくそ笑んだ。

 

「おーっといきなりペアバトルです! ルールは簡単、それぞれペアを組み最後までベイが残ったチームの勝利となります!」

 

「根尾中に教えてあげなきゃね、私達の実力を」

 

「僕達に喧嘩を売ったこと、後悔させてあげるよ」

 

「早速、象栄学園からは川島ルカ選手と月野リク選手の登場です!」

 

「このバトル、俺が行かせてもらうぜ。アイツらに教えてやる、俺達の絆を」

 

「そういうことなら私も行こうかしら」

 

「メイ……!」

 

「最近出番なかったから丁度いいと思って」

 

「……頼りにしてるぜ、メイ」

 

象栄学園からはルカとリク、根尾中学校からはソウタとメイが前に出る。

 

シュート前にモードチェンジを行い、ランチャーにベイをセットする。

 

『Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「今、根尾杯Aブロック決勝がスタートいたしました! 象栄学園と根尾中学校、最初にAブロックを突破するのはどちらなのでしょうか!?」

 

「最初から畳み掛けるよ、ルカ」

 

「そうね、リク」

 

「バーサークベア!」

 

「ビートゲーター!」

 

「ゾーン・オブ・ハンティング!」

 

開始早々、象栄学園の2人はコンビ技を発動。

 

熊のオーラとワニのオーラが同時にハデスの方へ襲いかかる。

 

攻撃自体はいなせているが、相手は休むことなく攻撃をし続ける。

 

「しつこいわね……」

 

「象栄学園、怒涛の連続攻撃です! それに対し、蒼龍ソウタ選手のアルティメットドラグニルはスタジアムを旋回しています! これはどういうことでしょうか!?」

 

ドラグニルはというと、スタジアム外周を旋回しているだけだった。

 

「アッハハ……! さっきまでの威勢はどうしたのかな?」

 

「やっぱり口だけだったのかしら?」

「相方もスタジアムを旋回しているだけだし、この試合……私達の『勝ち』ね!」

 

それを見て、リクとルカは余裕の表情を浮かべる。

 

更には勝利宣言をしたその時……。

 

「それはどうかな……」

 

ドラグニルの軸先が格納し、加速を始めた。

 

「なんと! ドラグニル、ここに来て加速しましたーーッ!!」

 

「!!」

 

「メイ、時間稼ぎありがとな」

 

「一時はどうなるかと思ったわ、さっさとやってしまいなさい」

 

ソウタの言うことからするに、ハデスが相手の攻撃を受け続けていたのは加速を発動させるための時間稼ぎだった。

 

「ああ……」

「お前らに教えてやる。勝ったと思った瞬間、それが負けを呼ぶんだぜ!」

 

一転して焦りだす相手に啖呵を切って、必殺技を発動。

 

「ザ・リブート!」

 

バーサークベアとビートゲーターをスタジアムから弾き飛ばし、オーバーフィニッシュを決めた。

 

『アルティメットドラグニル、オーバーフィニッシュ! 蒼龍ソウタ、神世メイペアの勝利!』

 

「お見事! 蒼龍ソウタ選手、オーバーフィニッシュでリードしました!」

 

(エネルギーはそこそこ取れましたね……)

 

実況のリアクションを他所に、征二狼は腕時計のようなツールを見てエネルギーの獲得を確認。

 

笑みを浮かべずにはいられなかった。

 

「お前ら、ここぞという時に……!」

 

「ユウマ、一回の負けで焦るな。俺達で取り返していくことに専念しろ」

 

ユウマが怒りを隠しきれない中、メンバーの一人である野山レオが彼をなだめる。

 

「よし、幸先の良いスタートだ。次は僕と……」

 

「俺も行こう」

「次はスタミナタイプとバランスタイプ。お互い同じタイプで戦った方が戦況を把握できるだろ?」

 

「バン、ありがとう」

「そして、ユウマ。君に迷いを捨てた不死鳥の羽ばたきを見せてあげるよ」

 

続く2戦目、ツバサとバンがペアを組むこととなった。

 

居場所を見つけた一人の少年。

 

仲間とともに過去を乗り越える覚悟を見せる。(ナレーション)

 




__イメージCAST__ 

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

神世メイ-竹達彩奈

瀬際勝-玄田哲章

生駒柊斗(神世征二狼)-遊佐浩二

象栄学園

羽田ユウマ-林勇

月野リク-村瀬歩
(髪型:黒のツンツンヘア/目の色:灰色/その他:カチューシャ)

川島ルカ-茅野愛衣
(髪型:緑のストレートロング/目の色:オレンジ)

野山レオ-佐藤拓也
(髪型:金色のハネた形状/目の色:緑)

ナレーション-森川智之

ベイブレード

バーサークベア.Sw3.MN
(ソースリー・メタルニードル)
(熊モチーフのディフェンスタイプ)

パリーモード→ギミックブレードをずらすことで8枚刃となり、相手の攻撃を分散する。

カウンターモード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることで巨大な4枚刃となり、相手を大きく弾く。

ビートゲーター.U7.Ch
(アンダーセブン・チャージ)
(ワニモチーフのアタックタイプ)

テイルモード→ギミックモードを下向きにセットすることで相手を上から叩きつけるスマッシュ攻撃。

ファングモード→ギミックブレードを上向きにセットすることで側面のギザギザ刃でスタミナを削り取る。
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