象栄学園に勝利し、更にはそこのリーダーであるユウマと和解を果たしたツバサ。
一方、Bブロックでは聖永学園がそこの代表となり、次の対戦相手となった。(ナレーション)
「遂に聖永学園とのバトル……! マイも強くなったなぁ……」
「!」
「マイ、シオン、龍太、イリア! 久しぶりだな!」
聖永学園のメンバーには新たなメンバーとして、マイと龍太が加わっていた。
聖永杯が閉幕して以降、「ランク制」が廃止され、チームを自由に組むことが可能となったからだ。
「また会えましたね、ソウタさん。Aブロック代表おめでとうございます」
「ありがとな! 俺達もマイ達と戦えるのを凄く楽しみにしてたんだぜ!」
「それは光栄ですね」
聖永を訪問した時以来でマイと再び相まみえたことにソウタは喜びを隠せなかった。
「ところで他のメンバーは?」
「もうすぐ来ますよ」
ベイブレード部が出会った聖永のメンバーは後5人。
そんな中、聞き覚えのある声とともに彼らの前にブレーダー達が現れる。
「よぉ」
「エイキ、カイト、アイ! それに……シアス、テルブ!」
それは他の4戦士のメンバーとゴールドランクだ。
「久しぶりだな、根尾中ベイブレード部」
「そして、お前が神世メイか。俺の名は黒野エイキ。聖永学園のブレーダーの一人だ」
聖永4戦士の一人である少年・エイキは、メイとの対話をする。
征二狼によって苦い経験をする羽目になったが、そんなことは気にしていない様子だった。
「あなたも聖永学園の……。お父様がとんでもないことをしでかしたと聞いたわ」
メイも父の「蛮行」について触れ、申し訳なさそうな顔をする。
「ああ。だがコイツラのおかげで、シオン様は取り戻せた。コイツラはどんなことがあっても折れはしない……最後にそう言っておくぜ」
「俺達は観客席に向かう。お前らが聖永とどれだけ渡り合えるか楽しみにしてるぜ」
エイキは去り際に「ベイブレード部の強さ」を彼女に伝える。
その表情にはどこか「応援している」というメッセージさえ読み取れる気がした。
そんな中、龍太がソウタに話しかけてきた。
「お久しぶりですね、ソウタさん」
「久しぶりだな、龍太! ところでお前に話したいことがあるんだ」
「何でしょうか?」
(実は『龍の血族』について関係者から話を聞いたんだ、父さんから『血族の呪い』も……)
ソウタは彼に「血族」についての話をその耳に吹き込む。
「そうですか……」
龍太は神妙な面持ちと聞こえるか聞こえないかぐらいのトーンでそう言う。
「……ちょっと、まずかったかな?」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。血族のことを知る、それもまた一つの成長ですので」
「……話は変わりますが、象栄学園戦での様子を見るにドラグニルを新調したようですね」
ソウタは何かまずいことをしたかと不安になるが、龍太はすぐにフォローを入れる。
更には話題を切り替え始めた。
「そうなんだよ、同じ龍の名を冠するブレーダーとしてお前との勝負、楽しみにしてるぜ!」
「それはそれは……私も楽しみにしていますよ」
先程の気まずさは一気に消え去った。
そこで分かるのは、互いに期待の表情を浮かべているということだけだった。
『いよいよ試合開始です。Aブロック代表・根尾中学校とBブロック代表・聖永学園は直ちに集合してください』
「そろそろだな……」
「さぁ、いよいよ始まります。Aブロック代表・根尾中学校 VS Bブロック代表・聖永学園!」
「嘗て、聖永杯にて激闘を繰り広げたこの2校。ここでも新たな伝説を築き上げるのでしょうか!? 注目が集まります!」
「それでは生駒町長、対戦方式をお願いします!」
「1、2試合・通常+3試合目以降・変則」
「このルールは2試合目までは通常の1VS1ですが、3試合目以降は決定者が制定したルールに従ってもらいます!」
象栄学園戦でのシンプルなものとは異なる、一風変わったルールだ。
「面白えルールじゃねぇか! 更にワクワクしてきたぜ!」
ルールの内容にソウタはいっそう、テンションを上げた。
「相変わらずだね、ソウタさんは」
「でも、マイの気持ちも分かる気がする。彼の前向きな姿勢があなたを勇気づけてきたんだね」
それを見ていたシオンは、穏やかな表情を浮かべる。
「シオン……」
隣で聞いていたマイも、気恥ずかしそうな微笑をたたえた。
「皆、ファーストバトルは誰から出たい?」
「シオン様、この試合は私から始めさせてください」
「ソウタさんの『成長』をここで確かめたいのです」
「おっ、聖永からは龍太か!」
「あいつにアルティメットドラグニルの魂《ビート》を見せてやるぜ!」
聖永学園からは龍太が、根尾中学校からはソウタがファーストブレーダーとして前に出る。
「早速ファーストブレーダーが決まりました! 聖永学園からは帝龍太選手、根尾中学校からは蒼龍ソウタ選手です! 今大会注目のブレーダー同士のぶつかり合いに会場内が沸き立っています!」
「あの時以来ですね」
「ああ、けどそういうお前だってこの日のために備えて来たんだろ?」
「もちろんです、さあ行きましょうか」
『Ready……Set!』
(ランチャーを傾けた……?)
シュート直前に龍太がランチャーを傾ける。
ソウタの目はそれを見逃さなかったが、何をする気なのかというドキドキとワクワクが頭を伝う。
3・2・1 ゴーシュート!
シュートされたグランドラゴは荒々しい音を立ててスタジアムを駆け回る。
「なんだ……!? この動きは」
「けど、やることは一つだ。ドラグニル!」
「そう来ると思っていましたよ」
早速先制攻撃を仕掛けようとするも、龍太はまるで最初からそう予測していたかのように言う。
「避けた!?」
その直後、グランドラゴにギリギリのところで避けられてしまった。
「今度はこちらの番ですね」
今度は逆に龍太の方から攻撃を仕掛け、グランドラゴは衝突と回避を繰り返す動きを見せる。
「さっきのシュートフォームはこの技のために……!」
「その通りです。斜め打ちによりグランドラゴのギアのアタック性能を引き出したというわけです」
「更に言えば、それだけではありません。衝突と回避、2つの軌道を繰り返すことによってじわじわと攻撃する。これがグランドラゴの新たな戦略です」
斜め打ちによって、嘗てのような「受け身」の戦い方から「自分から攻め込む」戦い方に変えたということだ。
(龍太も新しい技を考えていたんだな……)
(けど……何故かワクワクする……!)
「龍太、お前はスゲェよ。でも……、俺も負けてらんねぇ!」
「ドラグニル!」
「……!!」
龍太の視界には、ソウタから溢れ出るオーラとドラグニルの幻影が映り込んでいた。
「……」
ソウタは無意識の内に目を閉じる。
(ソウタさん……それがあなたの……『血族』としての……!)
「行こうぜ……」
囁くような声とともにドラグニルの軸先が格納し、加速する。
「こ、これは……! アルティメットドラグニル、加速したァァァッ!! スタジアムにさえ響くその音はまさに『龍の咆哮』です!!」
それは一気にグランドラゴの方へ向かっていき……。
「タービュランスクラッシュ!!」
一気にスタジアムから弾き出した。
『アルティメットドラグニル、オーバーフィニッシュ! 蒼龍ソウタの勝利!』
「よっしゃぁぁ!」
「ソウタさん、あなたから放たれたオーラは間違いなく血族の象徴です」
「……ですがこれだけは覚えておいてください。この大会には他の血族もいます。あなたなら私の時よりも強い共鳴が得られるはずです」
「……ああ!」
龍太はこの大会にも「他の血族」がいることを伝え、その場を後にした。
(龍の血族同士のぶつかり合い、エネルギーも多く取れました……!)
一方で、征二狼はエネルギーが今までより多く取れたことを喜んでいた。
ニヒルな笑みを止めようにも止められない、それぐらい彼にとっては喜ばしいことであった。
「初戦から龍同士の熱き戦い! 蒼龍ソウタ選手、帝龍太選手、ありがとうございました!」
「続きまして第2試合、今度は誰が出場するのでしょうか?」
「……シオン様、次は私が行きます。一角ヒカルとの決着をここでつけたいのです」
「聖永からはイリアか……。ならここは俺が出よう。今度こそ決着をつける」
続く第2試合、聖永学園からはイリアが、根尾中学校からはヒカルがセカンドブレーダーとして名乗りをあげる。
懐かしさに浸りながらも、血族同士の対決を制したソウタ。
次に控えるのは聖永杯で約束し合った2人。
どちらがその戦いを制するのか。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
風馬マイ-水瀬いのり
帝龍太-島﨑信長
天道シオン-悠木碧
藤川イリア-雨宮天
黒野エイキ-子安光樹
生駒柊斗(神世征二狼)-遊佐浩二
古面定太-小野坂昌也
ナレーション-森川智之