ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第61話 5つの龍

聖永学園にも勝利を収めたソウタ達。

 

次なる相手は天晶学園。

 

龍の血族との戦いが近づこうとしていた。(ナレーション)

 

「金山龍真、所々発言が怪しいんだよなぁ……。まるで俺達を試してるみたいに……」

 

「しかも、そいつは名前からして龍の血族だろう」

「問題はどういう対戦方式で来るかだな」

 

『Aブロック代表・根尾中学校とCブロック代表・天晶学園は集合してください』 

 

金山龍真の意味深長な発言の数々に戸惑う中、会場音声が競技場に集合するよう促す。

 

「けど、ここまで来たんだ。皆でこの試合も勝ち進もうぜ!」

 

一瞬だけ振り向いた後、一歩一歩前に進む。

 

――根尾開成国立競技場控室――

 

「龍真。お主から見て、蒼龍ソウタは信頼できる器か?」

 

「それは直ぐに分かるさ。僕達、そしてファフニールは彼を『観察』するためにここへ来た」

 

龍真に話しかけたのは天晶学園のメンバーである、影沢龍子。

 

彼女もまた、ソウタに注目をしている。

 

扇子を広げ、優雅な佇まいとともに龍真に質問する。

 

それに対し、龍真はまたしても意味深長な発言をする。

 

――根尾開成国立競技場――

 

「さぁ、根尾杯もいよいよ後半戦!」

「Aブロック代表・根尾中学校VSCブロック代表・天晶学園!」

 

「さぁ、生駒町長。早速ですが対戦方式のご提示をお願いします!」

 

(さっきはしくじった……! そうとなれば……!)

「バトルロイヤル」

 

先程の屈辱が拭えない中、彼が提示したのは「バトルロイヤル」だった。

 

(もう手段は選びません……! 根尾中、あなた達には敗北の文字をその顔にきっちり叩きつけてやります!)

 

「只今発表されました、バトルロイヤル。この対戦方式は全員が一斉にベイをシュートし、最後まで残ったベイのチームが勝利となります!」

 

今までとは違い、一回の試合で全てが決まる対戦方式だ。

 

「バトルロイヤルか……。うーん……」

 

「どうした、ソウタ?」

 

「いや、なんか町長の様子やっぱ変じゃないか?」

「今まで色んなルールでやってはいたけど、聖永戦の時の『リアクション』、どっかで聞いたような気が……」

 

(ソウタ、お前も気づき始めたか……)

 

ヒカルが前々から抱いていた違和感、ソウタもとうとう同じような感覚を抱き始めた。

 

そんな中、天晶学園の面々がソウタ達の前に現れた。

 

「蒼龍ソウタ。君の『龍の鼓動』はまだ完全には『発現』していない」

「君次第だよ、ファフニールの遊び相手なるか、食事になるかはね……」

 

「バハムートは上質な餌を欲しているのじゃ」

「お主らにその資格があるか確かめさせてもらうぞ」

 

「ヒャハハハ! いいぜぇ、サラマンダーがオメェ等のおかげでもっと熱くなりそうだ!」

 

「……ワイバーンに飛ばされることのないようにな」

 

「……!!」

 

彼らが放つ静かな威圧感、相対したソウタ達は一瞬だけ震え上がった。

 

(なんて威圧感だ……! 1人でさえ十分な程なのに……!!)

「……やってやるぜ」

 

「楽しみにしているよ」

 

『それでは全員シュート準備をお願いします』

『Ready……Set!』

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

スタジアムには9機のベイが一斉に放たれた。

 

「相手は龍の血族、けど……呑まれちゃだめだ……!」

「行こうぜ、ドラグニル!」

 

アルティメットドラグニルが早速、金山龍真のベイであるブリッツファフニールに激突するが、ひしゃげるような音を立ててその衝撃は吸収されてしまった。

 

それと同時にドラグニルが僅かにブレ始める。

 

「……!!」

「これは、まさか……!?」

 

「どうやら知っているようだね……」

「そう、回転吸収さ!」

「僕のファフニールは『左回転』。逆回転故に右回転のベイと正面衝突するのはもちろん、ラバー刃で回転吸収ができるドレインモードが備わっているのさ!」

 

(回転吸収だって……!? 龍のギャラクシードラゴと同じ性能ということか!)

 

「もっとも、左回転使いは僕だけじゃないけどね」

 

「えっ……」

 

「ケルベロス……!」

 

ソウタが戸惑う中、バンが何やら苦戦を強いられていた。

 

「いい攻撃じゃがバハムートを退かすには至れぬな」

「儂のバハムートも左回転なのじゃよ。ファフニールが左回転のスタミナタイプなら、バハムートは左回転のディフェンスタイプ。真正面から攻撃しても防がれるだけじゃぞ」

 

バンが戦っているのは、影沢龍子。

 

彼女が使うベイ・メテオバハムートはギミックブレードがスライドし、ことごとくケルベロスの攻撃を受け流す。

 

「ならば……! ケルベロス!」

「チェイン・オブ・フレア!」

 

「チェインケルベロス! メテオバハムートのギミックブレードを弾き飛ばしたーーッ! この勝負の行方は一体!?」 

 

ケルベロスとの共鳴で必殺技を発動し、バハムートのギミックブレードを弾き飛ばすが……。

 

「な、何ッ……!?」 

 

「それも計算の内じゃ。」

「轟け、メテオバハムート!」

 

空中で再びそれをキャッチし、モードチェンジ。

 

更にはそうなることも予想していたと言う。

 

龍子の声に呼応し、バハムートのオーラが現れる。 

 

「ロアリングメテオ!」

 

「そんな……!」

 

「先ずは一人目じゃな」

 

バハムートのカウンター攻撃を受けて、ケルベロスがオーパーフィニッシュ。

 

根尾中学校の方から遂に脱落者が現れた。

 

「バン……!」

 

「よそ見していいのかな?」

 

「……ハッ!」

 

「ファフニールは君のベイの回転力を奪っていく。スタミナ切れも時間の問題だよ」

 

「君からは熱いハートを感じるねぇ。それに応えて、こっちも全力で行くぜぇぇ!」

 

「そう暑苦しいの、私苦手なんだけど……」

(でも、一つ一つの攻撃が痛いわね……)

 

火ノ光龍也のイラプションサラマンダーは、メイのデミスハデスに連続攻撃を叩き込む。

 

彼のハイテンションさに戸惑いつつも、その実力は確かであるということを認めざるを得なかった。

 

「……動きが読めるぞ」

 

「フェニックスのスライドモードでも受け流しきれない……!」

 

風嵐龍介のウインドワイバーンの攻撃にも、ツバサは苦戦していた。

 

「おぉーっと! 根尾中学校、今までとは一転して大ピンチ! 既に門守バン選手はリタイアという絶望的状況、切り抜けられるかァーーーッ!」

 

(フフフッ……! そうです、そうです! これが見たかったのです……!! 根尾中ベイブレード部、あなたの栄華もこれで……!)

 

征二狼がほくそ笑んだその時……。

 

――ゴンッッッ――

 

「!?」

 

突如、壁を叩きつける音が会場内に伝わる。

 

全員が恐る恐るそれを見ると、壁を叩きつけたのはヒカルだった。

 

「おい……町長、いや『神世征二狼』! アンタは一つ勘違いをしている」

「確かに天晶の奴らは今までとは比べ物にならない程強い。だが、アンタの方こそ知っているんじゃないか? 俺達がどれだけしぶとい生き物かってのを……」

 

「えっ……神世征二狼……!?」

「神世征二狼って、あの神世学園の学園長じゃ……?」

 

「えっ……!? 生駒町長……じゃない……!?」

 

「……ッ!」

 

彼は突然、実況席の方に向かって征二狼の名を呼ぶ。

 

その瞬間、観客席は一気に騒然とした。

 

「ソウタ、思い出せ。お前がドラグニルとともに歩んできた記憶を」

 

「記憶……?」

 

更にはソウタの方に発破をかけていく。

 

「!!」

 

ヒカルに言われた通り、今までの記憶を探っていく。

 

彼が無意識に目を閉じてからその時のことだった。

 

「これは、今までのドラグニル?」 

 

目の前にはスラッシュドラグニル、セイバードラグニル、アルティメットドラグニルが置かれていた。

 

3つのドラグニルに触れようとした途端、ドラグニルの幻影が現れた。

 

グルルル……

 

「ドラグニル、お前……?」

「!」

 

ドラグニルの幻影が振り返った先には、あるものがまたしても置かれていた。

 

「それはハデス、ユニコーン、フェニックス……!」

 

それは天晶学園との戦いの時に残っていた仲間達のベイだった。

 

ドラグニルの幻影は3機にパワーを与えて消えていった。 

 

「そうか、力を貸してたんだな……」

 

再び目を開いた瞬間、ソウタの髪は燃え上がる炎のように揺らめき、そして青く輝いていた。

 

「…!!」

(蒼龍ソウタ、その姿は…!まさか…!)

 

「もう吹っ切れたぜ、俺達がやることはただ一つ…天晶の奴等を超えることだ!!」

 

無意識にソウタから溢れるエネルギーはメイ、ツバサ、ヒカルにも注入され……。

 

「何か分からないけど…勇気が湧いてくるわ………!」

 

「凄いや…!これ…」

 

(どうやら成功したようだな)

 

メイやツバサは少し戸惑う中、ヒカルだけは成功したと独白していた。

 

「何が起きやがった……!?」

 

「これは……!?」

 

「まさか……!」

 

それを見た3人はある確信を持つ。

 

(龍の鼓動……!)

 

「メイ、2人で倒そう!」

 

「ええ!」

 

ハデスとフェニックスが互いの距離を詰めて、ぶつかり合いながらサラマンダーとワイバーンに迫っていく。

 

「デミスハデス、リヴァイヴァルフェニックス! 勢いを止めることなくどんどん迫っていきます!」

 

「まずい……!!」

 

「……ッ!」

 

「デミスフレイム!」

 

『デミスハデス、リヴァイヴァルフェニックス、イラプションサラマンダー、ウインドワイバーン、リタイア!』

 

勢いよく激突し、両者ともにスタジアムから弾き出された。

 

「お主、やるではないか。そうとなれば儂も応えようぞ……」

 

「あんたとの真っ向勝負か……」

 

ディフェンスタイプ同士の対決。

 

同じエクストラブレードだけあって、激突音も凄まじかった。

 

しかし、それらは直ぐに止むこととなった。

 

「……!」  

「ようやく掴んだ、この瞬間に叩き込む!」

 

バハムートがよろついた瞬間を狙い、そのディスクフレームにユニコーンのカウンター刃を食い込ませて体勢を崩した。

 

「……お主の勝ちじゃ」

 

バハムートは失速し、遂に停止。

 

スピンフィニッシュを勝ち取った。

 

その後、ユニコーンも役割を果たしたかのように回転が止まった。  

 

(蒼龍ソウタの……彼の変化は……! まさか本当に……!)

 

「龍真、お前は俺が龍の血族の星となれるかって言ったよな?」

「ほんの少しだが見せてやるぜ……」

 

そう言うと、ドラグニルの軸先が格納。

 

いつも通りの加速から、スタジアムをどんどん昇っていった。

 

「何だぁーーーッ!?ドラグニルがスタジアムを昇っていっています!」

 

「周りがラバーなら、真ん中を狙う!」

 

ドラグニルはそこから一気に急降下、それはまるで空を駆けていく彗星のようだった。

 

「…ッ!!」  

(蒼龍ソウタ…、君は面白いやつだよ。僕にはそんな発想できないや…)

 

「シューティングバスター!!」

 

上空からの攻撃でファフニールのラバー刃以外の部分を攻撃し、バーストフィニッシュで勝利した。

 

「アルティメットドラグニル、バーストフィニッシュ!根尾中学校の勝利!!」

 

「決まったぁぁぁぁ!! 根尾中学校、強敵・天晶学園に勝利しました!!」

 

スタジアムに残ったのはドラグニルだけとなり、見事天晶学園に勝利した。

 

(それにしても一角ヒカル選手は神世征二狼の名を叫んでいたが本当に…)

(いつの間にか居なくなってるゥゥゥ!?)

 

古面がふと振り返った時には既に、征二狼の姿はなかった。

 

「やったぁぁぁぁ!!」

 

「やったな、ソウタ!!」

 

「それにしても不思議な感じだったよ。ソウタの雰囲気が変わって僕達もそんな感じに……」

 

「ヒカルがアドバイスしてくれたおかげだぜ!」

 

「今回ばかりはこういう風に発破をかけなければと思ってな…」

 

「にしても、町長のこと「征二狼」っていってたけど、どういうことだ?今までの疑念と何かあるのか?」

 

「……そこは後で説明する」

 

ソウタ達が試合での出来事について話す中、龍真が近づいてきた。

 

「見事だったよ、蒼龍ソウタ」

「間違いなく君なら僕達、龍の血族の未来を託せるよ」

 

「ありがとな、龍真」      

「俺達の約束は必ず果たす、だから安心して待っててくれよな」

 

血族との絆が更に深まったソウタ。

 

ドラグニルを手に取り、笑顔をそれに示した。

 

「くそっ……! 一角ヒカルめ……!」 

「公の場でこの私の正体をバラすなんて……!」

 

「そこまでだ!!」

 

「ハッ……!」

 

逃げ惑う征二狼の目の前には瀬際刑事、聖、生駒町長本人が立っていた。

 

「貴様を器物損壊及び傷害罪で逮捕する!」 

 

「天罰《ペナルティ》」

 

「アガ……ッ……!」

 

「貴様にお父様を連れ出す資格はない……! その資格があるのはこの神世轟だけだ……!」

 

背後から神世三兄弟の長男・轟が現れ、瀬際刑事にスタンガンによる電撃を食らわせる。

 

「助かりました、轟……」

 

「お父様が困っていたので助けるのは当然ですよ」

 

轟は自らの肩を貸し征二狼を連れ込む中、何かを弾くような音が彼の鼓膜に伝わった。

 

「……?」

 

「今のは『裏』だな」

「そんなに親が大事なら勝手にしろ。……後々破滅することにはなるがな……」

 

聖は轟に向かってコイントスし裏が出たこと、今後の神世家の未来を知らせた。

 

天晶学園に勝利したソウタ達。

 

残るはDブロックのみ、根尾杯を制するために彼らは歩みを止めない。(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

門守バン-梶裕貴

一角ヒカル-小野賢章

焔ツバサ-榎木淳弥

神世メイ-竹達彩奈

天晶学園

金山龍真-櫻井孝宏

火ノ光龍也-森久保祥太郎
(髪型:赤いロングヘア(水色のメッシュ入り)/目の色:黄色/その他:炎のような痣(左頬))

風嵐龍介-浪川大輔
(髪型:青のボサボサ髪(紫のメッシュ入り)/目の色:紫)

影沢龍子-日笠陽子
(髪型:黒のミディアムショート(赤のメッシュ入り)/目の色:青緑/その他:扇子)

生駒柊斗(神世征二狼)-遊佐浩二

剣山聖-小野友樹

瀬際勝-玄田哲章

神世轟-石田彰

ナレーション-森川智之

ベイブレード

ブリッツファフニール.Y8.Rv
(ヤードエイト・リバーブ)
(ファフニールモチーフのスタミナタイプ。ベイブレードバーストのファブニルのオマージュ。)(備考:左回転)

カウンターモード→ギミックブレードをひっくり返し、内側にメタルが入ったラバー刃にすることで相手を大きく弾く。

ドレインモード→ギミックブレードをひっくり返し、全体をラバー刃にすることで相手の回転を吸収する。

イラプションサラマンダー.Dg4.I
(ダガーフォー・イグニッション)
(サラマンダーモチーフのアタックタイプ。)

連撃モード→ギミックブレードをずらすことで刃を互い違いにし、連続攻撃に特化。

重撃モード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることで高火力の攻撃に特化。

ウインドワイバーン.Sl4.K
(スロープフォー・キック)
(ワイバーンモチーフのバランスタイプ。)

アタックモード→ギミックブレードをずらすことで重心がずれ、攻撃的な動きに変化。

スタミナモード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることで重心が安定し、持久的な動きに変化。

メテオバハムート.Bm0.GS
(バンパーゼロ・ガードスパイク)
(バハムートモチーフのディフェンスタイプ。ベイブレードバーストのバハムートのオマージュ。)(備考:左回転)

ガードモード→ギミックブレードを上向きにセットすることで下のラバー刃が干渉し、6枚刃で攻撃を受け切る。

スライドモード→ギミックブレードを下向きにセットすることで6枚刃が範囲内で可動し、攻撃を受け流す。
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