遂に創星学園との戦いの火蓋が切って落とされた。
そこで待ち受けていた第一の刺客は神世カイ。
彼は敗北を理由に家族からの信頼を失い、それを取り戻すために眷属の復活を実行したことを告げた。
その後、ソウタと対戦するも敗れ、メイとの和解の直前、神世家長男・神世轟によって粛清としてその身を取り込まれてしまった。
怒りと悲しみ、様々な感情を抱えつつも2階へ進むのだった。(ナレーション)
――創星学園(2階)――
「カイお兄様……」
目の前でカイを奪われたメイのショックは計り知れない。
彼女の心を表すかのように、窓から見える景色は曇っていた。
ソウタ達も自然と窓の方へ目線を移した。
そこには、少しだけだが顔が一部映っていた。
それでも父親の野望を止めるために前に進んでいく。
「創星学園の刺客達はきっとアイツラもいるはずだ……」
ヒカルが先頭に立ち、階段を上り進めながらそう言う。
その時、彼らの目の前に見覚えのある2人が現れた。
「その通り……」
「そうよ……」
「!!」
「再びお前らと会うことになるなんてな……」
「ロキ、エリス……!」
「久しぶりだなぁ……! 根尾中ベイブレード部……!」
「前はしくったけど今回はそうはいかないわ……!」
ソウタ達の前に現れたのはソラナキの眷属であるロキとエリスだった。
どちらも既に戦い、勝利した相手だが、油断は大敵だ。
2人は恨むようなトーンとともにベイブレード部の面々を威圧する。
「根尾杯でのエネルギーは俺達の強化にありがたく使わせてもらったぜ」
「生まれ変わった私達の恐ろしさ、見せてあげるわ」
やはり根尾杯で貯められたエネルギーは眷属のベイにも利用されていた。
そんな中、ヒカルとバンが一歩前に出始めた。
「俺達が相手だ」
「こっちも先に進まなければならないからな」
2VS2のバトルとなり早速、全員ランチャーにベイをセットし、構える。
3・2・1 ゴーシュート!
スタジアムに放たれた4つのベイ。
ラグナロクとユニコーンはセンターを取り合い、アレスとケルベロスはスタジアム外周を走る。
スタジアム内で激突し合う中、前よりも攻撃力が増していることを察知する。
「前の時でさえ攻撃が痛かったのに……!」
「間違いない、この攻撃には『殺意』が……!」
「分かるか? これは『復讐』だ」
「あなた達のエネルギーは私達を押し上げるエネルギーでもあるのよッ!」
「切り裂け!!」
「切り裂きなさい!」
ロキとエリスにあるのはベイブレード部に対する憎しみのみ。
彼らの声に呼応して攻撃は更に激化していく。
「ただ受け身になっているだけじゃいつか負ける……!」
「分かっている……だが……」
「随分弱気になっているようね……」
「お互い『早く動け』って思っているんじゃないかしら?」
(まさか…!)
(やめろぉぉぉ…!)
ヒカルとバンの焦りに漬け込み、エリスは術を発動。
互いに罵倒や手が出そうになってしまう。
「お、おいやめろ!!」
「抑えるんだ!」
ソウタとツバサは急いで2人の動きを抑えるが……。
「うふふ…醜い、醜いわね!」
「そのまま『自滅』しなさい!!」
完全に相手が優勢となり、抑制にも限界が迎え始めた。
(このままだと本当に自滅してしまう…!)
(ん? 自滅?)
(ヤツの術は恐らく発動させたい相手が自分を見ていることが前提条件のはずだろう……。そうとなれば……!)
「ソウタ、ツバサ! このまま俺達を窓側まで連れて行ってくれ!!」
何かを思いついたようで、ヒカルは窓の方へ自分達を連れて行くよう指示する。
「え!?いきなり何を言って……」
「それが今を超える鍵なんだ!!」
「わ、分かったよ……」
ソウタはヒカルと、ツバサはバンと手をつなぎ、二手に分かれてその場から離れる。
「えぇっ!? 逃げた……!?」
「おいエリス!! お前は追わないのか? ビビってんじゃねぇだろうなーーッ!!」
「は?」
「お前の術なんか離れたら全然怖くねぇーーッ!!」
「ロキ!! お前もただ突っ立ってるだけかーーッ!?」
ソウタはわざと2人を挑発し、エリス達をおびき寄せることにした。
「あぁ!?」
「上等よぉぉーーッ!! 追ってやろうじゃない!!」
「その発言、後悔すんなよーーッ!!」
それぞれのペアは窓側ギリギリの所で止まりだした。
更に言うと、後ろを振り向くことなく、ただ立ち止まるだけだった。
(来た……!)
「やっと観念したのかしら? そして私の視界に『入った』ってことはもうすぐあなた達の絆は崩壊する……!」
狂気的な笑みを浮かべ、術を発動しようとした瞬間――。
「誰に向かって話してるんだ?」
「……ハッ!!」
ソウタの一言を聞いた瞬間、あることに気づいた。
そこには窓に顔が映ったロキとエリスがいた。
一方でソウタは目を閉じ、彼らを見ないようにしていた。
(し…、しまったぁぁぁ!! しかも見た者が私になったってことは!!)
「やっと落ち着いたな」
「ああ」
(術にかかった者が上書きされたぁぁぁ!!)
「曇天の場合、多少なりとも顔は映るからな。何気ない瞬間からお前らの攻略法を掴み取ったのさ」
ヒカルは思い出していた、曇天の中見た光景を。
更には嘗ての経験を活かし、作戦を組み立てることに成功したのだ。
「ロキ、あんたのラグナロク……全然大したことないじゃない!! あたしのアレスが全て切り裂いてあげるから見学してなさい!!(やめてぇぇぇ!!)」
「何だとぉ!! テメェ! 根尾中ベイブレード部の策にまんまとかかったクセに!!(止まれぇぇぇ!!)」
「!!」
ロキとエリスは急いでスタジアムの方へ戻るが、2人の気持ちを表すかのようにラグナロクとアレスがぶつかり合う光景を目撃する。
「おい、お前らの相手が誰なのか忘れちゃいないか?」
「ハッ……!」
「行くぞッ!!」
ヒカルとバン、それぞれの声に呼応し、ユニコーンとケルベロスのオーラが現れた。
「コズミックチェーン!!」
「ラグナロクーーー!」
「アレスーーーー!」
そして、合体技によりラグナロクとアレスを同時にスタジアムの外へ追い出した。
「っしゃーー! ヒカルとバンの勝ちだァーッ!!」
「またしても一時はどうなるかと思ったが……」
「本当にギリギリだった……」
安堵の表情を浮かべ、互いの拳をぶつけ合った。
「クソぉ……!!」
「私の術を利用するなんて……!」
「もう許さねぇ!」
「ぶっ潰すわァァァ!!」
怒り心頭のロキとエリスは根尾中ベイブレード部に襲いかかる。
「そこまでだ!」
「瀬際刑事!!」
そんな中、瀬際刑事が謎の札を持って現れた。
「まさか……!」
「その札は……!」
それを見た瞬間、ロキとエリスは先程とは打って変わって青ざめた。
――
『やはり近づく度に共鳴している……』
紫琉石は根尾神社の祠に近づく度に輝きを放っていく。
『しかし……私に出来ることがあればなぁ』
『結局彼らに頼りっぱなしじゃないか……』
瀬際刑事は征二狼とその関係者を取り逃がしたこともあり、自身に出来ることを模索していた。
そんな中、一人の女性が彼に話しかけてきた。
『お困りのようですね』
『巫女さんか?』
『この神社は辛うじてソラナキを封印できています』
『ですがそれももう……』
『そこで私からお願いがあります』
その人物は根尾神社の巫女であり、瀬際刑事に頼みがあると言う。
『お願い?』
『これで眷属達を封印してください』
巫女は瀬際刑事に御札を渡し、眷属達の封印を頼み込む。
『これは……!?』
『その札には厄払いの効果があります』
『どんなタイミングでも良い、必ず奴等に貼り付けてください』
――
「見せてやろう、これが私たちの正義だッ!! 悪霊退散ッ!!」
「ギィヤァァァァァァ!!!!」
「イヤァァァァァァ!!」
瀬際刑事が2人に札を貼った瞬間、悲鳴を上げ、肉体が粒子のように崩壊し始めた。
「こんな……俺達が……こんな結末に……!」
「……ゥゥ」
ロキとエリスは遂に消滅し、言葉通り祓われた。
「や……やったぁぁぁ!!」
「凄いですよ、瀬際刑事!!」
「やるじゃない、おじさま」
「これで私も一歩前に進めたかな……」
「さて、これは回収しておこう」
「後少しだ、君達のご武運を改めて祈ろう」
「ありがとうございます! 瀬際刑事もどうかご無事で……!」
瀬際刑事はヘルファイアラグナロクとルーインアレスを回収し、その場を後にした。
「いよいよ3階、次の刺客は誰だろうな……」
ソウタ達は気持ちを切り替え、3階へ向かうために階段へ足を踏み出した。
――創星学園(3階)――
「来るか、根尾中ベイブレード部。相手にとって不足なし……」
「この俺、神世ハルトの『太陽』で燃やし尽くしてやろう……」
嘗て相対した眷属に完全なる勝利を果たしたソウタ達。
残る刺客は神世ハルト、神世轟、ルシフェル。
まだ見ぬ強敵に対しても、彼らは立ち向かって行く。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
一角ヒカル-小野賢章
焔ツバサ-榎木淳弥
神世メイ-竹達彩奈
瀬際勝-玄田哲章
ロキ-岸尾だいすけ
エリス-甲斐田裕子
神世ハルト-中村悠一
(髪型:赤のフェザーパーマ/目の色:オレンジ)
ナレーション-森川智之