ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第65話 太陽

創星学園第二の刺客として現れたロキとエリス。

 

そんな彼らと相対したのはヒカルとバン。

 

嘗ての戦いと同様、エリスの能力に苦しめられることとなるが、窓ガラスの反射を利用し、術をおっ被せることに成功。 

 

そこから一気に畳み掛け、勝利したのと同時に瀬際刑事が根尾神社の巫女から託された札を持って駆けつけた。

 

それをロキとエリスに貼り付け、封印に成功。

 

ソウタ達は3階に向かうのだった。(ナレーション)

 

――創星学園(3階)――

 

階段を上り進め3階に辿り着いたベイブレード部。

 

そんな中、ソウタがメイに対してあることを聞き出す。

 

「なぁ、メイ。お前の兄弟って他に誰かいるのか?」

「カイと轟はもう知っているけど……」

 

それは神世家には他に兄弟がいるかということだった。

 

「もう一人いるわ……。名前は神世ハルト」

「神世家三男だけど、私にとって唯一対等に関われる兄弟だったわ……」

「……でも、あの日を境に疎遠になってしまったの」

 

メイにはカイや轟の他にハルトという名前の兄弟がいることを打ち明ける。

 

彼女曰く、唯一対等にかかわれる兄弟だったと言うが……。

 

「あの日? ……いや、無理に話せとは言わない」

 

ソウタは続けてあの日に何があったのか少しだけ疑問に思う。

 

しかし、直ぐにデリケートな話題であると察したのか慌てて言葉を付け加えた。

 

「ハルトお兄様はどんなことにも興味関心が持てる人だった」

「私の好みの音楽や本にも理解を示してくれた」

 

しかし、メイは包み隠さずハルトの人物像を話してくれた。

 

話していく内にトーンが落ちていくがそれだけ嘗ては仲が良かったという証拠でもあることを感じさせた。

 

「けど……ある日、アイツの最悪な野望に共感を示した轟お兄様に連れ出されて離れ離れになってしまったわ。そこから私とハルトお兄様はいつしか交流が途絶えてしまった……その日から私は完全に居場所がなくなってしまったの……」

 

しかし、轟によって征二狼の野望に付き合わされたため唯一の理解者を失う結果となり、いつしか彼女は孤独の身となったのだ。

 

「メイ……」

 

ソウタが一言こぼすように言った瞬間、彼以外の歩みが止まる。

 

そこにはあの人物がいた。

 

「来たか、根尾中ベイブレード部」

 

「ハルトお兄様……」

 

「久しぶりだな、メイ」

「ここまで辿り着いたことには敬意を表する。だがここから先は『過酷な道』となる。その先へ通すのに相応しいか……我が太陽で見極めてもらうぞ」

 

遂に再会を果たすこととなったが、メイにとっては理解者との望みもしない対立だった。

 

ハルトは表情を一切変えず彼女に挨拶。

 

ベイブレード部のこれまでの軌跡を称えたと同時に刺客として堂々とした態度を見せる。

 

「この中でまだ戦っていない奴はいるか?」

 

そんな中、ベイブレード部のメンバーで戦っていない者は誰かと問う。

 

「まだ戦っていないのは僕とメイだけだ」

 

「そうか……ならば焔ツバサ、俺と勝負しろ」

 

ツバサがそう言うと、ハルトは彼を指名して勝負を申し込む。

 

「僕が……」

 

「轟の奴が言っていた……」

――  

 

――創星学園(5階) ――

 

『轟……! お前、なぜカイを……!』

 

数分前、轟からカイを吸収したことを聞かされると彼はひどく動揺した。

 

そこには実の弟に対する所業ではないことへの憤りと戸惑いが混じっていた。

 

『裏切り者は家族として必要ない、ただそれだけだよ』

『君もそういうつもりなら吸収しても構わないよ? カイと早く会いたいならね……』

 

それでも轟は穏やかな顔で冷酷非情な言葉を並べていく。

 

『……お前も随分かわ――』

 

彼の冷酷無比な態度を見て、変わってしまったと言いかけた途端、轟はハルトを威圧するかのようにその顔を近づける。

 

『何か言った? ま、いっか』

『ハルト、僕はメイと戦いたい。だからそれ以外で頼むよ』

 

一応気に留めなかったが、轟はメイと戦いたいという旨を話した後、その場を後にした。

 

――

 

「メイ。轟がお前と戦いたいとな……」

 

「そんな……!」

(轟お兄様が私と……!?)

 

メイは兄弟最強である轟と戦うことになったことを知り、絶望のあまりに手で口を覆う。

 

自身を徹底的に打ちのめし、最後には吸収するという算段であることを本能的に察知した。

 

「話は終わりだ。焔ツバサ、お前の覚悟を示せ。俺と『ボルケーノソル』に……!」

 

「ハルト、君からの試練は必ず乗り越える。さあ、行こうか」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

ランチャーにセットし、掛け声の後に放たれた2つのベイ。

 

リヴァイヴァルフェニックスはスライドモードで、ボルケーノソルはアタックモードでシュートされた。

 

開始早々、ソルがフェニックスの方へ猛スピードで襲いかかる。

 

「今のフェニックスはスライドモード……。君のベイの攻撃を全て受け流す」

 

『普通』はそうかもな……」

 

「何だって……!?」

 

ハルトが意味深長な言葉を放った後、フェニックスがスタジアム中央から押し出された。

 

咄嗟に軌道修正をしたが、今のでスタミナを大きく削られた。

 

ブレードからギアにかけて全体が大きく揺らぎ始め、今にも回転が止まりそうだった。 

 

「ボルケーノソルのアタックモードは連打攻撃に特化している。だがお前の言う通り、受け流し効果を持つベイとは相性は悪い」

「そこで『エターナルゾーン』ギアのフリー回転が加わることで本体を加速させ、『勢い』を増した。それにより受け流しは相殺される」

 

「燃え上がれ……ボルケーノソル!」

 

先程見せた弾き……その原理は軸先によるベイの動きのコントロールだった。

 

間、髪を容れずベイとの共鳴を始め、太陽のオーラとともにフェニックスを強襲。

 

ツバサだけでなく、ソウタ達も思わず天井の方を見上げた。

 

「ボルケーノエクスプロージョン!!」

 

鋭く高い金属音を響かせた後、フェニックスが一瞬でスタジアムの外へ退場した。

 

「つ……強い……! 勢いを保ったまま攻撃するなんて恐れ入ったよ……」

「けど……僕達は更に先へ進まなければならないんだ。もう一度頼むよ」

 

相棒を拾い上げ、その瞳に闘志を宿す。

 

それを見てハルトは一瞬だけ口角を上げた後、真剣な表情を浮かべた。

 

「いいだろう。お前の覚悟、しかと受け止めた」

「ランチャーを構えろ」

 

(受け流しが効かないならこれで……)

 

ツバサはリヴァイヴァルフェニックスのギミックブレードをずらし、スタミナモードへチェンジ。

 

その直後、ハルトの方へ目線を移した。

 

「ハルト、戦う前に君に言っておきたい。君を超えた先は確かに『過酷な道』だ。……けれども、君に『残酷な運命を強いた者』を倒さない限り『呪い』は断たれない。君にとっても、メイにとっても……」

 

彼の神妙な面持ちでの諭しにその場は一気に静寂に包まれた。

 

2人は互いにランチャーを構え、周囲は固唾を呑んでその先を見守る。

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

リヴァイヴァルフェニックスのスタミナモードは遠心力特化。

 

軸先までブレることなく安定して回り続ける中、ボルケーノソルはそこに迫っていく。

 

「モードチェンジか……。ならば、確かめさせてもらおう。ソルのアタックをどれだけ耐え凌げるかを……!」

 

容赦のない連続攻撃が叩き込まれる中、ツバサは一切表情を変えなかった。

 

厳かな雰囲気に包まれる中、ハルトも毅然とした態度を取っていたその時――。

 

「何ッ……!?」

 

「!!」

 

小突くような音ともにボルケーノソルが弾かれ、彼の表情が揺らぎ始めた。

 

バトルを静観していたソウタ達も一斉に驚愕する中、ツバサが一言。

 

「作戦通りだ……!」

 

「作戦……だと」

 

「リヴァイヴァルフェニックスのスタミナモードは遠心力に特化している。けど……狙いはそこじゃない。モードチェンジで固定された9枚刃でソルの攻撃を弾くためさ」

 

「……持久勝ちではなく刃の固定による反撃を狙った……。それがお前の作戦か」

 

1戦目でハルトが言った「勢い」による受け流しの無効化……そこからヒントを得てスタミナモードの固定刃によるカウンター攻撃へ切り替えたのだ。

 

「リヴァイヴァルフェザー!!」

 

9枚刃による怒涛の連打攻撃がボルケーノソルのディスクフレームを直撃。

 

爆発音のような音とともにソルのパーツがスタジアム中に散乱した。

 

(最初の戦いから戦術を導くとは……。中々の技術を持ったやつだ……)

「この勝負、焔ツバサ。お前の勝ちだ」

「同時に根尾中ベイブレード部のな……」

 

ハルトは潔く負けを認め、フェニックスを拾った後、ツバサに手渡す。

 

「でも負けたってことは……」

 

「……」

 

しかし、メイの言う通り、彼には残酷な運命が迫ろうとしていた。

 

「どうなったかと思えば君も負けたのかい?」

 

「轟……」

 

「轟お兄様……!」

 

またしても轟が現れ、ハルトのもとに近づいていく。

 

弟の敗北を残念がることもなく自らの手を彼のもとへ向ける。

 

「ハルト、家族に敗北者は要らないんだよ……」

「よって君も取り込ませてもらう」

 

「勝手なこと言わないでよ……!」

 

そんな中、メイが涙ながらの怒りを見せながら近づいてきた。

 

2度も兄を奪われたくないという恐怖もあり、彼女は体を無意識に震わせていた。

 

「メイ、さっきからどうしたんだい? そんな顔、君には似合わないよ?」

 

それに対し、轟はとぼけたように澄ます。

 

思いやりさえ欠如したその様に周囲は一種の恐怖を覚える。

 

「……!」

 

「何なら君から取り込もうかなあ……」

 

「メイ、避けろッ!!」

 

彼がメイに手を近づけようとしたその時、ハルトが彼女の前に割って入った。

 

「……! ハルトお兄様……!!」

 

「メイ……ずっとお前のもとに帰ってこれなくてすまない……。あの日以来、お前が好きだった本と音楽が恋しい日々だった……。だが、お前は清く正しく生きてくれ……これが俺からの最後の……願い……だ」

 

「ハルトお兄様!!」

「……もう許さない……!!」

 

遂にハルトまでもが吸収されてしまった、またしても兄を奪われてしまった事実に喪失感と怒りが同時に沸き立った。

 

「メイ、僕は君とのベイバトルを楽しみにしてるんだ。君が不満なら僕はちゃんと受け入れるよ、僕は心が広いからね」

「君のような『落ちこぼれ』でも相手にしてあげるからさ」

 

見下すような笑みとともにメイの肩に手を乗せてそう言う。

 

溢れ出る自信家ぶりに彼女の頭は不快感で支配されるばかりだった。

 

「……!」

 

「おいテメェ、さっきからメイのことバカにしてんじゃねぇ!!」

 

「君に用はないよ?」

「僕は早くメイとバトルしたいと言ってるんだよ。じゃあね根尾中ベイブレード部、メイ」

 

ソウタが激昂しながら迫っても、余裕の表情でそれを流し、その場を後にした。

 

「神世轟……! お前の舐め腐った態度、俺達が打ち砕いてやるぜッ!」

 

創星学園第三の刺客・神世ハルトに勝利したツバサ。

 

しかし、ハルトも容赦なく吸収する轟に対し、ソウタ達は怒りに塗れた。

 

邪悪を色濃く受け継いだ『邪神』を討つために『過酷な道』を歩んでいく(ナレーション)




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ-小林千晃

焔ツバサ-榎木淳弥

神世メイ-竹達彩奈

神世ハルト-中村悠一

神世轟-石田彰

ナレーション-森川智之

ベイブレード

ボルケーノソル.O5.EZ
(オペレートファイブ・エターナルゾーン)
(太陽モチーフのバランスタイプ。メタルファイトベイブレードのソルブレイズのオマージュ。)

ディフェンスモード→ギミックブレードをずらすことで10枚刃を形成。細かい刃で衝撃を分散するのに特化。

アタックモード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることで5枚刃を形成。連打攻撃に特化。
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