創星学園4階にて神世轟に勝利したメイ。
しかし、轟のもとにルシフェルが突然現れ、彼を吸収。
最後の刺客との戦いに5階へ向かうのだった。
――創星学園最上階(5階)――
「ソウタ、ルシフェルの……奴の実力は未知数だ。奴はソラナキの眷属の中で最も強いという言い伝えがある」
「相手が誰だろうとこの世界は俺達が守る、だから……この戦いも逃げない」
「それは頼もしいな……」
ソラナキの眷属最強格・ルシフェルとの戦いに不安を覚えるヒカルだったが、ソウタの覚悟から一種の安心感を感じ取った。
そして遂にルシフェルと相対することとなった。
「来たか、人間。私に臆せずここに来たことは褒めてやろう……」
「だが覚えておけ、これから貴様らはサタンの絶望に包まれるということを」
「ならお前にも覚えてもらうぜ……俺達はお前らに屈することは決してないってな!!」
ルシフェルの傲慢且つ冷徹な言い草に臆することなく、語気を強めて反論。
ドラグニルをかざし、チームの絆を彼に示した。
「フン……冗談にもならんな……。貴様らに絶望をもたらす前に見せてやろう……」
「我が『フォールサタン』の防御のもとにひれ伏せ……」
「!!」
(なんだ……あの形状は!? ディフェンスタイプとは思えない形だ……!)
それでも態度を一貫させ、サタンモチーフのベイ「フォールサタン」を見せつける。
小さいリングの様なものが3つ配置され、悪魔の羽のような刃がソウタ達の瞳に映る。
今までのディフェンスタイプとは異なる攻撃的な形状にソウタは眉をひそめた。
「始めるぞ……」
「最後だからって油断はしない、お前らの野望をここで断ち切るッ!!」
3・2・1 ゴーシュート!
シュートされて早々、フォールサタンはスタジアム中央を陣取る。
それに対し、アルティメットドラグニルはメタル刃とラバー刃が重なったヘビーモードでシュートされた。
「最初から仕掛けて行くぜ、ドラグニル!!」
開始早々、ドラグニルはサタンに向かって直進し、激突。
しかし、その直後、ドラグニルの軌道はスタジアム外周に向かって逸れていってしまった。
「何だッ!? もう一度だ……!」
めげずにラッシュ攻撃を仕掛けていくが、その度にスタミナを削られてしまう。
一方でサタンはというと連続で攻撃を受けているにも関わらずベイ全体が揺らぐ様子を見せない。
それを見て、ソウタの顔には数滴もの汗がそこを伝っていく。
「間違いない……。攻撃を受け流されているし反撃も受けている……!!」
「これがサタンの真髄だ……」
「ブレード外側のフリー回転リングによる受け流しとサタンの羽を模したカウンター刃が貴様のベイのスタミナを削り取り、『サークルスパイク』ギアによる姿勢保持が理想的な防御へ引き上げる……」
ルシフェルの言うサタンの真髄……それはブレードに搭載されたフリー回転リングと羽を模したカウンター刃による多機能な防御、そしてギアによる姿勢保持にあった。
異端且つ堅実なバトルスタイルにソウタは無意識の内に震えていた。
「これにて終わりだ……。フォールサタン!!」
ルシフェルの声に共鳴し、サタンのオーラが現れる。
「フォーリングブレス!!」
そのオーラからは炎のようなブレスが吐き出され、ドラグニルをスタジアムの壁まで強く押し出した。
その衝撃に耐えられなかったのか、ドラグニルは無情にも回転を止めた。
「……強い……! ごめんな、ドラグニル……」
ドラグニルを拾い上げ、力を発揮することが出来なかったことを詫びた。
「……実に単純だな」
「な……、何だって……!?」
そんな中、ルシフェルが冷徹な一言をソウタにかける。
「自分の実力を高く見積もって負ける……その姿のことを言ったのだ……」
「テメェ……!」
「ソウタ、挑発に乗っちゃダメだ!!」
笑うことなく煽り立てる言い方にソウタは次第に苛立っていき、ツバサが彼を諌めるもその声は届かない。
そんな中、メイがソウタのもとへ近づき……。
「いてて……!」
突然、彼の左頬をつまみだした。
「!!」
「ちょ……ちょっと待って……。メ、メイ。どうしたんだよ……」
当然周囲は驚き、ソウタが戸惑う中、メイは言葉を続ける。
「あれぐらいのことで喚かないで、そんなんじゃドラグニルが泣くわよ」
「それに……私には『恩』ってのがあるから……」
彼女は4階での轟との戦いに力を貸して貰ったこともあり、忠告の意味も込めてそのような行動に出た。
「メイ……」
メイの思いを感じ取ったのか、ソウタは両頬を叩き、気持ちを切り替える。
「ごめん、皆……」
「そして……ルシフェル! 再戦だ、お前のその傲慢さ打ち砕いてやるぜ!!」
メンバーに迷惑をかけたことを詫び、改めてルシフェルに宣戦布告。
迷いのない笑顔とともにドラグニルを彼に見せつける。
「まだ理解できないか人間。貴様らの熱意など我が虚無の前では無力だ」
「今度こそそれを教えてやろう」
(今の俺に出来ることは『焦らない』こと……。そしてこのモードに賭けるッ!!)
ソウタは自身に「焦らないこと」と言い聞かせ、ドラグニルのギミックブレードをずらし、フュージョンモードにチェンジ。
メタル刃とラバー刃を同時に使う戦法へと切り替えた。
3・2・1 ゴーシュート!
ソウタは力強くランチャーの紐を引き、ドラグニルをスタジアム外周にシュート。
フォールサタンは先程と同様、スタジアム中央に陣取っているが、アルティメットドラグニルは序盤から猛スピードでそこへ迫る。
「モードチェンジか……。だがそれをした所でどうなる?」
「いくら足掻こうがサタンの牙城を崩すことは出来ない……」
ルシフェルの言う通り、序盤の加速でサタンにぶつかるが、やはりその攻撃は受け止められる。
またしても攻撃を受け流され、カウンター攻撃を受ける……誰もがそう思った瞬間……。
「何ッ……!?」
(攻撃を受け流しきれなかったのか……!? いや違う……!)
「蒼龍ソウタ、貴様……何をしたッ!!」
なんと、サタンが弾かれ、ルシフェルはさっきまでの表情が嘘のように動揺する。
「何をしたかはお前のベイを見れば分かる……」
それに対し、ソウタは龍の鼓動を発現。
髪が青色の炎のように揺らぎ、更には「何をしたかはお前のベイを見れば分かる」と言う。
「これは……!」
サタンをよく見てみると、ブレード外周のリングがダメージを受けていた。
「ドラグニルのフュージョンモードはメタル刃とラバー刃の融合……!」
「メタル刃をサタンのブレードのリングに食い込ませたッ……!」
「そんな芸当が出来るはずが……!」
「『出来る』じゃない……『創った』んだッ!!」
「ツバサがハルトと戦っている時に見たあの光景が全てだ!!」
神世ハルトはボルケーノソルを勢いのまま動かし、ツバサのリヴァイヴァルフェニックスのスライドギミックを無視していた。
それに倣い、ソウタも加速を利用してサタンのギミックを無視したのだ。
「……まさか過去から戦法を得るとは……!」
「ルシフェル……! お前の思い通りにはさせねえ!」
軸先が格納し、ドラグニルは更に加速。
ドラゴンのオーラが現れ、サタンを呑み込むかのように口を開きながら向かっていった。
ルシフェルは言葉を発さず只々震えるだけだった。
「俺達の絆は不滅だぁーーーッ!!」
ドラグニルの刃がサタンのディスクフレームを突き動かし、バーストフィニッシュを勝ち取った。
「……!!」
「や……やったぞッ!! ソウタの勝ちだ!!」
「っしゃーーーッ!!」
「何だと……!? この私が敗北したのか……!?」
ルシフェルが敗北を受け入れられずにいる中、ソウタはある物を持って彼に近づく。
「さて、ルシフェル。お前にもお仲間のもとへ帰ってもらうぜ……こいつでな!!」
「ぐぉぉぁぁぁぁ……!!!!」
ソウタは彼にも札を貼り付け、祓おうとする。
「……おのれ……! 私がこのままで終わると思うな……!」
しかし、ルシフェルは最後の悪あがきとして波動を放つ。
その先には……。
――ジャギッ……!――
根尾神社にある祠の……ソラナキを封じた札が破壊されてしまった……。
「!! まさか……!」
「……フハハハ……! 貴様らの予想通りだ……」
「たった今、我が主・ソラナキが甦った……! 貴様らが滅ぼされるのも時間の問題だ……!」
「……これで証明された……! 我々の勝利だ……ガッ……!」
ルシフェルは苦し紛れの笑みを浮かべ、ソラナキが甦ったことを告げる。
自分達の勝利だと言い張った後、消滅した。
「うわぁぁぁぁぁぁ……!!」
「「…………」」
そんな中、ルシフェルが取り込んだ神世三兄弟の思念体が向かった先には……。
「…………」
「あ……あれが……」
創星学園最後の刺客・ルシフェルを討ったソウタ。
しかし、彼の悪あがきによりとうとう目覚めてしまった厄災……絶望の化身・ソラナキ……。
世界の命運をかけた戦いの火蓋が切って落とされた……。
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ:小林千晃
門守バン:梶裕貴
一角ヒカル:小野賢章
焔ツバサ:榎木淳弥
神世メイ:竹達彩奈
ルシフェル:関智一
神世轟:石田彰
ナレーション:森川智之
ベイブレード
フォールサタン.J5.CS
(ジャギーファイブ・サークルスパイク)
(サタンモチーフのディフェンスタイプ。ベイブレードバーストのサタンのオマージュ。)
ディフェンスモード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることで3つのフリー回転リングとの防御を両立。
カウンターモード→ギミックブレードをずらすことで細やかな刃を形成しつつ、フリー回転リングを固定。相手を弾くことに特化。