ベイブレードNEO Season3   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO 第68話 厄災の目覚め

創星学園最後の刺客・ルシフェルを討ったソウタ。

 

しかし、彼の悪あがきにより祠の札が破壊され、厄災・ソラナキが遂に目覚めてしまった。

 

甦った厄災が世界を絶望へ塗り替える……。

 

「久方ぶりだなぁぁ……! 人間共ォォ……!」

 

「あれがソラナキ……!」

 

「とうとう目覚めてしまった……! 厄災が……!」

 

恐れていた厄災の復活にヒカルは絶望の表情さえ浮かべていた。

 

重厚な声が更なる恐怖と絶望を煽り立てる。

 

「おぉ……! これがソラナキ様のお姿……!」

「美しい……! 今日を以て世界が……!」

 

それに対して、征二狼は狂気的な笑みを浮かべその復活を喜んでいた。

 

その過程において息子たちの犠牲があったが、それさえもどうでも良さそうにしていた。

 

「フン……」

 

復活して早々、ソラナキは退屈しのぎをするかのように根尾町のビル街を破壊し始める。

 

「うわぁぁぁぁ……!」

 

「早く逃げろッ! 巻き込まれるぞッ!!」

 

あっという間に崩れ去るビル街……そこら一体は町民の悲鳴で溢れかえる。

 

「退屈だ……」

「……そこの人間……」

 

それでもソラナキは暇そうにしており、突如としてソウタの方を見始めた。

 

「俺か……?」

 

「我は暇を持て余している……。そこでだ……」

「3日後、我の遊戯に付き合ってもらおうか……」

 

「そんな勝手な……」

 

ソラナキは暇つぶしに遊戯……つまり、バトルに付き合えと言う。

 

ソウタは恐怖故に怒ることも出来ずに戸惑うだけだった。

 

「我に歯向かう気か?」

 

「……ッ!!」

 

その瞬間、ソラナキは青筋を立てて、彼を睨みつける。

 

更なる恐怖がソウタの体全体を震え上がらせるのだった。

 

「3日の間は待ってやろう……」

「楽しみにしているぞ……貴様らの絶望に染まった顔に見るのが……」

「フハハハハハハハッ……!」

 

ソラナキは彼らに3日の猶予を与えた後、笑い声を上げながらどこかへ飛んでいく。

 

「3日後だって……!? 時間もそんなにないよ……!」

 

流石の状況にいつもは冷静なツバサも慌てふためく。

 

「問題はそれだけじゃない……。どこで戦うかもだ……」

 

「そうだな、今いるのは創星学園。町の中心部だ」

 

ヒカルとバンの言う通り、町の中心部で戦う場合、更なる被害は避けられない。

 

「……! そうだ……!」

 

そんな中、ソウタがあることを思いつく。

 

「どうしたのよ、ソウタ」

 

「ヤツと戦うのにうってつけの所を思いついたんだ。ついてきてくれ」

 

――根尾中学校校庭――

 

ソウタについていくと、そこは根尾中学校の校庭だった。

 

創星学園に出向いた時には創星の使徒がいたが、既に片付けられていたようだった。

 

「ここは根尾中の校庭……?」

「何故ここを……」

 

「……世界の命運をかけたベイバトルをするなら俺達が居た場所でしたい……。そう思ったんだ」

「この根尾中がなければ俺達の歴史は始まることもなかったし、色んな奴らと戦うこともなかった」

 

ヒカルの問いに彼は、微笑をたたえながら校庭でのバトルを選んだ理由を語る。

 

そこにはソウタの、自分達の歴史を大切にしていきたいという心が表れていた。

 

「ソウタ……」

 

「俺はここでの思い出を大切にしたいし、これからも守りたい」

「だからここを選んだ」

 

「ソウタらしいね……!」

 

ソウタが理由を語り終えると、ツバサが微笑みながらそれを称賛した。

 

そんな中、聞き覚えのある声がソウタの鼓膜に届く。

 

「成長したな……ソウタ」

 

「! 父さん……!」

 

「立派に育ってくれて嬉しいわ」

 

「母さん……!」

 

突然、校庭に現れた両親。

 

しかし、彼らの温かい言葉にソウタは涙を浮かべた。

 

「まだまだゲストはいるぞ!」

 

龍二がそう言うと、マイ、シオン、龍の血族達、ジン、聖、瀬際刑事の姿があった。

 

「ソウタさん、あなたならこの世界を守れます。……心から応援しています……!」

 

「ソウタさん、マイとともに私を助けてくれたこと本当に……感謝しています。……だから頑張ってください……!」

 

嘗て行動をともにした少女・風馬マイ、そしてマイとともに救った少女・天道シオン、彼女らはソウタに応援の言葉を送る。

 

「ソウタさん、今こそ、この世界を……この町を厄災から救う時です」

 

「蒼龍ソウタ、君は選ばれし者だ。この世界を背負うに相応しい『勇者』になれるぞ」

 

「お主の活躍、期待しておるぞ」

 

「君の熱い魂、アイツに見せて来なよ!」

 

「……お前は一人じゃない……。……お前の歩みは血族の歩みだ……」

 

続いて、龍の血族である帝龍太、金山龍真、影沢龍子、火ノ光龍也、風嵐龍介もソウタを応援。

 

唯一、あの男だけここにはいなかったが、彼もまたソウタのことを信じているだろう。

 

「ソウタ君、君の歩んできた歴史《みち》は決して無駄ではない。今こそ邪神を討つ時だ!」

 

「……ったく面倒なことになったな……」

「だが……お前の流れているその血は本物だ。ヤツにその力を見せつけてこい」

 

「ソウタ君、君なら出来る、成し遂げられる!」

 

ジンと聖、瀬際刑事も力強いメッセージをソウタに届けた。

 

「皆……! ありがとう……!」

 

多くの者達からの応援の言葉にソウタは涙さえ流した。

 

――根尾中ベイブレード部部室――

 

暫くして夜になり、ソウタは夜風に吹かれながら黄昏れていた。

 

「どうしたんだ? ソウタ」

 

そんな中、バンが彼に近づき、話しかけてきた。

 

「バン……」

「思えば全てはお前との喧嘩から始まったんだよな……」

 

「……そうだな」

「部を廃部しようとした俺、それに反対したお前……衝突しそうになった所にヒカルが入ってきた」

 

「その後のベイブレードカップで神世学園にボコボコにされた……」

「けど……校長が廃部の取り下げを頼み込んでくれたおかげで、部は存続。更にはツバサに出会えた」

「そして……色んな奴らと戦って、マイやメイのように新しいチームメイトも加わった……」

 

ソウタは今日に至るまでの思い出話をし始める。

 

その瞳はどこか懐かしさに浸るようだった。

 

「ここでの生活はすげぇ楽しかった……!」

「だからこそアイツラに奪わせはしない!! これからもその先も……!」

 

ソウタは腰を上げ、力強い言葉とともに指を空に向かって上げるのだった。

 

「ソウタ……!」

 

「……皆、折角の夜景なんだ……。これを背にベイバトルしようぜ!」

 

「!!」

 

「お前のそういう所……」

 

「変わらないな……」

 

「やろうか……」

 

「しょうがないわね……」

 

「行くぜ……」

 

「3・2・1 ゴーシュート!」

 

夜景を背にしたベイバトル……外は冷たくとも部室内の空気は暖かった。

 

――3日後――

 

そこからあっという間に3日が経った。

 

「皆さん、おはようございます……!」

「ベイブレードの実況でお馴染み、古面定太でございます!! 本日はソラナキが与えた猶予から丁度3日が経過致しました」

「甦った伝説の厄災・ソラナキVS地球代表・蒼龍ソウタ選手のバトルを現地からお届け致します!!」

 

実況の古面はヘリコプターに乗りながら、現地からの様子を視聴者に向けて届ける。

 

「遂に決戦の日ね……」

 

「ああ……」

 

「ソウタ、不安かしら?」

 

「ああ、すっげぇ不安だ……」

「……けど誓ったんだ、俺達の日常は誰にも奪わせないって……」

 

「ソウタ……」

 

遂に迎えた決戦の日。

 

メイとの他愛もない会話を繰り広げつつも、ソウタの瞳には覚悟が宿っていた。

 

まるで未来を見つめる龍そのものだった……。

 

「時は満ちたッ!!」

 

一方で、根尾樹海では予告通りソラナキが目覚め、根尾中学校の校庭の方へ向かっていく。

 

「遊戯の時だ……人間共ォォ……!」

「蒼龍……ソウタだったか? 喜べ……! 貴様は我と戯れられる幸運な人間なのだからなァァァ……!」

 

「そりゃどうも」

 

ソラナキが校庭にたどり着いた途端、彼の周りに不快な瘴気が放たれる。

 

「……!!」

 

(なんだ……!? この瘴気は……、苦しい……!)

 

(立っているのもギリギリだ……!!)

 

(何なの……これ……! こんなのが本当に存在して……)

 

ソウタ達はその瘴気に苦しめられていた。

 

倒れることはなかったが、立っていられる時間も限られていた。

 

「さあ……始めるぞ……!」

「この『ジエンドベリアル』でなァァァ……!!」

 

「!!」

(なんだ……この禍々しい雰囲気は…!?)

(こんなベイがこの世に存在していいのか……!?)

 

ソラナキのベイ・ジエンドベリアルは正に魔王と言うべき程の禍々しい雰囲気を放っていた。

 

「楽しみだァ……! 実に楽しみだ……!」

「貴様ら人間共の……絶望に歪んだ表情を見せろぉぉぉ……!」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「ソラナキVS蒼龍ソウタ選手の世界を賭けたベイバトルが遂に開始されました!! 我々にとって蒼龍ソウタ選手は人類の希望……! この勝負……最後まで皆さん、見守っていてください……!」

 

ジエンドベリアルは回転してもなお禍々しいオーラに包みこまれていた。

 

「な……何だこのドス黒いオーラは……!」

 

それでも、ドラグニルはベリアルに攻撃するが……

 

「こ……これは……! 吸収……!?」

 

なんと、その攻撃はベリアルに吸収されてしまった。

 

「フフフフッ……!」

 

「それだけではないぞぉぉ……!」

 

ベリアルのディスク一体型ギア「アサルト」のメタルディスク部分がドラグニルのブレードを直撃する。

 

「……!」

(この一撃……重い……!)

 

「いいぞぉぉ……その焦り具合……。さあ、今こそ全てを絶望へ塗り替える時だァァァ………! ジエンドベリアル……!」

 

ソラナキの声に共鳴し、ベリアルのオーラが現れる。

 

その姿はソウタ達だけでなく、画面越しで見ている者達にも確かな恐怖を齎した。

 

軸先が格納するのと同時にメタルディスク部分が防御的な形状の変形と加速をし始める。

 

「堪能しろッ……! 我が絶望を……!!」

「ジ・エンド!!」

 

ソウタはベリアルの衝撃波に吹き飛ばされ、更にはドラグニルも粉々に破壊された……。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ………!!」

 

「ソウタ!!」

 

復活した厄災の理不尽な強さ、そして相棒の『死』……。

 

そこにあるのは『希望』か『絶望』か……。

 




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ:小林千晃

門守バン:梶裕貴

一角ヒカル:小野賢章

焔ツバサ:榎木淳弥

神世メイ:竹達彩奈

ソラナキ:若本規夫
(髪型:黒のオールバック/目の色:赤)

神世征二狼:遊佐浩二

瀬際勝:玄田哲章

蒼龍龍二:小山力也

蒼龍龍海:井上喜久子

風馬マイ:水瀬いのり

天道シオン:悠木碧

帝龍太:島﨑信長

金山龍真:櫻井孝宏

火ノ光龍也:森久保祥太郎

風嵐龍介:浪川大輔

影沢龍子:日笠陽子

剣山聖:小野友樹

古面定太:小野坂昌也

ナレーション:森川智之

ベイブレード

ジエンドベリアル.As
(アサルト)
(ベリアルモチーフのアタックタイプ。ベイブレードバーストのベリアルのオマージュ。)

アタックモード→ギミックブレードをアンダーブレードに重ねることでラバー刃を隠し、重い一撃を与える。

アブソーブモード→ギミックブレードをずらすことでラバー刃を出し、回転吸収に特化。

ディスク一体型ギア:アサルト

メタルディスク部分→序盤は大型2枚刃で攻撃し、終盤はそこが閉じて防御刃にチェンジ。

軸部分→軸先が格納し、加速。
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