神世メイとのバトルに勝利したソウタ。
そんな彼に瀬際刑事が質問する。(ナレーション)
「ソウタ君、君に聞きたいことがあるのだが」
「聞きたいこと……ですか?」
「君は神世征二狼に会ったと聞いた。その時、やつは何かしていなかったかね?」
対面を果たした際に、ソウタが答えた内容について深堀りを図ろうとする。
「それなら情報があります」
「おおっ! 詳しく聞かせてくれ!」
情報があると聞いた瞬間、興奮気味にメモ帳とペンを手に取る。
「あれは聖永学園との戦いの時のことでした。やつは紫琉石という石で聖永のリーダーである天道シオンを『洗脳』し、操っていました。更には彼女を慕うブレーダー達・聖永4戦士のベイにも細工を施していました」
「ふむ……、紫琉石……。そして洗脳や細工、もはやブレーダーやベイを道具としか見ていない……まさに非道だ」
瀬際刑事は落ち着いた口調ながらもシオンを洗脳したこと、4戦士のベイに細工をしたことについては怒りを滲ませていた。
「ところで、その件については……」
「既に解決しました。大切な『仲間』がいて、その人がいたからこそです」
「それは良かった。その紫琉石とやらは今でも聖永にあるのかね?」
「それは実際に行ってみないとなんとも……」
「分かった。それを見つけ次第、私に届けてくれ。本部で独自調査する」
彼は一旦、本部へ戻るといい部室を後にする。
「実際に行ってみないと……と言ったが、本当に行くのか? マイとシオン、他のメンバー達も知らないはず……」
「それは……」
バンの言う通り、聖永のブレーダー達はそこへ来るかもしれないというのを把握していない。
ソウタも自信なさげに言う中、メイが口を開く。
「あら、私は是非ともお願いしたいわ」
「メイ……!」
ソウタ達の視線が一斉に彼女の方へ集中する。
「お父様が他校に関わっていたということはその時からヤツを起こそうと考えていたと思うの」
「それは無きにしも非ずかもしれない……」
「それに、そんな話を聞いておいて放っておけだなんて私のプライドが許せないわ」
征二狼が他校に足を踏み入れていたことが許せない。
そう考えていたメイは、聖永へ行く意志をソウタ達に伝える。
「大丈夫かなぁ、万が一そこでトラブルになったら……」
「いちいち心配しすぎよ。相手だってそんなにおっかないわけじゃないんでしょ?」
「それはそうだけど……」
「ソウタ、どうやら彼女は本気のようだ……。ここは彼女の意志に従おう」
「……、分かった」
聖永でトラブルが起きないかと憂いていたが、ヒカルの諭しにより、それを受け入れることにした。
「ただでは済まさないよ、メイ……」
彼らが聖永学園に向かう準備をする中、窓辺から誰かが見つめていた。
――聖永学園――
「懐かしいなぁ、マイもシオンも元気にしてるかな?」
懐かしさに浸りつつも、そっと教室のドアを開ける。
「おーい、マイ!」
「ソウタさん!?」
「久しぶりだな、マイ!」
「お久しぶりです。ソウタさん。それに、バンさん達も」
「あれ、そこにいる人は?」
嘗ての仲間との再会。
互いにそれを喜び合う中、マイがメイの方へ視線を向け始める。
「自己紹介が遅れたわ。私は神世メイ。お父様がお世話になったようね」
「お父様……!? ということはあの男の……!」
「安心なさい。私はお父様、そしてお兄様方の手が及ばないようにここへ来たの」
「……どうやらその言葉に嘘はないようですね。あなたは自分の意志でここへ来ている……。私は風馬マイです。メイさん、ソウタさん達と一緒にあの男の野望を止めましょう!」
マイは一瞬だけ動揺したが、メイの真っ直ぐな瞳を見てすぐさま表情を和らげる。
「あら、呼び方はメイで良いわよ。……馴れ合う気はないけど少なくともあなたは信用できる、頼もしい人ね」
一時はどうなるかと心配はあったが、それは杞憂に終わる。
そんな中、再び教室のドアが開く。
「あぁっ……!」
「シオン!」
「お久しぶりです、根尾中ベイブレード部の皆さん。その節はすみませんでした」
そこへ来たのは聖永学園のリーダー、天道シオンだった。
挨拶を済ませた後、聖永杯での振る舞いを詫びる。
「久しぶりだな、シオン! それにあの時のことは気にしなくて大丈夫さ。何事もなくて本当に良かったぜ」
「ところであの『紫琉石』はその後どうなったんだ?」
気にしなくていいと言った後、紫琉石がどこにあるかを聞く。
「あれなら、研究のために保管しています。嘗ての私のような者が現れないために……」
彼女によると、嘗ての自身と同じ道を辿らないように独自で保管しているとのことだった。
「そうだったの__」
「聞いたぞぉぉぉ!」
勢いよく開かれるドアの音と力強い声に、ソウタの声が途切れる。
「……!!」
「どこだ、紫琉石は!?」
そこから入ってきたのは瀬際刑事だった。
教室内にあったのは不思議な静寂だけだった。
「……ハッ!」
「すまない……紫琉石という言葉が聞こえた気がして」
「あっ……いえ、合ってます」
「あぁ、良かった……」
「あの……、あなたは?」
「自己紹介が遅れたな、私は瀬際勝。根尾警察本部所属の刑事だ。訳あって神世征二狼と紫琉石を追っている」
「はぁ……」
マイは未だ、困惑を隠しきれていなかった。
「ところで今、それはどこにあるのかね?」
「私が持っています」
「おぉ、これか! 破片とはいえ感じるぞ……、この邪悪なオーラを」
シオンが手を上げ、彼に紫琉石の破片を渡す。
「ありがとう。ところで2人のお嬢ちゃん、名前を伺ってもいいかね?」
「風馬マイです」
「天道シオンです」
「教えてくれてありがとう。マイ君、シオン君」
2人に名前を聞いた後、瀬際刑事はシオンの方へ目を向ける。
「それではシオン君、君に聞こう。君はこの石に操られたとソウタ君から聞いた。君はその時、どんな『感覚』だった?」
「あの男にそれを埋め込まれた時、声がしたのです。『新時代を創れ、目指せ……! さすれば我の希望となる……!』その声を聞いた途端、新時代へ執着する思想に染まりました」
シオンはあの時何があったかを話す、そこには「謎の声」という新たな謎が含まれていた。
「なるほど……謎の声、これはあのソラナキとの関連が見受けられる」
瀬際刑事はその声はソラナキに関係していると推測する。
「ソラナキ……!? そんな、シオンがあの厄災に……! まさか、シオンはまた唆されてしまうのですか……!?」
マイもソラナキについては知っているようで、再びシオンが洗脳されてしまうという不安に襲われる。
しかし……。
「マイ君、心配することはない! この瀬際勝は絶望を希望へ変える漢! 私の正義で厄災を捻じ伏せてみせよう! シオン君ももう不安に思うことはない!」その石の破片から正しく守ってみせよう!」
豪快な声とともにマイの肩を軽く叩き、シオンの方にも安心するようにと話す。
そんな中、またしても誰かが入ってくる。
「盛り上がっているようだね」
「……!」
メイは驚くのと同時に冷や汗を流す。
「もう逃げられないよ、メイ」
「カイお兄様!」
「フフッ……!」
突如として現れた謎の少年・神世カイ。
果たしてその目的は。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
一角ヒカル-小野賢章
瀬際勝-玄田哲章
神世メイ-竹達彩奈
風馬マイ-水瀬いのり
天道シオン-悠木碧
神世カイ-興津和幸
(髪型:青の無造作ヘア/目の色:青/その他:メガネ)
(神世家次男)
ナレーション-森川智之