聖永学園にてマイとシオンとの再会を果たしたソウタ達。
彼女らに新たな仲間であるメイを紹介し、シオンからも紫琉の話を聞いた。
そんな中、突如としてメイの兄・神世カイが現れた。(ナレーション)
「カイお兄様、なんでこの場所が……」
「こっそり尾行してたんだ。急に家からいなくなっちゃったから焦ったよ……」
「そ、それは……」
カイが徐々にメイに迫っていく。
それに対し、彼女は恐れるような表情で後ずさりをする。
「さて、メイ……。いい子だからお家へ帰ろう。お父様や兄弟が待っているから」
「お言葉だけど、私はお母様との約束が……だから、家には……」
カイはメイに向かってそう言いながら、手を差し伸べる。
しかし、「母親との約束」のために戻りたくないといった途端……。
「……そうかそうか。なら、君には『寝てもらうよ』」
ため息をついた後、ポケットから銃を取り出す。
弾をセットし、標的をメイに定めた。
「……!」
引き金を引いた瞬間、弾が射出される。
「危ない!」
しかし、それはメイを庇った瀬際刑事のスーツに被弾した。
しかし、痛みはない。
そう思った瞬間、弾から突如としてガスのようなものが噴き出す。
「あれ……なんだ……。急に眠く……」
瀬際刑事は眠気を訴えた後、仰向けになって倒れる。
「おじさま!」
「瀬際刑事!」
「テメェ! よくも瀬際刑事を……!」
ソウタはカイに近づき、彼を睨みつける。
「落ち着いてよ、これはあくまで遊戯銃」
「ちょっとうるさかったから、睡眠ガス入りの弾丸でリラックスさせただけだよ」
どうやらさっきの銃は見た目を似せた玩具であり、弾は殺傷力がない代わりに睡眠作用のあるガスが入っていた。
「それがお前らのやり方か……ッ……!」
「神世カイ、お前をぶっ倒す!」
実の妹に対する所業とは思えないと怒り、カイに宣戦布告する。
しかし、ソウタの前にツバサとマイが前に出てきた。
「マイ、ツバサ! なんで……!」
「ソウタさん、ここはツバサさんと一緒に食い止めます。あなたはメイちゃんを守ってあげてください」
「それに、気配で分かるんだ。今まで出会ったブレーダー達を遥かに凌駕している。あの日、生まれ変わったフェニックスとペガサスならまだ希望はあるかもしれない」
「分かったよ……。それじゃあ避難だ、メイ!」
2人でカイを食い止めるといい、それを聞いたソウタはメイを連れて、避難させる。
「へぇ……」
「正直驚いたよ、てっきり蒼龍ソウタが挑んでくるかと思ったから。まっ、どちらにせよ『ウェーブポセイドン』の敵じゃないけどね」
驚いたとは言うものの、その顔は余裕そのものだった。
彼はそう言って、「ウェーブポセイドン」というベイを取り出す。
早速、3人はそれぞれランチャーを手に取り、ベイをセットして構える。
「Ready……Set!」
3・2・1 ゴーシュート!
リヴァイヴァルフェニックスはスタミナモード、ジェットペガサスはジェットモード、ウェーブポセイドンはアッパーモードの状態でそれぞれシュートされた。
フェニックスはスタジアム中央で回転し、ペガサスとポセイドンはスタジアム外周を回っている。
「そんな欠伸が出るような動きでは、ポセイドンの荒波は打ち消せないよ」
鋭い金属音とともにポセイドンのアッパー刃が、ペガサスとフェニックスを吹き飛ばす。
その反動で2機のブレードが分割した。
「!!」
(そっちもエクストラブレードのようだけど、ブレードをバラバラにすれば勝負はついたも同然……。神世家を相手にしたことを後悔しなよ)
カイはその様子を見てほくそ笑むが……。
「いや、不死鳥《フェニックス》はまだ死んでない!」
「ペガサスはまだ舞えます!」
「……!」
2人は諦めることなく、力強い声でカイを圧倒した。
バラバラになったブレードは空中で再び組み合わさり、リヴァイヴァルフェニックスはスライドモード、ジェットペガサスはアッパーモードへモードチェンジした。
「な……ッ、何だって!?」
(あり得ない……、そもそもエクストラブレードは僕達が秘密裏に解析した機構……! なんでこんなヤツラが……!)
空中でのモードチェンジに声を上げて驚く。
さっきまでの余裕は一変、一気に焦りの表情を見せる。
「こうなったら……! ポセイドン!」
カイの声に呼応して、ウェーブポセイドンがスタジアム内を昇っていく。
更にはその重力を利用してスマッシュモードへモードチェンジした。
「ウェービングプレス!」
ポセイドンのスマッシュ攻撃はフェニックスに当たる。
「よしっ……!」
攻撃が当たったことを確認し、安堵の表情を浮かべたその瞬間……。
「なっ……!」
リヴァイヴァルフェニックスのブレードがスライドし、衝撃を分散した。
「ブレードがスライドした!? これじゃあ、ポセイドンの攻撃が……!」
「あと一人忘れてはいませんか?」
「……ハッ……!」
フェニックスに気を取られていて、後ろからペガサスが迫っていたことに気づいていなかった。
「これは大切な人達を守るための力、あなたのように誰かを傷つけるために生まれた力ではありません!」
「ジェットウイング!」
ペガサスのターボギアの軸先が格納し、加速。
勢いのまま迫るアッパー刃がポセイドンを大きく突き上げた。
「バカな……ッ!」
「や……、やった……」
「マイとツバサさんの勝ちよ!」
「おぉッ! 勝ったんだな!」
シオンが2人の勝利を喜んだ直後、教室のドアが開く。
そこからソウタとメイが入ってきた。
「蒼龍ソウタ……! 君はメイを連れて行ったはずじゃ……!」
「いやぁ、メイが2人の強さはどれくらいか見ておきたいって」
「仕方ないでしょ、もしあの2人がカイお兄様に負けたらと思うと……」
「カイお兄様、私の意志は決して揺らぐことはない。最後にそう言わせてもらうわ」
「……!! ……次はないと思いなよ、メイ……!」
カイは捨て台詞を残して、教室を後にした。
「しかし、メイ。君の言う通り、カイは強敵だった。今回の戦いは運もあってのものだ。僕やマイに依存しっぱなしでは今度こそ、間違いなくやられる」
ツバサが今後の可能性を危惧する中……。
「〜〜ふわぁぁぁ〜……!」
大きな欠伸とともに瀬際刑事が起き上がる。
「……!」
「あれ、神世カイは……?」
「逃げられてしまいました……」
「ぐぉぉぉぉ……!!」
征二狼の関係者を取り逃がしたからか、彼は滝のような涙を流した。
大柄な男が悔し涙を流す様子に、ソウタ達は戸惑った。
「武器を持っていたとは予想できなかった……。瀬際勝、一生の不覚……!」
「大げさよ、おじさま……」
「……おっほん、邪魔したな。それでは紫琉石はしばらくの間、預からせてもらうぞ」
気持ちを切り替え、シオンからもらった紫琉石を持って退室した。
「は……はい」
「なんと言いますか、キャラが濃い人でしたね……」
「あはは……」
ソウタは首に手を当てながら、困惑気味に笑う。
「ずいぶん時間が経ってしまった。とりあえず、根尾中に戻ろう」
「エクストラブレード、誰がこの機構を生み出したのか、それを俺達がどう落とし込むか考えなければ」
そんな中、ヒカルは腕時計を見て時間を確認。
学校に戻り、今後のことについて考えようと話すのだった。
「そうだな。マイ、急に来てすまなかったな」
「いえいえ、今後も助けが必要なら来てください」
ソウタもヒカルの言うことに賛成し、マイと言葉を交わす。
「結構な騒ぎになったけど改めてよろしくね。根尾中ベイブレード部、そして聖永の皆さん」
他愛もない会話を広げた聖永の校舎は夕暮れのもとに輝いていた。
神世家の一人である神世カイを退けたツバサとマイ。
しかし、彼らの言う通り多くの試練が待ち受けている。
そして、エクストラブレードの起源は何なのか謎は深まるばかりだ。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
焔ツバサ-榎木淳弥
風馬マイ-水瀬いのり
天道シオン-悠木碧
瀬際勝-玄田哲章
神世メイ-竹達彩奈
神世カイ-興津和幸
ナレーション-森川智之
ベイブレード
ウェーブポセイドン.Sp3.Dr
(スピアスリー・ドライブ)
(ポセイドンモチーフのアタックタイプ。)
アッパーモード→ギミックブレードを上向きにセットで、アッパー攻撃。
スマッシュモード→ギミックブレードを下向きにセットで、スマッシュ攻撃。
リヴァイヴァルフェニックス.S9.WB
(サバイバーナイン・ワイドボール)
(39話登場。)
スタミナモード→細かい9枚刃が固定されていることで、円に近いフォルムとなって遠心力を増強。時折、相手を弾くこともできる。
スライドモード→ギミックブレードをずらすことでアンダーブレードとの干渉がなくなり、スライド。攻撃を受け流せる。
ジェットペガサス.Vr3.Tr
(ヴァリアブルスリー・ターボ)
(42話登場。)
ジェットモード→アンダーブレード内のエアダクトが空気抵抗を軽減。
アッパーモード→エアダクトが隠れ、巨大な3枚刃を形成。アッパー攻撃に特化。