創星学園の試練を突破し、エクストラブレード機構の秘伝書を取り返すことができたソウタ達。
更にその持ち主であるキング・ジンが彼らの師匠になると宣言。
まさかの師弟関係の成立となった。(ナレーション)
――蒼龍家――
「ソウタ、お手紙が届いてたわよ」
「手紙?」
創星学園から戻ってきたその翌日。
そんな中、母から一通の封筒を受け取る。
誰だろうという疑問を浮かべながらも、そっとそれを開けた。
手紙にはある人物の名前が記されていた。
――蒼龍ソウタ君へ
昨日はありがとう、言った通りこれからは君とその仲間達の師として、ブレーダーとしての極意を叩き込む。
我がオフィス「J-House」で待ってるよ。
キング・ジンより ――
送り主の名はキング・ジン。
封筒の中には手紙と一緒に事務所までの地図が同封されていた。
――J-House――
「よく来てくれた、愛弟子達。手紙通り、君達にはブレーダーの極意を理解してもらうよ」
手紙が送られてきたのはソウタだけではなかった。
ベイブレード部のメンバーが全員そこに集う。
「ブレーダーの極意……」
「ソウタ君、君に問おう。ブレーダーの極意というのは一体何だと思う?」
「自分のベイをどれだけ信じられるか……とかですか?」
「それも良いが……、私はこう思う」
「真のブレーダーの極意とは、スタジアムというステージでいかに自分の魂《ビート》を刻めるかということさ!」
ソウタの回答も悪くはないが、彼が言うには「魂」というものが重要視されるとのことらしい。
「エクストラブレードは今までのベイブレードより複雑でブレーダースキルを求められる機構。ブレーダーの魂とベイの回転が少しでもズレていたら本当の実力は発揮できない」
「なるほど……」
「さぁ、そうとなれば早速実践だ」
自身の哲学を語った後、実践の準備へと向かう。
「それじゃあ、バトルを__」
「その前に君達にある『レッスン』を課そう」
「レッスン……?」
ソウタはランチャーを手に取るが、「レッスン」という言葉を聞いてその手を下げる。
「イエス、君達には私の代表曲、『フェイクファミリー』を踊ってもらう。リズム感や体幹、柔軟性というのはシュート同様、体に安定感を持たせる必要がある。それを体得できれば、ベイバトルにおいても安定したシュート力の助けになるのさ」
「そ、そうなんですね……」
そうして、ジンによるダンスレッスンが始まる。
「〜〜〜♪」
ラジカセから流れる曲と振り付け動画に合わせてダンスを踊る面々。
その様子は多種多様であった。
(やっべ……全然分かんねぇや……)
ソウタはリズム感が皆無で動きがごっちゃとしていた。
「こ、こうだろうか……」
バンはというと、何故か足で床を叩き始める。
「ダンスとベイの相互の関係性……、重心の制御……」
ヒカルは独り言を呟きながらも踊るが、やはりぎこちない。
「動きが鈍いわよ、あなた達」
メイの動きはジンに負けず劣らずのキレキレっぷりだった。
「次はこの動きで……それから……」
ツバサもヒカル同様、独り言を呟きながら踊っていたが、その動きは見事という他なかった。
「やっぱりファンなだけあってす__」
「何か言ったかしら?」
ソウタが口を滑らせてしまった直後、メイは笑顔を浮かべながら迫る。
「な、何も言ってない、何も言ってない!」
その圧力に自らの発言を心底後悔した。
そんな中、ジンがラジカセの電源を切る。
「あっ……」
機嫌を損ねてしまったのかという不安が頭を駆け巡る。
「ソウタ君、バン君、ヒカル君。君達はダンスというものを難しく考えすぎている」
「ダンスというのは『上手くなる』のが目的ではない『楽しむ』というのが目的なんだ」
彼は先程から苦戦している3人に目的というものを問う。
「楽しむ……」
「自分達のベイを見てごらん。君達のベイはダンスをどう理解したがってる?」
ポケットからそれぞれのベイを手に取った瞬間、ドラグニル、ケルベロス、ユニコーンはまばゆい光を放つ。
「これは……!」
「……、もう一度だけ……!」
顔を見合わせ、一斉に頷く。
その時、ジンはほんの一瞬だけ微笑み、ラジカセの電源を再び入れた。
ソウタ達も再び踊りだす。
しかしその動きは先程とは打って変わってキレの良い動きになっていた。
ポケットに入っていたドラグニルが輝き、ソウタも笑みを浮かべた。
「……!」
(そうかお前も楽しんでるんだな……! ドラグニル)
そして3人は見事、ダンスを踊りきった。
「素晴らしい、素晴らしいよ。君達のダンスからはブレーダーの魂を感じ取ることが出来た」
「次は最終試験だ。最終試験は私とバトルしてもらおう」
拍手で彼らを称えた後、最終試験を宣言。
その内容はジンとベイバトルをすることだった。
「バトル!?」
「イエス。君達の魂が冷めない内に、エクストラブレードを持つに相応しいかテストをしたい」
彼が言うには、エクストラブレード機構の機体を持つのに相応しいかを確認したいとのことだった。
「……! お願いします」
ソウタは彼にドラグニルをかざし、その意志を示す。
「いい目だ……!」
そう言うと、ジンはグレイテストクラウンのギミックブレードを上向きにセットし、アタックモードを選択。
互いにランチャーを構える。
「Ready……Set!」
3・2・1 ゴーシュート!
荒々しい動きを見せるグレイテストクラウンはインフェルノケルベロスとアストラルユニコーンにアタックをしかける。
「2人で行くぞ、バン!」
「ああ!」
「インフェルノホーン!」
それに対抗し、2人は合体技でクラウンを迎撃しようとするが……。
「いい攻撃だ……。だが……」
「!!」
クラウンの重厚な攻撃になす術なく、ケルベロスとユニコーンは弾かれ、オーバーフィニッシュ。
「もう一押しといったところかな」
続けて、ハデスとフェニックスにも猛攻。
ハデスのフリー回転とフェニックスのスライドギミックで攻撃を受け流すも、それにも限界があった。
「ただ受け流すだけじゃ王の歩みは止められないよ……」
「グレイテストスマッシュ!」
高さを活かした叩きつけ攻撃が炸裂し、ハデスとフェニックスもオーバーフィニッシュ。
残るはドラグニルだけとなった。
「ここまで生き残るなんて、君は実にラッキーだ」
「だが君は『変幻自在の王』を超えられるかな?」
グレイテストクラウンが一気にドラグニルに強襲する。
(つ……、強い……! これがエクストラブレード機構の創造主の力……! このままでは押し負ける)
絶体絶命の中、ドラグニルはまたしても光を放つ。
(ドラグニル……?)
(……ハッ……!)
ソウタの側にドラグニルの幻影が現れる。
「そろそろ終幕《フィナーレ》だ」
「グレイテスト……スマッシュ!」
技の詠唱とともに鈍い激突音が響く。
「……!」
しかし、ドラグニルはクラウンの攻撃を受け止めた。
「キング・ジン、あなたが教えてくれたおかげだ……。そして完成した! これが俺とドラグニルの魂だぁぁぁーーッ!」
「これが君の魂か……、グレート……!」
加速したドラグニルがクラウンに突進、バーストフィニッシュを勝ち取った。
見事、エクストラブレード機構の創造主に勝利を収めた。
「やったな、ソウタ!」
「やるじゃない」
「愛弟子達! レッスンお疲れ様、君達を指導してみて分かったよ。ダンスレッスンで楽しむという心意気を掴み、バトルレッスンで逆境に立たされても誰かを信じ、それに応じる姿。この魂で感じたよ、君達ならエクストラブレード機構を託せる!」
「それってつまり……!」
「イエス、君達にエクストラブレード機構のベイを持っことを許可しよう。まだ使っていないノートがある、それを君達だけのエクストラブレード機構の秘伝書にしてくれたまえ」
「……! やったぁぁぁ!」
ジンからエクストラブレード機構のベイを持つことを許可され、まだ使ってないノートを根尾中ベイブレード部オリジナルの秘伝書としてもらうこととなった。
――根尾樹海――
その一方で樹海では爆発音が響き、周囲の一部が消し飛ぶ。
カイは恐れ慄き、震えていた。
ソラナキの眷属の一人であるルシフェルは彼にこう問う。
「愚人よ、私達に何を求める? 富か? 権力か?」
「それとも『我が主』ソラナキか?」
――
かくしてエクストラブレード機構への進化を手にしたソウタ達。
しかし、予想もできない最悪の事態も迫っていた。(ナレーション)
__イメージCAST__
蒼龍ソウタ-小林千晃
門守バン-梶裕貴
一角ヒカル-小野賢章
焔ツバサ-榎木淳弥
神世メイ-竹達彩奈
キング・ジン-子安武人
蒼龍龍海-井上喜久子
ソラナキの眷属
ルシフェル-関智一 (髪型:黒のロングヘア/目の色:赤)
ナレーション-森川智之