『死神』の刻   作:良久樹

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執筆初心者なのですが、見ていただけると幸いです。

小説はよく読みます!


『始まり』の刻

 

少し未来の話。

数々のVRMMOと呼ばれるゲーム誕生し、機器の進化とともに

五感も実装されていき、絶大な人気を誇っていた。

 

 

仁上毘弦。

彼もまた、VRMMO国内最大級のタイトルである『The History’s Gods -online-』で『死神』としてプレイするトッププレイヤーの一人である。

 

彼は如何にして『死神』と呼ばれるようになったのか。

 

時は1年ほど遡る。

 

 

 

「あ〜マジで無理。やっぱVRゲーは向いてねぇのかなぁ」

俺は仁上毘絃。

高校1年生だ。といっても留年しない程度にしか学校に行っていない不登校気味の学生である。

両親は仕事で海外勤務なため、俺一人で暮らしている。

趣味はネットサーフィンとゲーム。

しかしほぼ引きこもりなため、運動はからっきし。

コミュ症で人ともまともに話せない。

もちろんパーティもギルドも作れない。

VRMMOは装置をつけて動いて行うゲームなため、俺はお世辞にも上手いとは言えない腕前だった。

「っち。またやられたよ」

今日も今日とてモンスターにやられてしまった俺である。

 

『The History’s Gods -online-』。略称は『THGs』

今、一番人気のVRMMOタイトルである。

ゲーム性としては、オープンワールドで探索・戦闘するMMORPGのゲームだ。

ストーリー性はもちろん、スキル種類の豊富さ、キャラクリの部品、グラフィティック全てが一級品。

月毎にイベントが開催され、多数のプレイヤーが集まり、交流の場ともなっている。

 

「またデスペナ喰らっちまったぁあああ」

 

THGsにはデスペナがあり、レベルや階層によって変化はあるが、経験値と一部スキルレベルが下がり、所持金の50%ロスト、というものとなっている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

prayer name:ヒイト

〈status〉

Lv.1

HP:100/100

MP:50/50

STR:25

VIT:15

AGI:15

INT:25

DEX:20

LUK:200

 

〈skill〉

【属性魔法Ⅰ】

【短剣術Ⅰ】

【幸運者Ⅱ】

 

〈equipment〉

【始まりの杖】

【始まりの短剣】

【始まりのローブ】

【始まりの靴】

 

【属性魔法】

スキルレベルが上がるにつれて新しい魔法を覚える。

Ⅰなら〈属性〉ボールを使える。属性は炎・水・風・氷・地・雷。

【短剣術】

短剣を装備すると得る。使えば使うほどレベルが上がる。

【幸運者】

LUKが100につきレベルⅠ。

レアドロップ・隠しダンジョン・レアモンスター等、発生率が上昇。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「またLv.1からか。いいかげん初層から抜けねぇといけねーな」

もう今までにやられた回数は数えていない。

レベルが上がりきらないまま倒され、一からなんてよくあることだ。

「運動神経ないとこうゆーゲームはきついな」

初めのステータス振りでは、自分に向いているINT・DEX、レアドロで運動音痴なりに戦えるようLUKに振ったが、失敗だったかもしれん。

「まぁいつも通りやりますか」

俺は初層のレベ上げで有名なエリアへ向かった。

 

 

ボコられた。

 

 

「マジで俺って下手だなぁ」

流石に倒され続けて飽きてきた。

「やっぱVR以外の奴するかぁ?」

でも、高いゲームだし、長い時間やっているゲームだ。

「あともう少しぐらい挑戦してみるか」

 

 

いつも通りのモンスターを倒そうとエリアへついたその時。

「グガァァァァアアァァァアアアァ」

「は?」

自分の前に現れたのは“強化種”。

初層での出現確率は低く、0.00001%を切る。

強化種は強いがドロップが特殊かつ、強力なアイテムのため、出会えればラッキーな存在であると言われている。

が、

ヒイトはLv.1である。

「生半可なステータスでLUKに振るべきじゃなかったぁああぁぁぁ!!!」

ヒイトはコミュ障なため、周りに人がいないところで戦っている。

助けも求めれない。

戸惑うヒイト。

「もうダメか・・・?はっ待てよ、こういう時、小説なら新しいスキルを手に入れて無双するはずだ・・・!」

限界で頭が回っていないのか?俺は。

まぁ、可能性としてはなくはない。

それに賭けるのも悪くない。

 

 

 

 

「どうせだし、いっちょ本気で体動かすか」

久しぶりに本気動いてみてもいいかもしれない。

 

 

 

 

 

俺は、“強化種”に向けて、一歩、前へ。

 

短剣を振る。

 

切り裂く。

 

切り裂かれる。

 

魔法を放つ。

 

切る。

 

切る。

 

切る。

 

切り裂かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー普通に覚醒とかないよなぁ」

 

HPが全ロスする感覚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は、こなかった。

『スキルを獲得しました』

聞こえる、声。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【加護の光】

HPが全ロスした時、HP1で耐え、1秒間無敵になる。

1日1度まで使用可能。また、死亡すると再使用可能。

 

取得条件:自分の10倍強い敵へ攻撃する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「はは、やっとつえースキルが手に入ったか」

 

「はははははははは」

 

「ってこいつ俺の10倍あんのかよ!」

 

勝てねぇだろそれは!

ギリギリ生き残った分、より絶望が大きくなった気がする。

 

「まぁ逃げれる相手でもねーし」

 

「やるしかねーな」

 

切る。

 

避ける。

 

切る。

 

思考が冴え渡る。

 

『スキルを獲得しました』

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【底力】

HP1の時に、全ステータスが2倍。

1日1度まで使用可能。また、死亡すると再使用可能。

 

取得条件:HP1の状態で敵へ攻撃する。

 

【守護の光】

5秒間無敵になる。

1日1度まで使用可能。また、死亡すると再使用可能。

 

取得条件:HP1の状態で敵の攻撃を防ぐ、または回避する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

切る。

 

避ける。

 

切れ切れ切れ切れ切れ切れ切り裂け。

 

避けろ避けろ避けろ避けろ避けろ避けろ避けろ回避しろ。

 

前に迫る、鋭い爪。

 

「っっっっ【守護の光】!!!」

 

5秒無敵。この間に詰める!!!

相手のHPはもう少ないはず。

 

 

「畳み掛ける!!!」

 

俺は“強化種”の首に短剣を。

 

 

光が走る。

エフェクトが咲く。

手応えと、自分へのダメージの感覚が走る。

 

 

 

俺のHPは、尽きた。

 

“強化種”のHPも、尽きた。

 

 

これまででいちばんの手応えに満足しながら、

 

(せっかくからドロップ欲しかったけどな)

 

消えていく視界の中で、そう呟いた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

(?)

 

 

 

ここはどこだ。

 

 

 

視界が白い。

 

 

 

体が痛い。

 

 

 

(あんな闘いしたら、そらいてぇわ)

 

 

 

それにしても、ここはどこだ。

 

 

 

俺は“強化種”と相打ってデスしたはずだ。

 

 

 

どこまでも白い視界。

 

 

 

まだリスポーンもしない。

 

 

 

『ーーーーーーーーー』

 

 

 

誰かの声が、聞こえた。

 

 

 




“強化種”さん。名無しで可哀想。
セリフも最初の咆哮のみ。悲しいね。

ヒイトさんは集中していて“強化種”さんの声なんか聞こえていないようです。
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