前回ホロウに巻き込まれたけど、ライカンさんが同行してるから大丈夫ンナ!
きっと何かあってもライカンさんが何とかしてくれるはずンナ!!
ここが、ホロウの中……?
言われてみればエーテルに満ちているというか、馴染みがあるというか……。
こっそり試してみると、キラーボンプマン3号式のエーテルチャージに成功した。じゃあここホロウじゃん。
「でも、俺達いつの間にホロウに踏み入ったんです? ホロウの裂け目があるなんて、さっきはまったく……」
「踏み入った……というよりも、"巻き込まれた"という表現に近い気がいたしますね」
「僕もライカンさんと同じ考えだ。僕も遭遇するのは初めてだけど、特発性のホロウ災害というものなのかもしれない」
「マジですか……。こ、こんなタイミングで……?」
よりにもよって尾けられてるときにホロウ災害に巻き込まれるとかどうなってるんだ。なんて思っていると、ライカンさんが何やら考えるような素振りを見せた。
「……いえ。むしろ、
「……どういう意味だい?」
「先ほど喫茶店で席を外させていただいたとき、電話でとある情報提供を受けていたのです。その内容は、『最近新エリー都の各地で小規模なホロウの出現と消滅が何度も観測されている』というものでした」
「なんだって? それは初耳だな……」
「無理もございません。この事象については未だ目撃者が見つかっておらず、現時点では
何それこっわ。小規模なホロウとはいえ、そんなポンポン起こって良いのかホロウ災害。
ん……? でもそれがどうしてこのタイミングにホロウ災害が起きたことに繋がるんだ……?
「……ライカンさん、そのホロウが出現した場所や時刻について何か聞いているかい?」
「多少の偏りはあるようですが……出現と消滅は夜の深い時間にのみ発生しているようでして、どれも一定範囲内にホロウが存在し、かつ
「なるほど。その人の目から隠れるような発生の仕方には、人為的なものを感じざるを得ないな。きっと、さっきの場所が立地的な条件を満たしている以上、そういうことなんだろう」
「えっと……つまり、俺達を尾行してた人が意図的にホロウ災害を引き起こした可能性があるってことです?」
「その通りでございます、イツキ様」
え、えぇ……。そんなこと出来ちゃダメだろ。新エリー都滅ぶってそんなん。
とはいえ、わざわざこんな回りくどいやり方をしてきてるってことは、必ずしも好きな場所でホロウ災害を引き起こせるわけではないってことなのかもしれない。
多分何かしらの条件があるはず。その上で
「とにかく、今は動いて情報を集めよう。もしかしたら普通のホロウとは違って、案外簡単に脱出出来るのかもしれない」
アキラさん肝座りすぎだろ。もしかしてホロウ探索の経験者だったりする?
……いや、深入りはよそう。俺だって元ホロウレイダーだって隠してるんだし、仮にアキラさんが何か隠していたとしてもお互い様だ。
というかアキラさんが悪いことしてるはずがない。もしそんなことがあったら人間不信になる自信がある。
「ではわたくしが先頭を歩きましょう。何かあればわたくしが対応いたしますが、お二人もいつ何が起こっても構わないよう、常に警戒をお願いいたします」
なるほど。つまり『もしエーテリアスが出たら俺が戦うから、お前は変なことするなよ』ってことだな! 流石ライカンさんだぁ!
ところでなんで今
「……妙ですね」
あれからしばらく歩き続けていると、ライカンさんが口を開いた。
「エーテリアスと一度も遭遇しないというのもそうですが、何より、ホロウ内だというのに
「確かに、ホロウ内部は本来無秩序に空間が入り乱れているはずだ。直感的に思った方向に進もうと思っても、こんな風に真っ直ぐ進めるようなものじゃない」
「作られたてのホロウはまだ空間があんまり入り乱れてないとか、そういうのあるんですかね?」
「どうだろう。これが人為的に作られたホロウだからこそ、無秩序な面が少ないという可能性もある。だって、直感的に進めないだなんて
「確かに……」
適当に考えたふわふわな考え言ってみたらめちゃくちゃ説得力のある答え返って来ちゃった。もしかしてこの場で頭悪いの俺だけ?
「ですが、これならば脱出の目処も立つというものです。直感的に進めるというのであれば、恐らくこの先に見える裂け目が──」
「──そうはいかん。君たちにはここでご退場願おう」
目の前に男が現れ、ライカンさんが俺達を守るように前に出た。
あの……ライカンさんのポジションかなりアキラさん側に寄ってない? 最悪俺は自衛出来るから良いってこと?
いやまあそれはそう。ライカンさんは正しい。
「我々を尾けていたのは貴方ですね? そして、このホロウに巻き込んだのも……」
「ほうほう。そこまで理解しているのなら話が早い」
そう言って男は、親指で自身の後ろにある裂け目を指差した。
「君たちの求める出口はあそこだ。ここから出たくばあそこに辿り着くか──もしくは、ホロウの主である私を倒すか、どちらかだ」
「ホロウの、主……?」
アキラさんの言葉に男は頷く。
「知っての通り、ホロウには核となるエーテリアスが存在する。例えば、アルゴスホロウは核であるエーテリアス"レルナ"が、虚狩りの星見雅によって倒されたことで活性が沈静化した。ホロウの存在には、核となるエーテリアスの存在が必須というわけだ」
「だからこそ私が擬似的に核の役割を果たし、このホロウを維持させている。つまり、私を倒すか、私をホロウから出すことが出来れば、このホロウを消滅させることが出来るのだよ」
へぇ、要はあいつを倒せば全部解決するってわけだ。でも、敵ながらちょっと喋り過ぎな気がするんだが……。
「良いのですか? そこまで丁寧にご説明いただいて」
「構わんよ。何故なら君たちに、勝算は無いからだ」
男のその言葉と同時に、三体のエーテリアスが現れた。
……ちょっと待て。その個体って、まさか──。
「私はかつて、讃頌会のマーヴィルという男の研究に協力していてね。その繋がりで、研究の成果を一部融通してもらったんだ」
「彼とは目的こそ異なるが、こちらとしても市長の懐刀であるヴィクトリア家政の存在は目障りでね。そろそろ消えてもらいたいと思っていたところなんだ」
そう言って、男はエーテリアスに視線を向けてほくそ笑む。
「くく……このエーテリアス、見覚えがあるだろう? それもそのはずだ。何故ならコイツらは──」
「
勝ちを確信した表情で高笑いをする男に対し、アキラさんが険しい表情を向ける一方で──。
──俺とライカンさんは、二人して掌で目を覆っていた。
・アキラ
フルメットをホロウに置き去りにすることになってしまった元凶とも言えるエーテリアスを目の前にして、険しい表情になってる。
・イツキ&ライカン
詰んでて草
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
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ライカン
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浅羽悠真