タイトルの時点で色々お察しンナね
しゃーないンナ
「……ライカンさん。あれ、どうにか出来ます?」
「……ス────────────ッ」
「あ……ッス」
「ま、待ってくれ二人とも! 諦めるのは、まだ──!」
アキラが必死に説得しようとする姿を見て、男は更に上機嫌になっていく。
「どうやら彼らは足掻いても無駄だと察したらしい。ビデオ屋の店長殿、君も諦めてはどうだね?」
「……僕のことを知っているのか?」
「当然だろう? 何者かもわからぬ者をここに招き入れて、万が一その人物がこのエーテリアス共に対抗出来る手段を持っているなんてことがあれば、折角の計画が破綻してしまうのだから」
『とはいえ……』と男は続ける。
「正確には、君も無関係とは言えない立場なのではないかね? この場で真に無関係と言えるのは、そこで絶望した表情を見せているバイトのイツキ君だけだ」
「君達の
「イツキ君には何の恨みもないが、ここに招き入れてしまった以上は見逃すわけにはいかん。精々彼らと行動してしまった自分の不運を呪ってくれたまえ」
男の言葉を聞いて、ライカンは手を顔に当てたまま大きく溜め息をついた。
「えぇ、確かに彼はツいていないようです。……けれどそれは、貴方にも言えることです」
「……何?」
ライカンは手を下ろしてイツキへと目を向ける。
「もう良いでしょう。今だけは貴方の為す事全てに目を瞑ります。どうか、ご存分に」
「……ま、それしかないですよね」
ライカンの言葉に頷いたイツキが二人の前に出る。
「イ、イツキさん……?」
『危険だ』と止めようとしたアキラだったが、何故だかその背中から懐かしさを感じて、言葉が止まった。
「ほう、まさか君が最初に前に出るとは。……ならばお望み通り、君から始末してあげよう!!」
男の言葉を皮切りに、三体のエーテリアスがイツキに飛びかかる。
イツキは焦ることはなく、ただ刀に手を添えた。そして目の前に迫るエーテリアスを確認し、少しだけ力を込める。
「……ライカンさんの言う通りだ。本当にツいてないよ」
「──俺も、アンタも」
抜刀。たった一度のそれで、三体のエーテリアスは同時に斬り伏せられた。
「──なっ!?」
男の表情が驚愕に染まる。
「そんな馬鹿な!? ただのエーテリアスではないのだぞ!? 普通には斬れぬはずの個体だ! ……いや待て、まさか……貴様──!?」
「……どうせバレるくらいなら、自分で名乗ってやるよ」
刀を男に向け、イツキは口を開く。
「──
正体を宣言したイツキの言葉に対し、男は顔に手を当てて俯いた。
「はは……貴様がフルメット、だと……? 有り得ぬ、こんな、こんな──!」
「──こんな
男はポケットから『Elixir P07-RF』と書かれたアンプルを取り出し、自身へと注射した。
「貴様への対策を用意していないわけがないだろう! まさか今日この日に使うとは思わなかったがな!」
男の姿が異形へと変化していく。エーテリアスではなく、サクリファイスと呼ばれるソレへと──。
「ブリンガーがあの日使ったアンプルの改良版だ! いくら貴様でも、星見雅の力には敵うまい!」
"Elixir P07-RF"。それは、妖刀"骸討ち・無尾"から採取したエネルギーを元に作成された"Elixir P07"というアンプルを、更に改良したものだった。
かつて"Elixir P07"を使用してサクリファイスと化したブリンガーという男が居たのだが、その男は星見雅が率いる対ホロウ6課によって討伐を果たされたという過去がある。
男はそれ省みて、『妖刀のデータだけでは意味がない』と悟るに至った。
「今私が注射したアンプルには、妖刀の情報だけでなく、星見雅の戦闘データも含まれている!! もちろん、サクリファイスとして活動する上での十分な量のエーテルもだ!」
「どれだけ貴様が強かろうが、星見雅に勝つことは不可能! ここで貴様ら全員捻り潰してくれる!!」
強大な力を手にして酔っているのか、そう言って笑い出す男を見て、イツキは溜め息をついた。
「……さっき、アルゴスホロウの話をしてるときにも思ったんだけどさ。お前らってホントに星見雅が好きだよな」
「……何の話だ?」
「実際めちゃくちゃ強いし、あの力に目を付けるってのは理解出来る。けどさ……」
イツキは男を睨みつけ、続ける。
「あれは誰かを守るための強さだ。お前らが私利私欲のために利用していいもんじゃねぇんだよ」
「──はっ! そういう言葉は、勝ってから言うのだな!!」
妖刀と一体化した右手を構え、男はイツキに飛びかかる。
「腕を召喚するまでもない! 貴様如き、星見雅の力で切り裂いて──!」
「星見雅なら──」
「自分の腕を斬られるなんてヘマはしねぇよ」
「──は?」
そこまで言われて、男はようやく自分の右腕が既に切り離されていることに気がついた。
「
「さぁ? 隠れて斬ったつもりはないけど」
「貴様ッ……!」
腕を再生させ、男は怒りのまま再びイツキへと斬りかかる。
が、冷静さを欠いたその一撃は、既に刀を納めていたイツキの抜刀よりも僅かに遅い。
「エーテル居合三ノ段──」
"エーテル居合三ノ段・首切りスラッシュ"。かつてクソダサネーミングを付けられたこの技の本質は、敵の首を斬ることではなく、敵の弱点を見抜き、その部位を正確に斬るというものだった。
『じゃあ首切ってないじゃん!』とか『うるさい比喩だ比喩! 頭がコアのエーテリアス結構居るじゃん! 頭切ったら大体首切りみたいになるだろうが!!』とかいう問答があったのは別の話として、その技の性質を加味し、アキラとリンが技の名前を付け直した。
敵の弱点を見抜いて斬るという、その技に付けられた名は──。
「──
おお、ホロウが消えてく……。こんな感じなんだな……。
「……イツキさん」
「…………はい」
ああ……やっぱそうだよなぁ……。聞かれるよなぁ……。
「えっと、半ば確信はしているんだけど……念のため確認させてほしい。その、君がフルメット……なのかい?」
「…………はい。そうです」
『元ホロウレイダーだと黙っててごめんなさい』。そう言おうとしたところで──。
「ははっ……そうか、そうなのか!」
「えっ」
アキラさんから急に正面から抱き着かれた。
……ん? えっ? お? 何?
「そうだったのか……君はずっと、僕らの傍に居てくれたのか……!」
「え? あの、はい?」
ど、どういう状況? 実は気丈に振る舞ってただけで、内心エーテリアスが怖かった……とか?
「……イツキ様。わたくしは一つ、貴方に隠していることがありました」
「え?」
めちゃくちゃ言いづらそうな顔をしたライカンさんがこちらに寄ってきた。
そして、苦虫を噛み潰したような表情のまま口を開く。
「アキラ様は…………プロキシ様なのです」
………………はい?
・イツキ
えっ、アキラさんがプロキシ兄……えっ?
マジすか……?
・アキラ
見ての通り。
ピンチな時に出てこられたせいで情緒がぶっ壊れてる。
・ライカン
どうしようもないと悟り、イツキに好きに暴れる許可を出した。
ああもうどうすんだよコレ……。
・男
サクリファイス化したがイツキによって討伐された。
ブリンガー長官みたいに腕を召喚することも出来たが、それを使うよりも星見雅の力で戦うことを選んだ。なお敗北した模様。
・エーテル居合三ノ段・具眼一刀
簡単に言うと弱点必中攻撃。発動の間際エーテルを目に集中して視力を強化しているので、斬る直前に一瞬目が光る。
・Elixir P07-RF
オリジナルアンプル。
実はブリンガー長官にもちょっと協力してて、妖刀からのデータ採取に一枚噛んでましたってオチ。
ブリンガーのときは左手で刀を扱っていたが、このアンプルでは星見雅が右手で妖刀を扱うのに合わせて右手と一体化するようになっている。
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
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ライカン
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浅羽悠真