間違って500文字くらい書いたところで投稿するとかいうミスした夢を見てびっくりして飛び起きたンナ
あとめちゃくちゃフィオニーの話書きたいけど今はまだなので我慢ンナ。構想決まってるから早く書かせろ(本性顕現)
時刻は少し戻り、買い出しに行ったイツキ達がホロウ内で詰んでいたのと同じ頃。
ビデオ屋を訪れた儀玄は、リンと少し話したのち、店内を見渡して口を開いた。
「……そういえば、二人はどこにいる?」
「お兄ちゃんとイツキさんのこと? それなら今日は二人でお出かけだよ!」
「そうか。……なら、これは帰ってきたときにでも渡しておいてくれ」
「うん! いつもありがとう!」
「礼などいい。ついでだからな」
リンにチャーシューまんが入った袋を渡すと、彼女はそのまま店を出ていった。
その様子を見て、店の手伝いに来ていたエレンがリンへと問いかける。
「……あの人、よく来るの?」
「うん! 最近はよく来てくれてるみたい!」
「ふ〜ん……」
どこか訝しむような視線を扉の方に向けたエレンだったが、すぐに視線を元に戻した。
「ところで、アイツについてはどうなの? なんか手がかりあった?」
「それがぜんっぜんダメで……。目撃情報はあるけど、どれも偽物だったり他人の空似だったりで……」
「そっか。……アイツ、どこで何してんだか──」
「お邪魔しまーす!!」
「……げ」
げんなりしたようなエレンの視線の先では、彼女の友人であるルビーが元気に店の中に入ってきていた。
「……なんで来たの」
「エレンがちゃんとやってるかなーって!! 皆で様子を見に来たの!」
自信満々にそう言い放つルビーの後ろから、申し訳なさそうに残りの二人が姿を表した。
「ご、ごめんねエレンちゃん……。折角近くまで来たんだし寄っていこうって、ルビーちゃんが聞かなくて……」
「邪魔しちゃ悪いでしょって、ルビーには言ったんだけどね」
「あー……うん。なんか大体わかった。そういう感じね」
「ちょっ……!? ちょっと待ってよ! 二人だって乗り気だったじゃん!」
慌てて弁明をするルビーだったが、エレンの冷たい眼差しに耐えかね、リンの方に視線を向けた。
「そ、そうだ! 店長さん! あの人って今どこに居るんですか!?」
「へ?」
「ほら、あの人ですよあの人!
「ちょっと待って。何でルビーがそれを聞くの?」
「だ、だだだだって! エレン最近あの人に会えて無くて寂しそ──!」
「違うから」
「え? でも、『最近会えてない』って──」
「ち・が・う・か・ら」
「……そ、そっか。あはは……」
これ以上言ったらただじゃ済まない。そんな予感がルビーの口を閉じさせた。
「でも、私もあの人にはまた会いたいかも。あのときのお礼、まだ言えてないし」
「それには同意見。店長さん、あの人って今どこに居るんですか?」
モナと凜がリンの方を向くと、彼女は困ったように頬をかいた。
「ご、ごめんね二人とも……。その人、実はもう辞めちゃったから、今はどこにいるかわからないんだ」
「えぇっ!? こんな状態のおシャメを置いて!?」
「ルビー……?」
「あっ……」
思わず開いてしまった口をすぐに閉じたルビーだったが、それでエレンが許すはずもなかった。
まだイツキがホロウレイダー現役だった頃。彼がホロウに取り残されることを選んだあの件より少し前のことだった。
「二人ともお疲れ様! 今日はありがとう!」
目的を達成してホロウから脱出し、
「気にしなくていーよ。ボスから頼まれただけだし」
「え、俺もライカンさんから頼まれ事されてみたいんだけど?」
「言ってみたら? 蹴り飛んでくると思うけど」
「なんで?」
何となく絵面が想像できたリンがくすりと笑い、イツキが『今なんで笑った?』とリンに詰め寄っていたそのとき。
エレンのスマホに一通の連絡が届いた。
「──……じゃ、そろそろあたし行くから」
「えっ? あっ、うん! またよろしくね!」
「ライカンさんによろしくな!!」
「はいはい。ボスにはふざけてたって伝えとく」
「俺に何の恨みが!?」
イツキの言葉に返すこともなく、エレンはその場を去っていった。
とあるホロウの中に作られたアジト。あるホロウレイダーの一団が、そこを根城にしていた。
「……そろそろ時間か?」
「じきに到着する頃だろ。しっかし、楽な仕事だよな。女一人始末するだけで目が眩むほどの金が貰えるなんてよ」
男がチラリと視線を向ける先には、眠らされて縄で縛られている三人の少女の姿があった。
「大事なおトモダチを見逃せるはずないもんなぁ? かと言って、来たところで何か出来る訳でもない。このガキ共が俺達の手を落ちた時点で勝負は決まったようなもんだ」
「丁度武器新調しようと思ってたとこなんだよ。報酬貰ったらカタログでも取り寄せてみっかなぁ」
「気が早ぇよバーカ。ま、気持ちはわかるけどよ」
人質を取り、エレンに対して彼女達の写真を添えて『誰にも伝えずに一人で来い』と連絡を送った彼らは、既に自分たちが勝ったものだと思って浮かれていた。
だからこそ彼らは、突然蹴破られた扉に対して特に怖がることもなく視線を向け──。
──アジトにダイナミックエントリーしてきた頭だけ獅子舞の男を見て思考が止まった。
「……え、何? エーテリアス?」
「いや、流石に人だろ……。頭以外普通に人間っぽいし……」
「いや、そもそもホロウ内で獅子舞ファッションしてるやつなんてほぼエーテリアスみたいなもんじゃねぇか?」
カチカチと歯を鳴らす獅子舞に対し、全員が自分の得物に手をかけて警戒を強めた、そのときだった。
人質の一番近くに居た男が、一瞬にして距離を詰めた獅子舞に蹴り飛ばされた。
「ははははははは!! 人質さえ後ろに置ければこっちのものマイねぇ!!」
「なんだその取って付けたような語尾!!」
「野郎!! さては女の仲間か!!」
「やれ! 相手は1人だ!」
得物を構えて突撃してくるホロウレイダー達に対し、獅子舞は刀に手を添えて構えた。
「知らないみたいだから教えてやるマイ」
「ヴィクトリア家政には、非公認の系列店があるってことを!!!」
『じゃあ無許可じゃねぇか!!』という
「くそっ……。こんなイカれた、獅子舞野郎に……」
最後の一人を倒した俺は、全員が意識を失っていることを改めて確認したのち、獅子舞の被り物を外した。
「何これ頭おっも……。疲れたマイ……」
いかん語尾がちょっと残ってる。『悪い子はお前マイ!』『お前も悪い子マイねぇ!!』とか言いながら戦ってたのがダメだったか。
ぶっちゃけ獅子舞の被り物についてはファーストコンタクトでエレンの仲間だと思われないためだけに用意したものだったし、三人の近くに来れた時点で外しても良かったんだけどね。
どうせ下にヘルメット被ってるし、素顔が見られるわけでもない。目的を達した時点で外してもデメリットは無かったのだが、ノリでそのまま被り続けてしまった。
さてと、とりあえずこれからどうするかな。治安局……いや、とりあえずライカンさんに連絡する方が良いか?
なんて考えていると、こちらに向かって走ってくる足音が聞こえてくる。おっ、そろそろ来たかな。
「皆! 無事!? ──────って、あれ?」
「やっほ」
「は……? 何で、アンタが……ここに?」
「さっき別れた後、なんかエレンの後ろ尾けてる怪しいやつ居たから、とっ捕まえて全部吐いてもらったんだよね」
「えぇ……」
どうやらソイツはお目付け役というべきか、エレンがここに来るまでの間に変なことをしないかどうか、見張るために尾行していたらしい。
もし何か怪しい動きをすればアジトに連絡が入り、人質がただでは済まない──という筋書きだったようだが、エレンに目が行き過ぎてて周りが見えていないお粗末な尾行だっただけに、簡単に見つけられてしまった。
「じゃあ、皆は……」
「そこは安心してくれ。怪我一つさせてない」
「……良かった」
心底安堵したような様子で、エレンは俺のところまで近づいてくる。
「……その、ありがと」
「どういたしましてマイ」
「マイ?」
「ごめんなんでもない」
ふざけんな。なんでまだ獅子舞スピリッツが俺の中に残ってんだよ。エレンもエレンで俺の足元に転がってる獅子舞の被り物見て何か察したような顔してるし。
違うから。ほんとに違うから。これは作戦であって、俺が頭おかしいとかそういうんじゃないから。
「でも、良かった……。怪我してないなら、心置きなく別れられる」
「え?」
「だって、あたしのせいで三人が危険な事に巻き込まれちゃったんでしょ? ……だったら、今後も付き合いを続けるわけにはいかないじゃん……」
「……それは、エレンのせいじゃ──」
「違う。これはあたしのせい。あたしと関わらなかったら、こんなことにはならなかった」
「…………」
エレンと友達だったから標的になった。確かにそれは事実だろう。だけど、それは……。
「だ、だからってさ、そんなの三人も悲しむだろ。三人はただ、エレンを喜ばせたかっただけなのに……」
「あたしを、喜ばせる……?」
「……尾行してた奴から聞いた。この三人を誘拐するにあたって、こいつらはエレンの知り合いを偽ったらしい。『普段お世話になってるエレンにお礼がしたいから、お友達である君達にも是非協力してほしい』ってさ」
「──だったら!」
「──だったら尚更!! 関係を続けるわけにはいかないでしょ!!」
「あたしのために何かをしてくれるような人達に、傷付いて欲しくない!!」
珍しく感情を露わにして叫んだエレンだったが、だからと言って、今の彼女の言葉を素直に受け止めるのは違うと思った。
「……エレンは、それで良いのか?」
「いい」
「辛くないのか?」
「……別に、慣れてるし」
「今聞きたいのは、慣れてるかどうかじゃない」
慎重に言葉を選ぶ。エレンが後悔しないように。辛い方向に行ってしまわないように。
「今は俺も何も思い浮かばない。今後三人が危険な目に遭わないためにも、関係を断つっていうのは確かに有効な考えだと思う」
「……けどさ、エレンは1人じゃない。ライカンさんやリナさん。それにカリンちゃんにプロキシ兄弟。……それに、頼りないかもしれないけど、俺だって居る」
「皆で考えたらいい。エレンと三人がこれからも一緒に居れる方法をさ。関係を絶つのは、それからでも遅くないんじゃないか?」
「だから聞かせてほしい。慣れてるとか、慣れてないとか、そう言うんじゃない。これからも一緒に居たいのか、そうじゃないのか。エレンの気持ちを教えてほしい」
俺の言葉を最後まで聞いてくれたエレンは、少し考えて、ゆっくりと口を開く。
「……あたしは」
「あたしは、もっと、皆と──」
「ずっと一緒に居ようよエレーン!! これでお別れなんて嫌だよー!!」
「は?」
「あっ」
急に寝てたはずの金髪の女の子が割り込んできた。いや起きてたんかい君。
「……いつから?」
「あ、あははっ……! な、なんのこと──」
「いつから、起きてたの」
「……『何で、アンタが……ここに?』らへんから……」
「最悪……」
エレンがここに到着した頃にはもう起きてたのか。よくもまあすぐに状況を理解して狸寝入りキメこんだもんだ。
「……もしかして、凜とモナも?」
「「ぎくっ」」
「……はぁ」
「そ、そそそそそっ! そんなことどうでもいいじゃん! そんなことより大事なのはさっきの話だよ!!」
「そうだよエレンちゃん! これでお別れなんて……!」
「危険な目に遭うのは確かに嫌だけど、エレンとお別れはもっと嫌。もしこのまま関係を切るつもりなら許さないから」
「……皆」
なんだかんだ満更でも無さそうな顔をしているエレンを見て、やっぱり友達って良いものだなって、そう思えた。
もしアイツらがまだ生きてたなら、今頃何してたんだろうな、俺達。
──なんて振り返るような資格、俺にはないのかもしれないけど。
後日、またエレンと一緒に任務へ行くことになった。
表情が普段と変わらないところを見るに、特に変わったことはないらしい。
ちなみに今後三人とエレンがどうするかについては、ライカンさんが今後も皆で一緒に居られるような方向に向けて動いたことで全部解決した。マジで有能すぎておかしいあの人。
立案も手回しも全部ライカンさん。部下を守ることに余念がなさすぎる。上司の鑑だよもう。
「……その、前は……ありがと」
「え? 何のこと?」
「何って……ほら、三人と一緒に居れるようにしてくれたこと」
「お礼なら全部ライカンさんに言ってくれ。俺ほんと何もしてないから。案全部却下された人間だから」
『三人を狙う勢力は謎の獅子舞によって滅ぼされる』。そんな都市伝説を垂れ流すという案を提案したのだが、秒で却下された。獅子舞のお役目はもう終わりマイ。語尾もお役目終えろ馬鹿。
「……それでも、あたしが1人じゃないって、改めて教えてくれた。困ったら誰かに相談すればいいって、そんな簡単なことすら思い浮かばなかったから」
「……だから、ありがと」
おっ、名誉挽回のチャンス。今度こそ『どういたしましてマイ』とかいうふざけたことは言わずに、普通に返してヘンテコ語尾とはお別れだ。
「マイ」
「は?」
「ほんとごめん」
終わった。意識しすぎて『どういたしまして』が消えた。なんでそっちが消えんだよ。
「……はぁ、ほんと締まんない……。……ま、今度お礼にティーミルク奢ったげる」
「気持ちだけ受け取っとく。あんまりヘルメット被ってお店行くのもアレだし……」
「……だったら」
「ん?」
「だったら、見せてよ。素顔」
「付き合い、そんなに短くないでしょ……?」
素顔で行けば気にせず飲めるでしょ? ってことか。確かにそれはそうだけど、エレンに顔を見られるわけにもいかないからなぁ……。
「前から言ってるけど、お金貯まったら引退を目指してる俺は顔を晒すわけにはいかないんだよ」
「……その言い訳、いつまで続くの?」
「言い訳じゃないが!? 本気だが!?」
「はいはい。いつか顔見せてもらうから、覚悟しといて」
「人の話聞いてた!?」
言葉も返さずにスタスタと歩いていくエレンを、俺は慌てて追いかけるのだった。
そしてついぞ、ホロウレイダーを辞めるまでに素顔を晒すことはなかったとさ。
・ルビー&凜&モナ
フルメットのことは『エレンの同僚』だと聞いている。
本当にただの同僚なの〜?(ニヤニヤ)
↓
えっ、辞めた? 音信不通? エレンこんなんなってますけど?
えぇ……?(震え声)
・イツキ
この一件のしばらく後、ホロウ内に自ら残る選択を取って危うく死にかける。草。
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
-
ライカン
-
浅羽悠真