どうせなら出会いも書いてしまえと思ったンナ
本編と齟齬発生したら怖ぇのだ!(謎のノルムー節)
「……ん?」
フルメットとして任務を終え、いつものように帰宅しようとしていたときのこと。
何か帰り道で行き倒れになってる女の子を見つけた。
「えぇ……」
い、生きてる……よな? なんかうつ伏せで突っ伏してるけど……。とりあえず一言くらいは声かけてみるか……。
「あ、あのー……。……だ、大丈夫か?」
「へ、平気、だよ……。少し、休めば……。ぁ゙ぁ゙……やっぱダメ、かも……」
「ダメなんかい」
見たところ大きな怪我とかはしてなさそうに見えるけど、かなりグロッキーというか、気分が悪そうだな……。
……仕方ない。少しだけ様子を見るか……。
しばらく近くのベンチで休ませたのち、適当に買ってきたペットボトルの冷えたお茶を渡すと、彼女はこくこくと飲み始めた。
「……はぁ。生き返った……」
「そっか。元気になったようで何より」
「ありがとう。……えっと」
「フルメットで良い。仲間からはそう呼ばれてるからさ」
「ふ〜ん……変わった名前、してるんだね」
「まあ本名じゃないしな。そっちは?」
「私はフィオニー。好きに呼んでくれていいよ」
「じゃあフィオニーで。ところで、何であんなところで倒れてたんだ?」
「その、段差に躓いちゃって」
「だ、段差?」
段差なんてあったか? いや、普通の道だったと思うんだが……。
あっ、よく見たらちょっとボコってなってる所あるな。あそこで躓いたのか……。
「じゃあ、そろそろ行くね。やることがあるから……」
「お、おう……。なんつーか、気をつけてな……」
「うん、ありがとー」
何とも儚い雰囲気のままフィオニーは立ち上がると、そのままゆっくりと歩いていった。
さて、じゃあ俺も帰りますかね。なんて、腰を上げたそのときだった。
「──は?」
夜道でほとんど人も居ないから構わないと思ったのか、明らかに法定速度を無視して飛ばしていた車にフィオニーがはねられるところを目撃してしまった。
「ちょっ!? フィオニー!?」
急いで彼女の元に駆け寄るが、運転手は俺を見ると焦ったような表情を見せてそのまま走り去ってしまった。
うっそだろこの状況で逃げんのかよ!? いやでも今はあっちよりもフィオニーを優先しなきゃだし……!
「フィオニー!? おい! 大丈夫か!? フィオニー!?」
「げふっ……ダメ、かも……」
「ま、待ってろ! とりあえず救急車呼ぶから! 」
「い、いい……。だ、大丈夫、だから……」
「大丈夫って……た、確かに血だらけだけどさ! 今ならまだ──!」
「さ、
「へ……? おわっ!?」
突然フィオニーの姿が火に包まれたかと思うと、炎の中から傷一つ無くなった彼女が姿を表した。
……え? 何今の? さっきまでの大怪我は……?
「ふぅ……生き返った。こんな感じに、私はちょっと特殊な体質だから、気にしないで」
「気にしないでって、言われても……」
傷を全部治したのか? いや、それとも言葉通り生き返ったのか……? どちらにしろ、それは凄いことではあるけども……。
「さっきみたいに車にはねられるなんて、両手で数えられないくらいには経験してるし、このくらいなら日常茶飯時だよ」
「けど、この体質があるから大丈夫。大怪我してもすぐに元通りになれるし、もう慣れてるから。だから、気にしないで」
「心配してくれてありがとう。それじゃあね」
そう言って、フィオニーは再び俺の前から去っていく。そんな彼女の頭上には、民家の2階から落ちてきた植木鉢が迫っていて──。
「あぶなっ!?」
咄嗟に彼女を抱き抱えてその場から退避すると同時に、植木鉢が先ほどまでフィオニーが居た場所に落下した。
「……ありがとう。でも、どうして?」
「どうしてって、見てられないだろ」
「どうせ治るんだよ?」
「フィオニーが無傷で居るって結果は変わらないけど、過程は変わるだろ。傷ついて治るのと、傷つかずにそのままでいるんじゃ、前者のほうが辛いに決まってる」
「でも、慣れてるし……」
「それは我慢できるって意味で、辛いことには変わりないだろ。こんな頻度でアクシデントに見舞われちゃ、慣れるしかなかったんだろうけどさ……」
「だから、俺が見てる間くらいは辛い思いをしてほしくないなって思った。それで少しでもフィオニーが楽になるなら、結果が変わらなくてもお釣りが来るってもんだろ?」
俺の言葉を聞いたフィオニーは、少し呆然としたのち、微かにではあるものの、笑みを浮かべたような気がした。
「……変わってるね。私みたいな人に、そんな風に思えるなんて」
「でも、ここから先は無関係の人を巻き込むわけには──」
「あーっ! フィオニーちゃん見つけたよ〜!」
聞き覚えのある声がした方向から、特徴的な足音が聞こえてきた。
「あれっ? 照ちゃん?」
「あっ、フルメットくんまで! フィオニーちゃんが心配で様子を見に来たけど、もしかしてお知り合いなの? フルメットくんが一緒なら安心だねえ!」
「えっ」
どういう意味なんだそれは。照ちゃんとフィオニーが知り合いってことは、つまり……。
「……そっか、無関係じゃないんだ。それなら、君にもちょっと手伝ってもらおうかな」
「改めて、私はフィオニー。黒枝の……裁決官、一応ね」
お前黒枝なのかよ。
そんなキッカケでフィオニーと出会ってからしばらく経ち、彼女の任務の補佐として手伝いを何度かこなしてきたわけなのだが──。
「あ、来た。おんぶして」
「開口一番おんぶ所望ってどういうこと?」
「だって、どうせ私を抱えて走り出したりするくらいなら、初めから抱えてた方が早いと思って」
「いや、それは……うーん、そう、なのか……?」
「そうだよ。今までお
「はいはい、じゃあさっさと乗ってくれ。時間かかるだけアクシデントが舞い込んでくるだけだし、パッと終わらせよう」
「流石、話がわかるね」
フィオニーの前で背を向けて屈んで、彼女がしっかりと俺の首に腕を回したことを確認してから、俺はゆっくりと立ち上がった。
「おおー……。それゆけ、私の全自動不幸全回避マシーン」
「ネーミングどうなってんの? あと俺マシーンなのかよ」
「うん、そうだよ。君は私の──」
「──私だけの、専属マシーンさん、だから」
「あ。今通り過ぎた店、任務が終わったら行きたい」
「屋台のたい焼きね……。良いけど、舌火傷しないように注意しろよ?」
「じゃあ君がふーふーして?」
「また俺がやるんかい。別にいいけど」
・イツキ
はいはい、便利屋扱いね……。
でもそれで少しでもフィオニーが楽になるならそれでいいかな。
・照
フルメットならばフィオニーの不幸・虚弱体質に対応出来るはずという信頼がある。実際対応出来た。
あ、待ってフィオニーちゃん。そこまで沼るとはザオちゃんも思ってなかったっていうか……。
・フィオニー
便利屋扱い……で済んでれば良かったね。
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
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ライカン
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浅羽悠真