前回は後書きでのお目汚しごめんンナ
でも感想の半分くらい後書きへの言及で草生えたワタ
挨拶はこれくらいにして本編行くマイねぇ!!
「たっだいまー!!」
リンさんが元気よくビデオ屋の扉を開くと、アキラが笑顔で出迎えててくれた。
「おかえり二人とも。ビデオの仕入れは出来たかい?」
「勿論! 私とイツキさんのセンスで選んで来たよ!!」
「なら良かった」
伝わるかわからないが、身振り手振りで『ホラーは避けたから安心しろ』とアキラに表現してみると、サムズアップで返ってきた。やったの俺だけどなんで通じてんだよ。
「じゃあ店を閉めたら検品しようか。イツキ、仕事が終わったら僕の部屋に来てくれ」
「えっ?」
「了解。あ、観ながら食べ飲みするかと思ってお菓子とジュース買ってきたんだけど、これどうする?」
「えっ? えっ?」
「じゃあ両方僕が預かろう。ジュースは冷蔵庫で冷やしておくよ」
「お、いいのか? じゃあ頼んだ」
「??????????」
アキラにお菓子とジュースを渡してからリンさんの方を見てみると、何やらこちらを見て固まっていた。
「どうかしました?」
「……はっ! いや、その……仲良いなぁとは思ってたんだけど、ちょっと予想を越えてたというか……」
「そうは言っても、リンの方こそ今日出かけただけでイツキとの距離が随分縮まったんじゃないかい?」
「そう……かな?」
「少なくとも、君の狭いパーソナルスペースにイツキを入れてしまうくらいには、心を許しているように見えるけれど」
「……へ?」
アキラの言葉でリンさんがビクッと震えたことで、俺と彼女の手がちょんと触れた。
それのせいなのか、リンさんの顔がどんどんと赤くなっていく。
「あ、あれっ……? わ、私、どうして……?」
「……リンさん?」
「え、えっと、えっと……わ、私っ! ちょっとやることあるからっ!!」
「えっ」
リンさんは2階へ逃げるように去っていった。それを見て、アキラは察したように溜め息をついた。
「……恐らく、君にフルメットの面影を感じて、無意識のうちに重ねていたんだろう。前にも言ったけど、リンは現役時代の君にかなり懐いていたからね。意図せず距離が近くなってしまった……と言った感じかな」
「流石、兄なだけあるな……。……でも俺、今日は別にフルメットらしいことはしてないはずだぞ? 普通に買い物して帰ってきただけだし」
「それに関しては、君も無意識のうちに以前と同じようにリンと接していた可能性があるんじゃないかい? リンのことを"プロキシ妹"だと思っているのなら、そうなってもおかしくないと思うな」
「あー……否定は出来ない、かもな」
言われてみれば、
アキラの言う通り、彼女への扱いも無意識のうちに変わっていたのかもしれないな。注意しなきゃ。
「……そうだ。話は変わるけれど、今日リンのところにダイアリンから電話があったらしい」
「ダイアリンから?」
てことは、ショウタと会った時にかかってきた電話がそうだったのかもしれないな。あれ? でもそれって……。
「……それ、俺に教えていいのか? ほら、情報の機密とか……」
「安心してほしい、電話の内容は君に関わる内容だからね。それに、もし君に会うことがあれば伝えてほしいと言われた言葉もある」
「伝言?」
「専用回線、サポートセンターの窓口。手段はなんでも構わないから、もう一度声を聞かせてほしい。……だそうだよ」
声、ねぇ……。なんか話でもあるのか?
『いやー、実は黒枝から見たらフルメットさんってウチの情報を持ち逃げしたヤバヤバ狼藉者なんですよねー。なので今口封じのためにウチご自慢の氷の処刑人さんが派遣されちゃいまして──』
もしこんな話だったらどうしよう。泣くかもしれない。
「……何やら勘違いしていそうだから言うけれど、ダイアリンは単純に君と話したいだけだと思う。君と話すのは楽しいって、彼女はよく言っていたからね」
「そ、そうなのか? じゃあ良かっ───」
「ただ、もし電話をするのであれば最低でも逆探知にかけられる可能性は想定しておいた方が良い。ダイアリンだけじゃなく、黒枝としても君の行方を追っているようだからね」
「え、やっぱ俺消されるってこと?」
「そうじゃない。僕がそうしていたように、もう一度君と会いたいと思っている人が多いというだけさ」
「……ほんと? 俺消されない?」
「消されないさ。なんせ、君の捜索には盤岳先生も加わっているようだからね」
「じゃあ大丈夫か」
盤岳先生が居るなら安心できる。あの人めちゃくちゃ優しいし。あとめちゃくちゃ優しいし。それとめちゃくちゃ優しいから。
でもちょっと天然だったりする。未だに俺のエーテル居合シリーズを改名前の名前で覚えてたりするから、たまに黒歴史を抉られることが度々あった。
『フルメット殿。先程の"首切りスラッシュ"、見事であった』
『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
『急に苦しみ始めるとは何があったのだフルメット殿!! まさか、古傷でも開いて──!』
『ち、違っ……! いや、古傷っちゃあ古傷だけど!! 黒歴史を抉られたというか……!』
『黒、歴史……? もしや、お主の過去にそれほど深い闇が……?』
『そ、そうじゃない! 黒歴史ってのはその、記憶から消し去りたいような出来事っていうか……!』
『記憶から消し去りたい出来事……? ……すまぬ。この盤岳、愚かで無知ゆえお主の過去に土足で踏み込んでしまった。深く、深く反省を──』
『だからそういうんじゃなくって!!』
……酷い事件を思い出した。まあ突然技名変えた俺が悪いんだけどさ。
「ああ、ついでに付け加えておくと、二人が出かけている間に瞬光が来たんだ。彼女も……いや、彼女
「瞬光が?」
まだ雲嶽山に誘うこと諦めてないのかな。いや、
というか、バレていないところを見るに、儀玄さんはちゃんと隠してくれているんだろう。ありがたい話だ。
「まったく。虚狩り二人から追われるなんて、うちのイツキは人気者だね」
「瞬光はまだしも、星見雅は俺への興味を瞬光に移すべきだと思うんだよな。虚狩り同士、最近は一緒に任務することもあるんだろ? 強い奴を求めてるならすぐ近くに居るじゃんか」
「……瞬光を鍛えた君が、それを言うのかい? 」
「鍛えた……ね」
そもそも瞬光は俺と会う前から強かったし、あのときの俺が何を出来たかと言われれば、あの剣の代償に
あの剣は、俺の推測だと特に剣士の記憶を欲している。それがなければ、剣士である担い手自身の記憶や五感、挙句の果てには命をも奪っていくという仕組みだろう。
それならば話は簡単で、剣士である俺と修行をたくさんすれば、仮に青溟剣を使用しても
そしてこれが一番大事なのだが、俺との記憶を失ったところで、俺との修行で身についた技術はしっかり彼女の身に定着していた。
つまり実質デメリットなしで成長も出来る。忘れられるのはちょっと悲しいけど、瞬光が皆のことを忘れずに済むならオールOK。なんなら俺との記憶なんてこの先を考えたら無くした方が良いってもんだし、マジでデメリットがない。
そうやって、瞬光が剣士として成長出来れば、剣による代償もいつか克服出来るだろう──なんて、思っていたのだが……。
「……どうかしたのかい?」
「いや、ちょっと思い出したくない記憶が蘇ってきて……」
まさか俺との記憶を全部思い出すなんて、あの頃は考えてすらいなかった。
・イツキ
え、俺と修行すればデメリットなしで瞬光が青溟剣使えるやん!
青溟剣ぶんぶん丸の瞬光とか最強では???
え、あっ、全部思い出したんすか?
あっ……ス────────────ッ
・瞬光
本編だと五感を取り戻すタイミングでフルメットとの記憶をすべて取り戻した。
・アキラ
冗談半分で"うちのイツキ"と言ったら特に反論されなかったので内心ニッコニコ。
・リン
無意識にフルメットの面影をイツキに重ねて無事撃沈。
それ本人なのにね。草。
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
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ライカン
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浅羽悠真