ビビアンを書くと何故かラブコメっぽくなってしまうンナ
おかしいンナね
メインヒロインはビビアンだった……?(おめめぐるぐるボンプ)
「──ってことがあってさ。やっぱ俺ってビビアンによく思われてないんだなぁって」
「……………………………………そうか」
ヒューゴとケーキを食べながら、ビビアンが家に来たときの話をすると、ヒューゴは顔に手を当てて俯いた。
「まさか、そこまでだったとは……」
「だよなぁ。俺もまさかマウントポジション取って殴ろうとしてくるとは思わなくて……」
「ビビアン……お前、ほんとにお前…………」
壮大な溜め息が聞こえた。いやまあ、ヒューゴの気持ちも分かる。
彼女の兄のような立場であるヒューゴとしては、自分の友人とも仲良くしてもらいたかったんだろう。
まあ結果はコレだけど。悲しいね。
「……ああ、そうだ。ヒューゴ、ビビアンに渡してもらいたいものがあってさ」
「こんなモノで今までの溜飲を下げてもらおうってのは、ちょっとアレかもしれないけど……」
言いながら、俺は可愛らしいハンカチと人気店のマシュマロを包んだ袋をテーブルに置いた。
「モノ選びのセンスは無いかもしれないけど、少しは喜んでくれるかなって──」
「止めてくれ」
「えっ。いや、でも──」
「頼むから止めてくれ。アイツにトドメを刺すな」
そんなぁ……。
イツキがヒューゴとケーキを食べている頃、ビデオ屋にはクレタが訪れていた。
「プロキシ。お前からも姉貴に『ちゃんと寝ろ』って言ってやってくれねぇか?」
「えっ? グレースさん、また徹夜してるの?」
「徹夜なんてもんじゃねぇよ。ありゃあ明らかに限界超えてる」
「そんな……。……何か思い当たる節はある?」
「んー、あるとすりゃあ……」
「──アイツが来なくなったこと、かねぇ」
「クレタから聞いたぞ。最近あんまり寝てないんだってな」
まだホロウレイダー現役だった頃。クレタから要請を受けてグレースの元に行くと、彼女はこちらに顔も向けずに機械を触り続けていた。
「だって勿体ないじゃないか。寝ている時間があるならこの子達の調整をしてあげたいと思うのは、人として普通のことじゃないかい?」
「普通のハードルをさらっと高めに設定するのやめろ」
クレタによると、コーヒーやエナドリでカフェインを摂取しまくることで無理矢理稼働し続けているらしい。機械好きなのはわかるが、だからと言ってなぁ……。
「あのなぁ……カフェインで無理矢理ってのは元気の前借りでしかないんだぞ? それで寿命が削られたら結果的に機械弄り出来る時間が減るじゃないか」
「私はそんなにヤワじゃないさ。それに、仮にそうだとしても生きている間のほぼ全ての時間をこの子達に注げるのなら、それは幸せなことだと思わないかい?」
「ああ言えばこう言う……なるほど、クレタの言う通りだな……」
あまりの言い草に頭を抱える。……仕方ない、この手だけは使いたくなかったが……。
「……グレース」
「なんだい? 何と言われようと、私は──」
「人間ってさ、満足に睡眠を取らないとパフォーマンスが落ちるらしいんだ」
「……それが、何か?」
「じゃあ──」
「怪我した知能構造体やボンプをグレースに診てもらうのは心配だし、今後はしっかり睡眠を取ったエンジニアに頼むことにするよ」
「今すぐに寝よう。睡眠はとても大切なことだからね」
ちょっっっっっっっっっっろ。マジでチョロいぞコイツ。こんなに効果があるとは思わなかった。
脅迫してるみたいで少し嫌だったけど、こんなに効果があるなら次回からも使えるな。
「ちゃんと寝るところまで見ろって言われてるから、寝る準備出来たら仮眠室来いよ」
「……やれやれ。信用されていないなぁ」
信用されたいならもう少し自分を大事にしてくれ。マジで。
シャワーを浴びるなりなんなりして、寝る準備が整った彼女は、仮眠室に現れてベッドに横になった。
「まったく……知能構造体やボンプを人質に取るなんて、君はなんて卑怯な人だ」
「それに関してはそもそもグレースがもう少し興奮を抑えられれば解決する話だろうに……」
鼻息を荒くして興奮しながら迫るグレースの姿は、知能構造体やボンプからすると中々に身の毛がよだつような恐ろしい感覚があるのだろう。それさえ無ければ凄いエンジニアなんだけどなぁ……。
「ところで、人にあれこれ言っているようだけど、君こそ睡眠はちゃんと取っているのかい?」
「………………もちろん」
「おっと、流石に見逃さないよ。人にあれだけ言っておいて、それは無いんじゃないのかな?」
「……わかったよ、俺もこの後睡眠を取る。それなら──」
「それはダメだよ。君にも
言いながら、彼女は自分の隣のスペースをポンポンと叩いてくる。
えぇ……。いや、それは流石に……。えぇ……?
「ほら、さっさと来るんだ」
「ちょっ……!?」
手を引かれて、そのままベッドへと引きずり込まれる。そうして彼女は俺を抱きしめながら、ヘルメットに頬擦りを始める。
「あぁ、この冷たいボディ……! そして被りながらも飲食を可能とする謎の構造……! 加えて、声を自然な形で本人とは別の音質へと変換するハイクオリティな音声変換機能……! この子もいつか、解体したい……!」
「身体目的かよ!!!!!」
一応誤解の無いように言うと身体とはヘルメットのことである。きっとグレースからすれば俺の身体には微塵も興味はない。
「いやいや、半ば強制的に寝かせようと言うんだ。それならせめて、寝るまでの間はこの子を堪能させてもらってもバチは当たらないだろう? それに君だって、あまり寝ていないようだしね?」
「……わかったよ」
絵面としては健全では無いけれど、まあ俺から手を出すつもりはないし、グレースからしてもヘルメットにしか興味がないのは第三者から見ても丸分かりだ。
仮に誰かにこれを見られたとしても、変に誤解されることはないだろう。
むしろ『あぁ、無理矢理引きずり込まれたんだろうな』って同情されるかもしれない。それくらいグレースの機械狂いっぷりには信用がある。良いのかそれで。
「……君には、感謝しているんだ。おかげでたくさんの知能構造体やボンプと繋がりを持てた。君に何かあれば、私も悲しい」
「……なんか闇の仲介人みたいな気分になってきたんだけど」
「ふふ、酷いことを言うね。私は真っ当な職人だっていうのに」
「ならもう少し本性を抑える努力をしてくれ……」
くだらない話をしている間に、フルメットがグレースよりも先に意識を落とした。
寝息を立てる彼を見て、グレースは呆れたように溜め息をついた。
「まったく……私を監視しに来たんじゃなかったのかい? 先に寝てしまうなんて、普段どれだけ寝ていないんだか……」
言いながら、彼女は彼の背中に顔を埋めた。
「……君くらいなんだよ? 私の作ったあの子達を、普通の人からすればただの機械でしかないあの子達を、ホロウという死地から連れ帰ろうとしてくれるのは」
グレースは今でも忘れない。侵食されてエーテリアス化してしまったとばかり思っていた我が子を、フルメットがホロウから連れ帰ってきてくれた日のことを。
損傷は激しく、無事とは言えない有り様だった。欠けているパーツも数多くあり、それどころか無傷のパーツを探すほうが難しいと言えるくらいの状況であった。
それでも確かに、彼はグレースの元に生きた子供を持ち帰った。
「私がどれだけ君に救われているか……いつか、教えてあげないといけないね」
そう言って彼の手に自分の手を重ねたグレースは、その手の温かさを感じながら静かに瞼を閉じた。
・イツキ
マシュマロはヒューゴと食べて、ハンカチは自分用に使うことにした。
・ヒューゴ
頭を抱えた保護者。
・ビビアン
イツキがヒューゴに相談なくハンカチとマシュマロをプレゼントしてた場合、きっと震えた声で謝(※自主規制によりカット)
・グレース
機械相手には恥ずかしげもなく愛を口に出来たのに、何故かイツキを前にすると本音を口に出来なかった。
何故それを口に出来ないのかは本人にもわかっていなかったが、いつかは口にしようと思っていた。
なお、本件以降フルメットが寝かしつけに来るたびに一緒に寝てたもんだから、フルメットが添い寝するならグレースも寝るとかいう謎の噂が一時期白祇重工に広まってたらしい。
主人公の相棒枠選手権(今後の内容に影響はないンナ)
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ライカン
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浅羽悠真