いつぞやの後書きに透明文字で書いたフィオニーのアレ、なんとなく形にしたものを番外編にポイっと投げました。あくまでR-18ではないので期待はしすぎないのでほしいワタ。
ちなみに番外編はあらすじのURLからしか飛べないのでご注意ください。作者の作品一覧には多分ないはずなので。
あと特に言ってないのに既に見に来てる人達が居て驚いたンナ。どうやって見つけたのだ君達は。
彼女から見てもフルメットは以前と何も変わらないように見えていたし、そうに違いないと思いたかった。
けれど、彼の性格からして、ある日突然ふらっと居なくなってしまうのではないかと、思わずには居られなかった。
本当は引き止めたかった。『勝手に居なくなったら許さないんだから!』って、本人を目の前にしてそう言えたら楽だった。
でも、拒絶されたらと思うと、その言葉を口にするのが怖かった。フルメットの本心を確認する勇気が、ニコには持てなかったのだ。
だから彼女は、フルメットから多額のディニーを借りることにした。
そうすれば、少なくともディニーを借りている間は彼と繋がっていられると思ったし、仮にもディニーの貯金を目標と宣言しているのなら、こちらの返済を待たずに姿を消すことはないだろうと考えたからだ。
しかし……。
(……本当に、これでいいのかしら)
いつからか、いくら本心を確認する勇気が無いからと言って、彼の厚意を利用し続けるのはどうなのかと考えるようになった。
彼は貸したディニーの催促をしてこないどころか、気にする素振りすら見せない。関係を引き延ばす上ではありがたいことだったが、それに甘えてしまって良いのか。彼は今でも『ニコなら必ず返してくれるはず』と信じてくれているのではないかと、そう思わずにはいられなかった。
(……でも、もし拒絶されたら……)
拒絶されるくらいならディニーを借りたままで居たほうがマシ。そんな結論に至る日々が続いたある日──。
「ニコ、最近何か思いつめているんじゃないかい?」
「私たちで良ければ相談乗るよ!」
「……二人とも」
その場でフルメットの名前や本当の事情は言えなかったが、言葉を濁して今の状況を端的に伝えると、アキラとリンは顔を見合わせて首を傾げた。
「相手が誰だかわからないけれど、ニコが拒絶されるっていうのは、ちょっと考えづらいな……」
「ね。長い付き合いがあるっていうなら尚更だよ」
「ちょっ……! 楽観的すぎない!? そんなこと言って、もし拒絶されたら──!」
「一度拒絶されたくらいで、君は諦めるのかい?」
「えっ……?」
「僕らの知っているニコは、一度拒絶されたくらいで諦めるような人じゃない。そうだろう? リン」
「そうだよ! 諦めの悪さがニコの良いところだよ!!」
「ほ、褒めてるの? それ……」
だが、兄妹の言うことは最もだった。一度突き放されただけで諦めるなんて自分らしくない。そもそも、拒絶されたら諦めなければならないという決まりは無いのだ。
なら、いつも通りやれば良い。大胆不敵で狡猾に、自分のエゴを突き通すだけだ。
「……はぁ、うじうじ悩んでた自分が情けないわ……」
「礼を言うわ! そうよね、一人で気にして立ち止まるなんて、あたしらしくなかったわ! 拒絶されたって、諦めてなんかやらないんだから!!」
「その意気だ、ニコ」
「頑張ってね!」
憑き物が取れたような笑顔でビデオ屋から出ていくニコを見送り、二人は改めて顔を見合わせた。
「ところでお兄ちゃん。詳細は全然わかってないけど、今の話って、まさかフルメットさんに想いを伝えるか悩んでたって話じゃ……無いよね?」
「決めつけは良くないが……否定は出来ない、かな」
「あっ……あぁっ……! ど、どうしようお兄ちゃん! もしそうだったら……! うぁぁっ……!」
「落ち着けリン! まだ決まったわけじゃ──!」
なんてやり取りがあったのはさておき、こうしてニコは、フルメットに正面から本音を伝えてやろうと決心したのだった。
そして──
──フルメットから別れのメッセージが来たのは、その日の夜のことだった。
『今まで黙っててくれてありがとな! 口止め料として、
ニコが借りた多額のディニーは、彼を繋ぎ止める役割を果たすことは無かったのである。
まずい。本当にまずい。
てか、なんでこの三人がここに居る!? 来たのはセヴェリアンさんだけじゃなかったのか!?
いや、落ち着け。まだ確信はされてない。となれば、いくらでも言い訳のしようがあるはずだ。
「フルメットくん……ですよね? 今まで、どこに居たんですか……?」
「えっと、俺は──」
「待て」
「うぉっ!?」
突然セヴェリアンさんに首根っこを掴まれ、後ろに引き戻された。
「な、何するんですかセヴェリアンさん!? 早く答えないと、より一層怪しまれて──!」
「わかっている。だが、彼女の質問には私の言った通りに答えてもらいたい」
そう言うと、セヴェリアンさんは俺の耳元で答えるべき言葉をこそこそと伝えてきた。
……えっ。それでいいの? ほんとに?
俺は内心戸惑いながらも、セヴェリアンさんに対して頷き、改めて前に出た。
そして、セヴェリアンさんから言われた事を忠実に守り、朱鳶さんに回答することにした。
「すみません。人違いです」
「…………」
「…………」
「…………」
や、やっぱりダメだってセヴェリアンさん!! 変な語尾とか付けずにただ否定するだけなんて、そんなことしても疑いが晴れるわけが──!
「え、あ……ひ、人違い……ですか?」
「わ、悪い……。オレ、てっきりアイツなのかと……」
「なんと……見誤ったか?」
通るのかよ。
え、今までの俺の頑張りは何だったの? ひょっとこシリアルキラーは? キラーボンプマンは? 獅子舞は? ワタは?
セスと青衣は『まさか本当に?』みたいな顔してるし、朱鳶さんに至っては目線を揺らしながらオロオロとしていた。
が、朱鳶さんはしゅんとした雰囲気になると、申し訳なさそうな表情をして近づいてきて、こちらに頭を下げてきた。
「……すみません。私、とんだ勘違いを……」
「い、いえいえ! こちらこそ紛らわしくてすみませ──!」
「おっと手が」
「きゃっ!?」
「うぉっ!?」
突然青衣が朱鳶さんの背中を押して、バランスを崩した朱鳶さんがこちらに倒れ込んできた。
咄嗟に朱鳶さんの身体を受け止め、青衣に目を向けると、彼女は悪びれるどころか『してやったり』といった様子で口を開いた。
「いやはや失敬、我としたことが手を滑らせてしまった。だが……ほほう、これは興味深い」
「
……はい? えっ、もしかしてハメられた? とんでもない判別方法取って来やがったぞこの人!?
というかその背負い投げ癖、朱鳶さんの認知じゃなくて身体が覚えてるとかそういう感じなの……? どんな理屈なんだそれは……。
いや待て。俺の腕の中で朱鳶さん固まってるし、もしかすると異性に受け止められるという慣れない状況に思考が止まってるだけかもしれない。
とりあえずフリーズしている朱鳶さんをそっと引き剥がしてみると、逆再生のように元のポジションに戻った。戻るな。
「言い訳不要、であるな」
「やっぱりオマエだったのか……」
待ってほしい。ホントに待ってほしい。セヴェリアンさんも顔に手を当てて呆れないでほしい。今回ばっかりは俺悪くないと思うんだ。
「何してるの?」
ゾッと、底冷えするような低い声が聞こえた。この声、まさか──。
「急に居なくなったかと思ったら、随分楽しそうなことしてるんだ、ね」
「詳しくお話、聞かせてもらいたいなぁ」
そう言いながらこちらに近づいてくるのは、黒枝の裁決官、フィオニー・レファエラその人だった。
・イツキ
即バレRTA回避(回避出来てない)
・朱鳶
身体が覚えてた。なんかこの言い方アレだと思ったけどそれ以外に表現出来る言葉がなかったから仕方ないンナ。
・セス&青衣
本物やんけワレ
・セヴェリアン
そんな方法でバレるか普通……?
・フィオニー
ブチギレ降臨。
来た理由は言うまでもなく。
・ニコ
あの日の出来事を引きずる
↓
フルメットがそのうちふらっと消えてしまうんじゃないかと不安になる。
↓
本心を伝える勇気が出ず、ディニーを借りて繋ぎ止めようとする。
↓
このままで良いのかと考え始める。
↓
アキラとリンが相談に乗り、本心を伝えることを決意。
↓
決意した日の夜にフルメット失踪。借りたディニーだけが彼女の手元に残る。
この小説に一番求めてるところ
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曇らせ
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脳焼き
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コメディ
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恋愛要素