勇者カリナ/ソルスター世界、魔王城最終決戦録 ―少女勇者、異世界転移前の最後の足跡― 作:美風慶伍
【――エクセンブルム本営――】
ソルスター自由連合軍の本営は、プトラード広原の先のエクセンブルムの地に設けられていた。
周囲を小高い山が迫り、多方面に通じる山路を持つ絶好の野営地だ。
かつてはここに魔王軍の異種族収容所が設けられていたが先行する作戦で制圧され破却されていた。
そして、夜明け前の薄明の中、使用可能な残存施設を用いながら自由連合軍の作戦会議が行われていた。
陣容はソルスター自由連合軍の要である魔法剣士騎士団アルカナヴァンガードを中心に以下の通り。
まずは――
光国ルミナリア王室聖騎士団ルミナス・ガーダー騎士団長セリアス・ダースブレイズ、
海洋国アクアリス国防海軍・海兵軍軍団長オーシア・ウェイウォークス、
穀倉国グレインリーフ王国・国防兵軍、全軍統帥将軍エルビス・アルシェ、
山岳国モントクラウド山岳連邦軍、戦場総司令官ヘレナ・ストーンハート、
騎馬国ガルガンダイン騎馬騎士団・騎士師団総長ローラン・サンストライダー、
騎士国ヴァルハイト正騎士団・騎士団総長アルトゥール・シルバリオ、
魔法国エーテルノヴァ国家近衛軍・総軍総長シルヴィア・ミスティ、
ネルガル暫定自治政府ネルガル解放義勇軍・代表レグナント・ウーセント、
さらに、多国間組織の国際魔法アカデミー機関ウィザーズ・オブ・ワールド隷下、女子魔導士飛行隊エーテルウィングス筆頭魔導士ルクレティア・ベーリー・オルクスが加わる。
これらを統率し、戦いの総指揮を執るのが魔法剣士騎士団アルカナヴァンガードであり、その団長にして勇者であるカリナだ。
ここに――
ドラゴン系種族軍団、総長マルセウス・ドラコニウス(位階竜将)
狼獣人系戦闘騎士団・牙狼騎士団、総長ゲオルグ・ハーグマン、
獣人系戦闘軍団、スノウクロウ(牡鹿系獣人)、
ケンタウロス戦闘兵団、総長ヴェロス・ヴァニスタ
リザードマン戦闘兵団、総長ケラブノス・ストーンバック、
グローム種族戦闘兵団、総長ブルータス・サブルム、
ドワーフ戦闘工作団、総長アルブレヒト・バルゲルズ、
エルフ部族連合戦闘団、代表ヴェネラ・モンテカルロ、
グラスランナー部隊、総隊長アルデン・レスピーロ、
トロール部隊、頭ドゥロック、
ゴブリン部隊、代表(無名)
この他、巨人種族集団を代表してオーガ族長バルグジンがいる。
なお、竜系種族代表のマルセウスだが、本体は巨大なドラゴンのためここには人間サイズの
以上が魔王軍との熾烈な戦いを勝ち抜いたソルスター自由連合軍の陣容である。
出陣直前の最終確認の会議であるため、円卓に座すること無く、広場にて立ったままでの会議となる。議事進行役として、カリナの最側近である戦士長にして重装歩兵部隊大隊長のエルリック・ファイヤブレードが語りだした。
輝ける魔法剣士装束姿のカリナの傍らで、重装鎧姿のエルリックは声を発した。
「傾注!」
その言葉と同時に全員の視線は一つに向けられる。
「諸君、我々はいよいよ魔王軍の中枢に手をかけることとなった! プトラード広原領域下の敵陣地は全て駆逐、シャドウクレスト山脈領域下の前衛施設や諸施設も攻略を完了、残る敵施設は魔王城を含めて8つとなる」
自由連合軍きっての切り込み役として知られる狼獣人のゲオルグが猛る。革製の上下の戦闘服と軽装鎧を重視し、武器にはカットラスやスクラマサクスと言った肉厚な片手剣を多用するのが特徴だ。
「いよいよですね」
「あぁ、いよいよだ。これまで苦闘が報われるか否かがこれで決まる」
エルリックは話を進める。
「では、最終決戦における全体の作戦概要について説明する。個々の戦闘任務については事前説明をしているので一部省略させてもらう。
我々が攻略する施設は総数8つ、ブラッドレイブン要塞、ナイトフォール砦、デスウィンド塔、ダークスウォンプ駐屯地、ブラックリッジ砦、シェードヴェイル塔、グリムフォート要塞、そして、ダークフォージ城となる。これらを攻略順に説明する」
全員がエルリックの言葉に耳を傾けている。
いよいよ、対魔王軍最終作戦、魔王城ダークフォージ城魔王討伐戦の作戦概要が語られようとしていた。
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