個性「炎」   作:ドゥルガー

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初投稿、宜しくお願いします。


第一話

『もう大丈夫…私が来た!!』

 

 …この映像を何度見たか。特に探さずとも、この国、日本に住んでいるというだけで飽きる程見るVTR。数年前の災害…事件?まぁその時の映像。

倒壊したビルの下から筋骨隆々の四文字が似合う男の人が、1000人程の被害者を1人で救出した映像。

彼こそまさしく『ヒーロー』と言えるだろう。

 

 …ヒーロー。個性という特殊能力を用い、ある時は災害救助、またある時は犯罪者の取締等、様々なことをする、国が認めた職業。

子供達の憧れであり、子供が選ぶなりたい職業ランキング殿堂入りの1位。そんな職業に、

 

 

 

 今からなろうとする。

 

 …格好良く言ったがただの高校受験だ。

 

 

 

 

 

 『今日は俺のライブへヨウコソー!エヴィバディセイヘイ!!』

…高校受験かどうか怪しくなってきたが、DJみたいな彼もれっきとした試験官だ。

…高校。雄英高校。ヒーローを目指す者が入ろうとする高校の中のトップ。

彼含めた教師は殆が現役ヒーロー。

最高の環境でヒーローを目指せる、最上級の高校の実技試験を今から受ける。

ルールは簡単、制限時間内に敵(ヴィラン)…犯罪者に見立てたロボットを壊していく。それだけ。3種のロボットにはそれぞれ1〜3ポイントが振られており、…3種?

プリントには4種と書いてあるが…

「質問よろしいでしょうか!」

そう思ってたら真面目そうな眼鏡少年が堂々と聞いてた。自分にそんな度胸は無いので非常に助かった。

前に立つDJ教師曰く、4種目は各会場に1体ずついる0ポイントの「ギミック」のようなものらしい。所狭しと言うからには大きいのだろうか。

 

『俺からは以上だ!最後にリスナーへ我が校の“校訓”をプレゼントしよう!』

『かの英雄、ボナパルト=ナポレオンは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えて行く者』と!“Plus Ultra”!!それでは皆!良い受難を!!』

 

その激励で実技説明が終わった。

 

 

 

 

 

 会場が広い。運動着に着替えてバスに揺られて降りた最初の感想がこれ。これが後数個ありその全てが学校内と一括りにされるのかと思うと凄く驚く。そして皆我こそはとスタート地点の先頭に集まる。有難い。自分の個性は先頭に立って発動するような物でもない。喜んで後ろに行かせ

『はいスタート!!』

…はいスタート?

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!』

そういうことか。意識を切り替えて個性を発動する。

…足と掌に。熱が流れていく。

「あっち!アイツやりやがったな!」

…悪いとは思う。けど出遅れるのが悪い。

 

…自分の個性はそんなに珍しい物でもない。手足から炎を出せる。以上。それの応用で空を飛べたりするが(ロケットのようなものだ)、個性自体は単純。

『目標発見!ブッ殺シマ』

口が悪いな。後1ポイントだからかそんなに硬くない。この程度なら火炎放射で無力化できる。仮にも学校の備品なのだから無闇な破壊は法度だろう。

 

 

 

 44ポイント。他がどの位稼いでいるかは分からないが、最低限の基準には乗れただろうか。

『ブチ殺』

これで47ポイント。3ポイントはやはり硬い。…炎の噴射でパンチを加速させているが、拳が痛い。火力はあるんだが、加減が利きにくく乱発はしたくない。もっと筋トレを増や…油断はもっとしたくない。他の人のポイントが分からない以上、最低70には乗せたいが…

 

ズシン…

 

…アレが0ポイント?途轍も無く巨大で300ポイント位貰えそうな見た目をしているが、あんなもの出して良いのだろうか。ガレキに潰されて受験生死亡等笑えない冗談にもならないが…逃げ遅れた人がいないか見に行くか…

 

 近くで見ると尚デカい。ビルと同程度ってなんだ。取り敢えず…

「誰か!逃げ遅れた人はいますか!」

…返事は無い。軽傷者は居ないと見て良いが…あの0ポイントの動きを止めよう。

両手足から噴射していた炎を両足だけに減らし、両手に意識を集中させる。…発射。

脚部分の関節部がドロドロに溶ける。

…何度か試した事はあるが、こんな馬鹿火力だったか?取り敢えず人には使えない。

だが効果はあり0ポイントの動きが明らかに遅くなる。これでガレキの下等を探せる。誰か居るか…居た。耳からイヤホンが生えた少女。脈あり呼吸あり心音あり。幸い気絶で済んでいるようだ。取り敢えず背負ってここから逃げる。あの時脚部分を溶かしておいて良かったと思う。負傷者に障らない速度でアレから逃げ切れるか少し怪しい。

 

『終了〜!!』

…終わったか。

「はいお疲れ様、ハイハイハリボーだよ。ハリボーを…おや?」

杖をついた老婆…ヒーローだろうか?

「アンタ、その子は気絶してるのかい?」

「あっはい…恐らくそうです。」

「分かった。後はこっちで何とかするから、アンタは帰りな。」

有難い。気絶した人の手当等本で読んだ位だ。こういうのはプロに任せるに限る。

「ああそうだ…アンタもハリボー食べな」

「ああ…どうも?」

何故ハリボー?

 




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