『緑谷チームVS轟チーム、両者一歩も譲らぬ戦い!
轟が作った氷のリングの中を緑谷チームが逃げる!
正に高火力対高機動の戦い…一瞬たりとも油断出来ねぇハイスピードバトルだ息つく暇も無ぇ
…とぉ!?一対一の戦いに注目してる間に、リング外もとんでもねぇことになってんじゃねーか!?何が…あれは不知火か、何してんだ?』
『不知火達の周りを取り囲んでるのはB組の連中だな。まぁやろうとしたであろう事は予想が付くが…不知火は何を…
…まさかアイツ…』
B組全員の視線が少しずつこちらに向く。今なら皆聞いてくれるだろう。
「…ず、随分速いね。それが全速力、なのかな?
取り敢えず、この両足を退けてくれないかな?」
眼下の金髪君が声をかけてくる。…まぁ良いか。
「あぁ、これはすまない。ただ君のチームが持っている鉢巻は全て貰っていくよ。」
だが彼を放すつもりは無い。彼の首と額から鉢巻を回収し、足を離す代わりに彼の指の鉢巻を彼の指に掛かった状態でつまみ、彼の真後ろに浮かんで張り付く。
「さてB組の皆、多対一となれば流石に自分も全力を尽くさなければ負けてしまう。だから1つ、自分から言いたい事がある。
自分は皆ご存知のように、炎の個性を持っている。この鉢巻を燃やすのなんて君達が攻撃する前に終わらせられる。もし万が一そうなれば…ポイントが欲しいチームにとっては困るだろう?だから出来れば皆こちらを攻撃しないでほしいんだ…勿論、攻撃してこないなら鉢巻は…そうだな、このそこそこ高いポイントの物をあげよう。それを持てば次に進める可能性は上がる、悪い話ではないだろう?
…勿論、本当はこんな事したくなかったが、この人数差を覆すとなれば方法を選り好みする暇等無いからね。
卑怯なんて言わないでくれよ?」
金髪君の喉から音が鳴る。
…さて、もう1つ。
「あぁ、それと…鉢巻を渡すのは君達で戦って最後に残っていた所だ。もし万が一クラスの皆とは戦いたくないと言う優しい心の持ち主が居るとするならば、ジャンケンなんかで決めてもらっても別に構わないが…
どちらか納得出来る方法を話し合って選んでほしい。」
皆隣の騎馬を見合う。味方は今この瞬間、潜在的な敵となる。彼等は皆考えるだろう、敵対の有無、選びたい方法、勝利の可能性を。特に現時点でポイントで敗北してしまっているチームは身の振り方を考えなければならない。出来ればこのままタイムアップと叫んで欲しい所だが…
『アイツ…不知火は恐らく今、B組の全員と交渉をしている。』
『…交渉だ?』
『内容は…そうだな、大方、鉢巻かB組の物間辺りを人質にでもしてんだろう。万が一鉢巻が入手出来なくなればその時点で持っているポイントだけで勝負しなければならない。B組は結託しているが、現時点で敗北がほぼ確定しているチームが次への切符を手に入れるには他のクラスメイトを切らなければならない。下手な切り方をすれば今後の関係も悪くなる。そして勝ち残れそうなチームは下位の妨害も視野に入れながら今後の展開を考えなければならない。
…交渉としては満点に近い。宣誓通り、全力で相対してんな。』
『…イレイザー…お前どんな教育してんだ?』
『少なくともそんな技能は教えていない。』
『つーかそれ良いのかよミッドナイト、ルール的に!?』
『…認めます!直接危害を加えてる訳でも無いので!』
『認めちゃったよ!飛び回ってた爆豪といい、騎馬戦の根幹が揺らぐぜ!!』
…さて、ここからどうしたものか。一組位は突っ込んでくるとばかり思っていたばかりに、ここまで上手く行くとは思わなかっ
「死に晒せ雑魚共がぁ!!」
…訂正、唯一の不穏分子の存在から目を背けていた。
急いで彼、物間君の指の鉢巻を手放し、飛び上がって逃げる。物間君は…おぉ、騎馬の個性だろうか、なんとか防いでいる。
…しかし不味いな。このままだと最悪さっきの交渉が有耶無耶になるかもしれない。そうなったらただの多対一に逆戻りだ。
…だがやはり爆豪君は凄いな。物間君の騎馬を集中攻撃しつつカバーに来た騎馬を追い払って鉢巻を奪っている。
そして彼を支える騎馬も凄い。爆豪君の攻撃後は瀬呂君が個性で回収、その合間の攻防を切島君と芦戸さんがカバーしている。
…爆豪君達に任せたら勝手に勝ち上がれないだろうか。
「なぁ不知火…このまま待ってるだけで良いのか?」
「大丈夫だ尾白君。今の所印象が最悪に近いかもしれないが、相手が攻めてこない以上こちらから攻めたって良い事が無い。それに、次に向けて休憩出来るのは有難いだろう?」
「…次に残れる前提なんだな。」
「自信を持つのは大切だ。それとも心操君は残れないと思っているのだろうか?」
…あっ、爆豪君が物間君から鉢巻を全て奪った。
「いや、あの爆豪とかいう奴が…攻めて来…た…ら…」
「…こっちを…見たね…青山君、迎撃!」
「ッ…ウィ☆」
「邪魔だ雑魚がぁ!!」
「十分アガれそうなのになんで来るんだ爆豪君!」
「ハッ!俺が目指してんのは完膚なきまでの1位なんだよ!だから寄越せや鉢巻ぃ!!」
本当に不味い。飛ぶのが許可されてなかったら絶対こっちの騎馬を巻き込んでた。
『オイオイオイ!アイツ等気付いたら空中戦してんじゃねぇか!?騎馬戦どこ行ったんだよ!しかも速ぇ!?』
『アイツ等はA組でもトップクラスの戦闘力だ。入試でも主席次席だったし、互いに互いを意識して高め合ってるのかもしれん。だが両方騎馬戦だという事は忘れてんだろ。』
「爆豪!囲まれてる、一旦休戦だ!」
「抜かせモブが!テメェ等諸共潰しゃ良いだけ…」
「ちょ…爆豪!」
…爆豪君が急に動かなくなった。成程、これはなんとも強力な個性だ。雄英はこんな逸材をヒーロー科に入れなかったのか?
「助かったよ、心操君。」
「…まぁな。…後の事を考えるのが大事らしいから、本当は使いたくなかったんだが…」
「…まぁ今を乗り越えるのが最優先だ。爆豪君とまた戦うとなったら諦めてくれ。」
「酷くないか?」
「あぁ、尾白君と青山君もお疲れ様。これで次に進めるだろう。感謝するよ。」
「無視かよ。」
『しゅ〜〜〜りょ〜〜〜!!!1位は轟チーム!!』
…さて。一時的だが、鬨の声を上げよう。
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