個性「炎」   作:ドゥルガー

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第十七話もよろしくお願いします。


第十七話

「…お疲れ。」

「ありがとう耳郎さん、仇は取ってきたよ。」

上鳴君を投げ飛ばして勝利した第1戦目。この時点で既に疲れた自分を皆暖かく迎えてくれた。

 

「上鳴ィィィ…!!お前の仇はオイラが取ってやるからなァァァ…!!」

…訂正、血涙を流す一房の葡萄に怨嗟の念を送られた。

新手の怪談噺だろうか?

 

「不知火お前ェェェ!!何女子に自分の体操服着せてんだお前うらやまけしからん!!」

「…障子君、尾白君、この葡萄が何を宣っているのか分かるだろうか?」

「…すまん不知火、俺には分からん。」

「俺もだ。」

じゃあ誰も分からないだろう、解散。

「オイ不知火無視してんじゃねぇ!もっと言うべき事があるだろ!」

「…峰田君もああやって投げられたいのかい?君なら投げるどころか叩き付けても大丈夫だろう?その頭のもぎもぎで。」

「…今回は見逃してやる!オイラに感謝しろよ!!」

何目線なんだ彼は。…まぁ良い。

「…分かった、感謝しよう峰田君。その感謝の念と言ってはなんだが、伝言を1つ伝えよう。

 

…本日中に上鳴君は3枚、峰田君は5枚の原稿用紙に反省文を書いて提出、出来なければ退学だと言っていたね。

誰からのかは言わなくても分かるだろう?」

「………嘘…だろ…?」

絶望と諦念が入り混じった顔を向けてくる。可哀想なのでニッコリ微笑み返してあげたら、まるで死神でも見たのかと言わんばかりに驚いて逃げて行った。酷いな。

 

「…さっきのって本当?」

「…先に自分から反省の意を示す方が彼等の為にも良いと思った、よってアレは嘘ではなく優しさだ。」

「前から思ってたけどアンタ割と良い性格してるよね。」

「ははは、酷いな耳郎さん、尾白君も酷いと思うだろ…何故こっちを見ないんだ尾白君?」

障子君も目を逸らさないで欲しいんだけど?

 

 

 

 

 

 さて、少し時間を飛ばして尾白君対切島君。試合は終始切島君の有利に進んでいた。

まず切島君の個性を尾白君は破ることが出来ない。もしかしたら方法自体は有るのかもしれないが、乱発出来るものでも無いだろうし、切島君が警戒したら通るかも怪しい。まぁそもそも彼の防御を破れる人が少ないが。

正面から行けるのは爆豪君位じゃないだろうか?

次に切島君本人が凄く動ける。何せ彼は実技試験3位だったのだ。しかも上2人は移動手段を持つのに対し、彼は生身で走らねはならない。身体能力なら自分は恐らく負けている。尾白君も動けない訳ではない(むしろかなり動ける方だ)が、身体能力に殆ど差が無いなら差が付くのは個性と本人の実力だ。故に彼は負けた。

 

 …正直言って、尾白君は友人と言える数少ない人だから次に進んで欲しかったが、まぁ負けたのなら仕方が無い。

彼は憐れみや同情を望まないだろう、労いの言葉はシンプルで良いか。

 

 

 

 

 

 続いて爆豪君対麗日さん。…まぁ、麗日さんが負けた。

策という策と身体を何度も吹き飛ばされ、秘策だろう瓦礫の『流星群』も効かず。最後は麗日さんが気絶して終了した。

だが周りの、特に大人達の反応が頂けなかった。

全力でやっている爆豪君に向かってブーイングは無いだろう、ブーイングは。爆豪君はやりたくてやっている訳ではない…多分。恐らく彼は警戒していたのだ、麗日さんの個性を。

触れた物を無重力状態にする麗日さんの個性。触れられたら爆豪君とてタダでは済まない。だから触らせない為に彼は彼女を吹き飛ばし続けたのだ。

 

 

 

だが何時までも不満を垂らすべきではない。自分には自分の戦いが有るのだから。

 

「それじゃあ行ってくるよ、耳郎さん、尾白君、障子君。しっかり応援して欲しい。」

 

「あぁ、精一杯応援させてもらおう。」

 

「不知火こそ、全力出して来いよ。」

 

「頑張れ。万が一アンタが負けたら骨は拾ってあげる。」

 

「…彼の蹴りは拾う骨が折れそうだけどね。」

 

次の対戦相手は飯田君、彼もかなりの実力者だ。

負けないようにしなければならない。

 

 

 

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
既に何度かお伝えしましたが、9月から投稿頻度が落ちると思います。どうかご了承ください。

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