今後も皆様の日々の小さな楽しみとなれるよう、精一杯努力して行きたいと思います。
第十九話もよろしくお願いします。
「すまない、確か不知火君だったかな。」
「…これはこれは、何故貴方のような人がここに?
…エンデヴァーさん。」
飯田君との試合の後、試合前控室近くのトイレから出てきた所。憧れの人がそこに居た。
日本においてNo.2ヒーローの座を維持し続ける英雄。
事件解決数史上最多記録を持つ傑物。
そんな人が、自分に何の用があると?
「いや何、焦凍…轟焦凍の次の対戦相手は君だろう?だから少し話がしたかったんだ。」
「はぁ…」
轟君、緑谷君に勝ったのか。
「君は炎系の個性を持っているね。使い方も考えている。そして判断力や咄嗟の機転も素晴らしい。是非ともうちの焦凍に見習わせたい所だ。」
「…どうも、ありがとうございます。」
「アレはオールマイトを超えさせる為に作った仔でね。
今の内から目覚ましい活躍をしてもらいたいと思っている。」
「…何が言いたいので?」
「あぁいや、難しい話ではない。
君はアレにとって良い刺激になるだろう。同じような炎の個性を持ち、それを使いこなして戦う君の姿は。
期待しているよ。
君が焦凍の殻を破ってくれる、優秀な生徒である事を。」
…そうか、成程。聞いた所、“コイツ”は自分の事を息子がNo.1になる為の踏台程度に思っているのか。
…そうか。
酷く苛つくな。
「…なんだ、幻滅してしまいました。」
「…何?」
「最初は憧れの人から激励でも貰えると思っていましたが…自分は酷い大馬鹿者でした。まさかあのエンデヴァーが、現No.2が、生きた英雄が、
実の息子に自分が敷いたレールの上を歩かせようとする毒親だとは思いもしませんでした。」
「…貴様、一度口から出た言葉を引っ込める事が出来ないと知っての行動か?」
ヒリつくような熱が頬を削る。このままだと炭と化すかもしれないな。
「勿論、百も承知です。ですが、貴方も知っている筈ですが?
貴方が犯した過去は消せない。」
「…何が言いたい?」
「貴方の轟君に対する言い方で大体は察しました。アレなんて言う辺り、貴方は彼を道具扱いしているでしょう?少なくとも、今までマトモな親としては接していない。人として見ているか怪しい。違いますか?」
「…もし仮にそうだとして、それで肯定する阿呆がどこに居る?」
「…まぁ真実の是非等どうでも良いんです。自分が貴方に言いたい事はそんなに無い。
貴方の言動に苛ついた。だから自分は、
…以上です。」
「…おい、待て!」
…酷く嫌な気分だ。
「…障子君や尾白君はどこに?」
「…トイレだけど…どうしたのアンタ。」
「…分かるのかい?」
「顔が酷い。爆豪の事言えない位人殺しそう。」
「…酷いな、耳郎さんは。
…少し、嫌な事があってね。苛つきに任せて、とんでもない事をしでかした。」
「…何したの?」
「…エンデヴァーに喧嘩を売った。」
「…は!?アンタ何言って…!?」
耳郎さんが驚くのも無理は無い。実際自分でもあの時はどうかしていたと思う。あんな行動、子供の癇癪となんら変わりない。最悪、雄英を去らなければならないか。親にはなんと説明するか。裁判にでもなったりするのだろうか。これからどうするか。
「…じゃあ、何されたの?アンタが何も無しに喧嘩売るような人じゃ無いのは知ってるから、何かされたでしょ?」
…何か、か。
「…友達を、馬鹿にされたんだ。」
「…そっか。ならエンデヴァーが悪い。少なくとも、アンタが全部悪い訳じゃない。」
「だからこの話は一旦ここでおしまい。ほら、早く切り替えて次の試合の準備しないと、次轟でしょ?そんな顔して悩んでたら負けるから。そんなのアイツにも失礼でしょ。」
「…優しいな、耳郎さんは。」
「…そんな事無い。仮にもヒーロー志望だし、それに…
1番の友達が思い詰めてそんな泣きそうな顔してんのに、見過ごせる訳無いって。体育祭終わったらちゃんと話聞くから、頑張って。」
「…ありがとう、耳郎さん。頑張って来るよ。
…本当に、優しいな、耳郎さんは。」
「…どういたしまして。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
シリアスを書くのはやはり文章的にも精神的にもキツイですね。
…このシリアスな空気で轟君戦書くのか。
映画版の話も欲しいですか?
-
欲しい
-
欲しくない
-
どちらでも良い