もう少しペースを上げたいですね。
第六話もよろしくお願いします。
1夜経って翌日。登校してみたは良いものの、様子がおかしい。遠目で見て分かる程大きな人だかりがある。
そしてその集団に阻まれて中に入れない者も。
集団の持ち物を見るに、マスコミの類だろうか?
大方、オールマイト先生の授業はどんな感じかなんて聞きに来たのだろう。邪魔なことこの上ない。
「おっ、不知火!」
後ろから声が。耳郎さんか。
「耳郎さんか。どうやらマスコミのお歴々が生徒の邪魔にお熱らしい。どうする?」
「…なんか刺々しくない?っていうかどうするって言ってもどうすんの?」
「…まぁ壁かマスコミのどちらかを飛び越える、か?」
「少なくともウチには出来ないし、アンタも個性使わないと難しいでしょそれ」
「そこは…まぁ…大目に見てくれると信じて…どうする?一緒に運ぶ位は出来るけど。」
「…まぁ遅刻するよりはマシかな。じゃあ頼んでも良い?」
「分かった。じゃあ…」
手速く耳郎さんを抱き上げる。そのまま脚に力を込めて
「えっちょっ」
壁を飛んで乗り越える。
…実技試験の時もこの運び方だったな。
向こう側に着地して耳郎さんを地面に降ろす。
「……?」
「…耳郎さん?」
不味い。耳郎さんがこっちを向いたまま動かない。大丈夫だろうか。
「…耳郎さ「……ありがと。」…あ、あぁ…」
…どうかしたのだろうか?
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見せてもらった。爆豪、お前ガキみてぇな真似するな。実力あるんだから」
「…分かってる」
教室。相澤先生がホームルームを行っていた。
そして爆豪君がお叱りを受ける。まぁそうだろうとは思う。
「で、緑谷はまた腕1本ブッ壊して一件落着か。」
急に矛先を向けられた緑谷君の肩が跳ねる。まぁ緑谷君もあんなコンスタントに腕を壊してたら怒られるか。
「個性の制御…いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通させねぇぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだ。それさえクリアすればやれる事は多い。焦れよ。」
「…ッはい!」
「さてホームルームの本題だ…急で悪いが今日は君等に…」
…まさか抜き打ちテストとでも言うのだろうか。
「学級委員長を決めてもらう。」
「「「学校っぽいの来たーーーー!!!」」」
うるさっ。皆そんなにしたいのか。
各々が希望を述べていると、
「静粛にしたまえッ!」
飯田君の一声で全員の視線が彼に向かう。
「“多”を牽引する責任重大な仕事だぞ…!『やりたい者』がやれるものではないだろう!周囲からの信頼があってこそ務まる聖務…!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めると言うのなら…これは多数決で決めるべき議案!!」
「聳え立ってんじゃねーか!何故発案した!」
やりたいならそう言えば良いだろうに、正に真面目と言えるだろう。
まぁ自分は立候補しないつもりなので多数決で良いとは思うが。
その後緑谷君が委員長、八百万さんが副委員長になった。
昼休み、食堂。今日は耳郎さんが他の女子と食べるらしいので1人だ。1人の食事というのも中学校以来か…
…悲しくなってきたな。
しかし、相も変わらず人が多い。こんな人数だと碌な移動もままならないし、速めに来ることが出来て良かった
ウゥーーー!
突如、場違いな警報が鳴り響く。火事か?少なくとも食堂が火元ではなさそうだが…
『セキュリティ3が突破されました。』
『生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい。』
なんだ3って。
「校舎内に誰か侵入したって事だ!3年間でこんなの初めてだ!お前もさっさと逃げるぞ!」
近くに居た普通科の3年生が教えてくれた。優しい。
だが侵入とは穏やかではない。しかもここは雄英高校、日本でもトップクラスのセキュリティを誇る場所だ。
いったい誰が…
「皆さん…大丈ー夫!!ただのマスコミです!何もパニックになる事はありません!大丈ー夫!ここは雄英!
最高峰に相応しい行動をとりましょう!!」
何処からか飯田君の声が。その声が効いたのか食堂の皆も少しずつ落ち着いてきたようだ。
しかしマスコミか…報道の自由とは言うが、流石にここまでするだろうか?
その後、緑谷君が飯田君の昼の行動を見て委員長の座を譲った。…八百万さんが浮かばれないとは思う。
1日経ってホームルーム、チャイムと同時に相澤先生が話し始める。
「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」
どうやら、最初はオールマイト先生1人で授業をする予定だったが、昨日のマスコミパニックの関係で人数を増やすことにしたらしい。
そして授業内容は救助訓練、コスチュームの装着は自由なのでさっさと来いとの事。すぐさま相澤先生が出て行く。
救助訓練…これで2回目の訓練か。しかも今回は前回と違って個性の使い所が殆ど無い。火災現場でも模してくれたら多少は役立てるが…取り敢えずは準備だ。
バスの中。多少の雑談なら相澤先生も見逃してくれるようで、皆の話題は専ら個性に関する事だ。
まず蛙吹さんが緑谷君に話しかける。
「私、思った事をなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん」
「あ!?はい!?蛙吹さん!!」
「梅雨ちゃんと読んで。貴方の個性、オールマイトに
似てる。」
「そそそそそそうかな!?いや、でも、僕は、その、えー」
…明らかに挙動不審が過ぎる。女子と話したことが無いのだろうか?
だが蛙吹さんの言うことも一理ある。
実際、緑谷君の最大火力はクラスでもトップクラスで、彼が個性を使う度にSMASHの掛け声を言うので、尚更そう見えるのかもしれない。
「しかし増強型のシンプルな個性は良いな!派手で出来る事が多い!俺の『硬化』は対人じゃ強ェけど、如何せん地味なんだよな!」
「僕は凄い格好良いと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ。」
「プロなー…しかしやっぱプロも人気商売みたいとこあるぜ?それに、派手で強いって言ったらやっぱ爆豪と轟だろ。」
続いて切島君と緑谷君。地味…確かに地味だが、彼本人が強くて好青年なので、総合的に見たら十分目立つ方だとは思うが…
「けど爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ。」
「んだとコラ出すわ!」
蛙吹さん、心臓が強すぎないか?
バスに揺られて少し、降りたのはあらゆる災害、事故現場を再現した巨大ドームだった。誰かがUSJみたいと言ったが、確かにそんな雰囲気もある。
すると宇宙服のようなコスチュームを着たプロヒーロー
…13号先生が現れこの施設を説明してくれる。
「水難事故、土砂災害、火災etc…あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も…
おお…大丈夫だろうか…色々と。
しかし、その後の個性使用に関する心得は尤もなものだった。
人を傷つけるかもしれない個性を人助けに使う…
確かに大切な事だ。
「そんじゃまずは…」
…おや?
「相澤先生、アレ…なんですか?」
施設の中心部に広がるは黒い靄。中から顔に手を付けた人が現れる。ヴィランが居る設定なのだろうか。
「…っ!?」
「えっなんで驚いているんですか?」
「一塊になって動くな!!」
相澤先生の声があれ程荒らいでいる…まさか…
「13号!生徒を守れ!!」
どうやら本当に…
「動くな!アレはヴィランだ!!!」
「何処だよ…せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ…」
「オールマイト…平和の象徴…居ないなんてさ…」
「子供を殺せば来るのかな?」
悪意がそこにあった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。