第七話もよろしくお願いします。
「13号!任せたぞ!!」
取り敢えず13号先生の指示で避難を開始する。
「させませんよ」
だが相手も馬鹿じゃない。当然阻止する。
目の前に黒い靄が現れ、人の形を成す。
「はじめまして。我々は
僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは…
平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思っての事でして」
…今、なんと言った?オールマイトに?息絶えて頂きたいと?
…狂言等ではないのだろう。狂言で雄英侵入など、流石に有り得ない。はずだ。
だが相手は言う事はもう無いといわんばかりに黒い靄が蠢く。なんだ?身体を靄状にする個性?
「その前に俺達にやられる事は考えなかったかァ!?」
…悪手だ。そこに割り込めば13号先生の個性が使えない。しかも黒靄には効いていないようだ。
「危ない危ない…そう、生徒と言えど優秀な金の卵…
私の仕事はこれ…
散らして…
嬲り…
殺す!!」
身体が飲み込まれる。
目の前に火災現場が広がる。そして隣には尻尾の生えたクラスメイト…尾白君。
「…ここは?」
「多分だけど…火災現場を模したエリア、って所じゃないかな?USJは元々、災害現場での救助訓練で使う施設だから…」
「成程、流石雄英、模したと言っても実際の現場と変わりない…救助訓練で使っていたら、さぞ貴重な経験を積むことが出来るだろうね…」
「キタキタ…コイツらを殺せば良いんだな?」
「チッ、たった2人かよ…もっと送れよ、シケてんな」
「女とか居ねぇのかよ!」
どこにそんな人数が隠れていたのか、10やそこらじゃ利かない人数が現れる。恐らく…いや、全員ヴィランだろう。
「尾白君…乱闘に自信はあるだろうか?」
「自信があるとか以前に、やるしかないだろう…」
「じゃあ、そっち半分は頼んだ。自分はもう半分を相手取ろう。」
「なんだやる気か?尻尾巻いて逃げりゃ良いのに…
よっ!?」
まず1人。いや、蹴飛ばした先にもう2人…これで3人。
彼は良い弾になってくれた。
「なっ…おい、やるぞ!!」
一度に5人程が向かってくる。これは気合を入れなければいけないな。
…3分で終わった。相手の服を剥ぎ取って脚を縛っていく。
「お、尾白君の方も終わったのか。」
「そっちこそ終わったの…何して?」
「脚を縛ってる。無いよりマシだろう。
…自分はこれから相澤先生の所に向かうが、尾白君はどうする?出来れば来てほしいが…」
「…俺も行くよ。」
「なら背負って行こう。」
「えっ」
「しっかり掴まっていてほしい
…舌を噛まないように!」
尾白君をおんぶして出発。仮にもオールマイトを殺すなど宣うのだから、相澤先生が無事だとは限らない。
尾白君には悪いが、彼なら耐えられるだろう。
出来る限りの速度で飛ぶ。目下の景色が流れ…て…
「…尾白君!相澤先生の回収頼んだ!!」
「なっ…待っ…」
尾白君を草葉の陰に降ろし、現場に向かう。
相澤先生が、黒いデカブツに押さえつけられている。
焦りと怒りで速度が速くなる。身体が軋むが、耐えられはする。
「相澤先生を…放せ!!」
デカブツの右頬に蹴りを入れる。そのまま吹き飛ばして
「脳無!」
…なんだあの速度は。目の前のデカブツ…脳無の巨体からは考えられない程のスピードだ。あの腕一閃で3回は死ねるだろう。それに、ダメージが恐らく無い。
ゴムの塊を蹴ったみたいな感覚だ。
後ろを確認すると相澤先生はいなくなっていた。僥倖。
目の前の相手に集中出来る。
「なんだ、藪から棒に…やれ、脳無!!」
再び脳無が突っ込んでくる。身体を軋ませながら飛び退き、脳無の拳が地面を割る。
…違和感はあるが、後だ。
振り抜かれた腕に回し蹴りを入れる。無反応。腰のポーチからナイフを取り出し、脳無の腕を斬りつける。
…硬いが、斬れはする。
やはり、
「打撃が効かない…?」
「御名答!」
土煙の向こうから顔に手を付けたヴィランが現れる。
恐らく向こうのトップだろうか。
まぁ、聞くだけ聞くか。
「対オールマイトの秘密兵器…だったか?」
「あぁそうだ、少なくともお前の蹴りでは脳無に通用しない。なんたってソイツは打撃が効かない!ソイツは
『ショック吸収』の個性と…腕見てみろ。」
そう言われて向こうに戻った脳無の腕を見てみる。
「傷が塞がっている…?」
腕にあるはずの傷が無い。何故…
「驚いたか!?ソイツは『超再生』の個性も同時に持っている!それでいてパワーはオールマイトと殴り合えるレベルだ!お前は勿論、オールマイト本人でさえコイツには勝てないよ。」
…本当だとしたら不味いな。オールマイト先生は打撃以外の攻撃をしない。もしかしたら手刀で切断位ならやってのけるかもしれないが、それも再生するなら意味が無い。
「成程…オールマイト先生を殺すというのも冗談じゃないようだ…。」
「どうした?絶望でもしたの…
がぁっ!?」
だが方法はある。さっきから脳無はこの手男の命令以外で動かない。なら簡単だ。命令の暇を与えなければ良い。幸い、油断した彼の隙を付いて殴るなど自分の最高速なら出来なくもない。後は殴り続けるだけだ。
「お前…ごっ!脳…がぁっ!」
たまに手男が何故かこちらに触れようとしてくるが、丁重に腕を地面に叩きつける。碌なものでもないだろう。
後はこの手男を殴り続ける
「死柄木!!」
目の前の景色が変わる。何が起きた?いや、あの黒い靄の
「やれ!脳無!!」
目の前が霞んで赤く染まる。
何が起きた?
不知火君は時折油断を見せます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。