…知らない天井を見ることがあるとは思わなかった。身体中に付けられた点滴や枕元の機械を見るにここは病院だろうか?
…段々思い出してきたな…オールマイト先生が来た後、いきなり気絶したんだったか。
というより今何月何日だろうか。窓の外を見るに夜ではあるようだが…
「おう、目覚めたか。待ってろ、今看護師達を呼んでくる。」
おや、相澤先生…なのか?全身包帯巻のせいで声以外で判別出来ないが…
その後は色々な検査を受けた。
どうやら右腕は一時切り落とす案が出た位には酷かったらしい。良かった、寝て起きたら右腕が無いとかいう最悪のオチが待っていなくて。リカバリーガールの全力治癒が無ければ危なかったとも。いつか菓子折でも持っていった方が良いのかもしれない。
そして額の傷、これは腕の治療に全体力を使ったせいで
治し切ることが出来ずに、傷跡が残るらしい。
まぁ腕が残っている時点で奇跡だ、その位ならいくらでも受け入れよう。
以上の事を襲撃直後からほぼ1日で終わらせてくれたのは有難い。出来る限り速く復帰したいし、親やクラスメイトには無事な所を見せたい。
が、
「あ、相澤先生、取り敢えず顔を挙げてください。」
まずはこの人をどうにかしなければならない。
「不知火、入るぞ。」
そう言われて駄目ですと言える人は少ないだろう。
そして部屋に入ってきたのは相澤先生。
体調確認も程々に、いきなり頭を下げられた。
「まずは今回の件、お前を巻き込んで済まなかった。」
「…はぁ…」
「もしあの時お前を全力で止めていたら、お前をこんな目に遭わせることも…いや、たらればは無しだ。」
…何が言いたいのだろう。
「…お前は手短に要件だけ話されるのと、細部までしっかり話されるの、どっちが良い。」
「…じゃあ手短な方でお願いします。」
…もしかしてあれだろうか、独断専行で突っ込んだことで何か罰でも与えられるのだろうか。
「分かった、じゃあ端的に言おう。
…お前、このままヒーロー科に居たいか?」
「…は?」
は?何を急に言い出したんだこの人は。
「お前は一度ヴィランの手で死にかけた。そんな事になれば、普通はトラウマになるだろう。場合によってはヒーロー科の授業を受けれなくなるかもしれない。」
「だから、普通科や経営科、サポート科に移すべきだという意見が会議で出た。勿論それ自体は真っ当な意見だ。そうなれば当然雄英側も全力でサポートする。」
「だが決めるのはお前だ、不知火。お前がヒーロー科に居たいと言うならそのまま復帰してもらうし、他の科に移ると言うなら出来る限りの事はする。
さて、もう一度聞こう。お前、このままヒーロー科に居たいか?」
…成程、そういうことか。なら答えは1つだ。
「…居たい、ですね。」
「理由を聞いても良いか?」
「…あの時脳無…オールマイト先生に吹き飛ばされたヴィランと対峙した時、思ったんですよ。
コイツを通したら誰か死ぬな、と。」
「そして自分には、幸運にもアイツを止めることの出来る力があった。」
「…だから、戦った。」
「そしてまた同じような事が起きた時、今度はちゃんと止めれるようになっていたいんですよ。」
「だから、ヒーロー科に残ります。」
「…分かった。ヒーロー科残留については、俺から言っておく。明日から普通に授業だ、遅れるなよ。」
「…ありがとうございます。」
…残れて良かった。独断専行で突っ込んで死にかけるなんて、相澤先生なら強制的に普通科移動と言い出してもおかしくないと思っていた
「あぁ後不知火。」
「はいなんでしょう。」
…まだ何かあるのか。
「独断専行で突っ込んで死にかけた事、今回だけは不問にしてやる。次は無傷で帰ってこい、良いな?」
「…はい!」
…次は下がり際を見極めなければならない。
次回から体育祭編です。
…組分けどうしましょう。そしてヒーローネームもどうしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。