何!?ズァークとは「もう1人のボク!」ではないのか!? 作:辛味噌の人
お詫びと訂正
「もう1人のボク(2人目)!?」のあとがきにおいて、スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴンの本作における効果について解説しましたが、変更させていただきます。
スターヴヴェノムの効果は「アニメ効果と同じ」とさせていただきます。
レベル5以上指定はOCG版の方にもあったことに気づきました……。登場させる前に気づいてよかった……。
感想欄でクロノス先生大人気でちょっと笑いました。クロノス先生いいよね……いい……。
「遊矢!柚子!素良!タツヤ!アユ!フトシ!ついにこの日が来た!お前たち全員が舞網チャンピオンシップに出場できるとは!俺はお前たちを誇りに思うぞ!」
いやーついにやって来ましたよこの日が。舞網チャンピオンシップ開幕の日、俺と柚子と素良はジュニアユース選手権に出場する。
「つーか素良、無事に6連勝できたのな」
「当然じゃん!遊矢も酷いよね、一回も応援に来てくれないんだからさー。柚子は僕と特訓するついでに見に来てくれたっていうのに〜」
「色々あったんだよ、色々……」
あとぶっちゃけ素良なら応援無しでも普通に6連勝できると思ってたってのもある。実際勝ってるし。
「ふふん、この大会で遊矢にもリベンジしちゃうからね〜」
「返り討ちにしてやんよ。つーか俺に当たる前に負けんじゃねぇぞ」
「遊矢こそ!」
そんなわけで遊勝塾の塾バスに乗ってスタジアムに出発である。つーかうちの塾こんなんあったんだ……。使ったことない……ないよね?
「ま、いっか。スヤァ……」
「ちょっと遊矢、今寝てて大丈夫なの?」
「むにゃ……むしろスタジアム着いてから眠くなるよりマシ……グゥ」
遅くまでデッキ調整してたせいでちょっと眠zzz……。
「ふぁ……眠……」
「ほら言わんこっちゃない」
「大丈夫大丈夫、開会式までにはしゃんとするから……」
「ダーリーン!!」
「うおわぁ!?ミエル!?」
いきなり抱きつかれて完全に目が覚めた。そしてまたしても柚子とアユから突き刺さる視線が痛い!やめてくれ大会前だぞ!前みたいなことになったら困るどころの話じゃない!
「誰が……ダーリンですって……?」
「遊矢お兄ちゃん!とっとと離れて!」
「離れる必要なんてないわ!だってダーリンは私の運命の人!」
「ステイステイ!3人とも落ち着け!そしてミエルは離れろ!大会前だって言ってんだろ!」
ひーん……助けて……。
「はっはっは!また何やら騒いでいるな遊矢!」
「あっ権現坂!お前も出場できたのか!」
良かった権現坂が来てくれた……。助かったぜ……。
「うむ、結構ギリギリになってしまいはしたが無事勝率6割達成だ。この大会で、必ずやお前に勝って見せるぞ遊矢!」
「楽しみにしてるぜ権現坂」
視線を感じて振り返ると、どっかで見覚えがある大男がこちらに視線を向けていた。しかし俺と目が合うとスっと目線を逸らした。誰だったっけなあいつ……。まあいいか。
「そろそろ選手入場ですって、遊矢行きましょ?『私たち遊勝塾』の列はこっちよ」
「あーっ!ズルい〜!ミエルもダーリンと並びたいのに〜!」
「あはは……」
ど、どげんかせんといかんのじゃないかコイツら……。じゃないと俺の身が持たん……。
まあそれはそれとして柚子にガッチリ手を握られているので役得とさせていただこう。入場する時に恋人繋ぎにしてみたりするかね。
「皆様!大変長らくお待たせいたしました!年一度のデュエリスト達の祭典!舞網チャンピオンシップの開幕です!開会式の進行は私、ニコ・スマイリーが務めさせていただきます!」
「お、スマイリーだ」
あいつストロング石島居なくなった後もさりげなくいいポジションについてるよな。まああいつの司会進行能力は普通に高いから正当に評価されてるだけか。
「それでは選手入場でございます!」
『さぁ!入場行進が始まりました!先頭は、昨年全クラス優勝という偉業を成し遂げたLDS、レオデュエルスクールです!』
お、LDSだ。大手だけあってさすがに人数が多いな……。北斗に真澄に刃もいる……ってあれ?
「黒咲……?」
LDSのメンバーの中にしれっとした顔をして混ざっている黒咲を発見した。何故黒咲がここに?逃げたのか?自力で脱出を?
いやまあ多分零児と何かしらの取引をした結果なんだろうけど、取引した結果がチャンピオンシップ出場って一体どういうことだってばよ……?
「どうしたの遊矢?知り合い?」
「ああいや、まあちょっとね。柚子には関係ないことだし気にしなくていいよ」
柚子に尋ねられたので適当に誤魔化しておく。説明するのも大変だしな……。あとこの案件に柚子を積極的に巻き込みたくないのもある。いずれ巻き込まれてしまうことはあるかもしれんが、それはできるだけ先の方がいい。
それはそれとして後でちょっと真澄あたりに探りを入れてみるか……。
「遊矢……」
「お、そろそろ俺らの番だぜ。行こう柚子」
「う、うん……ってゆ、遊矢!?そ、その手、手……!」
ああ〜真っ赤になってる柚子が可愛いんじゃあ〜。癒されるぜ……。
「む〜……」
「遊矢兄ちゃん、痺れるくらい罪な男だぜ……」
はっはっは、聞こえん聞こえん。
『続いては話題のペンデュラム召喚を生み出した、榊遊矢くんが所属している遊勝塾の入場です!』
司会のお姉さんが思いっきり名前を出してくれちゃったせいでめちゃくちゃ視線が集まっているのを感じる。つーか人多いな……。この規模のスタジアムが満席なのを見るとさすがに圧巻である。
「お、零児がいる」
本部席の方に零児がいるのが見えたので、軽く手を振る。零児は少し驚いたような表情をした後、穏やかな顔で手を振り返してきた。
……大丈夫か?お前めちゃくちゃファン多いんだからそんなことしたら……。
あっ案の定スタジアムがざわつきだしたぞ。俺しーらないっと。
「あ、あの遊矢?そ、そろそろ手を……」
「嫌だった?」
「い、嫌じゃないけど!は、恥ずかしいし……」
柚子ゥ……お前ほんと可愛いなぁ……。まあそろそろ可哀想なので手を離してやる。ちょっと抵抗してきたのは武士の情けで見なかったことにしてあげよう。
その後全員が入場し、市長の演説が始まった。正直長くなるだろうな、と覚悟していたのだが、一言二言話しただけで終わった。俺あの市長好き。
「続きまして選手宣誓を行います!選手代表は……遊勝塾、榊遊矢くん!」
「Why!?」
「遊矢が!?」
えっ俺???なんも聞いてないんだけど???ちょっとニコ・スマイリーさん???
「榊遊矢くん壇上へどうぞ!」
急かされたので仕方なく壇上に上がる。
「スマイリー、アンタなぁ……」
「まあまあ、遊矢くん。プロデュエリストになるのなら、この程度の無茶ぶりは軽くこなして貰わなければ」
うーん仕方ない、やってやるか。普通にテンプレな選手宣誓をしてもいいが、スマイリーが期待しているのはそういうのでは無いだろう。かと言って俺に面白いことを言えるようなアドリブ力はない。
……よし、じゃあアレでいこう。丸パクリになるが仕方がない。海馬社長、俺に力を貸してくれ……!
「会場の、いや世界中のデュエリスト達よ!諸君らに問う!闘いとは何かを!!人間はこの世界に生を受けた瞬間、己の肉体という器に魂を宿す!言わば肉体とは魂の牢獄!死ぬまで出る事の許されない牢獄なのだ!!」
声を張り上げ、できる限り威厳を出しながら丸パクリ演説をぶち上げる。うわ、柚子達がすんごい目でこっちを見てくる。俺もやってて恥ずかしくなってきた……。まあ今更やめられんけどな!
「やがて肉体は、己の魂を守るために武器を持つ!己の敵は肉親か!己の敵は他の者か!己の敵は他の国か!!我々は守る者のために闘う!我々は思想の異なる者と戦う!!愚かな戦争という殺し合いによって闘いの歴史は繰り返されてきた!だが、皮肉にも勝者でさえ牢獄から出ることは出来ない……!」
さてここからはアレンジが必要だ。これ結局のところ新製品PRの演説だからな。逆に自社製品のPRのためにこんなキレキレの演説をする社長はマジですごいと思います。
「だが!我々にはデュエルがある!デュエルという舞台において、魂は牢獄から解放される!国境、人種、思想、言語!あらゆる異なるものを超え、我々はデュエルによって対話を果たすのだ!」
うわ、本部席の零児が凄い目でこっちを見てる。これもパクリだから恥ずかちぃぜ。結局言ってることって「戦争なんてくだらねぇ!デュエルしようぜ!」ってだけだしな。
そして着地点があやふやになってきたので別の語録を継ぎ足ししていく。
「そう!デュエルこそが新たなる闘争!武器は諸君らのデッキだ!ならば!右手のカードにプライドを!左手のディスクに魂を宿せ!我らはこれより、己のプライドと魂をぶつけ合うのだ!……選手宣誓、遊勝塾、榊遊矢」
……なんとか盛り上げられたみたいだな。正直言ってる最中、滑ったらどうしようとめちゃくちゃビビり散らかしてたからな……よかった盛り上がって……。
うお、本部席の零児がめちゃくちゃ拍手してる。やっぱ同じ社長だしなんか感じ入るところあったのかな。
「ゆ、遊矢くん!素晴らしい宣誓でした!」
「褒められても困るよ。ほとんど受け売りだよ受け売り」
受け売りどころか丸パクリだし。
「そ、そうなのですか?」
「そうそう。受け売りじゃないのを言って欲しかったならもっと事前に打ち合わせしといてくれ」
そう言って俺は柚子達の所に戻った。うわ、みんな凄い顔してこっち見てる。
「遊矢兄ちゃん、めちゃくちゃ痺れたぜ……」
「遊矢お兄ちゃんカッコよかった!」
「うんうん!」
「遊矢……!」
「そんな目で見るのはやめてくれ……ほとんど丸パクリの演説だからこれ……」
「へーそうなんだ。いいこと言ってると思ったんだけどな〜」
素良が白けた顔で見てくる。仕方ないじゃないか。文句は急に選手宣誓やれとか言ってきたニコ・スマイリーに言ってくれ。
「では早速、第1回戦の組み合わせを発表致します!選手のみなさんは登録カードを各自ディスクにセットしてください!」
入場前に貰ったカードをディスクにセットする。にしても無駄にハイテクだなこれ……。というかディスクに色んな機能ぶち込みすぎだろ。
お、出た出た。対戦相手は……って沢渡かよ。まあ沢渡ならなんとでもなるか……。
「私の相手は……真澄!」
うーわこれまた因縁のある組み合わせに……。柚子には無事リベンジを果たしてもらいたいが、難しいかもしれんね……。
ちなみにフトシとアユ、そして柚子の試合は今日あるらしい。全員勝ち抜けるといいんだが。
「ところで素良の対戦相手は?」
「LDSの……黒咲隼」
「……マジか」
黒咲がなんでこの大会に出てるかは知らんが、素良に勝てるか……?というか俺も勝てるのか……?アルティメットファルコンの処理手段がそんな多くないし、ライジングリベリオン出されたらもうなんか限りなく詰みに近いぞ?まだ所持していないことを祈るしかないか……。
「柊柚子、貴方が私の対戦相手のようね」
「真澄!今日は必ず勝ってみせるわ、この間の私とは違うんだから!」
お、柚子と真澄がさっそく言い合ってら。ついでだしちょっと黒咲のこと探ってみるか。
「真澄、少しいいか?」
「あら、なんの用かしら?榊遊矢」
「あの黒咲隼って男、なぜLDSに?零児がねじ込みでもしたのか?」
「……?何言ってるの?彼は元々私達の仲間よ?」
「なんだと……?」
せ、洗脳されている……。えっこれ誰がどうやってやったんだ?黒咲が洗脳してるならマズい……マズくない?零児も洗脳されてるなら割と真面目にヤバい気が……。
逆に零児が洗脳して違和感なくねじ込んだのだとしたら……。なんというか、レオコーポレーションの闇を感じる……。
どちらにせよ、後で零児を問いただす必要があるだろう。
俺は不穏な気持ちになったが、ひとまず気持ちを切り替えてフトシの応援に向かうのだった。
DSODはマジの名作なのでみなさん見ましょう。1番好きなシーンは例の地面ドローです。
それにしても早いところ次元戦争編が書きたい……。
誤字報告等よろしくお願いします。