何!?ズァークとは「もう1人のボク!」ではないのか!? 作:辛味噌の人
burn!は神OP、異論は認める。
でも二次創作的にはこの辺から展開考えるのジワジワと難しくなってくるんですよね……。
「遊矢……おい!遊矢!」
「う、うーん……?」
何者かに声をかけられて目を覚ます。知らない天井だ……。というか天井が無い。どこだここ!?白いモヤみたいなのが空間全体に立ち込めていて……。
「目を覚ましたか遊矢」
「ユート!無事だったのか!」
俺を揺すり起こしていたのは、消滅したと思っていたユートだった。
良かったぁ無事で……いやこんな空間にいる時点で俺どころかユートも無事では無いのでは?
「無事かと言われたら……まあ無事ではないかもな。多分だが、ここはお前の精神空間だ。どうやら俺はお前の心の中に入ってしまったらしい」
「も、もう1人のボク……」
まさか本当に遊戯とアテムみたいな関係になるとは……。そういえばもう1人のもう1人のボクことズァークはどこに行った?
……「もう1人のボク」がゲシュタルト崩壊しそうだ。
「ズァーク?居るか?」
「ズァーク?それは誰だ」
「なんかこう……俺の背後霊的な……」
「なるほど、つまり俺の先輩ということか」
「……妙に落ち着いてないかお前」
こんな場所に閉じ込められて?いるにしてはなんか落ち着きすぎている気がする。もっとこう焦ってもいいのでは……?
つーかズァークも出てこねぇ。なんでぇ……?
「割と居心地がいいというのもあるが……お前の心の中に来てから体感2日ほど経っているからな。嫌でも落ち着く」
「2日ァ!?」
えっヤバいじゃん。ジュニアユース選手権が……いやそれどころでは無いんだった。というかユーゴはあいつどうなったんだ……?
「ああ。それに何やら外からお前を呼ぶ声がする。そろそろ起きた方がいいだろう」
ウワーッ絶対柚子にも心配かけてる!起きなきゃ!起きろ俺!
「起きろ!」
「きゃあっ!?……遊矢?起きたのね遊矢!?」
ま、マジで起きれた……。なんだったんださっきの空間……。夢……?
「あ、ああ柚子……。心配かけてごめ、うおっ!」
柚子に思いっきり抱きつかれ、背中をポコポコと叩かれてしまう。……役得かもしれん。
あ、そうだズァーク、今度こそ居るか?
『なんだ?起き抜けに我を呼び出して』
あ、ちゃんと居た。さっき呼んでも来なかったのはなんだったんだよ……。
『……?呼ばれた覚えは無いが』
ズァークはあの空間には入って来れない?もしくはズァークとユートが一緒に出てきたりはできないのか?
「そうだ柚子、俺が寝てる間何かあったか!?」
「う、うん……。えっと、大会に関してはだけど、フトシが零羅って子に負けて敗退しちゃったわ。アユにも勝った子よ。今度はシンクロを使ってきたの」
あー、フトシは負けちまったか。まああの零羅って子に負けたんなら仕方ないかな。シンプルに地力が違うって感じがするし。
「あ、あとあのミエルってのも負けてたわよ。月影って人にワンターンキルで」
ゆ、柚子さん?何やら私怨が籠ってる感じがするんですが?コワイ……。
「そして、その……素良はまだ見つかってないわ」
……素良かぁ。素良の素性の件について、ひいては次元戦争の件について柚子に話した方がいいのか、黙っておいた方がいいのか……。……さわりだけ話しておくか。複数の次元があって、素良は融合次元に帰ったことくらいは……。あとユートの件も……。
「あー柚子。俺も昨日の夜知ったんだけど……」
そして俺は柚子にある程度の情報を明かした。この世界はスタンダード次元と呼ばれていること。他に融合、シンクロ、エクシーズがあること。素良は融合次元からやってきて、昨日の夜に帰ってしまったこと。そして俺とそっくりなユートや黒咲はエクシーズ次元からやってきたこと。
「だからまあ、素良のことはそんなに気にしなくていい……と思う。すぐには信じられないだろうけど」
「……ううん、信じるわ。遊矢はそういう嘘をついたことないもの」
「……ありがとう、柚子」
本当にいい幼馴染を持ったな俺は……。柚子の髪を撫でてやりながら、俺は次元戦争について思いを馳せる。危険な思いを柚子させる訳にはいかない……。
「でも遊矢?まだ私に隠してることあるでしょ」
「げげっ」
ほ、本当にいい幼馴染を持ったよ俺は……。さ、さてどうするか……。……よくよく考えると、素良や融合次元の危険について話さないのも危険か。また素良がこっちに来ないとは限らないわけだし。
「あー……その、なんだ。融合次元はいわゆる侵略者で……素良は融合次元のスパイだった訳だ。つまり素良は俺達の敵だ」
「そんな……素良が……」
ショックを受けた表情をする柚子。まあ素良は遊勝塾にとても馴染んでたからな……。修造さんやちびっ子3人組には話さない方がいいか。そもそも信用してもらえるかも怪しいし。
「……ま、考え込んでても仕方ないさ。確かそろそろ1回戦最終試合だろ?見に行こうぜ」
黒咲とか零児とかに会えるなら会いたいしな。というか昨日のことあいつらは知ってるのか……?
「だ、大丈夫なの?寝たきりから回復してばっかりなのに」
「おう!そりゃもう元気ピンピンだよ」
いやほんとに元気である。むしろ寝込む前より元気まである。
あ、そうだ。道中ズァークに色々聞いとかないとな。あいつ絶対なんか知ってるだろ……。ユートと合体しちまった件とかな。多分ズァークも俺が知らない間に合体しちゃってたとかそんなんじゃねぇかな……。
何の成果も!得られませんでした!
スタジアムに行く最中に色々問いただしてみたものの、ズァークは知らん分からんの一点張り。正直絶対嘘だろとは思うが、問い詰めてもなんも言わないんだからどうしようもない。
あ、でもやっぱユートと俺には何かしらの繋がりがあったから合体しちゃったらしいです。それだけは教えてくれた。まあなんか今こそ一つにとか言ってたしな。多分素良の居場所分かったのもユートとリンクしてたからなんだろう。
ま、なんにせよ今後ユーゴと出会ったらデュエルはしない方がいいだろう。また合体しちまったら大変だからな。
……というかユートと黒咲って仲間じゃん。黒咲に会ったらなんて説明したら……。ダークリベリオンを筆頭に持ってなかったはずのカードがいつの間にかデッキに入ってたんだよな。素直に喜べねぇよ。
「うおおおーっ!遊矢ーっ!!」
「ご、権現坂!?落ち着けって!」
スタジアムに入るや否や、権現坂に抱きつかれそうになったので慌てて回避する。野郎に抱きつかれる趣味はねぇや。
「落ち着けるものか!この漢権現坂、もう二度と起きないのではないかと心配で心配で……!」
「そうそう、俺も権現坂くんも、他の皆も心配してたんだぞ?」
「修造さん、権現坂……。心配かけて悪かったな」
「目覚めたのねダーリーン!!」
「は?」
「げえっミエル!!」
聞こえた!今柚子の血管がブチ切れる音が聞こえた!MATTE!!助けて!
「相変わらず騒がしいわね、貴方達は」
「ま、真澄か!ちょうどいいところに……」
そんなところに現れたのは真澄、北斗、刃のLDS3人組。確か北斗は1回戦を無事勝ち抜けたんだったか。
「どうしたの榊遊矢。私たちに何か用?」
「まあお前らに用っつーか、なんというか……。黒咲にアポ取れるか?」
洗脳されてるこいつらに色々頼み込むのも気が引けるが、できるだけ早く黒咲か零児に会いたいからな……。これ以上話が拗れる前に……。
「残念だけど無理ね。私たちも滅多に話せないんだから」
駄目か……。こうなれば次の試合で黒咲と当たることをお祈りするしか……。
「ま、せっかく来たなら次の俺の試合見てけよ!俺と勝鬨勇雄との試合だ、見てて後悔はさせねぇぜ」
「……ま、焦っても仕方ないか。そうさせてもらうよ」
次元戦争やらなんやらで焦る気持ちがありはするが、焦って空回りしても仕方ない。ここらでデュエル観戦でもして気持ちを落ち着けよう。
そう考えていたのだが……。
「があっ!ぐあっ!うわあああーっ!!!」
〈刀堂刃 LP0〉
「あの野郎……!!」
勝鬨という男は、あろうことか刃を物理的にボコボコにすることでアクションカードを封じ、そのまま暴力的に押し勝ちやがったのだ。
「クソ!あんなのありかよおい!ジャッジは!」
「悔しいが……アクションデュエルにおいて相手への直接妨害を禁じるルールは無い……!」
嘘だろ権現坂!?クソ、これだからアクションデュエルは嫌いなんだ!オカルトすら抜きの素手でボコってる時点で闇マリク以下だろあれ!デュエルをなんだと思ってんだ!
憤る俺をよそに、最終試合が終了したため、次の試合の組み合わせが発表される……。これは!
「遊矢の次の試合、どうなったの?……って、勝鬨勇雄!?」
「ゆ、遊矢お兄ちゃん、大丈夫なの……?」
「……ああ、問題ないよ。安心しろって」
好都合だ。黒咲と当たらなかったのは残念だが、勝鬨が俺と当たってくれるなら合法的に大会から叩き出せる。目には目を、歯には歯を、リアルファイトにはリアルファイトを、だ。テメェの悪因悪果を呪いやがれ、勝鬨勇雄……!
そんな決意を固めた次の日。第1試合は権現坂の試合だったのだが……。これまた癖の強い対戦相手だった。相手に目隠しするのもアリなのか……。というか物理的に隠れるのもアリなのか……。なんだったんだアレ。しかも普通に負けたし。
ま、まあ権現坂が勝ったから良しとしよう。うん。
そして次の試合は俺と勝鬨の試合である。普通に入場した俺に対し、盛大に銅鑼を鳴らされながら入場してくる勝鬨。喧しいんだよ、試合妨害だってゴネてやろうか。
『それでは!両者揃ったところでアクションフィールドオン!フィールド魔法、仙界竹林発動!』
「昨日は気分の悪いもん見せてくれたじゃねぇか、えぇ?」
「……戦いの殿堂に集いしデュエリストが」
「チッ、ノリまで悪いのかよ。モンスターと共に以下略!」
「「デュエル!!」」
……あんまいい手札じゃねえな。まあいいか。
「俺のターン!俺はフィールド魔法、天空の虹彩を発動!Pゾーンに虹彩の魔術師をセットし、天空の虹彩の効果!虹彩の魔術師を破壊し、オッドアイズペンデュラムドラゴンを手札に!そして破壊された虹彩の魔術師の効果!俺は時空のペンデュラムグラフを手札に加える!」
『遊矢選手、素晴らしいコンボです!一気にカードを2枚もサーチしました!』
ふふ、やたらとカードを割りまくって展開するのがペンデュラムの真髄だからな。EXデッキと手札を反復横跳びしたりするから展開覚えるのが大変だったんだよなぁ……。
おっと、そんなこと考えてる場合じゃなかった。
「俺はスケール2のEMペンデュラムマジシャンと、スケール8のEMオッドアイズバレットをPスケールにセッティング!ペンデュラム召喚!現れろ、我がしもべのモンスター達!手札から調弦の魔術師!そしてオッドアイズペンデュラムドラゴン!EXデッキから虹彩の魔術師!さらに調弦の魔術師の効果発動!デッキから降竜の魔術師を守備表示で特殊召喚!」
〈虹彩の魔術師 Lv4 ATK1500〉
〈調弦の魔術師 Lv4 ATK0〉
〈オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン Lv7 ATK2500〉
〈降竜の魔術師 Lv7 DEF1000〉
『遊矢選手、早速のペンデュラム召喚!大量のモンスターを展開だーっ!』
「クッ、やるな……だがこの程度なら……!」
「黙って見てろ。俺はオッドアイズと降竜の魔術師でオーバーレイ!現れろ!ランク7!ダークアンセリオンドラゴン!さらに虹彩と調弦でオーバーレイ!ランク4!星刻の魔術師!」
〈ダーク・アンセリオン・ドラゴン ランク7 ATK3000〉
〈星刻の魔術師 ランク4 ATK2400〉
「星刻の魔術師の効果発動。オーバーレイユニットをひとつ取り除き、俺はデッキから2枚目の調弦の魔術師を手札に加える。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
さて、アクションカードアクションカードっと……。
「こちらのターン、ドロー。そしてアクションカードは取らせん!」
ドローしながらこちらに全力ダッシュして殴りかかってくる勝鬨。なるほど足は速い、鍛えてはいるらしいな。でもな。
「……そう来ると思ってたよ」
「何!?ぐあっ!!」
テメェなんざズァークに頼るまでもねぇや。思いっきり腹にヤクザキックを叩き込んで吹っ飛ばしてやる。ついでにアクションカードもゲット。
……思ったより吹っ飛んだな。俺ここまで筋力強かったか……?
『あーっと遊矢選手!勝鬨選手の妨害を返り討ち!見事アクションカードを手に入れました!』
「クッ……!ならば自分は手札から地翔星ハヤテを特殊召喚!さらに自身の効果で天昇星テンマをリリース無しで召喚!」
〈地翔星ハヤテ Lv5 ATK2100〉
〈天昇星テンマ Lv5 ATK2100〉
「時空のペンデュラムグラフの効果発動。星刻の魔術師とテンマを破壊する」
「ならば!自分はマジックカード融合を発動!手札のハヤテとテンマで融合!天翔ける星、地を跳び、今一つとなって悠久の覇者となって星と輝け!融合召喚!来い、覇勝星イダテン!」
〈覇勝星イダテン Lv10 ATK3000〉
「そして自分は装備魔法、魔星剣をイダテンに装備!このターンに手札に加えたマジックカードを墓地に送る度に攻撃力が100アップする!アクションカードを……!」
「そら、お返しだ」
「何?ガハッ……!」
アクションカードを取りに行こうとしやがったので、飛び蹴りで妨害しておく。普段ならこんなことしねぇんだけどな。今回に限っては容赦しねぇよ。
「クソ……!ならばバトルだ!」
「ダークアンセリオンの効果発動。イダテンの攻撃力を半分にし、その攻撃力分アンセリオンの攻撃力を上昇させる」
「無駄な足掻きを!イダテンの効果を教えてやろう。イダテンは自分の以下のレベルを持つモンスターと戦闘する時、相手の攻撃力を0にできる!ダークアンセリオンのレベルは……!」
「無い。エクシーズモンスターはレベルを持たない。自爆するだけだ、攻撃はおすすめしないぞ」
「何!?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」
ないんだよねこれが。良かった良かった。自爆だなんてそんなつまらない幕切れになったら困るからな。
「くっ、ターンエンド……」
「俺のターン、ドロー。っ、このカードは……」
なるほど、あいつを完膚なきまでに叩きのめせと。そういう事か……!
「俺はセッティング済みのPスケールで、ペンデュラム召喚!手札から現れろ、調弦の魔術師!さらに効果でデッキから慧眼の魔術師を特殊召喚!そして2体のモンスターでオーバーレイ!」
「『漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今降臨せよ!ランク4!ダークリベリオンエクシーズドラゴン!!さらに俺は墓地の星刻の魔術師を除外し、ダークリベリオンを対象に、RUMファントムフォースを発動!』」
託されて早々、こんな試合に使っちまって悪いなユート。だが俺の怒りをぶつけさせてくれ……!!
「『ランクアップ、エクシーズチェンジ!煉獄の底より、いまだ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌!永久に響かせ現れよ!ランク5!ダークレクイエムエクシーズドラゴン!!』」
〈ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン ランク5 ATK3000〉
「『ダークレクイエムの効果発動!オーバーレイユニットをひとつ取り除き、イダテンの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力を自身に加算する!』」
〈覇勝星イダテン ATK3000→0〉
〈ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン ATK3000→6000〉
「攻撃力、6000……!」
「『バトルだ!ダークレクイエムで、イダテンを攻撃!鎮魂のディザスター・ディスオベイ!!』」
「うわあああーっ!!」
〈勝鬨勇雄 LP0〉
〈WINNER 榊遊矢〉
『決まったーっ!まさに圧倒的なデュエルで、遊矢選手がまたしてもワンショットキルを決めました!』
ふぅ……。あんま気分のいいデュエルじゃなかったな。さっさと帰って柚子に癒してもらおう。
俺は倒れ伏した勝鬨を放置して、とっとと退場するのだった。
ズァーク「……こういう相手は我がガッツリ表に出る番だと思ってスタンバってたのだが」
ちなみにダークレクイエムの効果はOCG仕様です。
誤字報告等よろしくお願いします。